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十代 恵子の場合

  • posted at:2014-04-18
  • written by:砂月(すなつき)
じゅうだいけいこのばあい
東映セントラルフィルム
配給:東映
製作年:1979年
公開日:1979年2月24日 併映「喧嘩道」
監督:内藤誠
企画:黒澤満 向江寛城
脚本:内藤誠
撮影:鈴木史郎
照明:斉藤正治
音楽:杉田一夫
録音:宗方弘好
編集:田中修
助監督:大野裕司
記録:作間清子
美粧:小堺なな
擬斗:田畑善彦
進行主任:佐野日出夫
監督助手:一之倉二郎 平川太郎
撮影助手:上田孝 須賀隆
照明助手:水本俊一郎 野元敏郎
進行:西田洋介
現像:東映化学
協力:東映俳優センター
出演:森下愛子 風間杜夫 深見博 土門俊 水野哲
アメリカンビスタ カラー 80分

17歳の高野恵子は聖美学園女子高校の二年生。大学入試まで後400日余となった12月、彼女の心に波紋が生じていた。家庭では父母が何かにつけ口論し、恵子の部屋にまで怒鳴り声が届いた。それが影響してか、勉強は計画的に行っているものの成績が思うように上がらなかった。高望みをせずに文科系の女子大一本に絞ってみてはと担任に言われショックを受けた恵子は、いつものところではなく遠くの図書館に行ってみることにした。近くだと友達がいて勉強がはかどらないからだ。だがなんとなく雰囲気に馴染めなかった。集中出来ずによそ見をしているうちに目配せする男女が気になり、二人についてロビーに出た。男がナンパに成功し、二人で楽しそうに帰っていく姿を見た恵子は、自分にも誰かが声を掛けてくれるのではないかと期待して椅子に座っていた。だが近寄ってきた気配がすると怖くなって逃げた。そんな彼女を追い掛けてきたのは、ゴロウという高校生だった。暇だったら俺たちの溜まり場へきなよと言われ、特に断わる理由のなかった恵子はスナック・ジャンゴに入った。そこにいたゴロウの友達だというノンコ、ミチャコ、オリエの三人も女子高生で、彼女たちの話に耳を傾けているうちに、近々パーティーが行われることを知った。ゴロウはどうなっても知らないぞと止めたが、チケット販売を担当するバーテンダーの伸夫のことが気になった恵子はパーティー券を一枚引き受けることにした。だがチケットを預かったものの彼女の小遣いでは足りなかった。そこで隣町にある古本屋で部屋の本を処分することにした。店員の杉山次郎は恵子に一目惚れし、学生証を提示する規則に目をつぶって査定を行った。本の買取代金は2500円だったが、恵子が3000円必要であることがわかると足りない分を自分のポケットから出して渡した。

パーティー当日、恵子はジャンゴに顔を出したが、今までに経験したことがない雰囲気に身を堅くしていた。店内には大音量の音楽が流れ、客たちは皆狂ったように踊っていた。伸夫は恵子の様子に気づくと、グラスを一気に飲み干すように言った。そこに声を掛けてきたのはトミーというヤクザ者で、彼のいうとおりに踊るうちに恵子の心は少し打ち解けた。やがて店内が暗くなるとそこら中にセックスやドラッグに耽る者が現れた。酔いが回って恵子が寝込むと、頃合いを計って近づいてきたトミーと伸夫が彼女を犯そうとしたが、カウンターで飲んでいた鉄が見兼ねて止めに入った。トミーの兄貴分である鉄は、あいつらは酔っていたし悪気があったわけじゃないから勘弁してくれと言った。翌日、古本屋を訪れた恵子だったが、店にはオヤジだけで次郎の姿が見当たらなかった。万引きされたり高い値段で買い過ぎたりしたので怒鳴りつけると、この仕事は俺に向いていないと言って出て行き、トラックの運転手になったというのだ。「500円、どうしよう」。恵子はつぶやいた。

