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新宿純愛物語

  • posted at:2013-06-03
  • written by:砂月(すなつき)
しんじゅくじゅんあいものがたり
東映
配給:東映
製作年:1987年
公開日:1987年7月4日 併映「恐怖のヤッちゃん」
監督:那須博之
企画:長谷川安弘
プロデューサー:黒澤満 青木勝彦
原作:桑原譲太郎
脚本:那須真知子
音楽:都志見隆 埜邑紀見男
音楽:プロデューサー:高桑忠男 石川光
主題歌:「新宿純愛物語」仲村トオル 一条寺美奈
挿入歌:「哀しみ無宿」仲村トオル
挿入歌:「傷だらけのHAPPINESS」仲村トオル
撮影:浜田毅
録音:橋本文雄
照明:安河内央之
美術:菊川芳江
編集:山田真司
技斗:高瀬将嗣
キャスティング:飯塚滋
助監督:鹿島勤
製作担当:川崎隆
製作協力:セントラルアーツ
出演:仲村トオル 一条寺美奈 五十嵐いづみ 松井哲也 大地康雄
アメリカンビスタ カラー 96分

学校をサボって親友の原田ユミと新宿にやって来た17歳の尾花マリは、愛猫のチャコをペット美容室に預けるとユミの買い物に付き合った。用事を終え店員から受け取ったチャコを抱きかかえようとしたマリだったが、ユミの掛けた声に驚いて逃げてしまった。逃げ込んだ路地の先で男の叫び声。マリがそっと覗くと、大の字になった男の上にチャコが乗っかっていた。男の名は一条寺文麿。空腹でさまよっていたところ、突然飛び出してきたチャコに驚いて倒れたのだった。マリはお詫びの気持ちをこめてランチをごちそうすることにした。文麿の貪り食う姿にユミはゲンナリしたが、マリはそこに男らしさを感じ、彼が放つ危険な雰囲気に惚れこんだのだった。会計するときになりマリは何処かで財布を落としたことに気付いた。ユミは買い物で小遣いを使い果たし、文麿も2千円しか持ち合わせていなかった。青ざめるマリの顔を見た文麿は「俺が何とかする」と言った。二人が店を出たことを確認すると、彼は事務所に乗り込みお宅のスパゲティーは高い割りにまずかったから600円負けろと言った。だがそんな理由が通るわけがなく、警察に通報しようとするサボイの支配人に文麿はまずいと感じた。一方、文麿が店から出てくるのをマリは信じて待っていた。警察沙汰になったら大変だから帰ろうとユミは促したが、マリは彼のことを放っておけなかったのだ。店から飛び出してきた文麿と再会し喜び合ったのもつかの間、支配人たちの怒号で現実に引き戻されたのだった。逃げる文麿たちに支配人は皿を投げたが、それが尋問中の刑事・田崎に当たった。顔を真っ赤にした田崎と相棒の森下はサボイの店員たちと取っ組み合いを始め、二人はその隙に逃げたのだった。マリと文麿は遠くまで逃げて来たが、ケージの中にチャコがいないことに気付いた。走っているうちに扉が開いたのだ。やっとのことでチャコを見つけて掴まえたとき、車を横付けしたのは真実を知った田崎たちだった。田崎は逮捕のドサクサに紛れてマリの制服を剥ぎ取ろうとしたが、それを見て頭に来た文麿は森下とともに伸したのだった。面子を潰された田崎は怒りに燃えた。

文麿たちは路地裏に逃げ込み、開店前のスナックに身を潜めた。店のレジから金を盗み出そうとしたことをマリに叱られた文麿は、サラ金から資金を調達しようと考えた。だが身分を証明するものを持っていなかったため金を貸して貰えなかった。そこで彼はジャンパーで1万円を用立てて欲しいと願い出たが、それが店員・田代の逆鱗に触れた。サラ金「ワイルドローン」は暴力団・白井組が経営する店なのだ。事務所へ連れて行かれた文麿は組員たちに暴行を受けたが、反撃したときに拳銃を手に入れた。そのワルサーPPKは、関西連合会幹部の勝間田が新米組長の白井寿一に始末させるために送った曰く付きの代物だった。

