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HINOKIO ヒノキオ

  • posted at:2008-10-10
  • written by:砂月(すなつき)
ひのきお
「HINOKIO」 FILM VENTURER(松竹=イマージュ=ムービーアイ エンタテインメント=H-PARTNERS=東京電力=レントラックジャパン=タカラ=関西テレビ放送=衛星劇場=I&s BBDO)
配給:松竹
製作年:2005年
公開日:2005年7月9日
監督:秋山貴彦
製作代表:迫本淳一 結城徹 唯敷和彦 木村雪男 日下孝明 佐藤慶太 千草宗一郎 石川富康 三箇和彦
エグゼクティブプロデューサー:久松猛朗
プロデューサー:牛山拓二 上原英和
VFXプロデューサー:隠田雅浩
原案:秋山貴彦
脚本:米村正二 秋山貴彦 末谷真澄
音楽:千住明
音楽プロデューサー:小野寺重之
美術:池谷仙克
撮影:岡雅一
照明:吉角荘介
録音:瀬川徹夫
ビデオエンジニア:さとうまなぶ
編集:上野聡一
チーフ助監督:野間詳令
スクリプター:天池芳美
装飾:大坂和美
衣裳:宮本茉莉
ヘアメイク:金森恵
音響効果:倉橋静男
俳優担当:豊山有紀
製作担当:松村龍一
出演:中村雅俊 本郷奏多 多部未華子 堀北真希 小林涼子
アメリカンビスタ カラー 111分

岩本サトルは突然の事故に遭い、一命をとり止めた。だが最愛の母親は帰らぬ人となった。彼が受けたショックはとても大きく、リハビリを拒否した。そして車椅子で生活を送っていたサトルは元々不登校児だったが、それ以降は自室に引きこもるようになった。

一年後、6年2組に新しい友達がやってきた。様々な事情で学校へ来ることが出来ない児童への新たな試みとして、本人が自宅から遠隔操作するロボットの代理登校が始まった。その第一号になったのがサトルだった。サトルの父・薫はオーヴァーロード・エレクトロニクス社の技術者で、彼が開発したロボット「H-603」を与えたのだ。担任教師の風吹夏子に促されたサトルは、自室に据えられた専用のコントロールマシンを使ってクラスメイトの前で挨拶した。「H-603」の材質は、チタン合金とプラスティック、そして軽量化のためにヒノキが使用されていた。その話を聞いた細野丈一は、ロボットに「ヒノキオ」とあだ名を付けた。好奇心旺盛な子供たちに囲まれて質問攻めにあう「ヒノキオ」をつまらなそうな目で見ていたのはガキ大将の工藤ジュンだった。

授業中にジュンはヒノキオにいたずらを仕掛けた。椅子に画鋲をばら撒いたのだ。当然のことながらロボットは痛みを感じなかった。ジュンは「ほうか後神社に来い!」と書いたメモをヒノキオの前に放った。放課後、ヒノキオは神社へやってきた。境内には矢印を書いた紙が貼ってあり、その通りに進んだ結果、落とし穴に落ちてしまった。その様子を一部始終見ていたクラスの優等生・高坂スミレは、翌日のホームルームで発表した。だがヒノキオは「別に」と言った。子分の丈一と平井健太を引き連れたジュンは、下校するヒノキオを待ち伏せしていた。ジュンはいじめられたことを隠した理由を聞き出そうとしたが、ヒノキオが自分たちの仲間になりたいのだと勝手に解釈して強引に引き入れてしまった。

