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宇宙大怪獣ギララ

  • posted at:2008-12-21
  • written by:砂月(すなつき)
うちゅうだいかいじゅうぎらら
松竹
配給:松竹
製作年:1967年
公開日:1967年3月25日 併映「銀の長靴」
監督:二本松嘉瑞
製作:中島渉
製作補:島田昭彦
脚本:元持栄美 石田守良 二本松嘉瑞
監修:光瀬龍
撮影:平瀬静雄 大越千虎
音楽:いずみたく
主題歌:「ギララのロック」倍賞千恵子 ボニー・ジャックス
・・・:「月と星のバラード」倍賞千恵子 ボニー・ジャックス
美術:重田重盛
照明:津吹正 高橋利文
録音:中村寛
調音:松本隆司
編集:杉原よし
特撮監督:池田博
監督助手:白木慶二 伊藤聚
装置:太田正次郎
光学技術:石川智弘
進行:福山正幸 萩原辰雄
製作助手:武藤三郎
現像:東洋現像所
製作主任:内藤誠
特撮監修:川上景司
特撮美術:福田太郎
協力:日本特撮株式会社
協賛:渡辺製菓
出演:和崎俊哉 ペギー・ニール 原田糸子 柳沢真一 岡田英次
シネマスコープ カラー 88分

日本宇宙開発局・富士宇宙飛行センター(FAFC)では、地球最高の科学的頭脳を以って建造されたアストロ・ボートAABΓ号を打ち上げる準備に追われていた。火星の調査のため打ち上げられたロケットの数々は、未確認飛行物体によって消息不明になったと考えられていた。その原因を究明するために機長の佐野、宇宙生物学者のリーザ、宮本通信員、塩田医学博士の4人がクルーとして選ばれた。

打ち上げに成功しカプセルから離脱したAABΓ号は地球を周回し火星へ向かったが、磁気嵐に巻き込まれて地球と交信が出来なくなった。直後に現れたオレンジ色に輝く物体は、まるでAABΓ号を監視するように速度を合わせて航行した。船内では塩田が体調を崩していたため、佐野は加速して磁場から脱出することにした。通信が回復したAABΓ号はFAFCの所長・加藤博士にこれまでの状況を報告し、急遽月ステーション(MSC)に立ち寄ることになった。佐野たちはMSCで束の間の休息を取っていたが、塩田はスタイン医師から気圧の変化で起こる宇宙病の一種だと診断された。FAFCからの連絡で塩田の代わりを務めることになったスタインは、不平を言いながらも宇宙船に乗り込んだ。MSCを出発したAABΓ号は再び火星を目指したが、大量の隕石が船体を襲った。そこへ現れたのはあのオレンジ色の飛行体だった。佐野は加速しようと試みたがAABΓ号は飛行体に自由を奪われた。地球で佐野たちの安否を気遣う加藤博士とバーマン博士は、これまでに起きた一連の出来事は火星勢力圏への侵入を妨害する何者かの仕業ではないかと考えていた。

飛行体が去るとAABΓ号のエンジンは出力が低下し航行不能となった。原因を探っていたリーザは窓から噴射口付近に異常があることに気付き、船外活動を行った佐野とスタインは船体に付着した謎の発光体を採取した。AABΓ号はMSCからの救援ロケットに曳航されて地球に引き返すことになった。クルーたちはバーマン博士が主催するパーティーに出席したが、その間に研究室では異常事態が発生していた。発光体を入れたケースが割られ、床には高熱で溶かしたと見られる穴が開いていたのだ。そばに残された鶏のような足跡を見たバーマン博士は、発光体の中に宇宙生物が潜んでいたのかもしれないと考えていた。

屋台的映画館
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笑の大学

  • posted at:2008-12-15
  • written by:砂月(すなつき)
わらいのだいがく
フジテレビ=東宝=パルコ
配給:東宝
製作年:2004年
公開日:2004年10月30日
監督:星護
製作:亀山千広 島谷能成 伊東勇
企画:石原隆
プロデューサー:重岡由美子 市川南 稲田秀樹
アソシエイト・プロデューサー:小川泰 佐藤玄
ラインプロデューサー:前島良行
コーポレイトプロデューサー:井上あゆみ
原作:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
音楽:本間勇輔
撮影:高瀬比呂史
美術:清水剛
照明:小野晃
録音:田中靖志
編集:山本正明
装飾:高畠一朗
衣裳:千代田圭介
記録:外川恵美子
制作担当:牧義寛
監督補:加門幾生
出演:役所広司 稲垣吾郎 高橋昌也 小松政夫 石井トミコ
アメリカンビスタ カラー 121分

