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女真珠王の復讐

  • posted at:2007-12-17
  • written by:砂月(すなつき)
おんなしんじゅおうのふくしゅう
新東宝
配給:新東宝
製作年:1956年
公開日:1956年7月5日
監督:志村敏夫
製作:星野和平
原案:青木義久
脚本:相良準 松木功
企画:松崎啓次 小野沢寛
撮影:友成達雄
音楽:松井八郎
美術:朝生治男
照明:秋山清幸
録音:片岡造
編集:金子半三郎
助監督:土屋啓之助
製作主任:山本喜八郎
出演:前田通子 藤村昌子 宇津井健 三ツ矢歌子 藤田進
スタンダード モノクロ 90分

三信貿易の社員・木崎芳男は、翌日出張することになっている浅村健二専務の代わりに箱根へ行くことになった。箱根のホテルでは社長が静養していたが、重要書類に印鑑が必要になったというのだ。その日のうちに帰る様に言われた芳男は、婚約者の香川夏岐と食事する約束をしていたこともあり用事を済ませると急いで帰社した。ところが小使は、専務はもう帰宅したと言った。芳男は不審に思ったが、夏岐との待ち合わせ場所に急いだ。

翌日、浅村と彼の秘書・夏岐が乗るバンコク行きのフェリーを見送った芳男は殺人容疑で逮捕された。昨夜の8時半頃、通用門から侵入した人物が小使を殺害し、取引先へ支払う1500万円を盗み出したというのだ。目撃者はその人物が芳男と同じスーツを着ていたと証言し、彼のスーツのポケットからは金庫の鍵が発見された。さらに取り調べ中に掛かった電話で、社長が何者かに殺害されたことがわかった。午後6時ごろの犯行で、犯人は白のスーツに白黒のコンビの靴だったとボーイが証言した。

浅村と夏岐は船上で事件を知った。浅村の船室にやってきた船長と事務長は、東京からの無電で夏岐を事件の共犯容疑者として船長の権限で拘束せよという命令を受けたと報告した。それを聞いた浅村は、道徳的責任を感じているため内地へ送還するまで私に身柄を預けてくれないかと船長に頼んだ。浅村の管理下に置かれた夏岐は、経理課長から預かった金庫の鍵は確かに浅村に渡したから芳男が持っているはずがないと主張した。浅村は鍵のことは知らないととぼけ、君のことが好きなんだと言い寄った。強引に近づく浅村に狂気を感じた夏岐は部屋の外へ出て行ったが、浅村はどこまでも追いかけてきた。そして追い詰められた夏岐は足を滑らし海中に没してしまった。

屋台的映画館
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女体渦巻島

  • posted at:2007-12-11
  • written by:砂月(すなつき)
にょたいうずまきじま
新東宝
配給:新東宝
製作年:1960年
公開日:1960年2月27日
監督:石井輝男
製作:大蔵貢
原作:岡戸利秋
脚本:岡戸利秋 石井輝男
企画:小野沢寛
撮影:鈴木博
音楽:渡辺宙明
美術:朝生治男
照明:傍士延雄
録音:沼田春雄
助監督:武部弘道
編集:永田紳
製作主任:山本喜八郎
現像:東洋五反田現像所
出演:吉田輝雄 三原葉子 天知茂 万里昌代 城実穂
シネマスコープ カラー 76分

玄界灘の波上に浮かぶ島、東洋のカサブランカ・対馬。かつては大陸侵略の基地であったこの島は、戦後は密輸密航の基地と化し悪徳と汚濁にまみれていた。大神信彦はある男を殺すためにそこへやってきた。

香港を拠点にする麻薬密輸団の日本支部はクラブ・シーサイドを経営していた。そこに乗り込んだ信彦は、力ずくで止める従業員を振り払ってマダムを探した。そして廊下で拳銃を抜こうとする男を制し、ハジキの勝負ならおまえの負けだと言った。信彦は自分の拳銃を懐から取り出すと、照明器具を次々と撃ち砕いた。彼は香港本部に所属する組織一の拳銃の名手だった。支配人の本田は、密命でやってきたという信彦の言葉に気が気ではなかった。マダム・真山百合と再会した信彦は、姿を消した理由を聞き出そうとしたが彼女は決して話そうとはしなかった。三年前、百合は信彦に一日でも早く堅気になって欲しいと言い、彼はその言葉を励みにして生きてきたが、東京の出張から戻ると部屋に百合はいなかった。その後二人が出会うことはなかったが、それがボス・陳雲竜の仕業だということを信彦は後々知った。鉄の掟に縛られた信彦がボスに無断で対馬にやってきたのは、それを破ってまでも百合から真実を聞きたかったからだ。