屋台的映画館
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君よ憤怒の河を渉れ

  • posted at:2014-04-11
  • written by:砂月(すなつき)
永田プロダクション=大映映画
配給:松竹
製作年:1976年
公開日:1976年2月11日
監督:佐藤純彌
製作:永田雅一
製作協力:徳間康快
企画:宮古とく子 並河敏
原作:西村寿行
脚本:田坂啓 佐藤純彌
撮影:小林節雄
音楽:青山八郎
録音:大橋鉄矢
照明:高橋彪夫
美術:今井高司
製作担当:高山篤
製作主任:桜井勉
助監督:葛井克亮
編集:諏訪三千男
記録:原益子
宣伝:荒木啓二郎
スチール:柳沢英雄
技斗:高瀬将敏
監督助手:出倉寿行
撮影助手:竹沢信行
照明助手:生井典克
録音助手:金子義夫
美術助手:丸山裕司
小道具:森田穣
装飾:隠田茂治
撮影効果:諸星勇
製作進行:片岡詔一郎
特殊撮影班監督:崎山周
特殊撮影班撮影:金子友三 東通弘
特殊撮影班照明:大原正男
航空撮影:山本駿
別班撮影:秋野友宏 山本修右
航空撮影協力:坪井一郎 臼井国夫 飯野太蔵
現像:東京現像所
録音:アオイスタジオ
衣裳:第一衣裳
結髪:山田かつら店
協力:トリオ株式会社 東京ヒルトンホテル 日本中央競馬会 オンワード牧場 本桐牧場 浦河町
サウンドトラック盤:キングレコード
出演:高倉健 中野良子 原田芳雄 倍賞美津子 池辺良
シネマスコープ カラー 151分

10月10日午後3時、東京・新宿。雑踏の中で男を指差した女が声を荒げてこう言った。「あの男が犯人よ!」。電話を掛けていた東京地方検察庁検事・杜丘冬人は、警官に囲まれ連行された。女は西大久保に住む水沢恵子といい、10月3日の午前2時頃に杜丘が自宅に侵入し、現金20万円とダイヤの指輪を盗まれた上に強姦されたというのだ。住所と姓名を聞き出そうとする警官に、本庁の矢村警部にしか話す気はないと杜丘は黙秘した。警視庁新宿署に身柄を移された杜丘は捜査一課の矢村から取り調べを受けたが、アリバイを証明することは出来なかった。その後、3日の午前1時頃に起きた窃盗事件の面通しが行われ、被害者の寺田俊明がこの男にカメラなどを盗まれたと証言したことで杜丘は拘留された。翌日、矢村とともに東京地検に顔を出した杜丘は、検事正・伊藤守に自分は無実だと訴えた。だが伊藤は、たとえ無実であっても現職の検事が強盗、強姦の容疑者として逮捕されたことを恥だと考えていた。マスコミが騒ぎ出すことを恐れた彼は、一日も早く無実であることを証明するために杜丘同行で家宅捜索を行うことにしたのだが、リビングからは寺田が盗まれたというカメラが、書斎の水槽からは恵子が盗まれたという指輪が、そして寝室からは現金20万円が見つかったのだ。何者かの罠だとわかっていてもそれを証明出来ない杜丘は、吐き気がすると言って監視付きで洗面所に行った。そして監視役の刑事が一瞬目を離した隙にドアを閉めると窓から逃走したのだった。この失態にマスコミは直ぐ様飛び付き、その日の各夕刊には「凶悪検事、逃亡す」の見出しが支配した。その夜、杜丘は警戒配備が敷かれる中、自分が強盗に入ったという西大久保のアパートの管理人室を訪ねた。管理人の古谷は驚きもせずに杜丘の顔をまじまじと眺めると、あの女よりあんたの方が信用出来そうな気がすると言って中に招き入れた。杜丘が訳を尋ねると、恵子は夫婦喧嘩をして別居したいからと10月1日に越してきたものの、騒動の翌日である今日(11日)、いきなり出て行ったからだと言うのだ。古谷は、まだ警察やマスコミにも言っていない情報を杜丘に教えた。

10月13日午前11時、杜丘は能登半島にある能登金剛生神(うるかみ)にいた。古谷が恵子に悪いと思って伏せていた情報とは、彼女が抱えていた小包に書かれた住所だった。港町を歩く杜丘の目に飛び込んできたのは、写真館の店先に飾られた恵子の花嫁写真だった。店主の話でその花嫁が横路加代という名前で、昨日バス停で見かけたということを知った杜丘は加代の家を訪ねたが、彼女はすでに何者かに絞殺されていた。何か手掛かりはないかと目で探っていると、近くにあった小物入れの中から顔を出した婚礼写真が気になった。ページを開いてみると、加代の隣にいるのはカメラを盗まれたと証言した寺田だった。10月15日午前11時、杜丘は北海道日高を走る列車の中だった。寺田は本名を横路敬二といい、様似に実家があることを突き止めたのだ。乗り継ぎのバスを降りた杜丘は地元の人に教えてもらって横路邸を目指したが、既に警察が先回りをして張り込んでいた。

