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兜王ビートル

  • posted at:2012-03-25
  • written by:砂月(すなつき)
かぶとおうびーとる
ビートル倶楽部=リバティプラネット=IMAGICA=エースデュースエンタテインメント=関西テレビ放送=ツイン
配給:IMAGICA=ツイン
製作年:2005年
公開日:2005年7月16日
監督:河崎実
製作総指揮:小林広和
企画:福井政文 小林洋一 西田正 吉鶴義光
プロデューサー:安斎レオ 河崎実 杉本亮 山田宏幸 阿部祐督
ラインプロデューサー:旭正嗣
宣伝協力プロデューサー:叶井俊太郎
原作:永井豪
脚本:中野貴雄
撮影監督:長野泰隆
音楽:石井雅子
主題歌:「いざ行け!ビートル」サイキックラバー
録音:梅原淑行
助監督:佐高美智代
製作担当:星野秀樹
サブキャラクターデザイン協力:海老原優
特殊造形:坪井浩一
VFX:東海林毅
美術:門倉淳
ヘア&メイク:鷲野早苗
擬闘:破李拳竜
スチール・プロレス指導:金子博
企画協力:ダイナミック企画
出演:兜王ビートル 斎藤工 桧山慎太朗 後藤公太 中川翔子
アメリカンビスタ カラー 70分

大阪のリバティプラネットホールで行われているプロレス会場に突如現れたのは、外宇宙軍前線司令官・ゴキアブラーを始めとするインセクター・サイボーグだった。彼らは最近あちこちのプロレス団体を荒らしまわってる何かと話題の厄介者なのだ。ゴキアブラーたちが会場を恐怖のどん底に陥れようとしていると、そこへ週刊スープレックス社の新米記者・星川百合が取材を申し込んだ。気分を良くしたゴキアブラーは自分たちの主張を気持ちよくしゃべり始めたが、百合が外宇宙を害虫と聞き間違えたことで激怒した。百合が襲われそうになったそのとき、場内にギターの音色とともに現れたのは兜王ビートルだった、ゴキアブラーはビートルを見るなり裏切り者と吐き捨てた。勝負は必殺技のボンバーヘッドが炸裂したことでビートルの勝利に終わった。彼のマスクの下のやさしい瞳に一目ぼれした百合だったが、取材のことをすっかり忘れていたことで肝心の写真を一枚も撮ることが出来なかった。編集長は怒り心頭だったが、彼女が入社一ヶ月だったことを思い出すと態度を改めた。発行部数が落ち込んだことで編集部員が全員アルバイトになっていたのだ。ひと月でも実績のある彼女に辞められてはたまらないと、編集長は可能性を感じるとおだてて退職を思い止まらせた。宇宙からの怪人軍団とそれに立ち向かう仮面のヒーロー。この最近見かけないシチュエーションに編集長はロマンを感じていた。だが最大の欠点は、女性層が食いついてこないことだった。唯一ビートルに心を奪われた百合に目をつけた編集長は、彼女を局長班のリーダーに任命しビートルの正体を突き止めろと命じた。

百合がどこをどう捜していいかわからず街をうろうろしていたころ、外宇宙軍の宇宙船内では魔蟲王デビルワームがゴキアブラーたちを叱責していた。デビルワームはビートルをおびき出すために各地のプロレス会場へ彼らを派遣していたのだが、尻尾を掴んだにも関わらずあっさりと負けて帰ってきたことにおかんむりだった。デビルワームの目的とは、捕まえたビートルを再改造して外宇宙軍の主力メンバーとし、銀河中のちびっこたちに向けて商品展開することだった。クリスマス、正月商戦に間に合わせるために製造を急がせたことでコストが嵩んだ上に販売中止。さらにビートルが行方不明とあってはお手上げだった。そこに現れたのは、宇宙軍のエース・破滅王ディザスターだった。実力は自分の方が上だと豪語するディザスターにデビルワームは、お前はあくまで主人公のライバルキャラだと言った。光がなければ影も差さん。その言葉に憤慨したディザスターは、俺がビートルを見つけ出しどちらが強いかを全宇宙にさらけ出してやると言った。

屋台的映画館
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黄金の犬

  • posted at:2012-03-17
  • written by:砂月(すなつき)
おうごんのいぬ
大映映画
配給:松竹
製作年:1979年
公開日:1979年6月2日
監督:山根成之
製作総指揮:徳間康快
製作:武田敦
企画:小林正夫 荒井修
プロデューサー:大岡弘光
原作:西村寿行
脚本:白坂依志夫 加藤盟
撮影:椎塚彰
音楽:大野雄二
主題歌:「天使の墓標」長瀬晴美
美術:福留八郎
特殊撮影:特撮研究所 佐川和夫
録音:飛田喜美雄
照明:牛場賢二
編集:白江隆夫
記録:石山久美子
監督助手:村石宏實
色彩調整:岩田卂夫
製作担当:中村賢一
製作主任:大里俊博
助監督:岩下輝幸 松本清孝
装飾:岩田信尚
メーキャップ:土屋千恵
宣伝担当:和田豊 舟橋悟
スチール:野上哲夫
制作進行:熊田雅彦
演技指導:碓井義徳
出演:鶴田浩二 島田陽子 夏八木勲 地井武男 藤巻潤 
アメリカンビスタ カラー 128分

