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ウォーターボーイズ

  • posted at:2009-04-01
  • written by:砂月(すなつき)
うぉーたーぼーいず
フジテレビジョン=アルタミラピクチャーズ=東宝=電通
配給:東宝
製作年:2001年
公開日:2001年9月15日
監督:矢口史靖
製作:宮内正喜 平沼久典 塩原徹
エグゼクティブプロデューサー:桝井省志
企画:石丸省一郎 藤原正道 遠谷信幸
プロデューサー:宅間秋史 関口大輔 佐々木芳野
脚本:矢口史靖
音楽:松田岳二 冷水ひとみ
エンディングテーマ曲:「学園天国」フィンガー5
挿入曲:「伊勢佐木町ブルース」青江美奈
・・・:「DIAMOND HEAD」THE VENTURES
・・・:「あなたのとりこ IRRESISTIBLEMENT」SYLVIE VARTAN
・・・:「ONLY YOU」ザ・キングトーンズ
・・・:「愛のしるし」PUFFY
撮影監督:長田勇市
照明:長田達也
録音:郡弘道
美術:清水剛
編集:宮島竜治
装飾:鈴村高正
助監督:片島章三
製作担当:大西洋志
プロダクションアシスタント:小室巴都衣
「ウォーターボーイズ」アソシエイツ:斎春雄 村田祐一 千野毅彦 小形雄二
製作プロダクション:アルタミラピクチャーズ
出演:妻夫木聡 玉木宏 三浦哲郎 近藤公園 金子貴俊
アメリカンビスタ カラー 91分

唯野高校の水泳部は廃部寸前の状態だった。大会で好成績を収められなかったことが原因で人気は低下し部員は減少した。そして今では根性無しの3年生・鈴木智だけとなっていた。荒れ放題となったプールに新入部員は来るはずも無かった。7月のある日、美人の新任教師・佐久間恵が赴任してきた。大学時代、彼女はプールに関わるクラブに所属していた関係で水泳部の顧問に就任した。朝礼で水泳部への入部を呼びかけると、活気のなかったプールに部員がドッと押し寄せて来たのだ。バスケットボール部の佐藤勝正や空手部の池内亮三、体操部の阪本友也など既に引退して時間を持て余した連中がかわいい恵目当てに入部したのだった。だが中には体力をつけたい太田祐一やカナヅチを治したいという金沢孝志もいた。新入部員たちは恵に指導して欲しいと頼んだが、何故か彼女は浮かぬ顔だった。そして、私はこの学校では教えられないと言って泣き出したのだ。まさか自分が男子校に赴任するとは思わなかったというのが理由だった。智たちは、性別なんて関係ないから教えて欲しいと頼み込むと恵は最高の笑顔を見せた。

恵の夢はシンクロナイズドスイミングを生徒に教えることだったが、赴任先が男子校であることがわかり落ち込んでいたのだ。だが部員たちの熱意を受け、今までの考え方を改めることにした。足がつかないプールでなくても競技する選手が男であっても関係ないのだ。「一緒にシンクロやろう、ね!」。恵が熱心に思いを語る間に部員は次々と脱走した。その結果、逃げられなかった智、勝正、祐一、孝志、早乙女聖の5人が貧乏くじを引く羽目になったのだ。張り切ってプールにやってきた恵は、シンクロを文化祭で上演する申請をしポスターまで作ってきた。だが急に気分が悪くなって嘔吐したため病院で診察を受けた。すると妊娠8ヶ月であることがわかったのだ。彼女は産休を取ると旦那とともにさっさと実家へ帰ってしまった。嵐のような出来事に5人は立ち尽くすしかなかった。

