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女競輪王

  • posted at:2005-03-24
  • written by:砂月(すなつき)
おんなけいりんおう
新東宝
配給:新東宝
製作年:1956年
公開日:1956年11月21日
監督:小森白
製作:島村達芳
原作:竹森一男
脚本:杉本彰
撮影:鈴木博
音楽:飯田信夫
美術:加藤雅俊
照明:関川次郎
録音:村山絢二
編集:後藤敏男
助監督:土屋啓之助
製作主任:永野裕司
協賛:自転車振興会連合会 東京都自転車振興会 東京競輪選手会 立川競輪場 後楽園競輪場
出演:前田通子 江畑絢子 遠山幸子 沼田曜一 阿部寿美子
スタンダード モノクロ 88分

魚屋「魚誠」の長女・椎野美樹は銀行に勤める五十嵐健一の許嫁だったが、ある日健一に結婚を待って欲しいと言った。父親がいない美樹の家は生活が苦しく、弟が中学校を卒業するまで自分が面倒を見るつもりでいた。そのためには資金が必要だったが、美樹は悲観していなかった。彼女は毎朝、自転車で魚市場と店の間を往復していたこともあり、体力では人に負けない自信があった。そこで自慢の脚力を生かし、競輪選手となって資金を稼ごうと考えていたのだ。しかしその夢を叶えるには自転車などを購入する費用の15万円が必要だった。美樹は健一の父・源造に借金を願い出、源造は渋々ながらも了承した。美樹は知らなかったが、源造が経営する五十嵐農園の資金繰りは悪化していた。

母親や周囲の人たちの心配をよそに、美樹は日本競輪学校に入学した。美樹たちは毎日猛特訓の日々を送っていたが、教務課の計らいで生のレースを観戦する機会を得た。そのレースで憧れの渋井三枝子選手が優勝し、美樹は日本一になる気持ちを一層高めた。卒業の日、美樹は仲良しの小西好子、原慧子といつか何処かの競輪場で対決することを約束して別れた。そしてその足で三枝子の家に押しかけ、弟子にして欲しいと頼み込んだのだ。だが三枝子は教えることはないと言ってその申し出を断わった。常にトップの座であり続けたい彼女にとって美樹の存在は脅威だった。美樹の素質を見抜いていた三枝子は、人に頼らずに自分で考え練習するだけだとアドバイスした。

美樹の最初のレースは大津びわこ競輪場に決まった。列車の中で再会した好子と慧子とともに開催地の旅館・青葉荘に泊まった美樹は「河野の姉さん」に呼び出された。河野の姉さんこと河野菊は古参の競輪選手だった。

屋台的映画館
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OUT

  • posted at:2005-03-18
  • written by:砂月(すなつき)
あうと
OUT製作委員会(ムービーテレビジョン=テレビ東京メディアネット=衛星劇場=毎日放送=エムズ・シンジケーション)
配給:20世紀フォックス(極東)映画会社
製作年:2002年
公開日:2002年10月19日
監督:平山秀幸
製作:古澤利夫 木村典代
製作総指揮:諸橋健一
プロデューサー:中條秀勝 藤田義則 福島聡司
原作:桐野夏生
脚本:鄭義信
撮影:柴崎幸三
照明:上田なりゆき
美術:中澤克巳
録音:田中靖志
編集:川島章正
音楽:安川午朗
企画:サンダンス・カンパニー
出演:原田美枝子 倍賞美津子 室井滋 西田尚美 香川照之
アメリカンビスタ カラー 119分

東京郊外にある弁当工場では、パート労働者が明け方まで流れ作業を続けていた。その中の香取雅子(42歳)、吾妻ヨシエ(51歳)、城之内邦子(40歳)、山本弥生(30歳)の4人は家庭にそれぞれの事情を抱えていた。失業した夫と身勝手な息子を抱えた雅子。ヨシエは寝たきりの姑の介護。邦子は衝動買いでカード破産。そして身重の弥生はギャンブル狂の亭主から暴力を受けていた。深夜の弁当工場は、彼女たちがいつもの生活から一時的に解放される場所だった。

