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鳶がクルリと

  • posted at:2009-03-18
  • written by:砂月(すなつき)
とびがくるりと
「鳶がクルリと」製作委員会(東映=東映ビデオ=アドギア)
配給:東映
製作年:2005年
公開日:2005年10月1日
監督:薗田賢次
製作:黒澤満
プロデューサー:國松達也 塚田有希
ラインプロデューサー:望月政雄
企画:遠藤茂之
原作:ヒキタクニオ
脚本:丸山昇一
撮影:柳島克己
音楽:遠藤浩二 HOME GROWN
音楽プロデューサー:津島玄一 小磯謙
・・・:「セ・ラ・ビ」ALISA MIZUKI TO ASIAN 2
美術:小川富美夫
照明:舘野秀樹
録音:柴山申広
VFXプロデューサー:佐藤高典
編集:大畑英亮 薗田賢次
スクリプター:生田透子
装飾:湯澤幸夫
助監督:山田敏久
宣伝プロデューサー:杉田薫
出演:観月ありさ 宇津井健 塩見三省 須藤元気 哀川翔
アメリカンビスタ カラー 117分

G&B社の子供服開発チームで働くエリートOLの中野貴奈子は、彼女の夢をかけたプレゼンで自信作の『スーパーナチュラルボディーコレクト』を発表した。これは子供の成長期における姿勢を装着具によって矯正するというものだった。一方、食品部が極秘に研究し開発を進めてきたものは『スーパーナチュラルベイビーフーズ』という粉ミルクと離乳食を繋ぐ画期的な食品だった。社長の飯野圭子は『スーパーナチュラルベイビーフーズ』を商品化し、『スーパーナチュラルボディーコレクト』の商品化を見送ることにした。彼女は一人の母親として、子育ては物に頼るではなく親次第だと貴奈子に言った。さらに自社製品の従来の離乳食で育った子供たちが自社製品によって矯正されることは会社の理念に反していると言った。

貴奈子の落胆は大きかった。彼女がぼんやりと外を眺めていると、突然窓ガラスの向こう側に逆さ吊りの人が現れ、カメラのシャッターを押すとにっこり笑って下方へ消えていった。産業スパイだと直感した彼女は、その人物が『日本晴れ』という会社に所属していることを突き止め乗り込んでいったが、そこは背中に彫物がある人たちが所属する会社だった。ところが皆おちゃめな人ばかりで、誠意ある陳謝に根負けした貴奈子は写真とネガを受け取るとスゴスゴと帰っていった。

翌日、オフィスで仕事をしていた貴奈子に社長室から電話が掛かった。ついに念願が叶った喜んだ貴奈子は『スーパーナチュラルボディーコレクト』を抱えて圭子のところへ行った。ところが社長からの通達は、サテライトビル移転準備室への転属だった。二週間後にオープンするサテライトビルには目玉として巨大なモニュメントが設置されることになっているが、そのモニュメントの設計者であるドイツ人アーティスト、ブリック・マイヤーの通訳と、業者との折衝を任されることになったのだ。貴奈子はこの話を断わるつもりでいたが、成功すれば企画開発部にチーフ待遇で戻ることが出来るとわかり承知した。しかも担当する業者は『日本晴れ』ではなく『城目屋』だった。『城目屋』は関東の一、二を争う鳶だが謙虚に付き合えば話がわかる相手だと聞き、俄然張り切る貴奈子だったが、モニュメントの設置には多大な危険と莫大な資金がかかるから工事ができないと社長の万城目喜市は言った。貴奈子は懸命に頭を下げて工事の再開をお願いした。すると喜市は、あの仕事はうちしかこなせないがそれはあんた次第だと言った。彼は貴奈子の体を求めてきたのだ。貴奈子は気持ち悪いの喜市を蹴り飛ばして逃げた。

貴奈子は代わりに工事を請け負ってくれる業者を探したが、『城目屋』が断わるくらいの大きな仕事だから無理だと何処も難色を示した。ただ最後には皆同じことを言った。「できるとしたら『日本晴れ』ぐらいかな」。