昭和15年、戦争への道を歩み始めていた日本は、国民の娯楽である演劇を規制し台本を上演前に検閲した。生まれてこの方芝居を見たことがないという警視庁保安課検閲係・向坂睦男は演劇に理解を示さず、取調室に作家を呼び出すと不適切と判断した場面や台詞の削除を要請した。もし拒否するようなことがあればその台本は即、不許可となった。

ある日、浅草の劇団「笑の大学」の座付作家・椿一は向坂から呼び出しを受けた。笑の大学の座長は青空貫太で、よく古川ロッパが率いる笑いの王国と間違われた。椿は向坂と話すうちに噂ほど堅物な人物なのではないかと考えるようになった。そこで青貫の決め台詞「猿股失敬」を披露したが、向坂には全く理解されなかった。気を取り直して聴取を始めようとしたとき、椿は今川焼が入った紙袋を差し出した。その行為を根回しだと受け取った向坂は、私はあなた方の仕事には何の興味もないと言った。そして検閲などいらない、一切合切禁止してしまえばいいんだと絶叫した。迫力に押され恐縮する椿が包みを下げようとすると、向坂はそこに置いておいてくださいと言った。そして「今、なんだ結局は貰って帰るのか」という顔をしただろうと言って問い詰めた。こんなことになるのならと椿が包みを持って帰ろうとすると、今度は「酷い男にぶつかった」と思っただろうと問い詰めた。椿が認めると、向坂は「私はね、そういう男なんです」と言った。

本格的な聴取が始まったが、あのやりとりのおかげでお互いが腹を割って話すことが出来るようになった。向坂は「大悲劇ジュリオとロミエット」の台本を三回読み、上演の可否を一晩じっくり考えた結果を椿に伝えた。通常、検閲官は目を通した台本に訂正箇所があれば赤い紙を貼り付けるのだが、それが多ければ多いほど許可が下りる可能性は低くなる。だが椿の台本には一枚の紙も貼られていなかった。安堵の表情を見せる椿に向坂は「問題が多すぎるんだ」と怒鳴りつけ台本を放り投げた。一々紙を貼り付けていたら分厚くなるため途中で止めたというのだ。どこがいけなかったのかと椿が尋ねると、神武天皇御即位から2600年という記念の年に西洋の若者の恋物語を上演するのはいささか配慮に欠けていると向坂は言った。そして彼にはウィリアム・シェイクスピアが書いた作品のタイトルを「もじる」という行為さえ理解できなかった。認められない理由はいくつかあったが、最大の理由は向坂自身が作品を一度もおもしろいと感じなかったことだった。椿は、上演を前提に書いたものだから役者が声に出さなければおもしろさが伝わらないと言って不許可の印を持つ向坂を思い止まらせた。さあ、笑わせてください。向坂は椿に台本を声に出して読ませ、おもしろければ許可することにしたのだ。椿は説明をつけながら舞台を再現して行ったが、笑いどころである「猿股失敬」が出ると向坂は顔をしかめ、これは検閲官というよりも私の人間としての良心が許さないと言った。肩を落として帰ろうとする椿に、向坂は明日までに登場人物と設定を日本に置き換えて再提出するように言った。

屋台的映画館

女吸血鬼

  • posted at:2008-12-04
  • written by:砂月(すなつき)
おんなきゅうけつき
新東宝
配給:新東宝
製作年:1959年
公開日:1959年3月7日
監督:中川信夫
製作:大蔵貢
原作:橘外男
脚本:中沢信 仲津勝義
企画:津田勝二
撮影:平野好美
音楽:井内久
美術:黒沢治安
照明:関川次郎
録音:泉田正雄
助監督:石川義寛
編集:後藤敏男
製作主任:藤岡治郎
出演:天知茂 和田桂之助 三原葉子 池内淳子 中村虎彦
シネマスコープ モノクロ 78分