早朝、いつものようにギャンブルで大金を巻き上げられて帰ってきた弥生の夫の健司は、疲れて眠り込んだ彼女に対しいつものように鬱憤を暴行と言う形で晴らした。一旦落ち着いたものの弥生が思わず死んじゃえと漏らしたことが健司の逆鱗に触れた。そして暴力はエスカレートして行き、彼女の腹を蹴るとガキはいらねえからなと言った。自分だけならず子供への命の危険を感じた弥生は、健司が脱ぎ散らかしたズボンからベルトを抜き取るとソファーで寝込んだ夫の後ろに回り込んで首を絞めた。もがき苦しむ健司。だが全体重を掛ける弥生の力には勝てずあっけなく事切れた。我に返った彼女はことの重大さに気付き蘇生を試みるが後の祭りだった。動揺する彼女は雅子に電話を掛けたが、夫を殺したと言ってもいつもの愚痴だと思い込んで信用しなかった。

冗談にしては度が過ぎると思った雅子は弥生の家を訪ねたが、本当に健司がソファーで動かなくなっていたことで呆然とした。雅子はちょっと懲らしめてやるだけで悪気はなかったという弥生を警察に連れて行こうと説得したが、泣きじゃくるだけで埒が明かなかった。すると突然弥生はいいことを思いついたと言った。健司は何もかも嫌になり家族を捨てて蒸発した、と。雅子は何を言い出したのか理解出来なかったが、死体を何処かへ隠すという真意がわかると断った。自分が事件に巻き込まれるのは嫌だったからだ。だが彼女のお腹にいる子供のことを考えると無下にも出来ず、結局シートに包んだ健司を自分の車のトランクに積むことにした。何事もなかったように振る舞うために雅子はいつも通りに出勤したが弥生は来なかった。慌てて電話をすると、弥生は疲れが出たので休むと言う。夜食の後そのまま寝るという呑気な彼女に死体はどうするのよと声を荒げた。翌朝に一緒に捨てる約束をしていたからだ。ところがあきれ返る返事に血が沸騰した。「雅子さんに任せちゃダメですか?」。自分が嵌められたことに気付いた雅子は仕事が終わると誰もいない自宅へ戻ると風呂場に寝そべった。そして次に職場のリーダーであるヨシエの家へ行き、事の成り行きと今後の計画を打ち明けた。日本の警察を舐めちゃいけないよとヨシエは反対したが、雅子からしている借金の話を持ち出されると断ることが出来なかった。

屋台的映画館

盲獣

  • posted at:2005-03-14
  • written by:砂月(すなつき)
もうじゅう
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1969年
公開日:1969年1月25日 併映「秘録おんな寺」
監督:増村保造
企画:仲野和正
原作:江戸川乱歩
脚本:白坂依志夫
撮影:小林節雄
音楽:林光
録音:須田武雄
照明:渡辺長治
美術:間野重雄
編集:中静達治
助監督:佐々木行夫
製作主任:薮本和男
写真提供:ノーベル書房
現像:東京現像所
出演:船越英二 緑魔子 千石規子
アメリカンビスタ カラー 84分

無名のファッションモデル・島アキは、野心的な写真家・山名の芸術的な意欲に共鳴し進んで仕事を受けた。その写真の個展はかなりの評判を呼んだ。ある朝、山名と次の仕事を打ち合わせるために個展の会場へ足を運んだアキは、そこで奇妙な光景を目撃した。時間が早かったため客はたった一人しかいなかったが、男は壁の写真など見向きもせず、会場の中央に飾った彫刻を両手で撫で回していたのだった。その彫刻は山名の友人がアキをモデルにして作ったものだったが、彼女はまるで自分の体を触られているような感覚に陥った。背筋の凍る思いをしたアキは急いで会場から逃げ出したのだった。数日後、早朝からの仕事でくたくたになったアキは、部屋にマッサージ師を呼んだ。だが来たのはいつもとは違う男だった。アキのことを良く知るその男が彼女の体を揉み始めると、あのときの感覚が甦ってきた。その指は確か、あの彫刻を撫でていた指とそっくりだった。石膏の肌では満足出来ないで生身の体を探りに来たのか、そう思うともうだめだった。アキは金を支払って早く追い返そうとしてバッグの中をかき回した。それを察した男はポケットからビニール袋を取り出し、クロロホルムを染み込ませたガーゼを彼女の顔に押し当てたのだった。アキは抵抗を続けたが、しだいに意識が遠退いていった。

