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ピンチランナー

  • posted at:2007-03-18
  • written by:砂月(すなつき)
ぴんちらんなー
「ピンチランナー」製作委員会(アップフロントエージェンジー=東映=テレビ東京=テレビ東京ミュージック=電通=吉本興業)
配給:東映
製作年:2000年
公開日:2000年5月20日
監督:那須博之
プロデューサー:佐藤尚 冨永理生子 福田一平
原案:萩原史子
脚本:斎藤葉子 益川知実
脚本協力:山田政史 桂樹茉莉 プラネット・ラボ
企画:山﨑直樹 岡田裕介 宮川鑛一
撮影:藤石修
音楽プロデューサー:津島玄一 宮地修平
音楽:前嶋康明
音楽製作:東映音楽出版 ローファーズハウス
主題歌:「ナチュラル~抱きしめてこのままで~」STARDUST REVUE with 翔子
美術:和田洋
編集:只野信也
照明:渡辺三雄
録音:柴山申広
キャスティング:福岡靖裕
装飾:大庭信正
スクリプター:樽角みほり
助監督:上山勝彦
進行主任:小林智裕
製作担当:菊池淳夫
出演:安倍なつみ 後藤真希 市井紗耶香 矢口真里 保田圭
アメリカンビスタ カラー 107分

朝比奈学園の片隅には古ぼけた小さな体育倉庫があり、そこは陸上部の部室として利用されていた。陸上部員は峰岸あゆみただ一人。学業で常に学年トップの成績のあゆみは毎日欠かさずに走り続けた。そんな彼女を憧れのまなざしで見つめていたのは1年の長谷川さなえだった。いつもはやんちゃなさなえも、あゆみには声が掛けられなかった。その日の夕方、黒い雲が空一面を覆い、突然の雨と同時に雷鳴が轟いた。落雷は体育倉庫を直撃し、部室は瞬く間に炎に包まれた。生徒たちは目の前の出来事に立ち尽くしていたが、騒ぎを聞いて駆けつけた同じ街の男子校に通う後藤俊也が倉庫へ飛び込みあゆみを助け出した。薄れ行く彼女の脳裏には俊也の首に掛かったハワイアン・ジュエリーが焼き付いた。あの落雷事故をきっかけにしてあゆみの周りには仲間が集まり始めていた。バスケットボール部の補欠部員・林原真穂、気まぐれなさなえ、大病院の院長の娘である松本道子、そして俊也の幼なじみであゆみに恋のライバル心を燃やす知子が陸上部への入部を希望した。

自意識過剰なバスケットボール部のエース・仙道麗子は、入部以来初めて公式のメンバーから外された。それは彼女にとって屈辱的な出来事であったことから剃刀で手首を切って自殺を図った。第一発見者のさなえはメールを通じて部員を保健室に呼び出した。命を大切にしない麗子に腹を立てた道子は、自分が置かれている状況を話した。彼女は治療法の無い心臓病を抱えながら、誰にも悟られないように生活していたのだ。そのことを初めて知ったあゆみたちは、悩みがあれば何でも相談して欲しいと言った。道子は麗子を病院へ連れて行こうとしたのだが、彼女は何故か拒み続けた。様子がおかしいので問い詰めたところ、常に注目されたいという麗子の狂言だったことがわかったのだ。真穂たちは怒りを通り越してあきれ果てた。この騒動は麗子が自分自身を見つめ直すきっかけとなった。練習をしなくてもレギュラーになれることが当然だと思っていた麗子は、あえて陸上の道を選んだ。努力するために。


屋台的映画館
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あきれた娘たち

  • posted at:2007-03-14
  • written by:砂月(すなつき)
あきれたむすめたち
新東宝
配給:新東宝
製作年:1949年
公開日:1949年10月10日
監督:斎藤寅次郎
製作:伊藤基彦
原作:阿木翁助
脚本:八住利雄
撮影:友成達雄
音楽:上原げんと
作詞:サトウハチロー
美術:加藤雅俊
録音:沼田春雄
照明:秋山清幸
編集:後藤敏男
助監督:毛利正樹
製作主任:鈴木義久
出演:柳家金語楼 花菱アチャコ 月丘千秋 久我美子 千石規子
スタンダード モノクロ 83分