屋台的映画館
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皇帝のいない八月

  • posted at:2013-05-30
  • written by:砂月(すなつき)
こうていのいないはちがつ
松竹
配給:松竹
製作年:1978年
公開日:1978年9月23日
監督:山本薩夫
製作:杉崎重美 宮古とく子 中川完治
原作:小林久三
脚本:山田信夫 渋谷正行 山本薩夫
撮影:坂本典隆
音楽:佐藤勝
美術:芳野尹孝
照明:八亀実
録音:田中俊夫
調音:松本隆司
効果:伊藤亮行
編集:杉原よ志
スチール:金田正
監督助手:福田幸平
装置:森勇
装飾:宮崎琢郎
衣裳:松竹衣裳
現像:東洋現像所
進行:早川喜康
製作主任:沼尾鈞 福山正幸
監督補:熊谷勲
撮影補:長沼六男
製作補:小倉洋一
ナレーター:鈴木智
協力:逗子マリーナ
出演:渡瀬恒彦 吉永小百合 高橋悦史 山本圭 山崎努
アメリカンビスタ カラー 140分

8月14日午前1時、盛岡市好摩で車の接触事故が発生した。国道4号線を巡回していたパトカーは現場に向かおうとしたが、車線をはみ出して走行するトラックに遭遇し追跡を行った。接近して車輌のナンバーを確認しようと試みたが、貨物を覆ったシートの隙間から覗いた銃口がパトカーを狙っていた。機関銃の乱射を受けたパトカーは蜂の巣になって炎上し、トラックは何事もなかったように東京方面へ走り去った。午前10時半。陸上自衛隊警務部長・江見為一郎は、亡き妻の墓参りのため来ていた鹿児島で内閣調査室室長・利倉保久からの第一報を聞いた。首相直属の情報機関である内閣調査室は、国の内外に亘って広く情報の網の目を張り巡らしており、その活動内容は極秘にされていた。仙台の警務課部隊が現場を立ち入り禁止にして検証を行った結果、機関銃の弾痕が発見された。政府は事件を隠すために、濃霧による事故として処理せよと命じたのだった。彼らがマークしていたA種特定退役者には複数の所在不明者がおり、その中にある人物が入っていることを知った江見は東京に直帰することを止め、福岡へ向かった。

防衛庁技術研究本部職員・松谷は利倉を招いて事故の説明を行った。パトカーは10メートル以内の至近距離で被弾したが、車輌には5.56ミリNATO弾による弾痕が残されていた。通常、自衛隊は7.62ミリ弱装弾を使用しているが、NATO弾は装備していなかったのだ。この情報は総理大臣・佐橋光永内と閣官房長官・黒須忠雄にも伝えられ、東京・首相官邸に呼び出された山村貞徳防衛庁長官は、5.56ミリ機関銃はアメリカがK国に武器援助したものであると説明した。佐橋は度重なる経済政策の失敗や強引なK国汚職隠しなどによって急速に支持率を失い、4ヵ月後に行われる総選挙では民政党分裂の危機が噂されていた。更なる頭痛の種を抱え込んだ佐橋は緊急閣僚会議を開くことにした。

江見が訪ねたのは、博多で暮らす彼の一人娘・杏子だった。杏子とは5年前に絶縁したが、その理由は藤崎顕正を愛したからだった。藤崎は退役後、運送業を営んでいたが、8月になると同業者の寄り合いで県外に出向くことが多くなっていた。そこで近況を把握すべく娘に接触したのだった。杏子が台所に立つ隙を見計らって江見はメモなどを探したが、手掛かりを見つけることは出来なかった。午後6時過ぎ、博多駅のみどりの窓口を訪れた雑誌レザー旬報の記者・石森宏明は、キャンセル待ちだった寝台特急さくら号のチケットを手に入れた。だが彼を待ち伏せていたのは特殊な革靴を履く二人の男たちだった。男たちはチケットを譲るように言ったが、石森は隙をみて逃げ出し午後6時59分発のさくら号に乗り込んだのだった。静かに走り出したさくら号の車内で石森は杏子と再会した。江見が去った後、矢島一曹から受け取った手紙で藤崎が東京に行くことを知った杏子は慌てて仕度をしたのだ。石森は五井物産の南米駐在員時代に右翼の起こしたクーデターに巻き込まれ、そのときに旅行中だった女子大生の杏子と出会った。市民を撃ち殺した武器が自分の売ったものであることを考えると苦しくてたまらず、愛を求めた石森は無事日本へ帰れたら結婚しようと約束した。だが待ち合わせ場所である銀座の喫茶店に杏子は現れなかった。その後、石森はあの日に何があったのかを江見から聞き出そうとしたが、勘当したから忘れてくれの一点張りで答えようとはしなかった。そして今日、同じ質問を杏子にしたが、彼女はやはり答えを口にしようとはしなかった。やがて列車が門司駅に到着すると、杏子は何も言わずにこの列車を降りて欲しいと懇願した。それと同じ頃、数人の乗客が車輌の下に潜り込んだ。

