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催眠

  • posted at:2008-08-11
  • written by:砂月(すなつき)
さいみん
東宝=TBS
配給:東宝
製作年:1999年
公開日:1999年6月5日
監督:落合正幸
製作:柴田徹 原田俊明
プロデューサー:櫻井武晴 濱名一哉
協力プロデューサー:田上節朗
原作:松岡圭祐
脚本:落合正幸 福田靖
音楽:蓜島邦明
主題歌:「deep inside」saju
撮影:藤石修
美術:清水剛
録音:宮内一男
照明:粟木原毅
編集:深沢佳文
監督補:加門幾生
助監督;手塚昌明
製作担当者:金澤清美
出演:稲垣吾郎 菅野美穂 宇津井健 升毅 渡辺由紀
アメリカンビスタ カラー 109分

東京都内では奇怪な事件が続出していた。自宅の窓ガラスを突き破って飛び降りた73歳の男、脚の骨が折れるまで全力疾走した女子陸上選手、結婚披露宴の最中に自分の首をネクタイで締め上げた新郎。彼らは皆、心に傷を負っていた。一連の事件で共通していたのは、「ミドリの猿」という言葉を最後に遺したことだった。櫻井孝典刑事は、次々と起こる怪事件に頭を悩ませていた。署内で行われていた心理学の講義に顔を出した櫻井は、そこで話す心理カウンセラーの嵯峨敏也に興味を持った。

翌日、櫻井から呼び出された嵯峨は、死亡者たちが何らかの方法で人生で一番辛い経験や不安を高める暗示に掛けられていたのではないかと言った。後催眠暗示であれば、被験者は覚醒した後でも与えられた指示を思い出すことが出来ず、組み込まれたサインが何かのきっかけで送られることでその行動を取ったり意識が変化するからだ。その話を聞いた櫻井は、死亡者たちが発した「ミドリの猿」という言葉は関係あるのかと質問したが、サインは外から与えられるもので当事者本人が喋ることはないと嵯峨は答えた。監察の井手利一に呼び出された櫻井は、新郎の血液中に含まれている白血球が増え、壊れていたことを明かした。それは蛇に咬まれたときと似た症状だった。彼は石油プラント開発の仕事で昨年は南米にいた。密林に入ることがあったため、毒蛇の恐怖と戦っていたのだ。生体反応の結果から、新郎は窒息死したのではなく毒蛇に咬まれたという暗示で死んだのだと櫻井は言った。催眠を掛けられていたのならば、自分の意思と反して死んだと考えることが出来るため全ての説明がついた。だが、その意見に真っ向から反対したのは嵯峨だった。たとえ催眠で暗示を掛けたとしても意思に反した行動は起こさないからだ。死亡者が心の傷を急に口にして行動していることから、不安を与えて傷口を広げ死に誘導するような暗示を掛けているのではないかと言った。

テレビで催眠術を扱ったバラエティーショーが生中継されていることを知った櫻井たちは、放送局に乗り込んだ。舞台の袖で椅子に座っていたのは、見世物となった解離性同一性障害(多重人格者)の入絵由香だった。彼女が複雑な事件の鍵を握っていると考えた櫻井は、嵯峨に捜査への正式な協力を願い出た。

屋台的映画館
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黒線地帯

  • posted at:2008-08-08
  • written by:砂月(すなつき)
くろせんちたい
新東宝
配給:新東宝
製作年:1960年
公開日:1960年1月13日 併映「0線の女狼群」
監督:石井輝男
製作:大蔵貢
企画:佐川滉
脚本:石井輝男 宮川一郎
音楽:渡辺宙明
撮影:吉田重業
照明:矢口明
録音:根岸寿夫
美術:宮沢計次
編集:鹿島秀男
助監督:柴田吉太郎
製作主任:高橋松雄
出演:天知茂 三ツ矢歌子 三原葉子 細川俊夫 瀬戸麗子
シネマスコープ モノクロ 79分

週刊誌のトップ記事を専門に扱う記者、通称トップ屋の町田広二はある女を追っていた。売春禁止法実施後、地下に潜った売春組織は麻薬と結びつき、暴力で女を縛る「黒線」の様相を呈してきた。彼は白いコートの女が「黒線」に関わっていると睨み尾行していたが、歓楽街で見失ってしまった。そんな彼に声を掛けたのは街頭の女易者だった。易者は町田の左手を取るなり、捜している女は20才くらいの芸能関係者だと言った。女難の相が出ていることを指摘した彼女はその女を紹介すると言ったが、信用できない町田は料金を払ってその場を立ち去ろうとした。だが女の服装が白いコートにスラックスだと言い当てると彼は足を止めた。コートの女と易者が組織と繋がっている可能性を信じ、町田は向かい側にいたポン引きの言いなりになった。