屋台的映画館

ドレミファ娘の血は騒ぐ

  • posted at:2014-03-24
  • written by:砂月(すなつき)
EPIC・ソニー=ディレクターズ・カンパニー
配給:ディレクターズ・カンパニー
製作年:1985年
公開日:1985年11月3日
監督:黒沢清
企画:丸山茂雄 宮坂進
プロデューサー:山本文夫
配給・宣伝・プロデューサー:荒井勝則
脚本:黒沢清 万田邦敏
撮影:瓜生敏彦
照明:片山竹雄
美術:星埜恵子
録音:銀座サウンド
特殊美術:昼間行雄
編集:菊池純一
音楽:東京タワーズ 沢口晴美
記録:高山秀子
メイク:浜田芳恵 志川あずさ
助監督:万田邦敏
製作担当:荒井勝則
監督助手:岡田周一 佐々木浩久 鎮西尚一
撮影助手:岡本順孝 佐竹力也
照明助手:及川一郎 矢木宏
美術助手:塩田明彦 暉峻創三
特殊機材:河村豊
スチール:野上哲夫
タイトル:ハセガワプロ
製作進行:庄司真由美 植野亮 寺野伊佐雄
製作デスク:山川とも子
宣伝:勝野宏
現像:東洋現像所
協力:多摩芸術大学 ぴあ 位相機械ユニット キー・グリップ 光映新社 東洋照明 日本照明 ペーパーメイル 三穂電機
出演:洞口依子 麻生うさぎ 加藤賢崇 岸野萌圓 伊丹十三
アメリカンビスタ カラー 80分

春、高校時代の先輩・西岡に思いを寄せる秋子は田舎から上京し、都内にある大学を訪ねた。校内で配布されていた「新入生のためのキャンパス地図」をもとに音楽サークル・ベラクルスの部室を探し当てた秋子は、再会に胸を躍らせ扉を開けた。吉岡は音楽活動をしていたこともあってここにいるに違いないと確信していたのだ。だが中に彼はおらず、部員が情事の真っ最中。慌てて飛び出した秋子が焦ったと呟くと、男子生徒が扉の向こうから声を掛けてきた。だが吉岡のことを尋ねても知らないの一点張り。そこで吉岡が専攻する心理学科の平山ゼミの場所を尋ねた。

平山ゼミへ向かう秋子に声を掛けてきたのは、情事の相手のエミだった。自分勝手な人が大嫌いだという秋子と彼女が恋焦がれる吉岡に興味を持ったエミは、おもしろがって心理学科までついて行くことにした。教室に入ったが、吉岡の姿はなし。ゼミ生に一人は最初の1、2回来ただけで姿を見せなくなったと言い、もう一人のゼミ生は音楽系のクラブに入ったものの顔を出さないと言った。別のゼミ生がライブハウスに出ていたのを見たと言うと、他のゼミ生はそれは嘘だと言った。戸惑う秋子が一体どっちなんですかと言うと、最初のゼミ生はその問いこそが心理学上の大問題なんだと言った。もう吉岡は来ないだろうと断言した平山教授の言葉に失望した秋子は帰ろうとしたが、エミに引き留められて彼女の寮に泊まることになった。だが彼女や同室の女の行動に異常さを感じ、飛び出して行った。一晩、野宿した秋子は、今日こそはいてくれますようにと吉岡との再会を願って再びベラクルスを訪ねた。そこで彼女が見たのは、エミと体を重ねる吉岡の姿だった。自分が思い描いていた理想像とは程遠い吉岡の姿に、秋子は怒り失望した。

平山は、ある局地的な恥ずかし体験をした人間が、そのときに発生したエネルギーを発散出来ずに一種の肉体的硬直現象を起こすという「局地的恥ずかし変異」の研究を行っていた。同様の研究は他でも行われていたが、未だにそのような現象を直接観測しえた者はいなかった。理論的にその存在を否定出来ない現象を証明するためには自身が被験者となるべきだが、いわゆる指数10の恥ずかしさを体験したことがなかったのだ。ならば若い娘をはずかしめ、はずかしめられたらどんなにいいだろう。

