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千里眼

  • posted at:2008-11-04
  • written by:砂月(すなつき)
せんりがん
東映=小学館=小学館プロダクション
配給:東映
製作年:2000年
公開日:2000年6月10日
監督:麻生学
製作:佐藤雅夫 山下暉人 八木正男
企画:遠藤茂行 伊藤満
プロデューサー:渡邊範雄
原作:松岡圭祐
脚本:時中進 松岡圭祐
音楽:千住明
主題歌:「千里眼 ~No One Knows Me」Chino
撮影監督:加藤雄大
美術:稲垣尚夫
照明:和栗一彦
録音:今井善孝
編集:川島章正
監督補:鬼頭理三
助監督:桑原昌英
製作担当:榊田茂樹
スクリプター:山内薫
宣伝プロデューサー:稲本千春
音楽プロデューサー:川原伸司 津島玄一
アシスタントプロデューサー:出目宏 澤渡匠
製作協力:株式会社タイムズイン 東映京都撮影所
出演:水野美紀 黒木瞳 柳葉敏郎 矢島健一 田口トモロヲ
アメリカンビスタ カラー 100分

栃木や茨城など関東の6ヶ所で原因不明の大規模な爆発が発生した。爆発の数時間前には報道各社に対して謎のテロリスト集団「ミドリの猿」から犯行予告が送りつけられていた。警察では緊急合同捜査本部を設置し捜査に当たったが、「ミドリの猿」の手掛かりは一向に掴めなかった。
6ヶ所の爆発、その原因は横須賀にあるアメリカ軍基地から発射されたのミサイルだった。日本国政府を代表して訪れた中空司令官・仙堂芳則は米軍側に説明を求めたが、責任者は調査中の一点張りで情報を開示しようとはしなかった。彼らが到着を待っていた人物は、東京晴海医療センターの脳外科医長で千里眼の異名を持つ友里佐知子だった。日本政府の代表である仙堂とアメリカ軍代表の責任者はお互いの立場を主張し譲ろうとはしなかった。そこで今後の判断は一枚のコインで決めることになった。仙堂が当てることが出来れば事件に関する情報を全て開示するというのだ。投げられたコインが掌に納まったとき、「裏」という声が聞こえた。その声の持ち主は、仙堂とともにやってきた二等空尉・岬美由紀だった。彼女は防衛大出身の幹部候補生で、折り紙つきの動体視力を持つF15のパイロットだった。そして軍事システムの知識も兼ね備えていた。

基地のコマンドシステムは日本人の侵入者・西嶺徹哉によって操作され、第一波が発射された。第二波も既に発射準備が完了し、西嶺は拳銃を自分の頭に突きつけてそのときを待っていたのだ。カウンセリングを行って男を説得することが友里の使命だったが、「ミドリの猿」に洗脳された西島を救うことは出来なかった。西島が頭を撃ち抜いて即死したことで、コマンドシステムの変更された暗証番号を聞き出すことが不可能になった。最新式ミサイル・ファストホークの標的は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の6大都市、残り時間は10分を切っていた。
機械に設置された防犯カメラには、西嶺が暗証番号を変更したときの表情が映っていた。そこで友里はこの映像を元にして10桁の暗証番号を解読することにした。美由紀からシステムの説明を受けた友里は、まず前半のカラーコード5桁を視線と筋肉の動きで当てた。ランダムである後半の5桁のうち4つをカラーコードと同じ数字を選んだ。そして残りの1つを、最も可能性が低いとされる「0」と入力した。システムは解除され、日本の危機は回避された。

危機的状況で行った友里の適切な判断に魅せられた美由紀は、人を救うこと真剣に考えることになった。彼女は仙堂に休暇願を申し出て、「ミドリの猿」事件で発生した被害者の救難活動を行うことにした。

屋台的映画館
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セーラー服色情飼育

  • posted at:2008-10-07
  • written by:砂月(すなつき)
せーらーふくしきじょうしいく
フィルム・ワーカーズ 
配給:にっかつ
製作年:1982年
公開日:1982年11月15日
監督:渡辺護
脚本:小水ガイラ
撮影:鈴木史郎
音楽:飛べないアヒル
照明:近藤兼太郎
編集:田中修
照明助手:遠藤大輔
撮影助手:水野泰樹 榎本靖
助監督:松本洋二
録音:銀座サウンド
現像:東洋現像所
出演:可愛かずみ 杉佳代子 今日珠実 下元史朗
アメリカンビスタ カラー 62分