昭和53年秋、愛犬ゴロを連れて東京から北海道へやってきた北守数重は、熊狩りのために地元のハンターと山へ入った。ヒグマが現れ二人は射撃を行ったが弾は急所を外れた。痛みで怒り狂ったヒグマは飛び掛ってきたゴロを撥ね退けると北守の方へ向かって来たのだ。一撃を喰らって瀕死の重傷を負った主人を助けるためにゴロは再びヒグマに飛び掛かり、ハンターは頃合いを計って狙い撃ちして息の根を止めた。彼は北守を車に乗せるとすぐに発車させた。一刻を争う状況だったためゴロに構っている場合ではなかったのだ。その後、ヘリコプターで搬送され総合病院で手術を受けた北守だったがすでに手遅れだった。その頃、ゴロは主人の姿を求めて平原を走り続けていた。

永山勇吉と大橋忠夫は追っ手から逃れるために北海道へ逃げて来たが、長い逃亡生活で疲れ切った大橋は二言目には東京に帰りたいと喚いた。永山はその場に残りたいと考えていたが、大橋が通りすがりの車を停めてしまったため、運転手の好意に甘えて乗ることにした。だがその車こそ二人の追っ手だった。雰囲気がおかしいことに気付いた永山はすぐさま車外へ飛び出したが、大橋は銃で撃たれて即死した。通商産業省の官僚だった永山は軍艦に転用できる特殊船舶の輸出に関する業務に携わっていた。裏では多額の金が動き、それを嗅ぎ付けた記者の大橋が豪勢な生活を送る永山を強請ったのだ。永山はそれを機械産業局長に報告したが、輸出を認可したのは君であって私は一切関知しないと突っ撥ねた。それ以来、二人は命を狙われるようになったのだ。
海岸にたどり着いた永山は釣った魚を焼いて空腹を満たしていたが、その臭いにつられてやってきたのは痩せ細った白い紀州犬だった。可哀そうに思った永山は動物病院へ連れて行き、なけなしの金で治療をお願いした。獣医から犬には驚異的な帰巣本能があるという説明を聞いた永山は、その犬が東京へ帰ろうとしていたことを知った。鑑札には東京・目黒のゴロと書いてあった。

漁を手伝って給料をもらった永山は冷え切った体をラーメン屋で温めていた。何気なく見ていたテレビで妻と娘が無理心中をしたことを知ったが、それに組織が関与していることは明白だった。復讐に燃える永山は局長に電話を掛け、契約書をマイクロフィルムに保存してあることを伝えた。彼は汚職事件の共犯者と認めた上で、東京に帰って全てを公表することにしたのだ。永山は自分が死んだときのことを考え、ゴロの首輪についた迷子札を入れる樽にマイクロフィルムを忍ばせた。

屋台的映画館

秘密(1999年)

  • posted at:2012-03-06
  • written by:砂月(すなつき)
ひみつ
TBS
配給:東宝
製作年:1999年
公開日:1999年9月25日
監督:滝田洋二郎
製作:児玉守弘
エクゼクティブプロデューサー:間瀬泰宏
プロデューサー:田上節朗 進藤淳一
協力プロデューサー:濱名一哉
企画:原田俊明
原作:東野圭吾
脚本:斉藤ひろし
VFXスーパーバイザー:曽利文彦
ラインプロデューサー:福島聡司
撮影:栢野直樹
音楽:宇崎竜童
主題歌:「天使のため息」 竹内まりや
音楽スーパーバイザー:石川光
編曲:和田薫
美術:金田克美
照明:長田達也
録音:林大輔
編集:冨田功
助監督:足立公良
俳優担当:名須川伸吾
製作担当:宿崎恵造
製作協力:フィルムフェイス
出演:広末涼子 小林薫 岸本加世子 金子賢 石田ゆり子
アメリカンビスタ カラー 119分

