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ぼくたちと駐在さんの700日戦争

  • posted at:2012-04-16
  • written by:砂月(すなつき)
ぼくたちとちゅうざいさんのななひゃくにちせんそう
「ぼくちゅう」PARTNERS(ギャガ・コミュニケーションズ=TSUTAYAグループ=IMAGICA=メモリーテック=CBC=SBS)
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
製作年:2008年
公開日:2008年4月5日
監督:塚本連平
製作:宇野康秀
エクゼクティブプロデューサー:星野有香 河井信哉
プロデューサー:森谷雄
企画プロデューサー:山崎雅史 大前典子
宣伝プロデューサー:三神昌彦
アソシエイトプロデューサー:山本章
製作エグゼクティヴ:依田巽
ラインプロデューサー:須永裕之
原作:ママチャリ ブログ「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」
脚本:福田雄一
撮影:瀬川龍
音楽:Audio Highs
ストリングスアレンジ:吉川慶
音楽プロデュース:志田博英
音楽コーディネーター:長岡和弘
主題歌:「旅立ち」ファンキーモンキーベイビーズ
美術:太田喜久男
照明:原由巳
録音:南徳昭
デジタルエンジニア:笠原雄治
スクリプター:戸井田望
編集:平川正治
スタイリスト:棚橋公子
メイク:五十嵐広美
劇中イラスト:キン・シオタニ
キャスティング:原谷亜希子
企画協力:松本廣
助監督:久保田博紀
製作担当:江島進
製作プロダクション:アットムービー
出演:市原隼人 佐々木蔵之介 麻生久美子 石田卓也 加治将樹
アメリカンビスタ カラー 110分

1979年、夏。栃木県にある関東ローム層の町・からす山には、ちょいとは知られたイタズラ好きの高校生集団がいた。その高校生集団とは、リーダー格でイタズラの天才・ママチャリ、喧嘩の強いエロガッパ・西条、偏差値0?!の男・孝昭、恋する星の王子様・グレート井上、一食2000kcalの食いしん坊・千葉くんの5人だった。彼らの心を高校球児の甲子園のように熱く燃え上がらせたのは、一人の男の登場のせいだった。ママチャリたちは青春を賭けてこの男と戦った。

戦いは静かに始まった。原チャリを運転していた西条が、駐在さんが仕掛けたレーダー式速度測定器に引っ掛かり、速度超過で反則切符を切られたのだ。そのおかげで七日間の停学処分を受けていた西条は退学になる可能性が出てきたのだった。あいつの吠え面さえ拝めれば退学は本望だという彼の言葉を聞いたママチャリは、あるアイデアを口にした。「嵐のチャリンコライダー作戦」と名付けたその作戦とは、チャリンコに乗った高校生が作戦に賛同した時速50キロで走る車と並走するというものだった。免許証を持っていなければ逮捕をされないという理屈だった。何度も繰り返すことで駐在さんを困らせたが、どうしてもヤツのビビッた顔が見たいという西条の言葉に触発され全員で測定器の前を通過することになった。7人プラスアルファーは停まれと叫ぶ駐在さんに向かって行ったが、あらかじめ呼んでおいた警官たちが物陰から現れ取り締まり始めた。危険を感じた連中は次々と引き返して行ったが、ママチャリ他4人は駐在所に連れて行かれた。駐在さんは生徒を引き取りに来た寺島先生に、自転車もりっぱな軽車両だからスピード違反をしたら捕まることを説明した。

駐在さんに痛い目に遭わされたママチャリたちは新たな手段で抵抗することにした。それは「鉄の嵐作戦」だった。ディスプレイに時速4キロと表示されたことで道路に確認をしに出た駐在さんは、その様子を見て激怒した。チャリンコが軽車両としてケチをつけられるならば自分で走るしかない。しかしメガネ程度の金属ならセンサーは反応しない。そこで彼らは各々で吹奏楽部の楽器などを持ち寄ると、みんなで測定器の前を通過したのだ。駐在さんは走って追い掛けたが、皆散り散りに逃げてしまった。ただ一人を除いては。スーザフォンを担いだママチャリは重くて100万円以上する楽器を放り投げて逃げることが出来ず駐在さんに捕まってしまった。駐在所に連れて行かれた5人は音楽葬の準備だと言い訳したが、警察を舐めるなと一喝された。