屋台的映画館
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女奴隷船

  • posted at:2009-03-14
  • written by:砂月(すなつき)
おんなどれいせん
新東宝
配給:新東宝
製作年:1960年
公開日:1960年1月3日 併映「大天狗出現」
監督:小野田嘉幹
製作:大蔵貢
原作:舟崎淳
脚本:田辺虎男
企画:竹中美弘
撮影:山中晋
音楽:渡辺宙明
美術:小汲明
録音:竹口一雄
照明:傍士延雄
編集:笠間秀敏
助監督:武部弘道
製作主任:川田信義
特殊技術:新東宝特殊技術
現像:東洋五反田現像所
出演:菅原文太 三ツ矢歌子 三原葉子 丹波哲郎 杉山弘太郎
シネマスコープ カラー 83分

敗戦の色濃い太平洋戦争末期、日本海軍マレー方面軍司令部に出頭した須川中尉は、司令官から重大任務を言い渡された。それは大本営陸軍作戦本部へ日本人女性の写真を届けることだったが、ドイツの潜水艦が届けてきたその写真の裏側には縮小したレーダーの設計図の青写真が二重焼きされていた。すでに南シナ海の制空権が敵軍に抑えられている今、それを無事に大本営へ届けることが須川の使命だった。しかし須川の乗った飛行機は四機のグラマンに撃墜された。

意識を取り戻した須川は調理室の床に転がされていた。彼は気を失って海を漂流しているところを貨物船に助けられたのだ。自分が置かれている状況を中国人コックから聞かされた須川は、この船が上海へ向かっていることを知り落胆した。そのとき甲板から女性の悲鳴が聞こえ、彼は急いで駆け上がった。須川は水夫たちを殴り飛ばして瑠美子を救ったが、そこに現れたのは彼女たちを統括するクイーンだった。悲鳴の主は野戦看護婦になれるという話に騙された瑠美子だった。瑠美子はクイーンの目を盗んで海に身を投じようとしたが見つかってしまったのだ。この船は上海に売り飛ばされる日本の女たちを乗せた「お唐さん船」だった。

突然現れた海賊船は、大砲と銃による集中砲火で貨物船の進路を阻み、優位に立つと海賊たちはすばやく相手の船に乗り込んだ。彼らは日本人将校である須川を生け捕りにし、その他の男たちを皆殺しにした。首領は須川と女たちを海賊船に乗せると貨物船に火を放った。海賊船にアメリカのスパイである陳から無電が入った。その内容は、須川を引き渡せば金をいくらでも出すというものだった。ただの将校に大枚を支払うのはおかしいと考えた首領は須川の素性を調べることにした。瓜が須川の右胸のポケットに入っていたメモ帳を開くと、中からはあの女性の写真が出てきた。

屋台的映画館

リング0 バースデイ

  • posted at:2009-03-03
  • written by:砂月(すなつき)
りんぐぜろばーすでい
「リング0 バースデイ」製作委員会(角川書店=アスミック・エース エンタテインメント=東宝=イマジカ=日本出版販売=住友商事)
配給:東宝
製作年:2000年
公開日:2000年1月22日 併映「ISOLA 多重人格少女」
監督:鶴田法男
エグゼクティブプロデューサー:原正人
プロデューサー:小川真司 永井正夫 一瀬隆重
原作:鈴木光司
脚本:高橋洋
音楽プロデューサー:浅沼一郎 安井輝
音楽:尾形真一郎
主題歌:「finale」L’Arc~en~Ciel
撮影:柴主高秀
美術:山口修
照明:渡部嘉
録音:瀬川徹夫
編集:須永弘志
特殊造形:原口智生
装飾:大庭信正
スクリプター:天池芳美
サウンドエフェクト:倉橋静男
助監督:片島章三
製作担当:森賢正
製作プロダクション:アスミック・エースエンタテインメント
出演:仲間由紀恵 田辺誠一 田中好子 麻生久美子 若松武史
アメリカンビスタ カラー 99分