タキガワ食品に勤務する杉田平介は、法事のために実家の長野に帰ることになった妻の直子と娘の藻奈美を笑顔で見送った。高校生の藻奈美は父親と留守番の予定だったが、スキーが出来ることがわかったため春休みを利用してついて行くことにしたのだ。翌日、遅い朝食を取りながらテレビを見ていた平介は、スキーバス転落事故に巻き込まれた母子の苗字が「杉田」であることを知り唖然とした。急遽、長野県白馬村の信濃姫川病院に駆けつけた平介だったが、担当の医師から二人が厳しい状態にあることを知らされ肩を落とした。そして直子の容態が急変し、彼女は息を引き取った。それと同時に藻奈美は意識を取り戻した。彼女は隣のベッドで横たわる直子の姿を見て「私、死んだの?」とつぶやいた。

直子は、藻奈美の姿をしているだけで心は直子だと説明したが、平介は藻奈美が母親の真似をしてからかっているのだと思い込んでいた。そこで直美は初めてデートしたときのことや初めて泊まりに来たときのことを話した。平介は必死に現実を受け入れようと努力し、図書館に通って憑依について調べることにした。過去に起こった現象がまとめられた一冊には、二年間を経た後に少女の本当の人格が戻ったと書かれていた。藻奈美の人格を押しのけて体の中に入り込んでしまったことを直子は悔やんでいた。娘が戻ってくるのならばどんな治療でも受ける覚悟でいたが、誰にも真実を知られずに生活をするが困難であることは明白だった。学校の制服を着て姿見の前に立った直子は、藻奈美の人生の空白を埋めるために娘になりきって生きていく決心をした。しかし彼女が気がかりだったのは、人間関係や世代間のギャップ、そして授業についていけるかだった。そこで平介は、藻奈美が受けた事故のショックは甚大で多くの記憶を失ったと担任の教師・橋本多恵子に話した。

帰宅の途中で多恵子と会った平介は、彼女から藻奈美が医学部志望に進路を変更したことを聞かされた。そのことについて直子は自分の置かれている状況を解明するために脳医学の勉強をしたいと平介に打ち明けた。もう一度人生をやり直せるチャンスを無駄にしたくないというのだ。直子は勉強が苦手だが、藻奈美の脳に形成された得意分野を生かせばできると考えていた。そして合格発表の日、私が受からなきゃ受かる人なんていないという直子の自信どおり関東医科大学に合格した。大学生活は直子にとって刺激的な毎日で、授業にサークルにコンパにと大忙しだった。ある日、ヨット部の先輩である相馬春樹からの電話を受けて以来、直子の気持ちが離れていくことを危惧した平介は電話機に盗聴器を仕掛けた。

屋台的映画館

緋牡丹博徒 一宿一飯

  • posted at:2012-02-24
  • written by:砂月(すなつき)
ひぼたんばくといっしゅくいっぱん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1968年
公開日:1968年11月22日
監督:鈴木則文
企画:俊藤浩滋 日下部五朗
脚本:野上龍雄 鈴木則文
撮影:古谷伸
音楽:渡辺岳夫
主題歌:「緋牡丹しぐれ」藤純子
美術:石原昭
照明:増田悦章
録音:溝口正義
編集:堀池幸三
助監督:本田達男
記録:国定淑子
装置:米沢勝
装飾:松原邦四郎
美粧:鳥居清一
結髪:妹尾茂子
衣裳:松田孝
擬斗:谷明憲
舞踊振付:藤間勘真次
進行主任:渡辺操
出演:藤純子 若山富三郎 待田京介 城野ゆき 鶴田浩二
アメリカンビスタ カラー 95分

明治の中頃、上州・富岡では秋祭りが行われていたが、その会場で高利貸の倉持儀助が襲われた。警察の介入により大事には至らなかったが、農民たちの怒りは頂点に達していた。彼らは倉持に半年で額が倍になるという法外な利息の借金をしていたが、ここ三年、霜害で桑が育たず養蚕農家は打撃を受けていた。戸賀崎一家は生糸を運ぶ事業を行う傍ら農家を取り仕切っていたが、親分の戸賀崎栄助は農民たちが訴える窮状に、今は辛抱して欲しいとなだめるしかなかった。その頃、笠松一家の賭場では、背中に弁天の刺青を入れたおれんが荒稼ぎしていた。栄助の舎弟・笠松弥一郎は戸賀崎一家に草鞋を脱いでいた緋牡丹のお竜こと矢野竜子に加勢を頼んだのだった。竜子が手本引きの胴を務めることがわかるとおれんは勝負に出た。だが表情ひとつ変えない竜子におれんは敢え無く敗れ去った。

