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女王蜂(1958年)

  • posted at:2009-12-20
  • written by:砂月(すなつき)
じょおうばち
新東宝
配給:新東宝
製作年:1958年
公開日:1958年2月15日 併映「殺人と拳銃」
監督:田口哲
製作:大蔵貢
原作:牧源太郎
脚本:内田弘三
企画:佐川滉
撮影:西本正
音楽:伊藤宣二
美術:岩武仙史
録音:村山絢二
照明:関川次郎
編集:神島歸美
助監督:武部弘道
製作主任:永野裕司
出演:久保菜穂子 中山昭二 天知茂 小倉繁 小高まさる
スタンダード モノクロ 76分

かつては関東一円にまで勢力を伸ばしていた湊一家だったが、親分の鉄太郎が病に倒れたことで信頼を失った。その頃、横浜では新興ヤクザの真崎組が台頭していた。ボス・真崎は湊一家の縄張りを奪うために様々な手段を使った。まず子分たちを寝返らせて力を削ぐと、今度は縄張りを荒らした。数々の非道に黙っていられなかったのが鉄太郎の一人娘・お竜だった。彼女は湊一家を裏切ることが出来なかった康次たち十数人に支えられていた。

港では真崎組の子分が康次の娘・由美たちに因縁をつけていた。休暇で故郷に帰ってきた由利俊介は、見るに見兼ねて仲裁に入り左腕を負傷した。由美を心配して病院に駆けつけたお竜は、そこで俊介と再会した。お竜は幼なじみの俊介と結婚するつもりでいたが、俊介は将来のことを考えて身を引き、船乗りになった。その後、お竜は母を亡くし、落胆した鉄太郎も体を壊した。お竜は一家再興のために鉄太郎の跡を継ぐ決心をした。

真崎組の度重なる嫌がらせに湊一家の子分たちの怒りは限界に達していた。その様子を見ていた鉄太郎は、自ら出向いて話をつけることにした。開店前のキャバレーに現れた鉄太郎は真崎を説教した。真崎はお詫びにと札束を差し出したが、鉄太郎は「ふざけるな」と言ってそれを叩き落とした。顔に泥を塗られた真崎は湊一家の縄張りである旭マーケットに火をつけて復讐した。鉄太郎は消火活動に尽力したが、落ちてきた建物の梁が当たり命を落とした。唯一の財源であるマーケットを失ったことは湊一家にとって死活問題だった。再建には多額の資金が必要となるため、お竜は康次とともに金策に走り回ったが、何処も不景気を理由に断わった。そんな中、親分にお世話になったという双葉商会の宮川という男が融資に協力すると言ってきた。話はトントン拍子に進んだが、建設工事は期日を過ぎても終わらなかった。

屋台的映画館
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ゲロッパ!

  • posted at:2009-12-16
  • written by:砂月(すなつき)
げろっぱ
シネカノン=電通=ハピネット・ピクチャーズ=グッドニュー=メモリーテック=アーティストフィルム
配給:シネカノン
製作年:2003年
公開日:2003年8月16日
監督:井筒和幸
エグゼクティブプロデューサー:李鳳宇
製作:石原仁美
ラインプロデューサー:祷映
脚本:羽原大介 井筒和幸
音楽監督:高宮永徹
撮影:山本英夫
照明:渡邊孝一
美術:大坂和美 須坂文昭
録音:白取貢
編集:冨田伸子
出演:西田敏行 常盤貴子 桐谷健太 吉田康平 太田琴音
アメリカンビスタ カラー 111分