アキは闇の中で目覚めたが、辺りを見回しても何も見えなかった。困惑していると、やっと気が付きましたねと言う声が室内に響いた。男がライトで照らすと部屋の全貌が明らかになった。そこは彼が彫刻のアトリエとして使っている倉庫で、壁には目や口など人間のパーツの造形物が一面に並んでいたのだ。生まれつき目が見えない蘇父道夫は、世の中に溢れる素晴らしいものを想像することしか出来ない自分に憤り、両親を恨んだ。だがいくら恨んでもどうにもならないことに気付いた道夫は、音、匂い、味、触覚の中から楽しみを得ようとした。音は吹きすぎる風のようで物足りず、犬のように鋭くない匂いも駄目だった。食べ物はむやみに腹が膨れるばかり。そう考えると触覚だけが残されたたった一つの楽しみだとわかった。それ以来、彼は手に触れるものを手当たり次第に撫でた。温かくてやわらかい、生きものの手触りが一番楽しかったが、犬も猫も女の体には遠く及ばなかった。マッサージ師になったのは金のためではなく、女の客の体に触りたかったからだった。その頃、死んだ父親が遺した畑が高速道路に引っ掛かり、莫大な資金を得た。それを使って倉庫を手に入れ彫刻を始めたのだった。過去に触った女の体から気に入った部分を選び出して彫刻にした。いつでも撫でて楽しめるように。アトリエを作るのに6年掛かったが、完成した時はうれしくて毎日閉じ篭っていた。だがこのアトリエで満足出来なくなった頃、アキの噂を聞いた。個展に出掛けて自分の手で調べ、彼女が頼むマッサージ屋に入って本当の体に触ったが、評判通りだった。まともに頼んでも来てくれる筈がないと考えた道夫は、母・しのの協力を得てアキを誘拐したのだった。盲目でなければわからない触角の芸術を作りたいと道夫は意気込みを語ったが、アキは頑なに拒んだ。

屋台的映画館

拳銃無頼帖 抜き射ちの竜

  • posted at:2005-03-09
  • written by:砂月(すなつき)
けんじゅうぶらいちょうぬきうちのりゅう
日活
配給:日活
製作年:1960年
公開日:1960年2月14日 併映「刑事物語 殺人者を挙げろ」
監督:野口博志
企画:浅田健三
原作:城戸禮
脚本:山崎厳
撮影:永塚一栄
音楽:山本直純
主題歌:「黒い霧の街」赤木圭一郎
・・・:「一対一のブルース」西田佐智子
録音:福島信雅
照明:高橋勇
美術:大鶴泰弘
編集:辻井正則
助監督:宮野高
現像:東洋現像所
色彩計測:上田利男
特殊撮影:天羽四郎
製作主任:野村耕祐
技斗:高瀬将敏
出演:赤木圭一郎 浅丘ルリ子 宍戸錠 香月美奈子 沢本忠雄
シネマスコープ カラー 86分

男たちに命を狙われる剣崎竜二は麻薬で意識が朦朧としていた。だが「抜き射ちの竜」の異名を持つ彼の体は夜のプラットホームで待ち伏せる男たちに反応し、次々と右肩を討ち抜いたのだった。勝負を終えると竜二は地面に崩れ落ち、もがいた。ひと月後、竜二は退院できるまでに回復したが、それは院長・志津吾郎の献身的な治療によるものだった。志津に朝刊を渡され、宮地組の組長が行方不明になっていることを知った竜二は、誰が奴を始末したんだと叫んだ。すると志津は、宮地に拳銃を先に抜かせた君の気風に惚れた男だと静かに答えた。悪行を尽くした大ボスである宮地の殺害を依頼したのは志津だったが、治療費を含めた莫大な費用を肩代わりしたのは、竜二を男を刑務所へ入れることは惜しいと考えた男だった。

宮地組が解散し一匹狼となった両刃の源は志津を脅し、竜二を出せと凄んだ。さもなくばこの病院が裏で行っていることをばらすというのだ。いつでも表に出てやるぜと奥の部屋から飛び出してきた竜二を止めたのは、楊三元の遣いでやってきた用心棒のコルトの銀だった。銀は銀座で待つ楊のもとへ竜二を連れて行こうとしたが、それならばちょっと寄って欲しいところがあるんだと言った。ボクシングジムに立ち寄った竜二は弟分の三島圭吉に会おうとしたが、タイトルマッチで八百長が発覚し行方を晦ましていたのだ。竜二はショックを隠せないまま目的地へ向かった。

銀座の洋装店・ルガーでは楊の他に堀田組組長・堀田重三郎の姿もあった。楊は麻薬密輸組織のリーダーで堀田に麻薬を売りさばかせていたが、粗いやり方に危険を感じていた。そこで販売手数料を引き下げるなど手を切る方法を画策していた。堀田と因縁にある竜二を呼んだのもそのひとつだった。楊は竜二を用心棒として雇い入れようとしたが、自首をして足を洗うつもりでいた竜二は断わった。彼は「抜き射ちの竜」という名前を捨てるために、麻薬に手を染めたのだ。楊が拳銃を撃つと、竜二の体は無意識に反応していた。口車に乗せられて二度と銃を握らないという誓いを破った竜二は、殺しだけはやらないという条件で了承した。相手の利き腕の肩を撃ち抜き、拳銃を握らせないようにするのが竜二のやり方だった。