倉持は周辺の村を訪ね歩き、高利貸たちから証文を買い集めて回った。その証文は全て養蚕農家のものだったが、裏で手引きしていたのは笠松だった。笠松は倉持と結託して会社を設立しようと企んでいた。上州一帯の生糸産業を牛耳り、借金を抱えた農民をただ働きさせようとしていたのだ。竜子は戸賀崎から預かった一通の手紙を四国道後に一家を構える熊坂虎吉に届けた。岩津一家との一件で竜子を一目惚れし、その後兄弟分の盃を交した虎吉は、矢野組再興に尽力することを心に誓っていた。竜子が虎吉と浜を散歩していると、虎吉の妹・清子が息を切らせて駆け寄ってきた。戸賀崎一家が農民を守るために倉持を襲ったというのだ。小旅行が自分への配慮だったことを知った竜子は上州へ戻ることにした。

製糸工場を興した笠松は、農家から娘たちばかり集めると朝から晩まで働かせた。そして逃げ出す者があれば乾分が追い掛け、捉えると暴力を振るった。笠松一家は生糸に関わる事業をことごとく手に入れたが、郵便馬車の権利だけは戸賀崎の娘・まちの抵抗で出来なかった。竜子が戸賀崎の家に入ると中は静まり返っていた。倉持に殴り込みを掛けた戸賀崎たちは事前に情報を掴んでいた警官に射殺された。全ては笠松による罠で、一家に残ったのは戸賀崎が跡目として見込んだ菊地勇吉だけだった。数々の妨害で怒りが頂点に達していた勇吉は単身で笠松一家に乗り込んだが、用心棒・白石には敵わず深手を負った。刃が勇吉の心臓を貫こうとしたそのとき、助けに現れたのは拳銃を手にした竜子だった。

屋台的映画館

軍神山本元帥と連合艦隊

  • posted at:2012-02-16
  • written by:砂月(すなつき)
ぐんしんやまもとげんすいとれんごうかんたい
新東宝
配給:新東宝
製作年:1956年
公開日:1956年10月31日
監督:志村敏夫
製作:大蔵貢
脚本:館岡謙之助
企画:野坂和馬
撮影:山中晋
音楽:鈴木静一
美術:朝生治男
録音:片岡造
照明:矢口明
編集:金子半三郎
助監督:土居通芳
特殊技術:新東宝特殊技術
製作主任:前田晃利
出演:佐分利信 田崎潤 細川俊夫 宇津井健 中村彰
スタンダード モノクロ 101分

昭和5年に行われたロンドン海軍軍縮会議において、日本政府はアメリカとイギリスの提案を受け入れ調印した。海軍軍縮問題は大正10年に締結されたワシントン海軍軍縮条約で戦艦、空母等の保有制限が決められたが、巡洋艦以下の補助艦艇については制限がなかったことで各国は競って条約型巡洋艦を建造した。ところが補助艦の性能が著しく向上したことから昭和2年にジュネーブ海軍軍縮会議が召集されたが、アメリカとイギリスの主張は平行線を辿り決裂した。仕切り直しとなったロンドン海軍軍縮会議で再び補助艦制限の討議が行われ、日本は米英の6割を保有することで決着した。

昭和6年秋、山本五十六少将は第一航空戦隊司令官として海の若鷲の育成に携わっていた。武力差の劣勢を補うための訓練はとても厳しいものだったが、演習が終わると山本はざっくばらんに部下と接した。藤田少佐たちが議会で問題になっている満州事変や統帥権干犯問題を話題にしても、軍人は政治に関与しないのが海軍の伝統だと言って軽く往なした。そして、火遊びは火事の元、喧嘩は命取りの元だと戒めた。

昭和7年、前年の柳条湖事件を契機に抗日運動が激しさを増す中、中国人による日本人僧侶襲撃事件が発端となって上海事変が勃発した。日本国内では五・一五事件により犬養毅内閣総理大臣が暗殺され、ドイツではヒトラーが台頭していた。昭和8年、リットン調査団による報告書で満州国建国に対する採択の結果に不服を持った日本は国際連盟を脱退し孤立した。翌年、親友である軍務局長の堀内少将に推挙されて第二次軍縮会議の予備交渉に行くことになった山本だったが、ロンドン条約の維持を主張する米英と、世界軍備の大幅削減と軍備平等化を主張する日本とが真っ向から対立した。その後、山本は妥協案を提示したが米英は態度を変えず会議は長期休会となった。

山本が帰京すると、堀内は物別れとなった会議の責任を負わされ勇退させられていた。痛憤した山本は退役を決意して故郷・長岡に戻ることにした。山本は兄の家でくつろいでいたが、そこへやってきたのは堀内だった。彼はのんびりと暮らすつもりでいる山本の決心を止めさせるために来たというのだ。堀内は、軍縮条約が破棄され野放しになる軍備拡張の難局に対処できる人間は貴様しかいないと言い放った。国家は山本を必要とし、彼を横須賀海軍航空隊の航空本部長に任命した。山本の使命は、将来の海戦における航空戦力を築き上げることだった。

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