中央日報の記者・宮地彰子は11年前に山村貞子の担任を受け持った教師・須藤を訪ねた。入学が遅れた貞子は母親が亡くなるとすぐに父親に引き取られて島を去って行った。彼女が通っていた大島町立一ノ瀬小学校には彼女の写真が一枚も残っていなかった。須藤は、貞子は頭が良くきれいな子だったが海をひどく怖がっていたと彰子に証言した。水泳の時間にクラスで浜に出たが、海に入ったらみんな死ぬと言って貞子は怯えた。そして14人が溺れて死んだ。

昭和31年、貞子の母親・志津子が精神を病んで自殺したことで、山村貞子は生まれ故郷である伊豆大島の差木地を離れることになった。彼女を引き取ったのは父親の伊熊平八郎だった。平八郎は、千里眼を持っていた志津子の信奉者で心理学者だった。昭和43年、18歳になった貞子は上京し劇団「飛翔」の研修生となった。彼女は見えないものを見ることがあるため精神科に通院していたが、久野亘医師の勧めもあって芝居に打ち込むことにしたのだ。だがそれ以来、劇団内には不穏な空気が漂い、人間関係はギクシャクした。葉月愛子は楽屋で、貞子が来てからおかしなことばかり起こると有馬薫にこぼした。霊感が強い愛子は貞子の背後に何かが見えるというのだ。そして井戸も。愛子が最近見た夢の話をすると、私も見たと薫はつぶやいた。それは、井戸のある古い家に入って行くと二階へ上がる階段があり、そこから先へは怖くて行けない、という夢だった。舞台の稽古が始まったが、愛子は椅子に座ったまま動かなかった。不審に思った薫が声を掛けると愛子は既に死んでいた。

彰子は30年前に行われた志津子の千里眼の公開実験について調査をしていた。彼女は平八郎の弟子である久野に取材を試みたが、博士が提唱した学説は本人が否定したのだからそれに従うと久野は言った。すると彰子は、平八郎が学会を追放されるきっかけとなった公開実験の録音テープを、立ち会った人たちが死んだことは実験とは無関係だと主張する久野に聞かせた。テープには怒号の他に不快な音が記録されていた。

舞台初日の直前で主演女優を失い、劇団員はみな混乱していた。そんな中、演出家の重森勇作は代役として貞子を抜擢した。周囲からの冷たい視線に落ち込む彼女をかばったのは、音響効果を担当する遠山博だった。そしてその様子を平静を装って見ていたのは、博に思いを寄せていた衣裳係の立原悦子だった。愛子の死後も起こる奇妙な出来事は貞子が原因だと考えていた悦子は、久野を訪ねて真相を聞きだそうとした。だが久野は何も言えないと言って立ち去った。重森の指導のもと、「仮面」は上演に向けて順調な仕上がりを見せていた。その頃、舞台のチラシに書かれた名前で貞子の所在を知った彰子は、取材と称して劇団に接近した。彰子が社に戻ると、須藤が彼女を訪ねて上京していた。彼女は今まで誰にも口外したことがない話を口にした。貞子が学校に通っていた頃、山村家を訪ねた須藤は二階の奥にいたもう一人の貞子を目撃したのだった。彰子が貞子を追う理由、それは彼女への復讐だった。12年前に行われた公開実験で最初に死んだ新聞記者は彼女の婚約者だった。それ以来、貞子の行方を追い続けていたのだ。婚約者の恨みを晴らすため、そして呪われた劇団員を救うために暗殺を計画した。

屋台的映画館

THE 有頂天ホテル

  • posted at:2009-02-26
  • written by:砂月(すなつき)
ざうちょうてんほてる
フジテレビ=東宝
配給:東宝
製作年:2006年
公開日:2006年1月14日
監督:三谷幸喜
製作:亀山千広 島谷能成
エグゼクティブプロデューサー:石原隆 佐倉寛次郎
プロデューサー:重岡由美子 小川泰 市川南
ラインプロデューサー:小林毅
キャスティング:空閑由美子
脚本:三谷幸喜
音楽:本間勇輔
撮影:山本英夫
照明:小野晃
録音:瀬川徹夫
美術:種田陽平
編集:上野聡一
演出補:白井美和子
スクリプター:外川恵美子
助監督:石川久
製作担当:森崎裕司
製作プロダクション:クロスメディア
出演:役所広司 松たか子 佐藤浩市 篠原涼子 香取慎吾
アメリカンビスタ カラー 136分

