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悲しくなるほど不実な夜空に

  • posted at:2009-07-30
  • written by:砂月(すなつき)
かなしくなるほどふじつなよぞらに
お茶の間クラシックス
配給:ビターズ・エンド=sleepin’
製作年:2001年
公開日:2001年12月8日
監督:宇治田隆史
脚本:宇治田隆史 向井康介 山本裕子
撮影:近藤龍人
音楽監督:松本章
音楽:赤犬+ZerosomeSound
美術:和氣俊之 柴田剛 西尾真生
録音:新井誠 藤野ミチル
照明:向井康介
編集:宇治田隆史
制作協力:PLANET+1
出演:葉月螢 澤田俊輔 古河潤一 小澤義明 前田博通
アメリカンビスタ カラー 63分

職場で大ゲンカをしたあげく退職させられた父・松男。働く気など更々なく仲間と遊び回っている弟・秀和。二人は一家三人暮らしの大黒柱となった加藤龍子の財布を当てにしている。ある日、松男はふらりと入ったレンタルビデオ店で気になるタイトルを見つけた。それは桃月カオリ主演の「奴隷市場4」というアダルト作品で、迷わず借りて帰ったのだが再生して驚いた。どう見ても出演している女優が龍子なのだ。松男は彼女が帰ってくるなりビデオを見せ、どういうことだと問い質した。そしてお前は最低だと殴りつけると出て行けと怒鳴りつけた。

小さなアパートで男二人暮らしとなったが、金が頼れるのは龍子しかいなかった。そこで松男は彼女の居場所を知っている秀和に取りに行かせ、ついでに近況を報告させた。それからしばらくして龍子から電話が掛かり、秀和が待ち合わせ場所に着いても特に用事がない様子だった。そこでホームシックに罹ったのではないかと考えた彼は家に連れて帰ろうとしたのだが、龍子は頑なに拒み続けた。何故なら彼女の収入源はアダルトビデオの出演であり、仮に帰ったとしても再び松男と衝突することは目に見えているからだ。仕事を辞めるとなると次の職を探すのに時間が掛かるのだ。家族間のいざこざはいずれ時が解決すると考えていた秀和は「くだらない」と口にしたが、ビデオ出演がくだらないという意味で受け取った龍子は落胆した。そしてSMやスカトロでもしなければ家計が成り立たないことを説明し、「あんたにそんなことを言われたくない。あんたら私のウンコで食べてるんじゃないのよ」と本音を漏らした。それでも秀和は龍子を連れて帰ろうとしたのだが、彼女は腕を振り払って去って行った。

屋台的映画館
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憧れのハワイ航路

  • posted at:2009-07-23
  • written by:砂月(すなつき)
あこがれのはわいこうろ
新東宝
配給:新東宝
製作年:1950年
公開日:1950年4月1日 併映「妻と女記者」4月2日より
監督:斎藤寅次郎
製作:伊藤基彦
原作:サトウハチロー
脚本:八住利雄
撮影:友成達雄
音楽:上原げんと
主題歌:「憧れのハワイ航路」岡晴夫
・・・:「憧れのブルーハワイ」岡晴夫
・・・:「思い出の丘」岡晴夫
美術:加藤雅俊
録音:沼田春雄
照明:秋山清幸
編集:神島婦美子
助監督:松林和尚
合成撮影:天羽四郎
製作主任:鈴木義久
出演:岡晴夫 美空ひばり 花菱アチャコ 古川緑波 清川玉枝
スタンダード モノクロ 78分

小料理屋・宇喜代の二階には、夜間中学の英語教師・岡田秋夫と画家の山口五郎が下宿していた。山口は東京都建設課が募集する公会堂新設設計図案の懸賞に掛かり切りになっていたが、岡田がギターを奏でて歌い始めると彼は決まって音を立てずに階段を下りてきた。岡田は二人の父親のこと思いながら歌うのだ。