「俺だけの、俺一人だけのために咲くんだ」。部屋には隠れて撮影した彼女の写真がたくさん貼られていた。

大学講師の吉松は、帰宅途中にすれ違った女子高生に目を奪われた。それは彼が捜し求めていた純真無垢な少女像そのものだったのだ。吉松は少女の後を付け、電車の席に座る彼女の前に立つと食い入るように見つめた。そして少女がアパートの部屋に入るのを確認すると、吉松は玄関の表札で彼女の名前が美貴子であることを知った。そして彼女が母・たみと二人暮らしで部屋に男がいないことを突き止めると、電話帳で番号を調べて変質的な電話で二人を怖がらせた。

買い物から帰るたみは、交差点で突然飛び出してきた車に驚き荷物を落としてしまった。幸いたみにけがはなく、心配した運転手は食材を買い直させてくださいと言って謝った。その運転手は吉松だった。彼はスーパーで買い物をしてたみと荷物を自宅に送り届けると、お茶でもどうぞと言うたみの誘いを所用を理由に断わった。その出来事以来、たみは吉松の名前を口にすることが多くなった。吉松の高感度は上がった。

その夜、妄想する吉松は衝動を抑えられなくなり、美貴子のアパートのドアノブに射精した。そして公衆電話から変質的な電話を掛け、たみに俺は近所にいるんだと言って不安がらせた。怒ったたみは外へ飛び出して叫んだが、気持ちを落ち着けて部屋に戻ろうとした。そのとき、手が粘着質の液体に触れた。

翌朝、吉松は美貴子が登校してくるのを待っていた。そして偶然を装いながら、力になれるのなら話してくれないかと元気のない彼女に近づいた。すると美貴子は、ママの力になって欲しいと言った。吉松は見知らぬ男の姿に怯えるたみの相談相手になり、食事に誘った。彼は美貴子を手に入れる第一歩としてたみに近づき、誠実さを印象付けることに成功した。たみの心を奪った吉松は次の作戦を開始した。

屋台的映画館

青春共和国

  • posted at:2007-11-03
  • written by:砂月(すなつき)
せいしゅんきょうわこく
大映企画
配給:東宝
製作年:1994年
公開日:1994年6月9日 併映「月の夜・星の朝」
監督:小原宏裕
製作:溝口勝美 田村三枝子
プロデューサー:島田開 元持昌之
原作:赤川次郎
脚本:田波靖男 平山幸秀
企画:山本洋 荒井修
撮影:水野尾信正
音楽:鳴瀬喜博
ミュージックアドバイザー:三浦光紀
主題歌:「トロピカル・ミステリー」安田成美
美術:渡辺平八郎
照明:島田忠昭
録音:神保小四郎
整音:堀内戦治
編集:谷口登司夫
特撮:渡辺貢
助監督:山本伊知郎
記録:中川初子
装飾:橋本清
衣裳:中川邦夫
ヘアーメーク:杵渕陽子
アクションディレクター:風間健
特機:城田幸夫
製作協力:大映
企画協力:徳間書店
出演:安田成美 竹本孝之 武田久美子 浜田みどり 矢野有美
アメリカンビスタ カラー 86分

新宿東高校の昼休み、放送部は校内番組「スクールアフタヌーン」を屋上から中継していた。その日は学校から見える風景という特集を組み屋外の景色を撮影していたが、偶然カメラが反対側の校舎の屋上を捉えた。そこには飛び降り自殺を図る男子生徒の姿が映っていたのだ。キャスターの三神英子やカメラマンの成瀬純夫たちは必死に止めようとしたが、彼の決心は固かった。救急車で運ばれた三年生の西川は、春休みを境に成績が向上し生徒会で発言するなど以前のイメージと変わったことが学年で話題になっていた。アルバイト先で同じクラスの松井洋子から相談を受けた英子は、彼女が西川と婚約していることを知らされ驚いた。二人は春休みにある島で出会い、彼が卒業したら結婚しようと約束を交わしていたのだ。英子が自殺の原因を聞きだそうとすると洋子はさりげなくはぐらかし、行きづらいから通夜に一緒についてきて欲しいと言った。ところが英子が着替えて戻ってくると洋子の姿はなかった。