本田は島の女たちに金を貸し、返済出来なければ店で働かせた。そして彼女たちを麻薬密輸の道具として使い、報酬は1gの麻薬で支払った。中には逃げ出す者もあり、見つけ出すと拷問した。
百合の部屋を訪れた信彦は、貰いたい物があると言って彼女のポーチの中から鍵を見つけると金庫を開けた。そして中に入っていた麻薬三袋を取り出し、陳雲竜が来るまで預かっておくと言った。その麻薬は日韓貿易と翌日行う取引の商品だったが、これがなければ両者間に亀裂が入ることは間違いなかった。そして陳の信頼は失墜し朝鮮への組織拡大も阻止できると信彦は考えていた。部屋を出て行こうとした信彦は、百合が苦しむ姿を見て陳への復讐の炎を一層燃やした。陳は信彦から百合を奪っただけでなく彼女を麻薬漬けにしたのだ。

屋台的映画館

大当り三色娘

  • posted at:2007-12-06
  • written by:砂月(すなつき)
おおあたりさんしょくむすめ
東宝
配給:東宝
製作年:1957年
公開日:1957年7月13日 併映「「元祿忠臣蔵・大石最後の一日」より 琴の爪」
監督:杉江敏男
製作:杉原貞雄
原作:中野実
脚本:井手俊郎
撮影:完倉泰一
音楽:神津善行
美術:村木忍
照明:金子光男
録音:渡会伸
編集:岩下広一
振付:県洋一 花柳啓之
監督助手:秋山正
特殊技術:東宝技術部
現像:東洋現像所
製作担当者:石橋嘉博
出演:美空ひばり 江利チエミ 雪村いづみ 宝田明 山田真二
シネマスコープ カラー 94分

下北原マーケットに買い物に来ていた岡田家の家政婦・小林トミ子は、見ず知らずの女性が自分に向かって手を振っているのかと思った。ところがそれはトミ子の勘違いで、楠ミチオが彼女の後ろにいた根室エリ子に手を振っていたのだ。トミ子の横をすり抜けたミチオは幼なじみのエリ子と再会した。ミチオは板倉家に住み込み、作曲家と歌手の夫妻の世話をしながら好きな音楽の勉強をしていた。一方、エリ子も小島家の娘に日本舞踊を教えながら家事の手伝いをしていた。
用事を済ませて寄り道をしていたトミ子は、不良娘に声を掛けられ彼女の後をついて行った。預けたものを返すように言われたトミ子に心当たりはなかったが、買い物かごの中には見たこともない財布が入っていた。娘は自分のものだと言い張り無理に取り返そうとするが、トミ子はあなたのものだと証明出来ない限り渡さないと突っぱねた。そこへパトロール中の警官が通りかかり、トミ子は助けを求めた。娘は財布を諦めて逃げて行った。その夜、青年が岡田家のトミ子を訪ねてきたため、彼女は昼間の仲間が仕返しに来たのではないかと身構えた。ところがその青年・京須肇は掏られた財布の持ち主だった。肇が経済的に苦しい生活をしている学生だと知ったトミ子はお礼を遠慮したが、彼は封筒を無理に押し付けて帰ってしまった。そんな純真な肇にトミ子は魅かれて行った。

エリ子はミチオに重大な相談があると言った。それは小島家夫人の弟・松井宏が学生時代からミチオのことが好きでたまらないとエリ子に告白したのだ。夫人からの申し出もあり、エリ子は一度会ってみないかと言ったがミチオにはその気がなかった。ところがジェームズ・ディーンにそっくりだという話を聞くと彼女の態度は一変した。見合い話はトントン拍子に進み、次の日曜日に行われることになった。日曜日、お礼のお金でお菓子を買ったトミ子は肇の下宿を訪ねたが、そこは引越しの真最中だった。たくさんの荷物が積まれたリアカーを引いて肇が向かった先は、エリ子が家政婦として働いている小島家だった。小島家の主人は友人である肇の父親からの依頼で肇を書生として受け入れることになったのだ。家の中では宏が憧れの人との見合いに備えてめかし込んでいたが、庭にいた蜂に鼻の頭を刺され、あっという間に腫れ上がってしまった。宏は両親とともに病院へ行ったが、そうとは知らずにやってきたミチオは玄関で掃除をしていた肇を宏と勘違いして一目惚れした。ジェームズ・ディーンより宝田明ってとこねと大はしゃぎをするミチオに本当のことを話せないエリ子は、肇を説得して代わりに見合いをさせることにした。

屋台的映画館
くろいきずあとのぶるーす
日活
配給:日活
製作年:1961年
公開日:1961年12月10日
監督:野村孝
監作:山野良夫
脚本:山崎巌 吉田憲二
企画:児井英生
撮影:岩佐一泉
音楽:大森盛太郎
主題歌:「黒い傷あとのブルース」小林旭
挿入歌:「女の素肌」牧村旬子
THEME MUSIC ”BROKEN PROMISES” MUSIC By John Schachatel
美術:木村威夫
照明:岩木保夫
録音:福島信雅
編集:鈴木晄
助監督:吉田憲二
色彩計測:小栗準之助
現像:東洋現像所
製作主任:武藤良夫
技斗:渡井喜久雄
出演:小林旭 吉永小百合 大坂志郎 稲葉義男 神山繁
シネマスコープ カラー 86分