思い描いていたイメージとかけ離れた大学生活を目の当たりにした秋子の心は傷ついていた。荷物をまとめて構内から出て行こうとした秋子に声をかけたのは平山で、自著の「新自由心理学」を手渡し感想を聞かせて欲しいと言った。

屋台的映画館

ザ・スパイダースの大進撃

  • posted at:2014-03-13
  • written by:砂月(すなつき)
ざすぱいだーすのだいしんげき
日活
配給:日活
製作年:1968年
公開日:1968年1月3日 併映「花の恋人たち」
監督:中平康
企画:笹井英男
脚本:伊奈洸 倉本聰
撮影:北泉成
照明:土田守保
録音:片桐登司美
美術:松井敏行
編集:辻井正則
助監督:飯塚二郎
音楽:かまやつ・ひろし 脇野光司
主題歌:「夜明けの太陽」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「暗闇にバラを捨てよう」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「ヒア・カム・スパイダース」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「ロンリーマン」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「俺のハートはダン!ダン!」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「バン・バン」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「なんとなくなんとなく」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「好きだから」ヴィレッジ・シンガーズ
挿入歌:「バラ色の雲」ヴィレッジ・シンガーズ
色彩計測:永塚各一郎
現像:東洋現像所
特殊撮影:日活特殊撮影部
製作担当者:岡田康房
協賛:キキ・デザインアトリエ 鹿児島織物KK 霧島山上ホテル 鴨池タクシー 鹿児島県畜産事業農業協同組合連合会 オリエント時計株式会社
出演:田辺昭知 堺正章 井上順 井上孝之 大野克夫
シネマスコープ カラー 82分

アメリカでの公演を終えて帰国の途に就くザ・スパイダース。東京へ向かう航空機の中でリーダの田辺昭知は楽譜の整理を行い、隣席の堺正章は現地で買ったお気に入りのタンバリンの鼓面を切り取って使いやすいように改造していた。それを見ていた井上順は宝石の飾りが女物みたいだとケチをつけるが、正章はそこを気に入っていたのだ。そんな彼らの様子をエキゾチックな顔立ちの女が微笑みながら後部座席から見ていた。空港に到着するとファンがゲートに押し寄せて身動きが取れないほどひしめき合っていたため、正章は大事なタンバリンをゲートの外にいた所属事務所「スパイ・ダクション」のスタッフ・緒方ゆり子に手渡した。すると何者かがそれを奪おうと手を伸ばしたが、ゆり子は力任せに引き寄せて守ったのだった。それと同じ頃、昭知は混雑の中で楽譜が入ったアタッシュケースを別の物と取り違えていた。何とかファンを振り切ったザ・スパイダースのメンバーは用意してあったマイクロバスに乗り込むと一息ついた。バスを物陰からサングラスの男とともに見送った女は、なるべく早くあのタンバリンを手に入れるべきだわと呟いた。

7人は事務所に戻るとすぐさまコンサート会場へ向かった。出番の時間が迫る中、控室で準備をしていると順が俺のタンバリンを知らないかとメンバーに言った。それはアメリカで二つ買った正章からそのうちの一つをプレゼントされたものだった。ゆり子も確かに見たと証言したが、その後どうなったかを誰も知らなかったため、忘れ物が趣味だと正章に笑われた。そのタンバリンは控室に忍び込んだサングラスの男の手下によって盗み出されていた。だが鑑定士の見立てで嵌められている宝石が模造品だとわかると、男は手下に電話をかけて今夜中にもう一つの方を何とかしろと怒鳴った。その頃、ザ・スパイダースは「暗闇にバラを捨てよう」を熱唱していた。順は客席に航空機の女を見つけると、正章に俺たちのファンだったんだなと間奏中に話しかけた。だが彼女の視線は正章が持っているタンバリンに注がれていた。

ステージが終わり一同が楽屋に戻ると、持ち物が何者かに荒らされ留守番をしていたバンドボーイの原田が倒れていた。ゆり子は意識を取り戻した原田に何があったのかと尋ねたが、いきなり後ろから殴られたため何も覚えていなかった。ファンにしては手荒すぎる上に何も盗られていないことから何が目的か彼らには見当も付かなかった。騒動を探って会場から出てきた女は、車で待つサングラスの男に自分たちの他にもあの連中を狙っている人物がいると話した。