東洋タイムスの記者・大木民夫を乗せた車はパーティー会場に向かっていた。その日は彼の婚約者である松村伊都子の誕生日だったため、遅れるわけには行かなかった。民夫は運転手にもっとスピードを出すように言ったが、運転手は道路を横切る女性に気付くのが遅れ撥ねてしまった。二人は女性を助けようと車外に飛び出したが、何処にも彼女の姿は無く車にも損傷はなかった。
時間になっても民夫は現れず、友人たちにせつかれた伊都子はパーティーを始めることにした。蝋燭の火を吹き消しケーキに入刀した伊都子だったが、ナイフで指を切ってしまった。その様子を見ていた彼女の父・重勝は、二十年前のことを思い出していた。松村邸に到着した民夫は遅刻を詫びた。それからまもなく部屋は停電し、二階の開かずの間から家政婦を呼ぶブザーの音が聞こえた。奇妙に感じた執事は重勝に耳打ちすると、かつて妻が暮らしていた部屋に二人で入った。ソファーに横たわっていたのは、昔のままの若さを保った妻・美和子だった。

美和子を診察した榊原博士は、内臓器官、皮膚細胞、筋肉組織のどれをとっても20歳の肉体だと言った。伊都子は帰ろうとした民夫を引き止め、この家で起きた不可解な出来事を新聞に書かないようにと釘を刺した。母親のことで気疲れしている伊都子を心配した民夫は、上野で開かれている二期会展に誘った。展覧会の目玉は無名の新人が描いて特選に選ばれた作品だったが、二人はその絵を見て驚いた。そこに描かれていた女性は美和子そっくりだったのだ。民夫は受付に行き、絵についての詳細を聞き出そうとしたが、絵の作者が祖父江四郎というペンネームであること以外わからなかった。伊都子が絵の前に立ち止まっていると、黒いサングラスの男が声を掛けてきた。男が余程この絵がお気に入りのようですねと言うと、彼女は何だか母親に似ているような気がすると答えた。男は深く頷くと小男を従えて去って行った。

その夜、ホテルに泊まっていた男はカーテンから漏れる月光を浴びたことでもだえ苦しみ始めた。部屋の前を通りかかった女性従業員はただならぬ事態であることを察知し中に入った。男はカッと目を見開くと従業員に襲い掛かった。死体の首には血を吸われた跡があった。

屋台的映画館

宇宙怪獣ガメラ

  • posted at:2008-12-01
  • written by:砂月(すなつき)
うちゅうかいじゅうがめら
大映配給
配給:大映配給
製作年:1980年
公開日:1980年3月20日 併映「鉄腕アトム 地球防衛隊」
監督:湯浅憲明
企画:徳山雅也
製作:大葉博一
プロデューサー:徳山雅也 篠原茂
脚本:高橋二三
音楽:菊池俊輔
主題歌:「愛は未来へ・・・」マッハ文朱
撮影:喜多崎晃
録音:飛田喜美雄
照明:島田忠昭
美術:横島恒雄
編集:田賀保
助監督:村石宏實
製作主任:久里耕介
操演:中島徹郎
装飾:岩田信尚
メイク:土屋千恵
記録:小林みどり
スチール:野上哲夫
擬闘:松尾悟
特殊撮影:東通ecgシステム
造形:ヒルマモデルクラフト エキスプロ
劇画:開田裕治
視覚効果:石田徹
タイトル:デン・フィルム・エフェクト
効果:P.A.G 赤塚不二夫 藤田信夫
衣裳:京都衣裳
録音所:にっかつスタジオセンター
現像:東京現像所
特撮フィルム
 撮影:築地米三郎 藤井和文 金子友三
 操演:恵利川秀雄 金子芳夫 関谷治雄 田中実
 美術:井上章 山口熙 矢野友久 石原章隆
 照明:石坂守 熊木直生 石森七郎 藤野慎一
 録音:渡辺利一 奥村幸雄 清水保太郎 奥山秀夫
 音響効果:小倉信義 小島明
出演:マッハ文朱 小島八重子 小松蓉子 工藤啓子 前田晃一
スタンダード カラー 109分