子供たちの間では「パーガトリー」というオンラインゲームが流行っていた。煉獄を抜け出して天国を目指すこのゲームは難易度が高く、隠し扉や重要なアイテムを手に入れなければ先に進むことが出来なかった。やり続ければゲーム内の出来事が現実でも起こるという話を丈一から聞いたサトルも挑戦してみることにした。廃工場はジュンたちのアジトになっていたが、丈一は塾通い、健太もゲームにはまって来なくなったため二人で遊ぶことが多くなった。ある日、ジュンはヒノキオをアパートに招待した。ジュンは亡くなった父親の話を始め、人は死んだらどうなるんだろうと呟いた。するとヒノキオは、天国に行く前にまず煉獄へ行くと答えた。無事に父親が天国に行けたか心配だったジュンは、それがわかるというヒノキオの言葉に驚いた。だがそれがゲームの話だと知るとがっかりした。サトルはゲームが現実とリンクしていることを確信していた。ゲームでは神社に落ちていたジュンの笛が風の笛というアイテムだったり、隣のクラスの昭島江里子にそっくりなエリという女の子が登場するからだ。そしてジュンの部屋の窓からは、場所によって4本にも1本にも見える「煉獄の塔」と良く似た煙突が聳え立っているのが見えた。

屋台的映画館
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セーラー服色情飼育

  • posted at:2008-10-07
  • written by:砂月(すなつき)
せーらーふくしきじょうしいく
フィルム・ワーカーズ 
配給:にっかつ
製作年:1982年
公開日:1982年11月15日
監督:渡辺護
脚本:小水ガイラ
撮影:鈴木史郎
音楽:飛べないアヒル
照明:近藤兼太郎
編集:田中修
照明助手:遠藤大輔
撮影助手:水野泰樹 榎本靖
助監督:松本洋二
録音:銀座サウンド
現像:東洋現像所
出演:可愛かずみ 杉佳代子 今日珠実 下元史朗
アメリカンビスタ カラー 62分

「俺だけの、俺一人だけのために咲くんだ」。部屋には隠れて撮影した彼女の写真がたくさん貼られていた。

大学講師の吉松は、帰宅途中にすれ違った女子高生に目を奪われた。それは彼が捜し求めていた純真無垢な少女像そのものだったのだ。吉松は少女の後を付け、電車の席に座る彼女の前に立つと食い入るように見つめた。そして少女がアパートの部屋に入るのを確認すると、吉松は玄関の表札で彼女の名前が美貴子であることを知った。そして彼女が母・たみと二人暮らしで部屋に男がいないことを突き止めると、電話帳で番号を調べて変質的な電話で二人を怖がらせた。

買い物から帰るたみは、交差点で突然飛び出してきた車に驚き荷物を落としてしまった。幸いたみにけがはなく、心配した運転手は食材を買い直させてくださいと言って謝った。その運転手は吉松だった。彼はスーパーで買い物をしてたみと荷物を自宅に送り届けると、お茶でもどうぞと言うたみの誘いを所用を理由に断わった。その出来事以来、たみは吉松の名前を口にすることが多くなった。吉松の高感度は上がった。

その夜、妄想する吉松は衝動を抑えられなくなり、美貴子のアパートのドアノブに射精した。そして公衆電話から変質的な電話を掛け、たみに俺は近所にいるんだと言って不安がらせた。怒ったたみは外へ飛び出して叫んだが、気持ちを落ち着けて部屋に戻ろうとした。そのとき、手が粘着質の液体に触れた。

翌朝、吉松は美貴子が登校してくるのを待っていた。そして偶然を装いながら、力になれるのなら話してくれないかと元気のない彼女に近づいた。すると美貴子は、ママの力になって欲しいと言った。吉松は見知らぬ男の姿に怯えるたみの相談相手になり、食事に誘った。彼は美貴子を手に入れる第一歩としてたみに近づき、誠実さを印象付けることに成功した。たみの心を奪った吉松は次の作戦を開始した。