収監があさってに迫った羽原組組長・羽原大介は、人生のけじめとして組を解散することにした。突然の知らせを聞いた三人の組員たち(太郎、晴彦、健二)は動揺し泣き叫んだ。羽原は、見たらアカンと言われるような世界から足を洗って堅気の仕事につけと太郎たちに命じた。部屋を整理を終えた羽原は、家宝であるジェームズ・ブラウンのグッズを弟分で金山組組長の金山正男に託そうとした。二人はJBの古くからの大ファンで、金山は近々行われる名古屋公演のチケットを2枚入手していた。羽原とともに騒ぐことを楽しみにしていたのだが、収監日の関係でそれも叶わなくなったのだ。グッズの詰まったダンボール箱の中から純金で出来たJBのフィギュアを取り出した羽原は、わしの分身だと思って守ってくれと金山に手渡そうとした。それが羽原にとって命の次に大事なものであることを知っていた金山は、彼の覚悟を感じただけに受け取ることが出来なかった。「あと一日半あるのに、本当にやり残したことはないのですか?」。尋ねられた羽原は、フィギュアが入った箱に額を押し付けて黙り込んでしまった。その姿を見た金山は、一言任せてくださいと言った。アニキがとても会いたがっている人物を連れて来れば解散を考え直してくれるかもしれない。そう考えた金山は、羽原組の秘密工場を訪れるとそこにいた太郎と晴彦にJBの誘拐を命じたのだった。

荷物がなくなった誰もいない部屋に帰って来た羽原はトイレに入った。するとそこの壁には片付け忘れた一枚の絵が掛かっていた。その絵は25年前に生き別れた娘・かおりが彼を描いたものだった。羽原が寿司屋のタツ(♂)にそのことを話すと、彼の弟のミツ(♂)が情報を手に入れた。美容師のミツに言い寄る客(♂)が大阪区役所の職員だったことから、住基ネットを利用させて住所を突き止めたのだ。やり残したことを見つけた羽原は、東京の府中に住むかおりに会いに行くことにした。その頃、JBご一行様がホテルの最上階を貸切にしているという情報を手に入れた太郎は、裏口から荷物を運び込もうとしている引越し業者を脅してエレベーターに乗り込んだ。すると途中の階から乗って来たのはあのJBだった。これ幸いと殴り倒して誘拐に成功したが、彼は同じホテルに泊まっていたものまねタレントのウィリーだった。

屋台的映画館

女王蜂と大学の竜

  • posted at:2009-12-02
  • written by:砂月(すなつき)
じょおうばちとだいがくのりゅう
新東宝
配給:新東宝
製作年:1960年
公開日:1960年9月1日
監督:石井輝男
製作:大蔵貢
原案:牧源太郎
脚本:内田弘三 石井輝男
企画:佐川滉
撮影:岡田公直
音楽:渡辺宙明
美術:朝生治男
録音:鈴木勇
照明:矢口明
編集:鹿島秀男
助監督:武部弘道
製作主任:藤岡治郎
出演:三原葉子 吉田輝雄 嵐寛寿郎 天知茂 近衛敏明
シネマスコープ カラー 81分

終戦直後の混乱期、風潮に乗じた在日ヤクザたちは戦勝国の名のもとに露天商地区で横暴の限りを尽くしていた。彼らは関東桜組の縄張りを自分たちのものにしようと企んでいたのだ。ヤクザたちは桜組の事務所を襲撃したが部屋の奥から出てきた女性の迫力に息を飲んだ。彼女の名は桜珠美、組長・桜千之助の娘だった。三国人連盟の李は珠美に桜マーケットの一部を明け渡すように言ったが、ここは三代続く桜一家の土地であり、その日暮らしをする人たちの命の場所だから要求は飲めないと突っぱねた。すると李は、日本が戦争で負けたことを持ち出し、土地を明け渡すことは当然だと主張した。そこで珠美は、関東桜組のシマはまだ占領されてはいないと啖呵を切った。一触即発となったそのとき、両者の間に割って入ったのは特攻隊の生き残り、広岡竜二だった。竜二は大暴れして李たちを追い返した。

