しびれくらげ
大映(東京撮影所)
配給:ダイニチ映配
製作年:1970年
公開日:1970年10月3日 併映「一度は行きたい女風呂」
監督:増村保造
企画:関幸輔
脚本:石松愛弘 増村保造
撮影:小林節雄
録音:須田武雄
照明:渡辺長治
美術:後藤岱二郎
音楽:山内正
編集:中静達治
助監督:石井岩太郎
製作主任:林秀樹
現像:東京現像所
出演:渥美マリ 川津祐介 田村亮 玉川良一 草野大悟
シネマスコープ カラー 92分
大東繊維の若手敏腕セールスマン・山崎宏は、恋人で売り出し中のファッションモデル・みどりをファッションショーに抜擢したことで評価を得ていた。彼女が持つ美貌は評判を呼び、雑誌にグラビア写真が載るまでになったが、同時に問題も引き起こしていた。そのグラビアを見たニューヨーク大百貨店の仕入担当重役・ヘンダーソンが彼女に惚れ込み、寝てみたいと言い出したのだ。望みが叶えば60万ドル、日本円にして2億円の商品を買うという条件を提示されたため、大きな商談を成功させたい山崎は彼女にその話をしたのだった。それを聞いたみどりは耳を疑ったが、二人の幸福のためだと強引に説得された。数日後、ヘンダーソンに抱かれたみどりは嫌な思いをシャワーで洗い流して山崎の自宅を訪れた。そして二人の愛が不変であることを確かめ合った。営業担当重役の小野田は、商談の成功を大いに喜んだ。何故我々が口説き落とせなかった相手を承知させることが出来たのかと小野田が疑問を口にすると、山崎はヘンダーソンに一目惚れした女を抱かせたことを告白した。
みどりは父・庄介と二人で暮らしていた。庄介はサラリーマン時代にバーの女にのめり込み、会社の金を使い込んだことでクビになった。横領で訴えられた末に1年の刑務所暮らし。その間に妻は娘を他人に預けて若い男と駆け落ちした。それからは苦労をしながらみどりを男手一つで育てあげたが、女グセは相変わらずだった。今はストリップ小屋の楽屋番として働いていたが、手取りだけでは足らなかったためみどりから金をせびった。ある日、みどりのグラビアが載った週刊誌を楽屋で見つけた庄介は、以前から目をつけていたバーのママ・圭子にそれをちらつかせて自分は芸能関係の人間だと触れ込んだ。彼女を旅館に連れ込んだところ、そこに現れた笠井組の幹部・山野と舎弟の健次に密会の現場を押さえられたのだ。店での様子をカウンターで見ていた山野は金づるとなりそうだと考え、妻の圭子と結託して一芝居うったのだった。山野から落とし前の100万円を要求された庄介はみどりに泣きついた。だが冷たくあしらわれると今度は山崎を訪ねた。
庄介は期限までに100万円を用意したが、その出所が山崎だと知ったみどりはマンションに謝りに行った。ヤクザとの関係が面倒だから親父さんを捨ててくれと山崎が言うと、放り出したいがたとえ馬鹿な親であっても血が繋がっているのだから一生面倒をみてやらないといけないとみどりは答えた。すると自分の身の安全しか考えていない山崎は別れ話を切り出した。そして100万円はヘンダーソンと寝てもらったお礼だから返さなくていいと言ったのだ。出世のために利用されたことを知ったみどりは山崎のもとを去ったが、事情を知った庄介は再び山崎を訪ね、娘を傷ものにした慰謝料として500万円を要求した。
屋台的映画館
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