ペットショップ・モントウトウを営むキララは突然異変を感じ、マツダのショールームで働くマーシャと福田幼稚園の保育士・ミータンを急遽招集した。三人は地球の平和を守るために平和星M88から派遣された宇宙人だった。その後、宇宙海賊船ザノン号から地球にいる平和星人に向けて警告が発せられたが、それは我々に対する抵抗は許さないという内容だった。余計な手出しをすれば地球人を抹殺するというのだ。キララたちは地球を守る使命を確認し合った。広大な宇宙で略奪と殺戮を繰り返すザノン号。その次の攻撃目標は地球だった。ザノン号のキャプテンは地球上に存在する邪魔者を排除するために暗殺者・ギルゲを送った。東京に降り立ったギルゲは日本人の姿に変身して街に潜伏した。

亀が大好きな小学生・木下圭一は、キララの店に来ては水槽に入っているゼニガメを眺めていた。熱心に観察する圭一にキララが一匹あげると言うと、圭一は心の声で話ができるというお気に入りのゼニガメを選んだ。再び異変を感じたキララは圭一を家に帰してその時を待ったが、火山活動が活発になった富士山がついに噴火した。それに伴い日本各地にある活火山でも噴火が発生した。政府は調査団を富士山へ派遣したが、河口湖付近の山中から放たれた超音波でヘリコプターが切断され、墜落した。そして出動要請をうけた自衛隊機も怪現象によって次々と墜落して行った。

圭一は、母親から本当に動物を可愛がるのであれば狭い水槽ではなく大自然に放した方がいいのではないかと言われ、亀に尋ねてみることにした。すると亀はウインクをした。それが亀にとって幸せなことだと考えた圭一は、寂しかったが川へ放すことにした。その夜、ヘリコプターが墜落した地点に超音波怪獣ギャオスが現れた。空へ飛び立ったギャオスは名古屋へ向かい、市街地で破壊の限りを尽くした。その頃、キララはミータンとともにマーシャが到着するのを待っていた。だが彼女は渋滞にはまり身動きが取れなくなっていたのだ。変身したマーシャは特殊能力で車ごと瞬間移動させたが、それをギルゲの探知トレーサーがキャッチした。ギルゲはキャプテンに平和星人が一人いることを報告すると、ザノン号は攻撃を開始した。光線が当たり車は消滅したが、マーシャは辛うじて逃げ出し無事だった。キララたちは地球人から宇宙人の姿に変身すると分子構造が変化するが、ザノンの科学技術はそれをキャッチ出来るほど水準が高かった。三人は戦いたくても名古屋を救えない立場を悔しがった。

翌日、ペットショップを訪れた圭一は亀を川に帰したことをキララに詫び、その理由を話した。彼は成長した亀がガメラとなってギャオスと戦って欲しいと願っていたのだ。地球にガメラという巨大な亀がいることを知ったキララは死を覚悟して他の二人と変身した。そして念力を使ってガメラを眠りから目覚めさせようとしたのだ。しばらくすると咆哮が轟きガメラが現れた。ガメラは決戦の舞台である名古屋へ飛んで行った。

屋台的映画館

CASSHERN キャシャーン

  • posted at:2008-11-27
  • written by:砂月(すなつき)
きゃしゃーん
「CASSHERN」パートナーズ(松竹=プログレッシブ ピクチャーズ=エレクトリック・ゴースト=衛星劇場=テレビ朝日=朝日放送=タカラ=伊藤忠商事=TOKYO FM=イーソリューションズ=菱和ライフクリエイト=ビッグショット) 
配給:松竹
製作年:2004年
公開日:2004年4月24日
監督:紀里谷和明
プロデュース:宮島秀司 小澤俊晴
プロデューサー:若林利明
企画:紀里谷和明 若林利明
製作:久松猛朗
製作総指揮:迫本淳一
原作:竜の子プロダクション「新造人間キャシャーン」
脚本:紀里谷和明 菅正太郎 佐藤大
プロダクションデザイナー:林田裕至
VFXスーパーバイザー:木村俊幸 野崎宏二
CGスーパーバイザー:庄野晴彦
ヘアアンドメイクアップアーティスト:稲垣亮弐
衣裳:北村道子
アートプロデュース:赤塚佳仁
撮影監督:紀里谷和明
撮影:紀里谷和明 森下彰三
照明:渡部嘉
録音:矢野正人
バトルシーンコンテ:樋口真嗣
アクションディレクター:諸鍛冶裕太
音楽プロデューサー:高石真美
音楽:鷺巣詩郎
テーマソング:「誰かの願いが叶うころ」宇多田ヒカル
コンセプチャルデザイン:木村俊幸 林田裕至 庄野晴彦 DK
アソシエイトプロデューサー:野地千秋 田中誠 姉川佳弘
助監督(1st.):野間詳令
スクリプター:梛川泰子
演技事務:小島都
ラインプロデューサー:椋樹弘尚
編集:紀里谷和明
出演:伊勢谷友介 麻生久美子 寺尾聰 樋口可南子 小日向文世
シネマスコープ カラー 141分