ポン引きにホテルへ連れて行かれた町田は部屋で女が来るのを待っていたが、いつまで経っても現れなかった。町田はいらつき宿の女中が酌をした酒を呷った。すると意識が朦朧とし気を失ってしまった。翌日、町田が目覚めると絞殺された女が側らに横たわっていた。しかも彼の左手は凶器となったネクタイを握り締めていたのだ。組織による罠だと気付いた町田は外の様子を気にしながら部屋を後にした。そして夜になるのを待って再び歓楽街へ向かうと女易者とポン引きを捜した。だがもう同じ場所にその姿はなかった。翌日の新聞で報じられたことで事件が明るみに出た。白いコートの女・大沼麗子がパリ座の踊り子だと知った町田は無実の罪を晴らすために二人の行方を探ることにしたが、運の悪くライバル誌の記者・鳥井五郎に見つかってしまった。鳥井は事件の取材に行く途中で、休戦協定を結ぶから車に乗れよと催促したのだ。そこで断われば怪しまれると考えた町田はおとなしく従うことにした。結局、彼は事件現場に舞い戻ることになった。

町田と鳥井がホテルの支配人に取材を行っていたとき、女中の時子が戻ってきたため話を聞くことになった。部屋に入ってきた時子の顔を見た町田は驚いた。睡眠薬を飲まされたあの女中なのだ。時子は鳥井の質問に対して丁寧に答えていたが、何故殺人犯はこの男だと叫ばないのだろうかと町田は疑問に感じていた。その夜、町田は仕事を終えた時子を尾行し真実を喋らせようとした。すると彼女の髪の中から麻薬の包みが出てきたのだ。それを見た町田は、麻薬で体を縛られた麗子が組織に消され、その罪が被せられたことを確信した。さらに追求しようと試みたが時子は走って逃げ出し、そこを通り掛った車に撥ねられて死んだ。彼女は「あの晩の男はサブ」と言い残した。

屋台的映画館

鯨神

  • posted at:2008-07-30
  • written by:砂月(すなつき)
くじらがみ
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1962年
公開日:1962年7月15日 併映「悲恋の若武者」
監督:田中徳三
製作:永田雅一
企画:米田治 竹谷豊一郎
原作:宇能鴻一郎
脚本:新藤兼人
撮影:小林節雄
音楽:伊福部昭
録音:西井憲一
照明:渡辺長治
美術:間野重雄
編集:中静達治
助監督:中村倍也
衣裳考証:上野芳生
舞踊指導:黛節子
造形美術:大橋史典
製作主任:川勝昭信
特殊技術・監督:小松原力
特殊技術・撮影:的場徹 石田博
特殊技術・美術:渡辺竹三郎
特殊技術・効果:小野秀吉
特殊技術・照明:安田繁
出演:勝新太郎 本郷功次郎 藤村志保 江波杏子 藤原礼子
シネマスコープ モノクロ 110分

明治初期、九州和田浦にある小さな漁村の漁師たちは鯨を捕って生計を立てていた。ある日、漁師たちは沖合いに出現した巨大な鯨によって舟諸共、海に沈められた。残った漁師たちは復讐を誓い再び鯨に挑んだが、大鯨の前には人の力など無力に近かった。二度の漁で幼いシャキは父と祖父を失った。最愛の夫と息子を亡くした祖母の怒りは激しく、シャキを海岸に立たせると必ず仇を取れと狂ったように繰り返した。黒い浮島のような巨躯の鯨を、人々は畏怖と畏敬の念からいつしか鯨神と呼ぶようになった。