キュートな後輩・ジェミーを仲間に引き入れたママチャリたちは新たな作戦を決行した。ある夜、覆面をした二人乗りの三台のチャリンコが駐在所の前を通過した。駐在さんが追い掛けると、荷台に後向きに乗った覆面たちが彼に向けてロケット花火を連続して発射したのだ。これぞ武田信玄も真っ青の「信長鉄砲隊作戦」だった。

屋台的映画館
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うた魂

  • posted at:2012-04-05
  • written by:砂月(すなつき)
うたたま
「うた魂」製作委員会(日活=文化放送=朝日新聞社)
配給:日活
製作年:2008年
公開日:2008年4月5日
監督:田中誠
製作:佐藤直樹
製作代表:小餅憲一 後藤尚雄
エクゼクティブプロデューサー:馬場清
プロデューサー:有重陽一 野間清恵 川上竜生
アソシエイトプロデューサー:山本章
脚本:栗原裕光 田中誠
撮影監督:鈴木一博
音楽:林祐介
音楽プロデューサー:和田亨
主題歌:「青い鳥」ゴスペラーズ
美術:新田隆之
録音:岩倉雅之
編集:大永昌弘
装飾:松田光畝
キャスティング:おおずさわこ
スクリプター:田口良子
助監督:野本史生
製作担当:大沢忠生
製作プロダクション:日活撮影所
出演:夏帆 ゴリ 徳永えり 亜希子 薬師丸ひろ子
アメリカンビスタ カラー 120分

北海道・函館の七浜高校に通う2年B組の荻野かすみは、合唱部に所属しソプラノパートリーダーを務めている。彼女は自分が歌う姿と声に心底惚れ込んでいたが、それと同じくらい好きだったのがイケメン生徒会長の牧村純一だった。純一から放課後に校舎の屋上で会えないかと言われたかすみは、それが彼からの告白だと信じて疑わなかった。受験勉強のために三年生が引退した合唱部では、アルトパートリーダーの松本楓が部長に、ピアノ伴奏担当の野村ミズキが副部長に就任することになった。新体制での練習が始まったが、思った以上に時間が延びてしまい、純一のことを心配したかすみは早めに切り上げて屋上へ向かった。ところが純一の話は告白ではなかった。数日後に行われる合唱コンクールの北海道予選壮行会で歌うかすみの写真が撮りたいというのだ。落胆するかすみだったが、遠まわしな告白かもしれないと解釈した彼女は一瞬にして立ち直った。かすみの頭の中では、歌っているあたし=美しいもの=美への賛美=あたしへの愛情表現となっていた。

一学期の終了日で壮行会当日、かすみは感情豊かに歌い上げ、純一はその表情を激写した。純一に呼び出されたかすみは、写真を受け取り思わずつぶやいた。うそ、あたし歌ってるときこんな顔してるの?。純一からは産卵中のシャケみたいな顔でユーモラスじゃんと笑われ、さらに生徒会新聞・七浜タイムスに写真が載ったことで歌唱中の顔を知らないのは自分だけだということがわかりショックを受けた。激怒したかすみはD組に乗り込み、純一に張り手を食らわせた。コンクールの予選は一ヵ月後に迫っていたが、鏡に映る自分の表情が気になり練習に集中出来なくなっていた。彼女は練習を途中で抜け出して帰宅しようとしていたが、純一に思いを寄せる青柳レナからも追い討ちを掛けられ自信を失った。夏休みに入ったがかすみは練習に参加しようとはしなかった。一週間経ったある日、登校した彼女は合唱部の顧問で産休代員の瀬沼裕子に退部を申し出た。相談を受けた裕子は、自分の人生なのだから辞めたいなら辞めるのもありかなとあっさり承諾した。その条件として明日行われる七浜七夕祭りの合唱祭に出場し、部員たちに自分の口で説明するように言った。