不二銀行の雑務係をしている泉山金太郎は、戦時中の国策である「生めよ増やせよ」が祟って今では12人の子持ちになっていた。子供たちの食欲は旺盛で、貧乏所帯はさらに生活が困窮して行った。家庭内では兄弟ゲンカが日常茶飯事であることから金太郎は頭を痛めていた。

金太郎は銀行から仕事ぶりを評価され、本店への現金運搬を任されていた。夕方はいつもリュックを背負って運ぶのだが、その日は数人の暴漢に待ち伏せされた。金太郎はいきなり男たちに取り囲まれると腹を一発殴られ、リュックを奪われてしまった。次男・二郎が父親に会いに銀行の通用口へ行くと、そこには知らない係員が立っていた。二郎はその男と話すうちに金太郎が勤めを辞めたことを知った。安月給で頭でも割られちゃ敵わないと急に嫌気が差したのだ。退職金を貰った金太郎は、妻・おみよと儲かる商売の相談をしていた。すると日頃顔を出さない子供たちが噂を聞きつけて二人の周りに集まり出した。離婚して三人の子供を養う長女・初江は、文房具屋を始めるのにいい物権が見つかったから資本金を出して欲しいと言い出した。二郎は宿直の晩に学校のガラスを割られ、責任を負うためにお金が必要だと言った。タクシー会社に勤める三女・留子は、自動車事故を起こし弁償のためのお金がいると言った。

子供たちに退職金をあらかた持って行かれた金太郎は、なけなしの資金でアイスキャンデー屋を始めた。公園でアイスキャンデーを売り歩く金太郎は、少年たちと草野球に興じる見知った男を発見した。それは長男・一郎だった。一郎が勤めていた会社はひと月前に閉鎖されたが、妻には黙って職探しをしていた。毎日仕事へ行くふりをして出かけていたのだ。金太郎には扶養家族が6人いる一郎の気持ちが痛いほどわかった。

屋台的映画館

五人の突撃隊

  • posted at:2007-03-07
  • written by:砂月(すなつき)
ごにんのとつげきたい
大映
配給:大映
製作年:1961年
公開日:1961年4月26日 併映「旅はお色気」
監督:井上梅次
製作:永田雅一
企画:原田光夫
脚本:舟橋和郎 星川清司
音楽:鏑木創
撮影:中川芳久
録音:飛田喜美雄
照明:渡辺長治
美術:高橋康一
特殊撮影:築地米三郎
助監督:石田潔 大石要
編集:鈴木東陽
製作主任:川本武男
出演:本郷功次郎 藤巻潤 川崎敬三 大辻伺郎 川口浩
シネマスコープ モノクロ 119分

昭和十九年五月、ビルマ最前線の日本軍はインパール攻撃を目前に控えていたが、すでに弾薬はなく食糧も尽きていた。山芋と草で空腹を誤魔化す毎日に兵たちは苛立ちを見せ始めていた。連合軍が着々と補給を進める中、大隊には四月から一発の弾薬や一粒の米すら送られてくることはなく、ひとたび攻撃を受ければ全滅することは目に見えていた。野上大隊長の代理として派遣された稲垣中尉は曽根少将に現状を説明した。戦場には雨季も迫っていたため一刻の猶予も許されなかったのだ。だが曽根は、補給は不能の状態にあるから帰って命令を待てと言うだけだった。聞いてくれなければ方面軍司令官に進言するという稲垣に、曽根は「わかっている。皆私の部下だ」と言った。

大田黒大将はインパール作戦でインドを独立させるとともに、連合国-中国間の補給路である援蒋ルートを遮断して中国軍を弱体化させようと考えていた。作戦会議で誰も口を開こうとしない中、曽根は補給がない状態で戦闘を続ければ無駄に戦力を失い兼ねないため、退いて雨季が明けるのを待ち物資を補給してからの方が得策だと主張した。それを聞いた大田黒は、物資が足らないというのなら敵から奪えばいいではないかと怒鳴りつけた。足らないのは敢闘精神だと言われ熱くなった曽根は、閣下はまるで現状をわかっていないと言い返した。すると大田黒は高笑いし、この俺にズケズケものを言うお前が気に入ったと言った。大田黒に命じられた曽根は、野上大隊に作戦指導員として派遣されることになった。彼の任務は「雨季を前に全面の敵を全滅し、側面からインパール攻略を援護すべし」というものだったが、大隊が欲しかったのは人ではなく物資だった。曽根は士官学校を出たばかりの野上少尉を副官に任命し大隊に赴任した。野上は父親のことが心底嫌いだった。家庭では兄・俊夫に甘く、軍隊に入ってからは進撃をためらっているという噂を聞いていたため軽蔑していた。