数年後、シャキは立派な青年となった。鯨神の知らせが鳴り、兄は経験のないシャキを置いて仲間たちと戦いに出た。鯨の体に網を掛けるとすかさず銛を打ち込んで行ったが、ひと振りするだけで漁師たちは跳ね飛ばされ、瞬く間に全滅した。浜に置かれた兄の遺体の前にシャキは家族とともに座り込んだ。母は立ち上がり刺してあった銛を引き抜くと「息子よ、これで鯨のはらわたを引き裂くまで家に帰るな」と言ってシャキに手渡した。そして「わが涙の恨みの血で拭われるそのときまでは!」と叫びながら砂浜を歩いて行くと力尽きたように倒れ込んだのだった。それが村人たちの合図となり、鯨神への怒りは頂点に達した。村の鯨名主が鯨神の腹を切り鼻綱をつけた者には一人娘トヨと家屋敷、田地、名勝、名跡などを与えると宣言すると漁師たちはどよめいた。だが命と引き換えの勝負だけに皆尻込みした。するとシャキが進み出て、鯨神は俺が倒すと名乗りをあげた。盛り上がる漁師の中を掻き分けて鯨名主の前に現れた男は、流れ者が鯨神に鼻綱をつけても約束の物をくれるのかと尋ねた。それを聞いた鯨名主は、武士に二言はないと断言した。その男は十日前に紀州からやってきたばかりの荒くれ者だった。「鯨神は俺が殺る!」。男も名乗りをあげた。

初めての漁で鯨を捕ったシャキは疲れ果て三日間眠り続けた。妹のユキに起こされたシャキは、幼なじみのカスケが来ていることを知った。カスケは話があるといきなり切り出し、長崎へ行く決心は変わらないと言った。二人の家は祖父の代からの鯨捕りで、村には鯨神を倒すまでは何人たりとも村を出てはならないという掟があった。カスケは長崎で勉強して医者になり、ユキを妻に迎えようと考えていたが、シャキはこの和田浦から逃げ出すような奴に妹はやれんぞと言った。カスケは漁師たちが憑かれた様に鯨神のことばかり口走ることに嫌気がさしていた。無益な戦いに男の一生を賭けるなんて馬鹿だというカスケの忠告に、俺の全てを挙げて戦うことが俺の生きる道だとシャキは言い放った。

トヨは、シャキであろうと誰であろうと功名心の対象になるのは嫌だと父親に意見した。すると鯨名主は、心配はいらないと言った。鯨神を倒すものは鯨神に倒され、生きて浜に戻ることはないからだった。

屋台的映画館

俺にさわると危ないぜ

  • posted at:2008-07-23
  • written by:砂月(すなつき)
おれにさわるとあぶないぜ
日活
配給:日活
製作年:1966年
公開日:1966年2月12日 併映「鉄火場仁義」
監督:長谷部安春
原作:都筑道夫
脚本:中西隆三 都筑道夫
企画:浅田健三
撮影:永塚一栄
音楽:山本直純
主題歌:「泣くなさすらい」小林旭
挿入歌:「わが愛の詩」高見アリサ
美術:佐谷晃能
照明:三尾三郎
録音:橋本文雄
編集:鈴木晄
助監督:斎藤光正
色彩計測:古清水忍
特殊技術:金田啓治
現像:東洋現像所
製作担当者:薮内善明
振付:古沼斐佐雄
技斗:高瀬将敏
出演:小林旭 松原智恵子 西尾三枝子 加茂こずえ 浜川智子
シネマスコープ カラー 87分

サイゴンの戦場を駆けずり回る命知らずの従軍カメラマンの本堂大介は休暇を取って帰国することにした。機内で服の破れを繕ってくれた客室乗務員の沢之内ヨリ子に一目惚れした大介はお礼に食事に招待したいと願い出た。その願いはその夜叶い、大介はナイトクラブで至福の時間を過ごすことになった。ムーディーな曲に合わせて二人が踊っていると、ヨリ子がおかしなことを言い出した。変な男がこちらの様子を窺っているというのだ。だがそんなことなど気に留めない大介は、君を見れば誰でもつけてみたくなると笑い飛ばした。テーブルに戻るとヨリ子が再び男を見つけたと言ったため、大介は正体を確かめるために彼と直接話をつけることにした。だが店内を捜しても見当たらず、その代わりに出会ったのは古い親友の極東通信記者ビル・ソマーズだった。再会を約束して別れ、再びテーブルに戻ってくるとヨリ子の姿はなかった。ウェイターに尋ねると突然店を出て行ったのだという。彼女の身を案じた大介は夜の街を捜し回っていると、何処からか女性の悲鳴が聞こえたためそこへ向かった。すると三人の女殺し屋が男を取り囲んでいたのだ。現場を見られたことで殺し屋は大介に襲い掛かり、歯が立たないとわかると「忍法ガムガム弾」で彼の目を欺いて逃げたのだった。奥に隠れていたヨリ子は助けを求めて大介のもとに駆け寄り、死体の男がホールに入ってきたため必死で逃げたことを明かした。背広の内ポケットに入っていたパスポートで男がフェルナンド・ロペスという名前であることはわかったが、それ以外のことは見当がつかなかった。あの女たちのことも。そこで大介は警察に通報することにしたのだが、公衆電話ボックスからいくら説明してもなかなか理解してくれなかった。するとその隙にヨリ子はまたさらわれ、慌てて出てきた大介は車に飛びついたが振り落とされてしまった。更に運が悪いことに自分の通報で駆け付けた警官に容疑者として逮捕されてしまった。