ラストステージは必要だという裕子の言葉を受けたかすみは、気持ちの整理がつかないまま合唱祭に出場することになった。しかし本番になっても彼女の表情は冴えず、下を向いてばかりだった。かすみを心配した楓とミズキは、カッコ悪いからもう人前で歌いたくないという彼女の言葉を聞いてショックを受けた。放っておいて欲しいと逃げるかすみとそれを追いかける楓たちは、突如ヤンキーたちに取り囲まれた。彼らは湯の川学院高校の合唱部だった。部長の権藤洋は七浜高校のパフォーマンスに賛辞を贈ったが、正直負ける気がしねえんだよ、オーディエンスのハートをわしづかみに出来るのは俺たちの方なんだよと吼えた。そして去り際にかすみを指差した権藤は、あんな歌い方は歌への冒涜だと言った。ステージに立った湯の川学院は尾崎豊の「15の夜」を熱くソウルフルに歌い上げ、かすみはその迫力に心を揺り動かされていた。彼らは気持ちが入らなければ歌やオーディエンスに失礼だという理由で心から共感できる歌しか歌わなかった。合唱を終えた権藤は、かすみを海岸に連れて行くと歌に一番大切なものは何かと尋ねた。彼女は正しい音程や発声方法だと答えたが、権藤はそんなテクニカルなことではなく、「フルチン」の心になって声を出せと言った。

屋台的映画館

兜王ビートル

  • posted at:2012-03-25
  • written by:砂月(すなつき)
かぶとおうびーとる
ビートル倶楽部=リバティプラネット=IMAGICA=エースデュースエンタテインメント=関西テレビ放送=ツイン
配給:IMAGICA=ツイン
製作年:2005年
公開日:2005年7月16日
監督:河崎実
製作総指揮:小林広和
企画:福井政文 小林洋一 西田正 吉鶴義光
プロデューサー:安斎レオ 河崎実 杉本亮 山田宏幸 阿部祐督
ラインプロデューサー:旭正嗣
宣伝協力プロデューサー:叶井俊太郎
原作:永井豪
脚本:中野貴雄
撮影監督:長野泰隆
音楽:石井雅子
主題歌:「いざ行け!ビートル」サイキックラバー
録音:梅原淑行
助監督:佐高美智代
製作担当:星野秀樹
サブキャラクターデザイン協力:海老原優
特殊造形:坪井浩一
VFX:東海林毅
美術:門倉淳
ヘア&メイク:鷲野早苗
擬闘:破李拳竜
スチール・プロレス指導:金子博
企画協力:ダイナミック企画
出演:兜王ビートル 斎藤工 桧山慎太朗 後藤公太 中川翔子
アメリカンビスタ カラー 70分

大阪のリバティプラネットホールで行われているプロレス会場に突如現れたのは、外宇宙軍前線司令官・ゴキアブラーを始めとするインセクター・サイボーグだった。彼らは最近あちこちのプロレス団体を荒らしまわってる何かと話題の厄介者なのだ。ゴキアブラーたちが会場を恐怖のどん底に陥れようとしていると、そこへ週刊スープレックス社の新米記者・星川百合が取材を申し込んだ。気分を良くしたゴキアブラーは自分たちの主張を気持ちよくしゃべり始めたが、百合が外宇宙を害虫と聞き間違えたことで激怒した。百合が襲われそうになったそのとき、場内にギターの音色とともに現れたのは兜王ビートルだった、ゴキアブラーはビートルを見るなり裏切り者と吐き捨てた。勝負は必殺技のボンバーヘッドが炸裂したことでビートルの勝利に終わった。彼のマスクの下のやさしい瞳に一目ぼれした百合だったが、取材のことをすっかり忘れていたことで肝心の写真を一枚も撮ることが出来なかった。編集長は怒り心頭だったが、彼女が入社一ヶ月だったことを思い出すと態度を改めた。発行部数が落ち込んだことで編集部員が全員アルバイトになっていたのだ。ひと月でも実績のある彼女に辞められてはたまらないと、編集長は可能性を感じるとおだてて退職を思い止まらせた。宇宙からの怪人軍団とそれに立ち向かう仮面のヒーロー。この最近見かけないシチュエーションに編集長はロマンを感じていた。だが最大の欠点は、女性層が食いついてこないことだった。唯一ビートルに心を奪われた百合に目をつけた編集長は、彼女を局長班のリーダーに任命しビートルの正体を突き止めろと命じた。