屋台的映画館

リボルバー

  • posted at:2013-05-25
  • written by:砂月(すなつき)
りぼるばー
にっかつ
配給:シネ・ロッポニカ
製作年:1988年
公開日:1988年10月22日
監督:藤田敏八
プロデューサー:山田耕大 小林寿夫
原作:佐藤正午
脚本:荒井晴彦
企画:藤田浩一
撮影:藤沢順一
音楽:原田末秋
照明:金沢正夫
録音:信岡実
美術:徳田博
編集:井上治
助監督:橋本匡弘
製作担当者:久家豊
製作主任:志田篤彦
企画担当者:角田豊
出演:沢田研二 村上雅俊 佐倉しおり 手塚理美 南條玲子
アメリカンビスタ カラー 115分

別府競輪場の窓口でぶつかったことがきっかけになり、競輪マニアの蜂矢圭介と永井新は意気投合した。軍資金を稼いだ二人は、次の目的地の西鹿児島に向かった。

鹿児島県警の清水信彦は上司・伊地知警部の顔を立てるために気の進まない縁談に出た。平凡な生活を望んでいた彼は昇級試験をあえて受けなかったが、静岡県警が指名手配していた犯人を職務質問で検挙し本部長賞を受賞したために受験せざる得なくなった。結果は合格、巡査部長に昇進したのだった。信彦が警察官になった理由は、拳銃が撃てるからだった。その後、彼は見合い相手の山川亜代と付き合い始めたものの、結婚する気などさらさらなかった。ある日、市内を自転車で警邏していた信彦は、亜代と海水浴場に行ったときに他人と間違えられた女性と再会した。彼女の名前は尾崎節子、バーのホステスだった。名刺を渡され興味を持った信彦は、仕事が終わると店に向かった。

節子の店のホステス・池上美希にしつこく言い寄る男がいた。その男・石森慎二は彼女が北海道旅行をしたときに一夜をともにした関係だったが、突然鹿児島までやってきたのだ。その恋は美希にとって過去のものだった。石森は店が引けた後も美希をつけ回したが、金をせびりに来たことを言い当てられ、逆上して彼女をレイプした。それを目撃した進学塾帰りの出水進は、ただ見ているだけで救うことが出来ず、彼は自力では立ち上がれない程に石森から暴行を受けたのだった。

亜代の夢や人生の計画に応えられる様な人間じゃない。警邏中の信彦は、公園のブランコに腰掛けてぼんやりとしていた。そんな彼の後姿を見ていたのは阿久根康男だった。同じ会社のOL・有村美里と不倫の関係にあった阿久根康男は、彼女から別の男と結婚するという衝撃的な告白をされた。しかも見せしめるように結婚式に招待されたのだった。断われば関係を疑われるため仕方なく出席したのだが、公園で考え事しているうちに信彦の姿が目に入ったのだ。阿久根は靴下に石を詰めると静かに近寄り、思い切り振り下ろした。