ハワイで生まれた岡田は父親と幸せに暮らしていたが、中等教育を受けるために日本へやってきた。しかし戦争が始まり、戦災で彼の世話をしていた叔父と叔母を亡くした。さらに父親の消息もわからなくなり、彼は一人ぼっちになった。そんな時、岡田に手を差し伸べたのは音楽教師の春元だった。岡田は春元を父親のように慕い、その影響で音楽に携わるようになった。その話を山口から聞いた宇喜代の女将・みきは、自分の身の上を岡田に話した。夫に先立たれたみきは姑からいじめられる毎日を送っていたが、溜まらず二人の子供を残したまま家を飛び出した。その後、松吉と結婚したが、今になって子供の事が頭から離れなくなり後悔ばかりしていた。

支配人に無断で商売しキャバレー・パシフィックを追い出された花売り娘・君子は、縄張りを荒らしたという理由でチンピラから追いかけられていたが、ちょうどそこを通りかかった岡田に助けを求めた。暴力が苦手な岡田は、学校で貰ったばかりの月給を支払って解決することにした。下宿に君子を連れ帰った岡田は、みきに事情を説明して店内で花を売る許可を貰った。しかし客は誰一人買おうとはしなかった。そこで君子が歌を歌うと花はあっと言う間に完売した。うれしさのあまり君子はお礼を言うと急いで店を飛び出して行った。常連客が床に落ちていたハンカチを拾い上げると、そこには「6年A組 川村君子」と書いてあった。その名前を見たみきは顔色を変えた。

屋台的映画館

バタアシ金魚

  • posted at:2009-07-14
  • written by:砂月(すなつき)
ばたあしきんぎょ
日本ビクター
配給:シネセゾン
製作年:1990年
公開日:1990年6月2日
監督:松岡錠司
製作:長谷川誠
プロデューサー:梅川治男
原作:望月峯太郎
脚本:松岡錠司
企画:小澤俊晴
撮影:笠松則通
音楽:茂野雅道
美術:小林正己
照明:渡辺孝一
録音:菊地進平
編集:岸真理
製作担当:松岡弘
製作協力:ティンダーボックス
出演:筒井道隆 高岡早紀 白川和子 東幹久 土屋久美子
ヨーロピアンビスタ カラー 95分

バイクにロマンを感じ友人が通学に使っているバイクをうらやましそうに眺める高校生のカオル。すると突然プールの方からバケツの水を浴びせられた。頭に血が上ったカオルは文句を言ってやろうと金網を駆け上がったが、その犯人がプールサイドにいた女子だとわかると隣にいた男子部員に矛先を向けて怒鳴りつけた。そして気にすることないよと言って一目惚れした彼女から名前を聞き出そうとしたが逆ギレされた。どうしても彼女の名前を知りたいカオルは泳げもしないのに水泳部に入部したが、水着姿に見とれながらバタ足の練習をしているところを顧問の先生に見られて叱責された。練習が終わると帰宅途中の彼女を追い掛けて再び名前を聞き出そうとしたが、私はやたらと人に名前を教えないのと断られてしまった。そこであるアイデアを思いついたカオルは自動車修理工場に勤めるガールフレンドのプーのところへ行きバイクを借りようとした。ところが最近会ってくれないとお冠で聞く耳を持たないのだ。いろいろと忙しいと説明をしても聞き入れてもらえず奥の手の泣き落としを使うと、プーはついに折れて鍵を渡したのだった。そうやって手に入れたバイクの使い道はソノコの送迎だった。母・まさえを味方につけると作戦通りに外堀から埋めて行き、呆れ果てた彼女も今では止むを得ずと言いながら満更ではなかった。

放課後、部活の練習にやってきたカオルはわざわざソノコの隣に座ると、「俺、オリンピックに出るから。ソノコ君のために」と気を引くために言った。ソノコがまたいつもの軽口だと聞き流していると、部員の永井が泳ぎ始めた。彼は水泳部のエースで、その本格的な泳ぎを目の当たりにしたカオルは衝撃を受けたのだ。ソノコに認められたいカオルはスイミングスクールに通うことにしたのだが、周りは小学生ばかり。そのレベルにも達していないカオルの泳ぎに鬼コーチは雷を落とし、それに反抗した彼はババアと罵った。だがババアはカオルを家に連れ帰って家族と一緒に生活させることにした。何故なら彼女はカオルの素質を見抜き鍛えればオリンピック選手になるかもしれないと考えたからだ。だが見ず知らずの人を連れてくるのはこれが初めてではなく、家族からしてみれば迷惑な話だった。