百合がどこをどう捜していいかわからず街をうろうろしていたころ、外宇宙軍の宇宙船内では魔蟲王デビルワームがゴキアブラーたちを叱責していた。デビルワームはビートルをおびき出すために各地のプロレス会場へ彼らを派遣していたのだが、尻尾を掴んだにも関わらずあっさりと負けて帰ってきたことにおかんむりだった。デビルワームの目的とは、捕まえたビートルを再改造して外宇宙軍の主力メンバーとし、銀河中のちびっこたちに向けて商品展開することだった。クリスマス、正月商戦に間に合わせるために製造を急がせたことでコストが嵩んだ上に販売中止。さらにビートルが行方不明とあってはお手上げだった。そこに現れたのは、宇宙軍のエース・破滅王ディザスターだった。実力は自分の方が上だと豪語するディザスターにデビルワームは、お前はあくまで主人公のライバルキャラだと言った。光がなければ影も差さん。その言葉に憤慨したディザスターは、俺がビートルを見つけ出しどちらが強いかを全宇宙にさらけ出してやると言った。

屋台的映画館

黄金の犬

  • posted at:2012-03-17
  • written by:砂月(すなつき)
おうごんのいぬ
大映映画
配給:松竹
製作年:1979年
公開日:1979年6月2日
監督:山根成之
製作総指揮:徳間康快
製作:武田敦
企画:小林正夫 荒井修
プロデューサー:大岡弘光
原作:西村寿行
脚本:白坂依志夫 加藤盟
撮影:椎塚彰
音楽:大野雄二
主題歌:「天使の墓標」長瀬晴美
美術:福留八郎
特殊撮影:特撮研究所 佐川和夫
録音:飛田喜美雄
照明:牛場賢二
編集:白江隆夫
記録:石山久美子
監督助手:村石宏實
色彩調整:岩田卂夫
製作担当:中村賢一
製作主任:大里俊博
助監督:岩下輝幸 松本清孝
装飾:岩田信尚
メーキャップ:土屋千恵
宣伝担当:和田豊 舟橋悟
スチール:野上哲夫
制作進行:熊田雅彦
演技指導:碓井義徳
出演:鶴田浩二 島田陽子 夏八木勲 地井武男 藤巻潤 
アメリカンビスタ カラー 128分

昭和53年秋、愛犬ゴロを連れて東京から北海道へやってきた北守数重は、熊狩りのために地元のハンターと山へ入った。ヒグマが現れ二人は射撃を行ったが弾は急所を外れた。痛みで怒り狂ったヒグマは飛び掛ってきたゴロを撥ね退けると北守の方へ向かって来たのだ。一撃を喰らって瀕死の重傷を負った主人を助けるためにゴロは再びヒグマに飛び掛かり、ハンターは頃合いを計って狙い撃ちして息の根を止めた。彼は北守を車に乗せるとすぐに発車させた。一刻を争う状況だったためゴロに構っている場合ではなかったのだ。その後、ヘリコプターで搬送され総合病院で手術を受けた北守だったがすでに手遅れだった。その頃、ゴロは主人の姿を求めて平原を走り続けていた。

永山勇吉と大橋忠夫は追っ手から逃れるために北海道へ逃げて来たが、長い逃亡生活で疲れ切った大橋は二言目には東京に帰りたいと喚いた。永山はその場に残りたいと考えていたが、大橋が通りすがりの車を停めてしまったため、運転手の好意に甘えて乗ることにした。だがその車こそ二人の追っ手だった。雰囲気がおかしいことに気付いた永山はすぐさま車外へ飛び出したが、大橋は銃で撃たれて即死した。通商産業省の官僚だった永山は軍艦に転用できる特殊船舶の輸出に関する業務に携わっていた。裏では多額の金が動き、それを嗅ぎ付けた記者の大橋が豪勢な生活を送る永山を強請ったのだ。永山はそれを機械産業局長に報告したが、輸出を認可したのは君であって私は一切関知しないと突っ撥ねた。それ以来、二人は命を狙われるようになったのだ。
海岸にたどり着いた永山は釣った魚を焼いて空腹を満たしていたが、その臭いにつられてやってきたのは痩せ細った白い紀州犬だった。可哀そうに思った永山は動物病院へ連れて行き、なけなしの金で治療をお願いした。獣医から犬には驚異的な帰巣本能があるという説明を聞いた永山は、その犬が東京へ帰ろうとしていたことを知った。鑑札には東京・目黒のゴロと書いてあった。