一年の締めくくりである大晦日。ホテル・アバンティの総支配人は、ホテルの名物であるカウントダウン・パーティーに威信を懸けていた。この重大任務は、副支配人の新堂平吉宿泊部長と瀬尾高志料飲部長の腕の見せ所だった。新年まであと2時間。刻一刻とパーティーの時間が迫っていたが、重大なトラブルが発生していた。新年とともに割れる薬玉の中に入れることになっている垂れ幕に「謹賀信念」の文字。発注した瀬尾の単純な変換ミスだった。今さら業者に発注しなおしても間に合うはずがなかった。ごった返しているフロアにコールガールが紛れ込んでいることがわかった。ヨーコにとってこんなにおいしい話を逃す手はなかった。だからたとえ瀬尾から追い出されようが何度でもチャレンジするのだ。ベルボーイのアルバイトをしている只野憲二は、歌手を目指して路上ライブをしていた。彼はお客さんがいなくなったら止めると心に決めていたが、先週の日曜日に行ったライブでついに一人だけになり、そのホームレスも歌い終わったときには亡くなっていたのだった。憲二は夢を諦めて故郷に帰ることにした。

客室係の竹本ハナはイライラしていた。就寝の時間を過ぎているにも関わらず息子が電話を掛けてきたからだ。さらにこの時間になって室内清掃を依頼されたのだ。彼女は既に私服に着替えていたが、矢部登紀子アシスタントマネージャーの説得で気を取り直した。同僚の野間睦子と向かったその部屋は、グレムリンの襲撃後のようになっていた。ハナはシングルマザーとして一人息子を育てていたが、その息子の父親は汚職事件で世間を騒がしている国会議員・武藤田勝利だった。武藤田はこのホテルに身を隠していたが、マスコミに嗅ぎつけられてしまったため別のホテルへ移動することにした。その頃、女性客がプールでひと泳ぎしている間に洋服が一切合財盗まれるという事件が発生していた。調査を依頼されたのは、ホテル探偵・蔵人だった。彼は既に腹話術師の相方を探すという仕事を請け負っていた。その相方はとても凶暴なアヒルだった。

ハナが掃除をしているクロフォードスイートには会社社長の愛人・なおみが宿泊していた。誰も居ないことをいいことにハナは毛皮や装飾品を身につけたが、そこへ社長の息子・板東直正がやってきたことで話はややこしくなった。ハナは愛人になりきることにしたのだ。地下駐車場で秘書の神保保を待つ武藤田に声を掛けたのはヨーコだった。逃げも隠れもしないことに決めた武藤田は、彼女と屋上のバーで一夜を過ごすことにした。芸能プロダクションの社長・赤丸寿一は、イベントに出演することになっている歌手の桜チェリーに新堂と寝ることを強要した。彼は仕事を掴むためならばどんな手段でも使うのだ。

屋台的映画館

模倣犯

  • posted at:2009-02-21
  • written by:砂月(すなつき)
もほうはん
「模倣犯」製作委員会(東宝=小学館=博報堂=日本出版販売=毎日新聞社=スポーツニッポン新聞社=FM TOKYO=日本テレビ放送網)
配給:東宝
製作年:2002年
公開日:2002年6月8日
監督:森田芳光
製作:島谷能成 亀井修 安永義郎 棚次隆
企画:鶴田尚正 中島健一郎 北條茂雄 青山悌三
プロデューサー:本間英行
アソシエイト・プロデューサー:市川南 春名慶 堀口慎
企画協力:三沢和子
原作:宮部みゆき
脚本:森田芳光
音楽:大島ミチル
オープニングテーマ「modulation」&挿入曲「ピースのジレンマ」:☆タカハシタク(m-flo)
音楽プロデュース:長崎行男 北原京子
撮影:北信康
美術:櫻井佳代
録音:橋本文雄
照明:渡辺三雄
編集:田中愼二
キャスティング:田中忠雄
助監督:杉山泰一
製作担当者:金澤清美
出演:中居正広 藤井隆 津田寛治 木村佳乃 山崎努
アメリカンビスタ カラー 124分