文化祭の実行委員会が始まり、桜木女子高など唯野高の周辺にある女子高の生徒を呼ぶ込むための企画が話し合われた。恵が既にシンクロの申請をしていたが、智たちはプールをバスケット部が毎年釣り堀として使っていることと、水泳部の顧問がいなくなったことを理由にして申請を取り下げた。悟や勝正は今まで決めたことを成し遂げたことがなかった。周囲の陰口が耳に入ったことでやはり自分たちにはシンクロしかないと考え直した5人はプールに向かったが、そこはもう釣り堀となっていた。揉め事の間に割って入った業者の磯村が全ての魚を掬い出すことが出来れば明け渡してもいいと言うと、バスケ部の連中もその条件に賛同した。5人は磯村から渡されたタモ網で魚を掬うことになったが、そううまく行くはずがなかった。そこで日が暮れるのを待ち、人目がなくなった頃を見計らってプールの水を抜いた。その間に魚を捕まえて水を元に戻し、古くなった水道メーターをいじれば万事解決、のはずだった。だが警備員に見つかってしまった。翌日、智たちは顧問の杉田に呼び出され、こっ酷く叱られた。5人がシンクロを披露する話に興味を持った磯村は、料金が取れるだけの演目を一週間後までに完成させることが出来るのならば魚代を免除してもいいと言った。

翌日から智たちは練習を始めたが、何から取り掛かっていいのかわからなかった。そこで彼らはプールサイドを使って入門書に書いてある通りにやってみた。だが基本的な技は地上では出来ても水の中では勝手が違った。試行錯誤の日々が続いたがついに集大成を披露する日がやってきた。杉田と磯村の前で競技が始まったが、所詮付け焼刃。失敗の連続で言い争いになり最後には仲間割れした。それを見ていた杉田は雷を落とし、プールを使用禁止にした。魚代も全額弁償することになった。

屋台的映画館
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すべてが狂ってる

  • posted at:2009-03-28
  • written by:砂月(すなつき)
すべてがくるってる
日活
配給:日活
製作年:1960年
公開日:1960年10月8日 併映「英雄候補生」
監督:鈴木清順
企画:浅田健三
原作:一条明
脚本:星川清司
撮影:萩原泉
音楽:三保敬太郎 前田憲夫
照明:三尾三郎
録音:福島信雅
美術:千葉一彦
編集:鈴木晄
助監督:藤浦敦
製作主任:栗橋正敏
技斗:高瀬将敏
出演:川地民夫 祢津良子 吉永小百合 中川姿子 芦田伸介
シネマスコープ モノクロ 71分

不良グループに属する高校生の杉田次郎は幼いときに父親を戦争で亡くし、母・昌代の細腕で大事に育てられた。強烈な陽射が照りつけるある日、仲間の誘いを断わって帰宅した次郎は、昌代が帰ってくるのをケーキを用意して待っていた。今日は母の誕生日なのだ。二人きりで過ごせることを楽しみにしていた次郎だったが、彼女の発したひと言で気持ちが変わった。こんな大事な日に南原圭吾が来るというのだ。 昌代は保険の勧誘の仕事をしていたが、その収入だけでは次郎を学校へ行かせることが出来ず10年前から南原の支援を受けていた。愛し合っているのに金を受け取る母のそんな一面が嫌いだった。そして三星重工業の重役である南原はもっと嫌いだった。ヤツは人殺しだ。父を殺した戦争で戦車を作っていたからだ。家を飛び出した次郎は清流荘から出て来たアベックを襲い金を巻き上げた。それは彼にとって初めての恐喝だった。次郎の手柄にグループは沸き立ち、彼は一躍ヒーローとなった。その夜、次郎は谷敏美を指名し、寝た。そして小銭を投げつけると、受け取れと言ってベッドに彼女の顔を押し付けたのだった。

昌代から次郎のことを聞いた南原は、自分たちが不純な関係ではないことを話すために次郎を捜した。彼はまず最初に、グループがたむろするバーを訪ねた。そこにいた女子大生の下条悦子は、逗子にある敏美の別荘に明日みんなで集まる約束をしているので、そこで会わせてあげると言った。悦子と話している南原の姿を見た次郎は、彼が母親だけでなく悦子にまで手を出したと誤解した。憤る次郎はそばに停まっていた車を盗むと国道で無謀な運転を繰り返した。そしてハンドル操作を誤り、不動産屋の前に停めてあったスクーターに接触した。神社の境内に呼び出された次郎は男たちに取り囲まれ袋叩きにされた。敏美は次郎に好きか嫌いか答えて欲しいと言った。だが次郎はそんな言葉なんかあてになるもんかと吐き捨てた。彼の頭の中には母を裏切った南原のことしかなかった。翌日、悦子が南原とともに逗子へ向かったことを敏美から聞いた次郎は後を追い掛けた。その頃、別荘では悦子が南原を誘惑していた。様子がおかしいことに気付いた南原が問い質すと、悦子は堕胎するための費用が今すぐ必要だと言った。