授業が終わりカオルはいつものようにプールでソノコがくるのを待っていたが、その日は部活が休みだった。慌てて着替えて駐輪場に向かうとプーが仏頂面をして待っていた。連絡をくれないからバイクを返して欲しいというのだ。プーから散々嫌味を言われてカオルが渋々鍵を返した頃、ソノコは親友のリリコと帰宅していた。人に好かれるっていいことよとリリコは言ったが、カオルのことを毛嫌いするソノコはその意味を理解していなかった。

屋台的映画館

光の雨

  • posted at:2009-07-08
  • written by:砂月(すなつき)
ひかりのあめ
シー・アイ・エー=エルクインフィニティ=衛星劇場
配給:シネカノン
製作年:2001年
公開日:2001年12月8日
監督:高橋伴明
製作総指揮:高橋紀成
製作:遠藤秀仡 石川富康
プロデューサー:青島武 森重晃
原作:立松和平
脚本:青島武
音楽:梅林茂
撮影:柴主高秀
照明:渡部嘉
録音:福田伸
美術:金勝浩一
編集:菊池純一
スクリプター:津崎昭子
助監督:瀧本智行
製作担当:小川勝広
出演:萩原聖人 裕木奈江 山本太郎 池内万作 大杉漣
アメリカンビスタ カラー 130分

連合赤軍による総括リンチ事件を描いた小説「光の雨」が映画化されることになり、この企画を温めていたCMディレクターの樽見省吾が初監督を務めることになった。映画の撮影と同時にメイキング映像も製作されることになったが、抜擢されたのは無名の映画監督・阿南満也だった。プロデューサーの大山賢一から頼まれた樽見は、ただの記録にしたくないという思いで阿南を推薦したのだ。樽見は阿南の実力を高く評価していた。阿南はまず大山が社長を務めるプロダクションを訪れ、主要人物を演じる若い俳優たちにインタビューを試みた。だが30年前のイデオロギーを理解する者は一人もいなかった。阿南は次に出版社を訪れ、読者から届いた葉書を預かった。本の中に挟まれた読者カードを投函する読者は好きか嫌いかの両極端だったが、自由な意見が参考になった。

倉重鉄太郎が銃砲店を襲撃すると全国の金融機関が強盗に襲われた。赤色パルチザンによる「M作戦」だった。次々と起こる先鋭化した党派の過激な闘争は、官憲の弾圧をさらに導いた。その頃、革命共闘は、銃の射撃訓練をするために中国へ渡航し山岳にアジトを築いた。それは来るべき殲滅戦に立ち向かう革命兵士となるための訓練だった。ある日、黒木利一が厳しい訓練に耐えられずに脱走した。するとそれを知った今村道子も後を追うように脱走したのだった。二人から情報が外部へ漏れることを恐れた指導部は、新たなアジトに移動した。黒木の居場所を突き止めた月田てる子は喫茶店で接触した。黒木は革命運動の現状に絶望していると言った。そして文学の中のテロリストとなり、山での体験をもとに小説を書くというのだ。てる子は説得を試みたが断固として考えを改めないため組織に連絡した。その後、てる子は道子の部屋を訪問し、ジュースに睡眠薬を混入させた。そして眠ったのを確認すると組織に連絡した。黒木と道子は山に埋められた。武器はあるが資金力に乏しい革命共闘と資金はあるが武器のない赤色パルチザンは路線も歴史も違っていたが、武力闘争を過激に推し進めるという思想が一致していた。統一党の結成を模索する中、赤色パルチザンの山岳アジトでは合同軍事訓練が行われた。その後、群馬県榛名山に潰れた温泉旅館を利用したアジトが建設された。倉重は革命共闘が行ってきた自己批判や相互批判が短期間での革命戦士化有効であると考え、新組織でも総括を行うことにした。だがそれは自己批判を倉重が一つひとつ論破していく方法だったため、玉井潔は違和感を感じていた。そんな矢先、集会から帰ってきた戸張真と谷口淳子は事情を知らずに自己批判を放棄した。すると倉重は総括を援助すると言って殴ったのだ。そして他の仲間にも強要した。