東京の下町で豆腐店を営む有馬義男。彼は娘の古川真智子、孫娘の鞠子と暮らしていた。夫が帰ってこないことで落ち込む母にの代わりに家事を手伝う鞠子の姿を義男が見たのは、2月なのに春のように暖かいということを除けば、いつもと変わらないその日が最後だった。仕事に行ったまま帰ってこない鞠子を心配した真智子は、眠っている義男を揺り起こした。時計の針は午前三時を指していたが、義男はきっと用事でも出来たのだろうと真智子を落ち着かせようとした。警察に行ってくださいとせがむ娘に義男はゆっくりと頷いた。

鞠子が行方不明になってから10ヵ月後、犬を連れて大川公園を散歩していた少年が銀色の保冷シートに包まれた人の右腕とショルダーバッグを発見した。その第一発見者は、佐和市教師一家殺人事件で命拾いした塚田真一だった。彼を心配した雑誌記者の前畑滋子は、兄・昭二に一緒に暮らしてあげて欲しいと頼み込んだ。真一は不幸な事件に遭遇したことで大きなショックを受けたが、そのときに取材で知り合った滋子にだけ心を開いていた。連絡を受けた義男は真智子をつれて警視庁に向かったが、彼女は心労で倒れ入院した。その頃、犯人を名乗る人物が生放送のテレビ番組に電話出演し、公園の片腕は別人で、ショルダーバッグは鞠子のものだと言った。犯人は通常の悪戯と区別するために警視庁にあるパソコンのキーナンバーを伝え、声紋を分析出来ないようにデジタル信号化した声を使ってしゃべっていた。彼は義男に電話を掛け、横浜にあるベイシアターホテルに呼び出した。そしてフロントでメッセージを受け取った義男は28階にあるバー「ベイ・ビュー」に向かった。水割りの飲みながら待っていると、家の郵便箱の中を見ろという内容の電話が犯人から掛かった。自宅に戻った義男が郵便箱から取り出した封筒を開けると、中から鞠子の腕時計と手紙が入っていた。そこには「これで僕が本物だってわかったろ?」と書いてあった。

番組に電話を掛けた犯人は遺体のある場所を教えると言った。だがその方法はインターネット上に流した画像をヒントに遺体を探し出すというクイズだった。警察が先か、それとも一般人が先か。この前代未聞の展開に人々の好奇心は駆り立てられて行った。前回と同様のシートに包まれた遺体は白骨化した状態で見つかったが、現場となった千鳥のガスタンク付近は遺体探しに参加した野次馬が警察関係者と揉み合いとなり、騒然とした雰囲気に包まれた。警視庁から重要参考人として取調べを受けた田川一義は匿名で番組に出演していたが、そこへ犯人が電話で割り込み、顔を晒せと挑発した。そして今後起こる殺人の現場をライブ配信すると予告したのだ。予告当日の午後8時、中継は始まった。その頃、山梨県のグリーンロードで一台の乗用車がガードレールを突き破って転落、炎上した。栗橋浩美と高井和明は即死、そして車のトランクからは昭二の遺体が発見された。彼は滋子の本の愛読者という顧客から別荘の畳の見積もりを依頼され、山梨に出掛けたのだ。捜査の結果、栗橋のマンションから事件に関係する写真や証拠品が多数見つかり、高井と二人でいるところを目撃したという証言があることから、彼らが一連の殺人事件に関与している可能性が高いと発表した。兄を失った滋子は悲しみに暮れていたが、被害者遺族を取材する側からされる側に移ったことでマスコミの無神経さを痛感した。

事件は収束に向かうと思われていた頃、栗橋たちの中学時代の同級生で経営コンサルタントの網川浩一がテレビ番組に出演した。彼は高井は事件とは関係なく、栗橋が別の人物とともに犯行に及んだのだと思うと言った。

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