塹壕を視察した曽根は、大隊長から現在置かれている状況の説明を受けた。野上大隊の正面には隘路があり、左には第三中隊、右に分遣小隊が展開していた。隘路の両側にはジャングルがあったが、食料を調達出来ないように地雷が仕掛けられていた。戦車が来るとなれば中央しかなかったが、対戦車壕がどれだけ通用するかわからなかった。視察を終えた曽根に大隊長は大隊が任務を果たしたことを訴えた。二週間の戦闘で兵の三分の二を失い、これ以上の損害が出ることに反対だった大隊長は撤退の命令を出して欲しいと頭を下げた。すると曽根は私に任せて欲しい言った。

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若親分喧嘩状

  • posted at:2007-03-03
  • written by:砂月(すなつき)
わかおやぶんけんかじょう
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1966年
公開日:1966年1月1日 併映「新・兵隊やくざ」
監督:池広一夫
企画:斎藤米次郎
脚本:高岩肇
撮影:森田富士郎
音楽:斎藤一郎
録音:海原幸夫
照明:美間博
美術:加藤茂
編集:谷口登司夫
擬斗:宮内昌平
助監督:国原俊明
製作主任:村井昭彦
現像:東京現像所
出演:市川雷蔵 高田美和 江波杏子 小山明子 滝田裕介
シネマスコープ カラー 83分

大正初期、上海。深夜の街に現れた男は一軒の家に忍び込むと見張りを倒して機関銃を奪った。そして部屋の一味を掃討すると匿われた一人の女性を助け出したのだった。男の名は、海軍上層部の絡んだ汚職事件に終止符を打つために軍服姿で鎮守府へ乗り込み、政界の実力者・堀越伝三郎を斬った南条武だった。その後、彼は大陸に逃亡していたが、帝国陸軍過激派が蒙古独立の美名のもとに正統の王女トクーズ姫を利用していることを知り、東洋の平和を乱されることを恐れた武は単身で奪還した。そしてトクーズ姫を東京に連れ帰った武は、憂国の士・木嶋剛に預けたのだった。 武の男っぷりに惚れ込んだ木嶋は、帰るところのない彼を将来の後継者として迎えようと考えていた。だが遊侠の徒として生きる覚悟を決めていた武はそれを断わり、横浜の高遠組に世話になることにした。高遠組の親分・弥之助は武の亡父・辰五郎の弟分に当り、今は解散した南条組の生き残りである仙之助も世話になっていたからだ。 翌日、弥之助は仲間内の寄り合いで武を披露した。歓談する門前組の忠太郎たちの間に割って入った新興ヤクザの猪之原勘蔵は古いしきたりに反抗し、それを聞いた武は任侠の道を踏み外したヤクザは所詮虫けら以下だと言い放った。勘蔵は東洋物産の株を買占め会社の乗っ取りを画策していたが、彼の背後では外国商社のヴィクトルが糸を引いていた。

竹村海軍少佐を座敷に招いた武は、鎮守府で起こした事件が海軍に衝撃を与え、部内が粛清されたことを知った。だが陸軍の一部の過激派は、満州、蒙古方面に独立に名を借りて火の手を上げようとしていた。欧州の国と結託しているという噂さえあり、東洋の平和が脅かされる今、竹村は日本の行く末を本気で心配していたが、武は俺にはもう関係ないとはぐらかし昔話を肴に飲んだ。 二人が帰ろうとすると、芸者の喜久松が助けを求めて来た。勘蔵は以前から喜久松を贔屓にしていたが、何で儲けたお金かわかりゃしないという言葉に腹を立て暴力を振るったのだった。ばつの悪い勘蔵は、あのときの言葉は忘れてないだろうなと凄んだ。すると武はハマにはハマのやり方があるということだったらよく覚えておりますと軽くあしらった。その粋な姿に喜久松は惚れ込み、再会の約束をした。