横浜の盛り場を取り仕切る堤組は、組長・堤の病気と多額の借金が原因で勢力の衰えを見せていた。夏のある日、堤は若頭の渡三郎を相談があると言って呼び出した。堤組の窮状を知った古い仲間の小牧が取引の紹介をしてくれたというのだが、渡はその内容を聞いて驚いた。堤は禁じ手としていた拳銃の密輸に手を出そうとしていたのだ。渡は組の名前に傷が付く様なことには賛成できないと主張したが、新興ヤクザの台頭に怯える堤は組の再建にすぐにでも金が必要だと訴えたのだ。組長の熱意に渡は首を縦に振るしかなかった。堤の名代として神戸に向かった渡は、初めて会った小牧と取引場所の埠頭に出掛けた。暗闇の中で小牧がタバコに火をつけると車のヘッドライトが灯り、それと同時に銃声が鳴り響いた。罠にはまったと気付いた渡は、薄れゆく記憶の中で逃げていく小牧の姿をはっきりと見た。幸い軽症だった渡は、武器密売と殺人傷害の容疑で逮捕された。連日、厳しい取調べが行われたが、彼は組長に罪が及ぶことを恐れて一度も小牧の名前を口にしなかった。渡は自分の手で巧みに仕組まれた罠を解明し小牧に復讐しようと考えていた。それからまもなく組長は死に、組が解散したことを渡は刑務所の中で聞いた。彼は毎日、小牧への復讐のことばかり考えて出所の日を待ち続けていた。そして五年後、堤の灰色の日々は終わった。

出所した堤は五年前の苦い思い出と復讐の思いを胸に抱いて神戸の街を歩き回った。しかし彼は小牧が洋酒ブローカーだったという情報しか持ち合わせていなかったため、疲労と苛立ちが募るばかりで足取りは一向に掴めなかった。それから二十日ほど経ったある日、ついに小牧が横浜へ行ったという噂を聞き出した。横浜に戻った滝は堤組を訪れたが、かつての子分たちは組が解散すると恩を忘れて逃げだし、今では白タクの運転手をする丈二だけが一家の面倒を見るという状態だった。丈二は、組長に寿命を縮めた原因が渡にあると信じて疑わなかったが、真実を知らされたことで謎の解明に一役買うことにした。

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女王蜂の怒り

  • posted at:2007-11-25
  • written by:砂月(すなつき)
じょおうばちのいかり
新東宝
配給:新東宝
製作年:1958年
公開日:1958年12月28日 併映「大暴れ女侠客陣」「爆笑王座征服」
監督:石井輝男
製作:大蔵貢
原案:牧源太郎
脚本:内田弘三
企画:佐川滉
撮影:吉田重業
音楽:渡辺宙明
主題歌:「嘆きの女王蜂」久保菜穂子
・・・:「結婚しましょう」高島忠夫
美術:加藤雅俊
照明:矢口明
録音:片岡造
助監督:下村堯二
編集:鹿島秀男
製作主任:毛利幸久
協賛:国際羊毛事務所
婦人服:伊藤萬株式会社
デザイン:岡本和子
紳士服:ウェルボン今井株式会社
婦人セーター:株式会社キャラバン
出演:久保菜穂子 宇津井健 天知茂 中山昭二 三原葉子
シネマスコープ カラー 90分

神戸の港は年に一度行われる港まつりで賑わっていたが、その会場に乗り込んできたのは竜神組だった。騒ぎを聞きつけた海堂組の女親分・海堂ゆりが啖呵を切り一触即発のムードになったとき、間に割って入ったのはハリケーンの政という流れ者だった。彼は、女に手を出すやつは容赦しないと竜神組のチンピラをことごこく殴り倒し、パトカーのサイレンの音を聞こえると姿を消した。騒動の一部始終を見ていた竜神興行社長の娘・アケミは政の後を付け、父親が経営するキャバレーに招待した。政は竜神組の譲次とダンスパートナーであるアケミの取り合いになり、その様子を見ていた幹部の剛田昇に用心棒としてスカウトされた。剛田は海堂組のシマとゆりの体を狙っていたが、そのためには政の力を必要とした。

料亭・千虎では三軒一家の襲名式が行われることになっていた。関東一円の大親分が一同に集うこの襲名式に海堂組には知らせが来なかったのだ。千虎に仲居として勤める京子からその話を聞いた宏は、ゆりが出席できるように掛け合うことにした。広が刺されたとの連絡を受け、その相手が竜神組だとわかると海堂組の組員はいきり立った。無理はすれども非道はせずと言った父親を思い出したゆりは、子分たちの逸る気持ちを静めこの場は私に任せて欲しいと言った。そして一番血の気の少なそうなサブを従えて千虎に赴いた。そこは襲名式の真っ只中だったが、凛とした声で招待のなかった理由を正した。千葉箱屋組組長・箱屋勇造は、取持人である剛田の不手際を詫びた。その日以来、度々海上ギャングが現れるようになった。被害に遭ったオリエント商事の損害額は1400万円にも上り、その半分は運搬を請け負った海堂組が負担することになっていた。全額を回収することができないオリエント商事の社長室に現れた剛田は、拳銃をちらつかせて委任状を書くように迫った。

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