屋台的映画館

天河伝説殺人事件

  • posted at:2009-03-25
  • written by:砂月(すなつき)
てんかわでんせつさつじんじけん
「天河伝説殺人事件」製作委員会
配給:東映洋画
製作年:1991年
公開日:1991年3月16日
製作:角川春樹
監督:市川崑
プロデューサー:冨澤幸男 霜村裕
原作:内田康夫
シナリオ:久里子亭 日高真也 冠木新市
音楽:宮下富実夫 谷川賢作
音楽プロデューサー:石川光
撮影:五十畑幸勇
美術:村木忍
調音:大橋鉄矢
録音:斉藤禎一
照明:下村一夫
編集:長田千鶴子
助監督:永井正夫
製作担当:福島聡司
出演:榎木孝明 岸恵子 日下武史 岸田今日子 財前直見
アメリカンビスタ カラー 109分

東京・新宿の高層ビル前で一人の男が急死した。男の手には「五十鈴」という奈良県にある天河辨財天社に太古から伝わる神宝神代鈴として作られたお守りが握られていた。同じ頃、奈良県吉野郡天川村の山深い杉木立の中で若い二人の恋が密かに呼吸していた。一方、東京・田園調布の屋敷内では四人の男女が激しく対立していた。やはり同じ頃、旅の男が吉野郡の外れで思わぬ足止めを食っていた。男は道端で死んでいた鳩をかわいそうに思い拾い上げたのだが、そこを通り掛った中村巡査から密猟の疑いを掛けられたのだ。男の名は浅見光彦。ルポライターの浅見は、駐在所の前を通りかかった天河館という旅館の女将・長原敏子の証言のおかげで嫌疑が晴れたのだった。

田園調布の水上家の広間には一門が勢ぞろいしていた。十九世宗家和憲は12年前に急逝した和春の追善能の演目を発表した。分家筋の長老・高崎義則は「頼政」、孫の和鷹と秀美は「二人静」を舞うことになったが、どちらがシテの静御前とツレの菜摘女を演じるかは稽古の様子を見てから決めると言った。和憲は「道成寺」を自身が舞い、この追善能を最後に引退すると宣言すると皆驚いた。

日本国語学研究所の剣持譲介所長は、東京に戻った浅見に仕事を押し付けた。剣持は浅見の先輩に当たり、浅見家からの信頼が厚かった。高級官僚一家の中にあって一人旅雑誌に紀行文を投稿する浅見の身を案じた母・雪江に何とかして欲しいと頼まれたのだった。そこで剣持は、能の舞台になっている史跡巡りの本が出版されることを知ると執筆者として浅見を紹介したのだった。最初は渋っていた浅見だったが、吉野へ行けることがわかると急に目の色が変わった。

静御前を演じることは、その者が次の宗家と継ぐことだった。二人の母である菜津は秀美が静御前を舞うことを和憲と約束していたが、高崎は本来、能楽の宗家は男でなければならないという決まりがあるからそれは出来ないと言った。そこで菜津は道伝正一に近付き、秀美の婿となって二十世宗家を襲名すれば何の不都合もないと耳打ちした。そして彼女は、和鷹に水上家も流派も譲る気はないと言った。