50年にも及ぶ長い戦争は、大亜細亜連邦共和国がヨーロッパ連合に勝利することで終結した。大亜細亜連邦はユーラシア大陸のほぼ全域を手中に収め、民族優位主義を掲げた政府は先住民族へ差別と弾圧を行った。その後、各地では抵抗勢力が出現。彼らは破壊活動を繰り返した。中でも第七管区での戦いは苛烈を極めた。軍部はこの状況を打破するために兵力の大幅な増強を決定した。その犠牲となったのは多くの若者だった。

戦争がもたらしたもの、それは放射能、産業廃棄物、病原菌で汚染された大地だった。その影響で発生した公害病は、既に人体に突然変異が起こる状況にまで発展していた。遺伝子工学の権威である東博士は、不可能と言われた治療方法に一筋の光が射し込んだことを国会で発表した。彼は長年行った研究で、ある少数部族の中に「新造細胞」という特殊な細胞を有する者が存在することを突き止めたのだ。それはどんな細胞にも変身することができるという人間の全細胞の源だった。あらゆる臓器、皮膚、骨、神経、爪や毛髪に至るまでこの細胞を培養し操作すれば、必要なときに必要な量を製造ことが出来るのだ。移植による拒絶反応が一切ないこの技術を使えば、寿命を長らえさせることも可能だった。博士は研究の援助を訴えたが、その夢のような科学技術は理論の一つでしかないという理由で認められなかった。落胆する博士に近づく者がいた。彼の名は内藤薫、日興ハイラル社という軍部との太い繋がりを持つ貿易会社の社員だった。軍部は博士の論文をとても気に入り、既に研究施設まで用意していたのだ。内藤は難病で苦しむ博士の妻・ミドリの話を持ち出し、一緒に実現してみませんかと言った。

東博士の一人息子・鉄也は、研究に没頭し家庭を顧みない父親に対し反抗を続けていた。彼は博士とともに研究を続ける上月博士の娘・ルナと婚約していたが、今やるべきこととして友人が待つ戦場に向かう道を選んだ。それから一年後、ミドリの病状が悪化したことで博士は焦っていたが、陸軍本部で行われている研究は完成に程遠かった。絶対に間に合わせてみせる、そう心に誓う博士に電話が掛かった。それは哲也が前線で命を落としたという知らせだった。そのとき、培養室に異常が発生し、研究所に「稲妻」が落ちたのだ。研究用のプールに突き刺さった「稲妻」は「新造細胞」を活性化させ、「新造人間」を次々と生み出した。警備に当たっていた軍人たちは銃を乱射して「新造人間」を射殺したが、そのうちの一人は排水溝を通って逃げ出したのだった。博士の論理では「人工器官」を作り出すことは不可能だった。博士の計画が成功すると確信していた軍は、戦場で傷付いた人々を復活させるための死体をプールに放り込んでいたが、彼らが再生することはありえなかったのだ。だが「稲妻」が活性化させた細胞を、逃げた「新造人間」が死体置き場に持ち込んだことで事態は変わった。命を得た「新造人間」たちは「生きる」ために逃げ出したのだ。

哲也の亡骸が入った棺は陸軍兵士によって広場に運ばれ、葬儀が執り行われることになっていたが、「新造人間」の脱走でそれどころではなくなっていた。施設から逃げ出したうちの四人は葬儀に向かっていた車を奪って逃走したのだ。その車にミドリが乗っていたことを知った博士は、愛する妻を取り戻すために棺を開けた。

屋台的映画館

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