洋子が通夜に顔を出していないことを知った英子は自宅を訪ねるが、父親で探偵の健三は娘の失踪を大人なんだからと笑い飛ばした。そして娘探しは金にならないし、もし何かあったら警察に頼むから心配ないと言った。仕事が立て込んでいるから勝手に見てかまわないと洋子の部屋の鍵を渡された英子は手掛かりを探し始めた。きちんと整頓された部屋の中でまず目に付いたのは、机の上に並べられた本だった。一番手に取りやすい本をめくると中から裏に「1984年 青春共和国にて 西川さん、山田さんと共に」と書かれた写真が落ちた。その写真には洋子と西川がにこやかに写っていた。英子は引き出しの中を調べアドレス帳を見つけ出すと、写っているもう一人の山田良平の自宅を訪ねた。歌舞伎町のゲームセンター・ペガサスで働いていることを突き止めた英子は良平と会って話を聞いたが、そんな島は知らないし洋子という女も知らないと言って出て行った。その後、良平は何者かによって殺された。その夜、ラジオを聞いていた英子は番組の中のメッセージに驚いた。それは「青春共和国にて待つ、洋子」というものだった。

あの事件以来、放送部は自由に活動できなくなっていた。そこで部長の純夫は部員にこれからの活動に対する意見を募ることにした。そして様々なアイデアの中から話題の青春共和国を取材することに決めた。しかし取材をいくら重ねても島の実態は一向に掴めなかった。そんなある日、英子のもとへ差出人のない一通の封書が届いた。それは青春共和国への招待状だった。

屋台的映画館

セクシー地帯

  • posted at:2007-10-04
  • written by:砂月(すなつき)
せくしーちたい
新東宝
配給:新東宝
製作年:1961年
公開日:1961年1月9日
監督:石井輝男
製作:山梨稔
脚本:石井輝男
企画:佐川滉
撮影:須藤登
音楽:平岡精二
演奏:平岡精二クインテット
美術:宇寿山武夫
照明:岡庭正隆
録音:根岸寿夫
編集:鹿島秀男
助監督:深町幸男
製作主任:藤岡治郎
出演:吉田輝雄 三原葉子 三條魔子 池内淳子 細川俊夫
シネマスコープ モノクロ 82分

東洋貿易に勤務する吉岡博司は、森川荘介営業部長から預かった重要な書類を唐突に話しかけられた女に掏られ、さらに掏りの一味として警察に連行された。容疑が晴れた翌日、出社した吉岡は森川から大阪支社への転勤を命じられた。突然の命令に狼狽する博司は、同じ会社にタイピストとして勤める恋人の滝川玲子に相談することにした。その夜、博司は玲子を呼び出したが、彼女は森川に大阪行きは嫌だと頼みに行けばいいときっぱり言った。玲子は大丈夫だと言ったが博司にはその根拠がわからなかった。そこで博司は、この際一緒に大阪へ行かないかと言ったが、玲子は安い月給で暮らすのはみじめだと断わった。その言葉に博司は気を悪くしたが、玲子の言葉を信じて森川部長が住むグリーンアパートへ向かった。博司が森川の帰宅を待って時間を潰している頃、森川は玲子と別の場所で会っていた。玲子はビザール・クロッキー・クラブのモデルだったが、その組織の正体は一流企業へ電話一本で特殊な接待婦を供給する売春クラブだった。玲子は森川に博司の転勤の話を取り消さなければ肉体関係を公表すると迫った。その結果、彼女は博司の転勤取り消しと手切金の小切手を手にした。その後、玲子はクロッキー・クラブへ行き、ボスの瀬川に脱会を申し出たが、瀬川は絶対に辞めさせないと言った。すると玲子は警視庁の保安課へ通報し、洗いざらい公表すると脅した。その言葉を聞いた瀬川は「おもしろいね。どうだい、今言ったことを実行してみたら?」と不敵な笑みを浮かべて言った。

ラジオで玲子が絞殺されたことを知った博司は、その容疑が自分に掛かっていることに驚いた。ショックを受けて夜の街をさ迷い歩く博司だったが、偶然掏りの女と出くわすと我に返り、問い詰めようとした。ところが女が近くにいた警察官を呼んだため、身の危険を感じた博司は逃げた。その様子に自分と同じ臭いを感じた女は、警察を追い払うと何処までも追いかけた。そして追いつくと、盗んだものを返すと言ってバー・ばっかすに入った。女=真弓が博司に渡したパスケース、その中には「No.18」と書かれたクロッキー・クラブの会員証が入っていた。それをカウンター越しに見たバーテンダーは「場所と時間をどうぞ」と言った。突然の出来事に博司は戸惑ったが、真弓はとっさに「サンライズホテル6号室、10時きっかりにして」と答えた。真弓は博司の心配をよそにスリルを楽しもうとしていた。