屋台的映画館

ザ・スパイダースのゴーゴー・向う見ず作戦

  • posted at:2014-03-07
  • written by:砂月(すなつき)
ざすぱいだーすのごーごーむこうみずさくせん
日活
配給:日活
製作年:1967年
公開日:1967年8月26日 併映「花と果実」
監督:斎藤武市
企画:笹井英男
脚本:倉本聰 才賀明
撮影:山崎善弘
照明:大西美津夫
録音:高橋三郎
美術:中村公彦
編集:近藤光雄
助監督:坂口喜久男
色彩計測:畠中照夫
現像:東洋現像所
製作担当者:岡田康房
協賛:東京サマーランド キキ ファンタジックアニマル
音楽:小杉太一郎
主題歌:「あの虹をつかもう」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「フリフリ66」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「夕陽が泣いている」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「なんとなくなんとなく」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「太陽の翼」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「風が泣いている」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「恋のドクター」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「サマー・ガール」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「バラ色の雲」ヴィレッジ・シンガーズ
挿入歌:「きっと何処かに」ヤング&フレッシュ
出演:田辺昭知 堺正章 井上順 井上孝之 大野克夫
シネマスコープ カラー 81分

大磯ロングビーチで行われている公開生放送のテレビ番組「素人歌謡コンクール」。この番組はチャンピオンと挑戦者が対戦する視聴者参加型の勝ち抜き戦で、10人勝ち抜いたチノに司会者は労いのインタビューを行った。ファンからの一番多い質問としてボーイフレンドはいるかと尋ねると、彼女は親しい友達は4人いると答えた。その4人とはこの番組の伴奏を行っているバンド「ヤング&フレッシュ」で、その中の健とは淡い恋愛関係にあった。だが気の弱い健がいつまで経っても告白しようとしないことから、恋人はいないとわざと聞こえるように断言したのだった。驚くメンバーとショックを受ける健。どんな恋人が欲しいかという質問に、たとえ障害物があってもそれを乗り越えて真っ直ぐ歩いて来るような人が現れれば求愛を受け入れると答えた。この番組を喫茶店で見ていた若者7人組は、あの娘のところまで真っ直ぐ歩いて行って恋人にするということで意見がまとまった。そして太平洋横断を計画したときの出発点だった横浜を新たな冒険の出発点に決めたのだった。

プールサイドに駆け寄ったチノは、飛び込み台横のステージで演奏している健に電報が届いたことを伝えた。そこには「一直線で歩き始めたから待っていてくれ」と書かれてあり、彼女がそれを読み上げたものの健は自らが弾くギターの音の掻き消されて聞き取れなかった。健は何とかして聞き取ろうと身を乗り出したが、バランスを崩してプールに落下した。その頃、7人組は公園の柵を乗り越えたり、喫茶店の窓を破って店内を横切ったり、交差点を横切ったりと周囲の迷惑を顧みずひたすら真っ直ぐ歩いていた。その結果、事故を避けようとした車が玉突き衝突を起こして大騒動になり、神奈川県警の電話は鳴りっぱなしになっていた。そして今度は銭湯の女湯を通過したという報告を受け、署長は驚きを隠せなかった。視察に来ていた警視総監は暴動だと判断し機動隊を出動させる命令を出したが、7人組は警察署に向かって歩いてきたのだ。総監は警察への挑戦と判断して署長を逮捕に向かわせようとしたが、彼らは真っ直ぐ進んで留置場に入った。総監にお前たちの目的は何だと聞かれると、順はただ真っ直ぐに歩きたかっただけで、強いて言えば自由のためだと答えた。すると続いて正章が人間の本能だと答えた。署長は馬鹿なと怒鳴ったが、総監はその考え方に共感を覚え、若者ように一度でいいからやりたいことをやってみたいと言った。それは罪のある者を逃がすことだった。総監によって釈放された7人組は再び歩き始めた。

7人組に触発された浩治、英介、光彦の3人は、健の家に集まるとお前もやれと促した。チノの家は彼の家の一件置いて隣という近さもあって、思い切って突っ切りさえすれば7人組よりも先に到着することが出来るのだ。健は勇気を出して隣家の主・三上教授に掛け合うことにしたが、理由を聞かれて尻込みをしてしまった。

屋台的映画館

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