漁を手伝って給料をもらった永山は冷え切った体をラーメン屋で温めていた。何気なく見ていたテレビで妻と娘が無理心中をしたことを知ったが、それに組織が関与していることは明白だった。復讐に燃える永山は局長に電話を掛け、契約書をマイクロフィルムに保存してあることを伝えた。彼は汚職事件の共犯者と認めた上で、東京に帰って全てを公表することにしたのだ。永山は自分が死んだときのことを考え、ゴロの首輪についた迷子札を入れる樽にマイクロフィルムを忍ばせた。

屋台的映画館

秘密(1999年)

  • posted at:2012-03-06
  • written by:砂月(すなつき)
ひみつ
TBS
配給:東宝
製作年:1999年
公開日:1999年9月25日
監督:滝田洋二郎
製作:児玉守弘
エクゼクティブプロデューサー:間瀬泰宏
プロデューサー:田上節朗 進藤淳一
協力プロデューサー:濱名一哉
企画:原田俊明
原作:東野圭吾
脚本:斉藤ひろし
VFXスーパーバイザー:曽利文彦
ラインプロデューサー:福島聡司
撮影:栢野直樹
音楽:宇崎竜童
主題歌:「天使のため息」 竹内まりや
音楽スーパーバイザー:石川光
編曲:和田薫
美術:金田克美
照明:長田達也
録音:林大輔
編集:冨田功
助監督:足立公良
俳優担当:名須川伸吾
製作担当:宿崎恵造
製作協力:フィルムフェイス
出演:広末涼子 小林薫 岸本加世子 金子賢 石田ゆり子
アメリカンビスタ カラー 119分

タキガワ食品に勤務する杉田平介は、法事のために実家の長野に帰ることになった妻の直子と娘の藻奈美を笑顔で見送った。高校生の藻奈美は父親と留守番の予定だったが、スキーが出来ることがわかったため春休みを利用してついて行くことにしたのだ。翌日、遅い朝食を取りながらテレビを見ていた平介は、スキーバス転落事故に巻き込まれた母子の苗字が「杉田」であることを知り唖然とした。急遽、長野県白馬村の信濃姫川病院に駆けつけた平介だったが、担当の医師から二人が厳しい状態にあることを知らされ肩を落とした。そして直子の容態が急変し、彼女は息を引き取った。それと同時に藻奈美は意識を取り戻した。彼女は隣のベッドで横たわる直子の姿を見て「私、死んだの?」とつぶやいた。

直子は、藻奈美の姿をしているだけで心は直子だと説明したが、平介は藻奈美が母親の真似をしてからかっているのだと思い込んでいた。そこで直美は初めてデートしたときのことや初めて泊まりに来たときのことを話した。平介は必死に現実を受け入れようと努力し、図書館に通って憑依について調べることにした。過去に起こった現象がまとめられた一冊には、二年間を経た後に少女の本当の人格が戻ったと書かれていた。藻奈美の人格を押しのけて体の中に入り込んでしまったことを直子は悔やんでいた。娘が戻ってくるのならばどんな治療でも受ける覚悟でいたが、誰にも真実を知られずに生活をするが困難であることは明白だった。学校の制服を着て姿見の前に立った直子は、藻奈美の人生の空白を埋めるために娘になりきって生きていく決心をした。しかし彼女が気がかりだったのは、人間関係や世代間のギャップ、そして授業についていけるかだった。そこで平介は、藻奈美が受けた事故のショックは甚大で多くの記憶を失ったと担任の教師・橋本多恵子に話した。

帰宅の途中で多恵子と会った平介は、彼女から藻奈美が医学部志望に進路を変更したことを聞かされた。そのことについて直子は自分の置かれている状況を解明するために脳医学の勉強をしたいと平介に打ち明けた。もう一度人生をやり直せるチャンスを無駄にしたくないというのだ。直子は勉強が苦手だが、藻奈美の脳に形成された得意分野を生かせばできると考えていた。そして合格発表の日、私が受からなきゃ受かる人なんていないという直子の自信どおり関東医科大学に合格した。大学生活は直子にとって刺激的な毎日で、授業にサークルにコンパにと大忙しだった。ある日、ヨット部の先輩である相馬春樹からの電話を受けて以来、直子の気持ちが離れていくことを危惧した平介は電話機に盗聴器を仕掛けた。

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