蜂矢と永井は繁華街の様子がいつもと違うことに気付いた。いつもより警官の数が多いのだ。その頃、阿久根は信彦から奪った拳銃で美里を射殺しようと考えていた。ところが二次会に行った社員たちと鉢合わせになり、深酒をして寝込んでしまった。目を覚ましたときには、もう美里は新婚旅行の飛行機の中だったが、そうとは知らない阿久根は彼女の新居に忍び込んで復讐しようとした。だが留守ではどうしようもなかった。自分が犯した罪の重大さに気付いても家庭には帰ることが出来ず、拳銃自殺もする勇気もなかった。家を出てとぼとぼと歩いていると、ピザを配達中のバイクと衝突し掛けた。空腹であることを思い出した阿久根は拳銃を構え「ピザをくれないか」と言った。

動物園で恋人の佐伯直子と待ち合わせをしていた進は、ピザを貪り食う中年男のことが気になって仕方がなかった。男はピザをあっという間に平らげコーラを飲み干すと、タバコを吸おうとして懐に手を入れた。すると懐から拳銃が滑り落ちたのだ。慌てた男は何事もなかったように取り繕い、ピザの箱へ拳銃をしまうとゴミ箱の捨てたのだった。周囲に誰もいないことを確認した進はゴミ箱の中から拳銃を拾い上げた。彼はこの拳銃で石森に復讐することにした。

屋台的映画館

視界ゼロの脱出

  • posted at:2013-05-15
  • written by:砂月(すなつき)

しかいぜろのだっしゅつ
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1963年
公開日:1963年6月30日 併映「てんやわんや次郎長道中」
監督:村野鉄太郎
企画:中島源太郎
構成:菊島隆三
脚本:安藤日出男
撮影:渡辺公夫
音楽:山内正
録音:奥村幸雄
照明:渡辺長治
美術:渡辺竹三郎
特殊撮影:築地米三郎
編集:山口厳
助監督:臼坂礼次郎
製作主任:沼田芳造
協力:鹿児島県指宿市
出演:本郷功次郎 三條江梨子 中田康子 高松英郎 見明凡太郎
シネマスコープ モノクロ 80分

気象観測所の発表では、その日は記録的な暑さだった。玄界灘の魚群探知から帰った富士航空のパイロット・東健一は午後のひとときを小型飛行機(愛称・ボナンザ)の陰で昼寝をしながら過ごしていたが、安眠を破ったのは同僚の職員だった。小児マヒの生ワクチンを至急、奄美大島まで届けて欲しいというのだ。すまんと思うなら頼むなよ、などと冗談を言いながらも健一は仕事を引き受けた。鹿児島市を飛び立ったボナンザに同乗したのは看護師の並木玲子だった。ケースの中のドライアイスが溶けてしまうため午後4時までに届けなければならなかったが、2時間あれば十分だった。だがサソリ島上空に差し掛かったとき、台風観測所から「緊急着陸」の無電を受け取った。急病人であれば仕方ない。健一はブツクサ言いながらも着陸を敢行し、観測所の建物に入った。するとどうも様子がおかしいことに気付いた。職員が皆、腕を縛られているのだ。その中には後輩のパイロット・吉本の姿もあったため、駆け寄って助けようとした。「解くと撃つぞ」。背後からの声に振り向くと銃口が健一を狙っていた。

いつまで経っても健一が戻ってこないため、機内に残った玲子は不安に思い健一が使っていたレシーバーを耳に当てた。すると室内の会話が筒抜けだった。台風観測所の無電が繋がったままになっていたのだ。事態を把握した玲子は身を潜めて機体を離れたのだった。美貌のエミをリーダーとする四人のギャングはニセ札を持って東洋の小国に向かっていたが、エンジンのトラブルでサソリ島に不時着した。そこで身動きが取れなくなったギャング団は上空を飛んでいた健一をおびき寄せ、飛行機を奪って逃げようとしたのだ。三上は大門ととものボナンザの機体を確認したが、高飛びするには燃料が少な過ぎた。諦めて建物に戻ろうとした三上は、地面に女物のハンカチが落ちていることに気付いた。

台風観測所は避難空港を兼ねていたが、台風続きで燃料が岬に陸揚げされたままになっていた。三上は吉本を運転手に指名しジープを岬に向かわせた。エミは職員に通常業務に戻るように言い、佃がその様子を監視した。その頃、玲子は健一から話を聞いていた岬の漁村へ助けを求めに向かっていた。