屋台的映画館

グレートマジンガー対ゲッターロボ

  • posted at:2008-09-29
  • written by:砂月(すなつき)
ぐれーとまじんがーたいげったーろぼ
ダイナミックプロ=フジテレビ=東映動画
配給:東映
製作年:1975年
公開日:1975年3月21日 併映「アンデルセン物語 にんぎょ姫」「これがUFOだ!空飛ぶ円盤」「仮面ライダーアマゾン」「がんばれ!!ロボコン」「魔女っ子メグちゃん」
演出:明比正行
製作:今田智憲
企画:有賀健 横山賢二
原作:永井豪・石川賢とダイナミックプロ
脚本:藤川桂介
作画監督:小松原一男
美術:福本智雄
音楽:渡辺宙明 菊池俊輔
うた:水木一郎 ささきいさお
原画:森利夫 富永貞義
動画:松村敬子 長崎重信 寺司重幸 渋谷早苗
背景:勝又激 沼井信朗 阿部泰三郎
仕上:高橋達雄 中島正之 前田剛弘
撮影:菅谷信行
編集:本山収
録音:池上信照
記録:的場節代
効果:石田サウンドプロ
選曲:宮下滋
演出助手:遠藤勇二
製作進行:吉岡修
現像:東映化学
声の出演:野田圭一 中谷ゆみ 柴田秀勝 沢田和子 大竹宏
アメリカンビスタ カラー 30分

「日本を我々の地球制覇の拠点とするのだ」。東京上空に現れた円盤は地上に宇宙怪獣ギルギルガンの卵を放った。孵化して出て来た第一形態の幼獣は、好物の鉄を食べ漁りコンビナートや街を次々と破壊して行った。その頃、浅間山麓にある早乙女研究所でも異常なサイクルの電波をキャッチしていた。職員から連絡を受けた早乙女博士はパイロットたちに出動を命じた。カタパルトのゲットマシン3機は轟音を残して発進した。ゲットマシンのパイロットである流竜馬、神隼人、巴武蔵の三人は特殊な訓練を受けており、イーグル号、ジャガー号、ベアー号が合体、変形することでゲッターロボとなるのだ。組み合わせは3パターンあり、空陸戦を得意とするゲッター1、陸での高速移動や地中活動が可能なゲッター2、重量戦や水中活動に適したゲッター3と用途によって使い分けることが出来た。宇宙放射線のゲッター線が金属影響を及ぼすことを突き止めた早乙女が宇宙作業用ロボットに技術を転用したことで、3機のゲットマシンはゲッターロボに変形可能となったのだ。竜馬がライバル視していたのは、剣鉄也だった。鉄也は超合金ニューZで作られた巨大ロボット・グレートマジンガーのパイロットで、ロボットは兜剣造博士が15年掛けて開発したマジンガーZの強化発展型だった。鉄也よりも先に円盤と対峙することになった竜馬は、ゲットマシンで簡単に破壊出来るものと思っていた。ところが相手は予想以上に動きが早く苦戦を強いられたため、ゲッター1に合体して戦うことになった。

モニターを苦々しい思いで見つめていたのは、伊豆半島にある科学要塞研究所の鉄也だった。横浜へ向かって飛行する円盤の姿を研究所でも確認していたが、実態を掴むために剣造が出撃命令を保留したのだ。そこへ横浜からの救援指令があり、鉄也は待ってましたとばかりに飛び出した。海中の発射口から射出したブレーンコンドルは、海中から現れたグレートマジンガーの頭部にドッキングすると、背中に収納された翼・スクランブルダッシュを広げて大空に飛び立って行った。地上で暴れ回る宇宙怪獣を目にした鉄也は、剣造からゲッターロボが退避したしたことを伝え聞くと、いいところを見せようとアトミックパンチを見舞った。ところが舌で絡め取られてバリバリと噛み砕かれてしまった。驚いた鉄也は地上に降り立ちブレストバーンを放ったが、効き目はなかった。続いてサンダーブレークを使ったが、目からの光線の威力に跳ね返され右腕を失ってしまった。さらに溶解液を浴びたことで右足も失った。剣造の命令で引き返したが、グレートマジンガーのダメージは想像を超えていた。逸る気持ちを抑えられない鉄也を剣造が諭していたとき、研究所にやってきたのは早乙女だった。彼はゲッターロボとグレートマジンガーが共同作戦を取らない限り宇宙怪獣は倒せないと言った。その考えは剣造も同じで、有効な作戦計画を提案した。