警察での事情聴取から戻ってきた千之助は、戦争で天涯孤独となった竜二を気の毒に思い、世話をしたいと言った。その言葉を聞いた竜二は即断し喧嘩の時には存分に働くと宣言したが、千之助は世間に役に立つような人間になって欲しいと大学への進学を勧めた。ところが竜二はその申し出を断わった。組に入って今すぐにでも組長の役に立ちたいと考えていたのだ。ヤクザの道に踏み入れさせたくない千之助とその親心がわからない竜二は激しく対立した。その様子を見ていた血桜の達は、若い者はあのくらい威勢が良くないといけないと久雄、末吉、清一の三人を集めた。彼は連盟に殴り込みをかける計画を立てていたのだ。それは千之助の意に反することだったが、達は組長の腹の中を察して命を張る覚悟が無くては売り出せないと言って三人を説得した。その夜、東洋公司連盟の建物の前に現れた久雄たちは、長ドスを抜いて斬り込んだ。ところがその行動は相手に見抜かれていた。部屋の床に転がった三つの死体を見下ろしていたのは土橋組の社長・土橋剛造と達だった。 剛造の目的は桜組が仕切るシマを全て手に入れることだった。その手始めとして達に一家を持たせる話を持ちかけて協力させ、桜組の若衆を利用した。そして出入りの情報を連盟に流して礼金を受け取り、その始末を土橋組が引き受けたのだ。剛造は死体を桜組に送りつけることで連盟の仕業に見せかけ、双方を衝突させる計画を立てていた。

屋台的映画館

悲しき天使

  • posted at:2009-11-22
  • written by:砂月(すなつき)
かなしきてんし
ツインズジャパン
配給:ファーストウッド・エンタテインメント
製作年:2006年
公開日:2006年10月28日 先行公開(大分)2006年10月21日
監督:大森一樹
製作:神野智
プロデューサー:原公男
アソシエイトプロデューサー:浅沼孝
ラインプロデューサー:山下秀治
脚本:大森一樹
企画:吉田晴彦
撮影:林淳一郎
音楽:山路敦
・・・:「Those were the days」Ryu
美術:丸尾知行
照明:磯野雅宏
装飾:藤田徹
録音:井家眞紀夫
整音:山本逸美
編集:菊池純一
スクリプター:江口由紀子
助監督:吉村達矢
製作担当:井上順
出演:高岡早紀 山本未來 河合美智子 筒井道隆 岸部一徳
アメリカンビスタ カラー 113分

多摩川河川敷で男性の射殺体が発見された。松下泰造・59歳。三重県から息子・和夫を訪ねて上京した。警視庁の沖島啓介刑事と河野薫刑事は事情を聞くために和夫が住んでいるアパートを訪れた。彼は薄暗い部屋の中で震えていた。

和夫の母親が泰造を連れてきたことで平和な家庭が崩壊した。辛い目に遭った和夫は高校を卒業するとすぐに家を飛び出し、アルバイト仲間とともに秋葉原でインターネットゲームのサイトを作った。事業は成功しマスコミに取り上げられたが、その新聞記事を見た泰造が金をねだりに来たのだ。口論して熱くなった二人はもみ合いになり、和夫は泰造を思わず突き飛ばした。クローゼットに頭を打ち付けた泰造はそのまま動かなくなり、動揺した和夫は、姉・那美に電話を掛けて助けを求めた。那美は和夫より先に上京していた。二人は会うことはなかったが、電話で連絡は取り合っていた。相談を持ちかけられた那美は泰造を多摩川に捨てる計画を立てた。「気にすることない。私たちを苦しめた当然の報いだから」。河川敷に来たとき、和夫に背負われた泰造が息を吹き返した。一時的に気を失っていただけだったのだ。泰造は和夫の首を後から締め付けると地面に押さえ込んだ。それを見た那美は、車内から拳銃を取り出し銃口を泰造に向けた。そして憎しみを込めて三度引き金を引いた。「人の人生、無茶苦茶にしやがって・・・」。

沖島と薫は、上司や同僚に無断で大分県・別府へ向かった。温泉地・鉄輪には那美の昔の恋人・関川慎二が社長を務める旅館・筑新があった。四日市にある高校のサッカー部のエースだった関川は、そのころから那美と付き合っていた。大学に進学した関川は、プロになったら結婚しようと約束していたが、その二人の仲を引き裂いたのが泰造だった。旅館・みなとやの三階からは、筑新の様子がよくわかった。銃をお守りにする那美に共感を覚えた薫は、彼女がそこへやってくることを信じていた。電話連絡をし、上司から与えられた期限は6日間。二人は張り込みを開始した。