竜二は楊の指示に従って416号室を訪ねた。そこはファッションデザイナーでルガーの名義人でもある真木房江の部屋だった。房江は部屋に招き入れて誘惑したが、人の気配を感じた竜二がベッドルームのカーテンを捲ると三島が寝ていた。思わぬ再会に竜二の怒りは爆発した。何故八百長をやったのかと問い詰めたが、三島は真実を口にしようとはしなかった。やがて三島は苦しみ始め麻薬漬けになっていることを知ると竜二は愕然とした。

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どら平太

  • posted at:2005-03-05
  • written by:砂月(すなつき)
どらへいた
「どら平太」製作委員会(日活=毎日放送=読売広告社)
配給:東宝
製作年:2000年
公開日:2000年5月13日
監督:市川崑
製作総指揮:中村雅哉
製作:西岡善信
プロデューサー:猿川直人 酒井実 鶴間和夫 
原作:山本周五郎
脚本:黒澤明 木下惠介 市川崑 小林正樹
撮影:五十畑幸勇
音楽:谷川賢作
美術:西岡善信
照明:下村一夫
録音:大谷厳
調音:大橋鉄矢
編集:長田千鶴子
助監督:小笠原佳文
製作担当:西村維樹 松枝彰
調音協力:斉藤禎一
特別協力:森知貴秀 竹山洋
企画協力:C.A.L
製作協力:映像京都株式会社
出演:役所広司 浅野ゆう子 片岡鶴太郎 宇崎竜童 菅原文太
アメリカンビスタ カラー 111分

町奉行が不明瞭な辞職を繰り返す或る小藩に、新たな後任が江戸から来ることになっていたが、期日を十日過ぎても出仕しなかった。江戸藩邸年寄役・望月武衛門の次男である小平太は上意で町奉行への着任が決まったが、評判は大層悪かった。武芸には長じていたが行状は放埓を極め、道楽者の「どら平太」というありがたくない渾名がついていた。江戸表では望月小平太という名前よりどら平太の方が通りが良いというのが専らの噂だった。

小平太は手酌で飲みながら安川半蔵が調書を読み終わるのを待っていた。「たった十日間でよく調べ上げたな」。そう言って安川が顔を上げると、小平太は「俺じゃあない。仙波が調べたのを整理しただけだ」と言った。小平太は友人で大目付の仙波義十郎に頼み、城下の一角にある濠外(ほりそと)の調査と自身の悪評を流させたのだった。城中にて事務引継ぎのあと評定が行われることになっていた。小平太は城代家老・今村掃部ら重職が長々と行う自己紹介を遮ると、町奉行に仰せ付けられた子細について語り始めた。諸般の改革が進められているものの濠外の問題だけが放任されていると指摘すると、その問題は極めて複雑であり、古くからの特殊な習慣が多いため藩としては手を付けることが出来ないと落合主水正が反論した。その意見は藩としての方針なのかと小平太が掃部に尋ねると、それを聞いた佐藤帯刀が「奉行職は家老の支配に属するものだ。町奉行ごときが御城代に詰問するのは無礼である」と吐き捨てた。新任のくせに礼儀に欠けているなどとざわつく重職たちを小平太が眺め回すと、奉書紙で包んだ書状を取り上げて「御墨付きです」と言った。そして座の中央へ行って書状を開き「上意」と叫ぶと、まず掃部が平伏し、他の重職たちもしぶしぶ倣った。小平太には町奉行の他に特別な役目を与えられていなかった。それを知った内島舎人は、特命がないなら何故、御墨付きなど下されたのかと言った。すると小平太は、殿が濠外の処置がいかに難しいかを御存知だからだと思いますと答えた。どういう意味だと舎人が聞き返すと、小平太はあの区域全体の掃除ですと言った。それを聞いた重職たちは皆絶句した。

城下町の東端には船着きの港があり、一方が海、他の三方は掘割で囲まれ、港橋という橋一つで町とつながっていた。この区域が町から隔絶していることと、船の出入りの多い港であることから、「濠外」は以前から悪徳の巣のようになっていた。宿屋は遊郭そのものだし、博打、密売女、抜け荷の売買などが公然と行われていた。小平太は遊び人になりすまして壕外に潜入した。

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