路上で女がもがき苦しんで死んだ。港新報社の山本健記者はその事件を翌日の新聞で大きく報じ、ヤクザの悪業を痛烈に批判した。それに怒った猪之原一味は嫌がらせを行ったが、健は妹の早苗とともに不正と闘った。女の死因は阿片中毒だったが、それにはヴィクトルが深く関わっていた。 東洋物産を手に入れたヴィクトルは、川上陸軍中佐に賄賂を渡し阿片を糧秣倉庫の納入品として税関を通過させる約束を交わした。川上が協力した理由は、ヴィクトルが買収に乗り出している朝日海運の貨物船が必要だったからだ。貨物船が手に入れば独立戦争に使用する武器兵力を大陸に送り込むことが可能だった。 木嶋は朝日造船の大木社長との会談に弥之助と武を同席させ、ことの重大さを説いた。ヴィクトルの資金源を利用する陸軍過激派は、トクーズ姫を奪還してクーデターを断行することは間違いなかった。毒を制するには毒を以ってする。木嶋は二人に海運会社の乗っ取りを阻止して欲しいと願い出たのだった。

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若親分出獄

  • posted at:2007-02-27
  • written by:砂月(すなつき)
わかおやぶんしゅつごく
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1965年
公開日:1965年8月14日 併映「続・兵隊やくざ」
監督:池広一夫
企画:奥田久司
脚本:浅井昭三郎 篠原吉之助
撮影:本多省三
音楽:鏑木創
録音:海原幸夫
照明:美間博
美術:西岡善信
編集:谷口登司夫
装置:伊藤万治郎
擬斗:宮内昌平
音響効果:倉嶋暢
助監督:黒田義之
製作主任:吉岡徹
現像:東洋現像所
出演:市川雷蔵 朝丘雪路 坪内ミキ子 山田吾一 戸田皓久
シネマスコープ カラー 87分

大正初期、太田黒伊蔵を斬った罪で福嶋監獄に入れられた南条武は、改悛の情が特に顕著であるという理由で大赦の恩典を受けた。釈放通知は幼馴染みの中津京子宛てに出したと看守部長は言っていたが、六年ぶりに出獄した彼を出迎えるものはいなかった。だが大浜駅の前で待ち構えていたのは中新門組のヤクザたちだった。放免祝いを兼ねてご挨拶の杯を差し上げたいという誘いに、帰ってきたばかりで皆目検討もつかないから、いずれこちらから出向くと武は柔らかく断わった。

九州から流れて来た中新門勇吉は三年前に大浜に根を下ろした。だが堅気の衆を脅かし、南条一家の縄張りにまで手を出すなど中新門組の行動には目に余るものがあった。堪忍袋の緒が切れた直次郎は単身で乗り込んで行き、命を落としたのだ。武の突然の出獄に南条一家は歓びに湧き、明日にでも仇を討つと三吉たちは気勢をあげたが、監獄の中で後悔に苦しんだ武は本来の任侠とはそのようなものではないと皆を諭した。弔い合戦を行わないという言葉を聞いた仙之助たちは反対したが、手伝いとして働く直次郎の妹・お芳が切った張ったはもう嫌だと言ったことで怒りを腹に収めるしかなかった。

料亭・花菱で行われている会合に出向いた武に、勇吉は我々の渡世はもう盆の上で勝負する時代ではないと切り出した。そして大浜地方振興会を設立するから参加してみてはどうかと提案すると、武は人々に利益になるのなら喜んで応じると言った。政界の実力者である堀越伝三郎の庇護を受けた勇吉は横暴の限りを尽くし、占有した土地を縄張りとした。白昼、道路のど真ん中に杭を立て住民を困らせる白土寅太郎の姿を見ていた武は、南条組は今日限り渡世上の付き合いは御免被ると啖呵を切って出て行った。その姿に気付いた京子は後を追おうとしたが、勇吉がそれを止めた。釈放通知は彼が握っていた。

資金繰りに困った京子だったが母親の遺した花菱だけは手放したくなかった。そこで紳士的に振舞う伝三郎に金を借りたのだが、気付いたときにはもう自分の体を投げ出すしか生きる道のないところまで追い込まれていた。再会を果たし京子の話を聞いた武は、お互いこれからどう生きて行くかが大切だと言った。京子と別れた武が夜道を歩いていると、中新門の連中が行く手を遮った。渡世の掟を知っているだろうと言ってドスを抜く鈴木源吉に、俺は俺の信念でやるぞと武は身構えた。

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