屋台的映画館

鉄人28号

  • posted at:2009-11-17
  • written by:砂月(すなつき)
てつじんにじゅうはちごう
T-28 PROJECT(電通=キングレコード=メディアウェイブ=衛星劇場=テレビ朝日=ジェネオンエンタテインメント=GENEON ENTERTAINMENT USA=クロスメディア)
配給:松竹
製作年:2005年
公開日:2005年3月19日
監督:冨樫森
製作:森隆一 石川富安 早河洋 荒井善清 小林洋輔
企画:遠谷信幸 大月俊倫
エグゼクティブプロデューサー:多木良國 兵頭秀樹 木村純一
プロデューサー:佐倉寛二郎
共同プロデューサー:田中渉 田中大三 比留川伸 五郎丸洋介 片山英爾 柴田一成
ラインプロデューサー:松本孝司
原作:横山光輝
脚本:斉藤ひろし 山田耕大
撮影:山本英夫
視覚効果:松本肇
音楽:千住明
挿入曲:「鉄人28号」六本木男声合唱団
美術:小川富美夫
照明:小野晃
録音:野中英敏
編集:上野聡一
スクリプター:生田透子
助監督:谷口正行
製作担当:藪下隆
出演:池松壮亮 蒼井優 薬師丸ひろ子 香川照之 川原亜矢子
アメリカンビスタ カラー 114分

東京のど真ん中で、奇妙な事件が起きていた。多数の住民が、巨大な金属の塊が飛行するのを目撃したというのだ。その腕のような形をした塊は、空き家の屋根を突き破って飛んで行った。午後3時、地上派テレビ放送システムが何者かによってジャックされ、「ALL BECOME ZERO!(ゼロになれ!)」というメッセージが約2分間に亘って流れた。その頃、警視庁のホームページもハッキングされ、「ゼロ」からのメッセージが書き込まれた。その直後、上空から金属の物体が次々と飛来しそれらは合体すると人型を形成した。巨大ロボットはデモンストレーションとして東京タワーを軽々と捻じ曲げてしまった。

「ゼロ」の送り込んだブラックオックスに対抗するため、警視庁は特殊捜査課内にテロ対策課を新設し、コンピューターとロボット工学を専門とするマサチューセッツ工科大学の科学者が派遣されてきた。その人物は可憐な少女・立花真美だった。ロボットを一目見た真実は、それを作ったのは人工知能研究の世界的権威の宅見零児だと断言した。理由は「彼しか作れないから」だった。宅見はコンピューター会社KOKを立ち上げ、一人で王国を築きあげた。だが新型コンピュータのシステムが頻繁に誤作動を繰り返すようになったため社会の信用は失墜した。今まで彼を持ち上げていたマスコミも掌を返すような報道に終始し、売上は激減、株価は暴落した。卓見は三年前に突然会社を全て売却すると世間から姿を消したのだ。

東京タワーの騒動で怪我をした母・陽子を見舞った金田正太郎は、自宅で綾部達蔵という老人からの電話を取った。彼は父・正一郎が遺した物のことで会いたいと言った。不審に思いながらも秘書の案内で孤島にやってきた正太郎は、そこで初めて綾部と顔を合わせた。綾部は正太郎の祖父・正吾郎の助手であり、父・正一郎の後見人でもあった。彼の人生は金田家とともにあったが、二度とこの島には戻らないつもりでいた。だが、ブラックオックスの登場により事態は急変したのだ。綾部は正一郎の研究施設に正太郎を招き入れると格納庫の扉を開けた。そこには巨大な鉄人が壁際にそそり立っていた。その姿を見た正太郎は、驚きとともに懐かしさを感じていた。

鉄人は当初、正吾郎が軍事用ロボットとして開発したが、正一郎が平和利用のために何度も作り直し、28番目のロボットを完成させたのだ。綾部が正太郎に鍵を渡すと、彼は金庫の在処をすぐに探し当てた。小さい頃にここで遊んだ記憶が甦ってきたのだ。正太郎が取り出した包み紙の中には鉄人のリモートコントローラーが入っていた。コントローラを掲げる正太郎の姿を見た綾部は、君は見た物を瞬時に記憶する「直感像素質者」だからその能力を鉄人のために使うべきだと言った。不安でいっぱいの正太郎は、ドキドキしながらコントローラーの電源を入れた。

屋台的映画館

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