俳優たちは次第に登場人物と自分を重ね合わせるようになり、何故そのような行動を取ったのか、自分ならこうするのにと考えるようになっていた。阿南のもとに出版社から読者カードが届いた。裏面には「革命の 核角飛車取り 西瓜売り 誰何するのに 返事をせぬか」という短歌の下に「2.24.0時 文学部一号館で待つ。我々の行動原理は変わらない」と書いてあり、宛名は藤森吾郎となっていた。それは樽見の本名だった。葉書を受け取った翌日、樽見は姿を消した。

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愛の讃歌

  • posted at:2009-07-01
  • written by:砂月(すなつき)
あいのさんか
松竹
配給:松竹
製作年:1967年
公開日:1967年4月29日 併映「春日和」
監督:山田洋次
製作:脇田茂
原作:マルセル・パニョル
翻訳:永戸俊雄「ファニー」より
脚本:山田洋次 森崎東
撮影:高羽哲夫
美術:梅田千代夫
音楽:山本直純
照明:青木好文
編集:浜村義康
録音:小尾幸魚
調音:松本隆司
監督助手:大嶺俊順
装置:小島勝男
進行:池田義徳
製作主任:沼尾鈞
現像:東洋現像所
協力:山口県柳井市 上関町
出演:倍賞千恵子 中山仁 小沢昭一 千秋実 北林谷栄
シネマスコープ カラー 94分

瀬戸内海に浮ぶ日永島。立花春子は、波止場の近くにある食堂と連絡船の切符売り場を兼ねた待帆亭という店で働きながら二人の妹を養っている。待帆亭の主人は亀井仙造という男で、頑固者で何かと憎まれ口を叩くが皆からは慕われていた。ある日、春子のもとに一通の手紙が届いた。一週間前に友人と神戸に行った仙造の息子・竜太からだった。春子と竜太は結婚の約束をしており、帰ってくるのが今日だとわかると彼女は今か今かと心待ちにしていた。港で竜太を笑顔で出迎えた春子だったが、同行しているのがジロウだとわかると顔が曇った。部屋で考え事をしている竜太に春子は神戸で何かあったのかと尋ねた。すると竜太はしばらく考えた末に言った。「俺、やっぱりブラジルに行く」。ジロウと竜太は神戸で渡航の手続きをし、パスポートや移住許可書などの必要な書類を既に手に入れていたのだ。

仙造の反対を押し切って島を出た竜太は、昨年の夏、工場が閉鎖になって戻ってきた。怒り狂う仙造に対し、竜太はブラジル行きの夢を諦めたからと待帆亭で働くことで許しを乞うたのだった。だが親父のいう通りになりたくない竜太は心の中でいつか家を飛び出して行きたいと考えていた。何も知らされていない春子は酷く動揺し「うちはどうなるの?」と言った。すると竜太は「一人前の技術者になって帰ってくるから3年、いや2年待ってくれ」と懇願した。春子は行かないでと引き留めたが、竜太の腹はもう決まっていた。

数日後、待帆亭に速達の葉書が届いた。それは神戸を出航するブラジル行きの船の知らせだった。出航が明日の午後10時に迫っていることを知った春子はどうしていいかわからなかった。一方、口では強がっていた竜太もその日が迫るとどうしていいかわからなくなっていた。ジロウを波止場に呼び出した竜太は、妹二人を抱えて苦労する春子のことを考えると渡航を諦めるしかないと言った。それを聞いたジロウは、今夜の列車に乗らないと間に合わないというときにそんなことを言うなんてどうかしていると怒鳴った。何故ならブラジル移住事業への参加を誘ったのは竜太の方だったからだ。

列車の時間が迫り春子は決断した。竜太の部屋に行き、せっかくここまで漕ぎつけたのだから止めることはないと言ってタンスの中から集めた紙幣を餞別として彼の前に置いたのだ。せっかく止める決心をしたのに今になって無理をするなと竜太はそれをつき返したが、夢を犠牲にして恩を着せられるのは嫌だと言って春子が鞄に荷物を詰め始めると彼の心は揺らいだ。「お前は後悔しないのか?」。それを聞いた春子は「うちはここを離れられないから、誰かいい人を見つけてここで暮らして行くのが二人のためにも幸せよ」と気丈に言った。

屋台的映画館

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