屋台的映画館

ルパン三世 カリオストロの城

  • posted at:2008-09-25
  • written by:砂月(すなつき)
るぱんさんせいかりおすとろのしろ
東京ムービー新社
配給:東宝
製作年:1979年
公開日:1979年12月15日
監督:宮崎駿
制作:藤岡豊
プロデューサー:片山哲生
原作:モンキー・パンチ
脚本:宮崎駿 山崎晴哉
音楽:大野雄二
主題歌:「炎のたからもの」ボビー
選曲:鈴木清司
作画監督:大塚康生
美術:小林七郎
撮影:高橋宏固
録音:加藤敏
編集:鶴渕允壽
背景:小林プロダクション テレコム
撮影:高橋プロダクション
仕上:スタジオ古留美 シャフト イージーワールド スタジオ・タージ スタジオ・キリー
助監督:吉田茂承
整音:飯塚秀保
効果:東洋音響
ネガ編集:高橋和子
タイトル:藤井敬康
動画検査:原恵子 島田明子
色彩計測:近藤浩子
仕上検査:山本雅世 砂川千里
録音:東北新社
現像:東京現像所
アシスタント・プロデューサー:岡村和佳菜
現像:東京現像所
制作担当:斎藤壽男
製作進行:吉田力雄 柳内一彦 岩田幹宏
制作協力:テレコム・アニメーションフィルム
声の出演:山田康雄 増山江威子 小林清志 井上真樹夫 納谷悟朗
スタンダード カラー 100分

東の空が白みかけた頃、某国王立カジノに二人組の泥棒が侵入した。彼らは大きな風呂敷を背負い両手にカバンを下げた姿で建物から駆け出てくると、それを停めてあった愛車のフィアット500に無理矢理押し込みスタートさせた。追手を巻いて幹線道路を疾走するフィアット。札束で埋まる車中には運転席にルパン三世、助手席に次元大介、そして後部座席には逃走を手助けした石川五右ヱ門の姿があった。易々と大金を手に入れることが出来たことで盛り上がるルパンと次元。ところが突然ルパンが「捨てっちまおう」とつぶやいたことで次元は心底驚いたのだった。彼によるとこの紙幣はゴート札という精巧な偽札だというのだ。それがカジノにまで蔓延していることを危惧したルパンは、次の仕事を決めた前祝いに窓から紙幣をぶちまけ、次元もヤケクソ気味にそれをばら撒いたのだった。

ルパンと次元が向かった先は、人口3500人の世界一小さな国連加盟国・カリオストロ公国だった。その国はゴート札の出処と噂されており、調査を行った者が帰ってこないことからその筋では偽札界のブラックホールと呼ばれていた。検問を抜けしばらく走っているとタイヤがパンクしたため車を路肩に寄せた。じゃんけんで負けた次元が補修を行っているとその脇を猛スピードで二台の車が走り抜けて行った。前の車を運転していたのが花嫁姿の少女だったことからルパンは運転席に潜り込むとノブを引いて後部のエンジンカバーを跳ね上げスーパーチャージャーに連結させるとアクセルを踏んだ。するとフィアットは暴れるように加速を始め、次元はジャッキを片付ける間もなく飛び乗ったのだった。彼は男たちが乗るハンバー・スーパー・スナイプの後輪に銃弾を見舞ったが弾かれた。更に男たちが手榴弾を使ってきたことで後方が不利だと感じたルパンはバケモノのような馬力を利用して崖をよじ登ると前方に回り込み、次元の撃った特殊弾でついに撃退したのだった。花嫁を解放したまではよかったが、彼女はハンドルを握りしめたまま気絶していた。ルパンは次元にハンドルを預けると停まらないシトロエン2CVに飛び乗ったが、慌ててブレーキを掛けたものの前方のロードローラーを避けることは出来なかった。衝突した弾みでシトロエンは崖下に落ちて行ったが、ルパンは鉤のついた細ヒモを投げて木の根に絡め少女を抱えたままぶら下がったのだった。ひとつため息をついたルパンは彼女の顔を見ようとした。すると少女は意識を取り戻したが事態を理解出来ず暴れ出したのだった。ルパンは何とか少女を落ち着かせる成功するとベルトのバックルについているハンドルを操作して降りて行ったが、木の根は二人の体重を長時間支えることは出来なかった。彼女をかばうように尻餅をつくルパン。すると頭に木の根が直撃し彼は気絶した。心配した少女ははめていた手袋を湖で濡らすとそっとルパンの顔を拭いた。そのとき追手の内火艇が見えたため、ごめんなさいと言って顔に手袋を乗せたまま姿を消した。心配した次元から少女が連れ去られたことをルパンだったが、彼女が残した手袋の中に入っていた指輪の紋章を見てあることを思い出したのだった。