屋台的映画館

風雲将棋谷(1955年)

  • posted at:2013-04-24
  • written by:砂月(すなつき)
ふううんしょうぎだに
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1955年
公開日:1955年3月20日 併映「彦佐と太助 殴り込み吉田御殿」
監督:松田定次
企画:大森康正
原作:角田喜久雄
脚本:比佐芳武
撮影:川崎新太郎
音楽:深井史郎
照明:山根秀一
録音:佐々木稔郎
美術:桂長四郎
編集:宮本信太郎
衣裳考証:甲斐荘楠音
進行主任:栄井賢
装置:魚山富造
背景:安井駿太郎
装飾:神先頌尚
記録:川島庸子
衣裳:三上剛
美粧:林政信
結髪:櫻井文子
スチール:熊田陽光
擬斗:足立伶二郎
助監督:松村昌治
撮影助手:古谷伸
照明助手:岡田耕二
録音助手:安田俊一
美術助手:大門恒夫
編集助手:神田忠男
演技事務:若林十一郎
進行:松本泰一良
出演:市川右太衛門 喜多川千鶴 吉井待子 長谷川裕見子 薄田研二
スタンダード モノクロ 98分

弘化二年、江戸の町は「さそりの怪」の噂で揺れていた。ひと月余りの間に若い娘が何者かに次々とさらわれ行方知れずになっていたのだ。不思議なのはさそりが部屋に現れると狙われた娘が二、三日のうちにまるで煙のように消えてしまうことだった。上州屋彦兵衛から相談を受けた北町奉行所の御用聞き・仏の仁吉がどうしたものかと頭を痛めていると、伊太八がお絹さんはいないかと駆け込んで来た。しのぶ湯の二階で大変なことが起きているというのだ。座敷で町内の者同士で賭け将棋をしていると、見かけない浪人たちがやって来て一番どうだと言った。受けて立ったが誰も歯が立たず、祭の支度金が持って行かれる勢いだった。そこで二段以上の腕を持つと言われるお絹に声が掛かったのだ。お絹が将棋盤の前に座ると途端に形勢は逆転し、二人の浪人はすごすごと逃げて行った。喜ぶ町人たちの誘いを断わって銭湯を後にしたお絹を待ち伏せていたのはあの浪人たちだった。お絹は父・仁吉直伝の紫雲流縄術、いわゆるさみだれ縄の使い手だったが、不意を打たれて縄を掛けられてしまった。男たちが体の自由を失ったお絹を連れて行こうとしたそのとき、行く手を遮ったのは小意気ないい男だった。長身の方が刀を抜いて切り掛かって来ると、男は軽く往なして片付けた。そして啖呵を切ると浪人たちは一目散に逃げ出した。お絹を助けたその男は、右の二の腕に五つの黒子があることから流れ星の雨太郎と呼ばれていた。

上州屋の娘・お加世の祝言は明日に迫っていたが、彦兵衛の不安は日に日に増していた。そこで彼は仁吉に杯事が始まるまでお絹にお加世の代わりを務めて欲しいと願い出たのだった。その話を聞いたお絹は、お父っつあんの一世一代のご奉公なのだから娘の私は喜んで受けるわと言った。命が懸かるだけに仁吉はためらったが、それでこそ俺の娘だと搾り出すように言った。祝言当日、花嫁は支度部屋へ入ったように装って押入れに隠された。屋敷の周りは北町奉行所の同心が堅め、警備は準備整った。やがて山城屋の駕籠が到着し係りの者が検めると、中から出てきたのは偽物の花婿だった。男は同心に斬り付けると姿を消した。 お絹が支度部屋で神経を張り巡らしていると障子にさそりの影が映った。人の気配を感じたお絹が障子を開けると、庭には一人の老人が立っていた。その老人こそさそり道人・唐島宙斎だった。お絹は笛を鳴らして家人に危険を知らせると老人を追いかけて行ったが、それは罠だった。心配になったお加世が押入れから飛び出したところを宙斎の仲間に見つかり連れ去られてしまった。

屋台的映画館

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