新宿で急死したのは、織物を扱う会社の営業課長・川島孝司だった。司法解剖の結果、毒物による中毒死であることが判明したが、捜査の手掛かりとなるはずの五十鈴と川島との共通点が不明だった。そこで仙波警部補と倉田刑事は五十鈴の謎を究明するために天河神社を訪れた。神社を管理する福本幸吉は、お守りの中に五十人の神様が宿ることから五十鈴と呼ばれ、神社に深く関わる人にしか渡していないと言った。事件解決の糸口が見つかったと喜ぶ仙波だったが、鈴が一千個近くあることを知り落胆した。福本の娘・千代栄は和鷹と結婚するつもりでいたが、両親は反対していた。天河には薪能の夜に結ばれた男女は不幸せな運命を辿るという言い伝えがあったからだ。

追善能の打ち合わせをしていた朝、菜津が血相を変えて部屋に飛び込んできた。高崎が崖道から転落して死んだというのだ。前日、仙波は高崎と一緒にいる男を偶然目撃していた。その男とは、取材のために再び天川村を訪れていた浅見だった。

屋台的映画館

スター毒殺事件

  • posted at:2009-03-21
  • written by:砂月(すなつき)
すたーどくさつじけん
新東宝
配給:新東宝
製作年:1958年
公開日:1958年5月3日
監督:赤坂長義
製作:大蔵貢
企画:岡本良介
脚本:葭原幸造 蓮池義雄
撮影:吉田重業
音楽:渡辺宙明
美術:鳥居塚誠一
照明:石森浩
録音:竹口一雄
編集:永田紳
助監督:小池淳
製作主任:永野裕司
出演:天知茂 三原葉子 万里昌代 江見渉 御木本伸介
スタンダード モノクロ 75分

映画スター・上原城二は、若葉真理に映画界に入ってみてはどうかと相談したが、彼女は恥ずかしがって返事を渋った。第七映画ではフレッシュなタレントを欲しがっていたが、真理こそがその条件にぴったりだと感じていた城二は社長に直接会ってもらうことにした。城二の恋人である真理は大学の恩師の娘で、以前から映画界に興味を持っていた。そこで彼女の夢を叶えるとともに才能を伸ばし、行く行くは結婚する予定だった。社長は一目で彼女を気に入り、勉強次第でスターになれると確信した。出社初日、映画界に足を踏み入れた真理は、撮影所で厳しい現実を目の当たりにした。ダンサー役の女優に情熱が感じられないと言って木戸監督が撮影を中断したのだ。驚いて身を堅くした真理にこれが当たり前の光景だと声を掛けたのは、人気俳優の須賀浩だった。

ダンサーの代役に抜擢された真理の演技に木戸は絶賛した。浜田プロデューサーも上機嫌で彼女を売り出すことに決めた。そして共演者の須賀も当分コンビを組みたいと宣言した。須賀は時間があると真理に言い寄ったが、その様子に気が気ではなかったのは城二だった。須賀は危険な男だと城二は真理に再三忠告したが、あなたよりも紳士よと笑った。須賀は次の映画に取り組むには原作本を読む必要があると言った。真理は須賀が泊まるホテルへついて行き、暗い部屋で一夜をともにした。

翌日、城二は話があると言って真理を引き留めたが、雑誌・映画新報の座談会があるからと須賀が二人の間に割って入った。城二は映画新報社に電話をして確認したが、南記者から何かの間違いだと言われた。そして銀座会館で密会していることを聞かされ、居ても立ってもいられなくなった城二はキャバレーに駆けつけた。真理を連れ出した城二は、僕と結婚してくれるはずじゃなかったのかと問いただすと、彼女はそんな約束はしなかったと突き放すように言った。騙されていることを知りながら須賀と付き合う真理の心の中に、もう城二は存在しなかった。城二が暖めていた企画は須賀・真理コンビで製作されることが決まった。肩を落とす城二に声を掛けたのは女優・愛住礼子だった。須賀は真理が現れるまでは礼子と同棲状態だったが、子供が出来たことがわかり捨てたのだ。礼子は須賀を殺してやりたいぐらい憎んでいた。その話を聞くうちに城二の憎悪も燃え上がっていた。礼子が忘れていったハンカチに気付いた城二は、それを見ながらあることを考えていた。