遠山警部の取り調べに対し大介は無実を訴えたが、二人の目撃者が証言していること、彼の話が出来過ぎていること、該当するナンバーのオープンカーは存在しないことから却下された。ロペスは表向きはバイヤーだが本庁が闇ドル取引でマークしていた不良外国人でだったことから、遠山は闇ドルと東南アジア帰りのカメラマンなら繋がらなくもないと考えていた。ロペス殺しを誤魔化すために誘拐事件をでっち上げ目撃者のふりをして自ら通報して事件を複雑に見せかける。そう考えれば辻褄が合うのだ。遠山が大介を説き伏せようとしたそのとき、取調室に入ってきたのはビルだった。彼は大介がガールフレンドと一緒にいたというアリバイを証言するためにやってきたのだ。ようやく釈放された大介はひとまず家で休むことにした。彼の下宿先は忍法研究家で百地流忍法研究場を営む百地三斉の自宅だった。

屋台的映画館

女医の診察室

  • posted at:2008-07-17
  • written by:砂月(すなつき)
じょいのしんさつしつ
新東宝
配給:新東宝
製作年:1950年
公開日:1950年4月19日
監督:吉村廉
製作:瀧村和男
原作:常安田鶴子
脚色:小國英雄
撮影:三村明
音楽:斉藤一郎
録音:村山絢二
照明:大沼正喜
美術:安倍輝明
編集:笠間秀敏
助監督:小森白
現像:東洋現像所
合成撮影:天羽四郎
製作主任:服部仙太郎
出演:上原謙 原節子 風見章子 中北千枝子 津山路子
スタンダード モノクロ 86分

聖ペテロ施療病院に勤務する産婦人科部長の田島文子は、若くて美しく人望があり患者からも信頼されていた。ある日、学位論文を取るために無理をしていた黒川光子医師が倒れた。6年前の自分の姿を重ねた文子は同じ失敗をさせたくないと思っていた。無理が崇り、彼女は心臓病を患ったのだ。そこで根岸珠江医師と常本かづ子医師に協力を願い出て、光子の仕事の一部を分担することにした。光子はそんなことは出来ないと断わったが、遊んでいようと寝ていようと磨り減って行く命なのだから、あなたの学位論文の完成に役立てることが美しい命の使い方だと思っていると言った。

病院に二人の医学博士が赴任して来た。一人は内科部長の野間亀太郎、そしてもう一人は顧問の川村信吉だった。一同の前で文子は信吉に初めましてと挨拶したが、彼は文子のかつて恋人だった。文子の父は、貧しい農家で育った新吉を十一歳のときに引き取り、大学を卒業するまで我が子同様に育てた。信吉の卒業成績が悪いことに腹を立て婚約を破棄した文子は、自身の勉強に没頭し学位を取ったのだが、それは愛する信吉を発奮させるための彼女なりの手段だった。その後、信吉は心臓では日本有数の医師となり、春の学会の研究発表ではストレプトマイシンの心臓に関する毒性についての研究が評判を呼んだ。

光子はついに主論文と参考論文を完成させた。それを受け取った文子は図書室で調べ物をしながら読もうとしたが、そこで信吉と鉢合わせした。彼がこの病院を選んだ理由は、研究室を完備し十分に研究する時間が取れるからだった。信吉は、私がいることで不快の念を与えるのであれば一日の早く退くと言った。だが文子はそんなことを気にしていない素振りを見せた。信吉が狭心症の研究を行っていることに興味を抱いた文子は、今までのわだかまりがなかったように話し続けた。彼女も自身の病気のために仕事の合間を縫って心臓についての勉強を積み重ねていたのだ。気が付くと夜が明け、朝を知らせる鐘が鳴っていた。部屋を出た文子が廊下を歩いていると、向こうから男の子が走って来た。男の子は文子を呼び止めると、お父さんは何処にいるのか知らないかと聞いた。彼の名前は川村信夫。信吉の一人息子だった。若かった信吉は文子の言葉を真に受け、別の女性との結婚に踏み切ったのだ。

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