屋台的映画館

世界の中心で、愛をさけぶ

  • posted at:2007-06-17
  • written by:砂月(すなつき)
せかいのちゅうしんであいをさけぶ
「世界の中心で、愛をさけぶ」製作委員会(東宝=TBS=博報堂DYメディアパートナーズ=小学館=S・D・P=MBS)/東宝映画
配給:東宝
製作年:2004年
公開日:2004年5月8日
監督:行定勲
製作:本間英行
製作総括:島谷能成 近藤邦勝 安永義郎 亀井修 細野義朗 伊東雄三
プロデューサー:市川南 春名慶
協力プロデューサー:濱名一哉
原作:片山恭一
脚本:坂元裕二 伊藤ちひろ 行定勲
音楽:めいなCo.
主題歌:「瞳をとじて」平井堅
撮影:篠田昇
美術:山口修
録音:伊藤裕規
照明:中村裕樹
編集:今井剛
キャスティング:田中忠雄
助監督:蔵方政俊
製作担当者:前田光治
アメリカンビスタ カラー 138分

松本朔太郎は上司の出井から声を掛けられて慌てて飛び起きた。徹夜で仕事をした彼は会社のソファーで眠り込んでしまったのだ。朔太郎は自身の結婚式が近づいているにも関わらず、まだそれを他人事のように感じていた。その頃、婚約者の藤村律子は一人で引越しの準備を進めていた。衣裳ケースを開け、中の洋服を懐かしんでいた律子は服のポケットに一本のカセットテープが入っていることに気付いた。インデックスに「’86/10/28」と書かれたそのテープに心当たりはなかったが、気になり始めると作業どころではなくなり、ポータブルカセットプレーヤー・ウォークマンを電器店に買いに行くことにした。店を出た律子がプレーヤのスイッチを入れると、イヤホンから懐かしい声が聞こえてきた。すると彼女の頬を涙が伝った。その後、律子は部屋に書き置きを残して姿を消した。高松空港から伝える台風接近のニュースを見ていた朔太郎は、偶然映り込んだ律子の姿を目撃した。何かを直感した朔太郎は自分の故郷である四国・木庭子町に向かった。

1986年、夏。急逝した國村晴子校長の告別式が執り行われている寺に遅れて到着した朔太郎は、涙ひとつ見せずに弔辞を読み上げる広瀬亜紀に一目惚れした。美少女の亜紀はクラスメイトだったが、成績優秀でスポーツ万能の人気者だったため、自分とは違う世界に住む人だと考え一度も話したことがなかった。ある日、スクーターで帰宅しているところを亜紀に目撃された。朔太郎は担任教師に告げ口をされると覚悟したが、実は彼女も朔太郎と話をしたいと思い、帰り道で待っていたのだ。それが二人の運命的な純愛の始まりだった。その頃、若者たちの間で流行っていたもの、それはソニーのウォークマンだった。だが価格が3万円を超えるため、学生には高嶺の花だった。亜紀は朔太郎に、「ミッドナイト・ウェーブ」に投稿してどっちが先に読まれるか競争しようと提案した。「ミッドナイト・ウェーブ」は学生たちに人気があるラジオの深夜番組で、はがきを読まれたリスナーにウォークマンがプレゼントされるのだ。

文化祭の出し物、演劇「ロミオとジュリエット」の配役を決める投票がクラスで行われ、ロミオを大木龍之介、ジュリエットを亜紀が演じることになった。亜紀は、好きな人に先立たれる気持ちがわからないと朔太郎に相談すると、彼は重じいに聞いてみればいいと言った。重じいの初恋の人は晴子で、戦争で親兄弟と財産を失い無一文となった彼はがむしゃらに働いて結婚資金を作った。だが迎えに行ったときには既に親が決めた相手と結婚していたのだった。重じいはそんな彼女を今でも想い続けていた。朔太郎と亜紀は重じいが経営する写真館を訪れたが、ただじゃ嫌だと言った。重じいが出した条件とは、墓から晴子の遺骨を持ち出すことだった。

数日後、朔太郎が出したはがきが番組で読まれた。だがそれは、文化祭でジュリエット役を演じることになっていた同級生が白血病になったというでたらめな内容だった。翌日、朔太郎ははがきが読まれたことを自慢したが、亜紀は引っ叩きたくなる気持ちを抑えるために無視を決め込んだ。そしてどうしても伝えなければならないことがあるときは、声を録音したカセットテープを渡した。

屋台的映画館

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