屋台的映画館

鳶がクルリと

  • posted at:2009-03-18
  • written by:砂月(すなつき)
とびがくるりと
「鳶がクルリと」製作委員会(東映=東映ビデオ=アドギア)
配給:東映
製作年:2005年
公開日:2005年10月1日
監督:薗田賢次
製作:黒澤満
プロデューサー:國松達也 塚田有希
ラインプロデューサー:望月政雄
企画:遠藤茂之
原作:ヒキタクニオ
脚本:丸山昇一
撮影:柳島克己
音楽:遠藤浩二 HOME GROWN
音楽プロデューサー:津島玄一 小磯謙
・・・:「セ・ラ・ビ」ALISA MIZUKI TO ASIAN 2
美術:小川富美夫
照明:舘野秀樹
録音:柴山申広
VFXプロデューサー:佐藤高典
編集:大畑英亮 薗田賢次
スクリプター:生田透子
装飾:湯澤幸夫
助監督:山田敏久
宣伝プロデューサー:杉田薫
出演:観月ありさ 宇津井健 塩見三省 須藤元気 哀川翔
アメリカンビスタ カラー 117分

G&B社の子供服開発チームで働くエリートOLの中野貴奈子は、彼女の夢をかけたプレゼンで自信作の『スーパーナチュラルボディーコレクト』を発表した。これは子供の成長期における姿勢を装着具によって矯正するというものだった。一方、食品部が極秘に研究し開発を進めてきたものは『スーパーナチュラルベイビーフーズ』という粉ミルクと離乳食を繋ぐ画期的な食品だった。社長の飯野圭子は『スーパーナチュラルベイビーフーズ』を商品化し、『スーパーナチュラルボディーコレクト』の商品化を見送ることにした。彼女は一人の母親として、子育ては物に頼るではなく親次第だと貴奈子に言った。さらに自社製品の従来の離乳食で育った子供たちが自社製品によって矯正されることは会社の理念に反していると言った。

貴奈子の落胆は大きかった。彼女がぼんやりと外を眺めていると、突然窓ガラスの向こう側に逆さ吊りの人が現れ、カメラのシャッターを押すとにっこり笑って下方へ消えていった。産業スパイだと直感した彼女は、その人物が『日本晴れ』という会社に所属していることを突き止め乗り込んでいったが、そこは背中に彫物がある人たちが所属する会社だった。ところが皆おちゃめな人ばかりで、誠意ある陳謝に根負けした貴奈子は写真とネガを受け取るとスゴスゴと帰っていった。

翌日、オフィスで仕事をしていた貴奈子に社長室から電話が掛かった。ついに念願が叶った喜んだ貴奈子は『スーパーナチュラルボディーコレクト』を抱えて圭子のところへ行った。ところが社長からの通達は、サテライトビル移転準備室への転属だった。二週間後にオープンするサテライトビルには目玉として巨大なモニュメントが設置されることになっているが、そのモニュメントの設計者であるドイツ人アーティスト、ブリック・マイヤーの通訳と、業者との折衝を任されることになったのだ。貴奈子はこの話を断わるつもりでいたが、成功すれば企画開発部にチーフ待遇で戻ることが出来るとわかり承知した。しかも担当する業者は『日本晴れ』ではなく『城目屋』だった。『城目屋』は関東の一、二を争う鳶だが謙虚に付き合えば話がわかる相手だと聞き、俄然張り切る貴奈子だったが、モニュメントの設置には多大な危険と莫大な資金がかかるから工事ができないと社長の万城目喜市は言った。貴奈子は懸命に頭を下げて工事の再開をお願いした。すると喜市は、あの仕事はうちしかこなせないがそれはあんた次第だと言った。彼は貴奈子の体を求めてきたのだ。貴奈子は気持ち悪いの喜市を蹴り飛ばして逃げた。

貴奈子は代わりに工事を請け負ってくれる業者を探したが、『城目屋』が断わるくらいの大きな仕事だから無理だと何処も難色を示した。ただ最後には皆同じことを言った。「できるとしたら『日本晴れ』ぐらいかな」。

屋台的映画館

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