屋台的映画館

破線のマリス

  • posted at:2008-09-14
  • written by:砂月(すなつき)
はせんのまりす
「破線のマリス」製作委員会(環境アート研究所=フォワード・グループ)
配給:アスミック・エース エンタテインメント
製作年:2000年
公開日:2000年3月11日
監督:井坂聡
製作:岩下孝広
企画:稲垣しず枝
エグゼクティブプロデューサー:大平義之
プロデューサー:八木欣也 井口喜一
原作:野沢尚
脚本:野沢尚
音楽:多和田吏
撮影:佐野哲郎
照明:渡部嘉
録音:今井善孝
美術:斎藤岩男
編集:菊池純一
スクリプター:中田秀子
助監督:瀧本智行
製作担当:木次谷良助
出演:黒木瞳 陣内孝則 山下徹大 筧利夫 白井晃
アメリカンビスタ カラー 108分

首都テレビの看板報道番組「ナイン・トゥ・テン」。遠藤瑤子は名物コーナーである「事件検証」のビデオ編集を担当していた。彼女は検証ビデオを作る際、放送倫理の境目で視聴者の興味を引くように大胆に編集した。それがこの番組の高視聴率を生み出す理由であり反響が大きかったが、非難する声も少なくなかった。

ある日、瑤子の自宅に郵政省放送行政局の春名と名乗る男から電話が掛かった。春名は信頼できる瑤子にしか見せたくないビデオテープがあると言った。いつも「事件検証」を欠かさず観ているため、彼女なら何とかしてくれると思い込んでいたのだ。瑤子は不信感を抱いたが、興味本位で会ってみることにした。2週間前、市民オンブズマンの吉村顧問弁護士がマンションから転落し死亡した。警察は自殺と他殺の両面から捜査していたが、春名はこの事件には裏があることを話し始めた。日本一のマンモス大学・永和学園は、全国に散らばる学園の基礎教養課程を衛星とパソコンを使って行うという計画を立て、地方のあるテレビ局を買収した。ところがその動きがマスメディア集中排除の原則に抵触するとして郵政省の警戒心を煽ったのだ。そこで永和学園は郵政省に対し、認可を得るために金銭攻撃を開始した。この動きを察した吉村は、永和学園と郵政省との贈収賄疑惑の調査を始めたのだった。春名は上司の命令で吉村を監視することになった。調査方法に違法なものが含まれていた場合、証拠映像があれば有利になるからだ。監視を始めた春名は吉村を尾行する人物を目撃した。それは春名の同僚だった。つまり吉村弁護士は、自分が追求すべき人間に尾行されていたのだ。

瑤子が受け取ったビデオテープには、飲食店の物陰から吉村を監視する男、転落事故現場から立ち去る後姿の男、吉村弁護士の葬儀に参列する男、そして警察の事情聴取を受けた郵政省官僚3人が建物を後にする様子が収められていた。同僚と別れた男は立ち止まり、正面に向き直ると「笑み」を浮べた。それは無実を証明し、勝ち誇ったような表情にも見えた。瑤子は感じたままに編集し、番組で流した。

屋台的映画館

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