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県庁の星

  • posted at:2012-09-07
  • written by:砂月(すなつき)
けんちょうのほし
「県庁の星」製作委員会(東宝=フジテレビジョン=アイ・エヌ・ピー=博報堂DYメディアパートナーズ=S・D・P=小学館)
配給:東宝
製作年:2006年
公開日:2006年2月25日
監督:西谷弘
製作:島谷能成 亀山千広 永田芳男 安永義郎 細野義朗 亀井修
企画:永田洋子
エグゼクティブプロデューサー:石原隆 中山和紀
プロデューサー:春名慶 市川南 臼井裕詞 岩田裕二
ラインプロデューサー:前島良行
原作:桂望実
脚本:佐藤信介 西谷弘
音楽:松谷卓
撮影:山本英夫
美術:瀬下幸治
照明:田部谷正俊
録音:武進
編集:山本正明
装飾:沢下和好
VFXスーパーバイザー:冨士川祐輔
選曲:藤村義孝
監督補:池上純哉
助監督:廣田啓
製作プロダクション:共同テレビジョン
出演:織田裕二 柴咲コウ 佐々木蔵之介 和田聰宏 紺野まひる
アメリカンビスタ カラー 131分

K県では民間に真似の出来ないサービスを提供する県主動の老人介護福祉施設「ケアタウンリゾート・ルネッサンス」の建設計画が進行していた。だが200億円という膨大な費用が掛かることで県の破綻を心配した市民オンブズマン・開かれた行政を求める県民の会は、ハコモノ行政に対し異を唱えた。 「ケアタウンプロジェクト」は、県庁産業政策課に所属する「政治は人の上に人を作り、人の下に人を作る」が信条の野村聡係長が担当していた。彼はプロジェクトに参加する地元大手、篠崎建設の社長令嬢・篠崎貴子を恋人にするなど、あらゆる手段を講じて出世を目論んでいた。ある日、計画の成功には民間意識を留意することが最重要だと記した野村の提案書が古賀等県議会議長に受け入れられ、彼は県政の目玉である民間企業との人事交流研修のメンバー7人のうちの1人に選出された。半年間の研修を終えて帰庁すればステップアップした未来が待っている。野村はそう信じて疑わなかった。

野村の研修先は県内に6店舗を展開するスーパーマーケット・満天堂だったが、派遣先である浜町店の店長・清水寛治は頼りなく、店自体も寂れていた。その清水が野村の教育係として紹介したのは、彼が全幅の信頼を寄せるパート従業員・二宮あきだった。比較的客の少ない寝具売り場を任された野村は、接客マニュアルや組織図がなければどう動いていいかわからなかった。そこでまず集客アップを考えた野村は売り場のレイアウトを変更ようとした。だがスーパーに来る客層はあくまで補充が目的だから、寝具一式を売るような方法を取る必要はないとあきに怒られてしまった。具体的な業務を与えて貰わなければ報告書に何も書けないと野村が言うと、あきは仕方なく彼をレジに立たせることにしたがここでもトラブルが発生した。客から預かったクレジットカードが限度額いっぱいで決済できず、野村はその状況を正直に伝えようとしたのだ。近くにいたあきは急いで駆け寄り、機械の故障だと説明した。野村を呼び出したあきは、客に恥をかかせないためにはうそとつくなどの配慮が必要だと言った。習っていなかったと野村が呟くと、あきは客商売は察するものだと厳しく言った。

研修が始まってからしばらく経った頃、県庁で緊急会議が招集された。研修先のスポーツクラブで苦情に腹を立てた研修員の1人・高橋が市民に対して暴力を振るったことを週刊誌にすっぱ抜かれたのだ。古賀は残りの6人に対して粛々と業務に当たるようにと釘を刺さした。清水は週刊誌の記事がイメージダウンとなって店舗が閉鎖に追い込まれることを恐れていた。そこで彼は野村をしばらく隠すことにした。客の前に立たせない方法、それは惣菜厨房に送り込むことだった。厨房にやってきた野村はそこで行われている光景に唖然とした。芽が出て商品価値のなくなったジャガイモを使ってポテトサラダを作り、売れ残った魚のフライを二度揚げして再生していたのだ。不正がマスコミに嗅ぎ付けられればこの店は即刻営業停止処分を受けてしまうと野村は訴えたが、あきは店が生き残るためにはそうするしかないと言った。些細なことが原因で自分のキャリアに傷が付くことなどありえないと考えていた野村は改善書を作成し清水に提出した。店長から話を聞いた浅野卓夫副店長は、厨房を従来の食材を使うチームと適正な食材を使うチームに分けて弁当を作らせ、勝った方に報奨金を出すことにした。

屋台的映画館
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ひみつけっしゃたかのつめざむーびーそうとうはにどしぬ
THE FROGMAN SHOW 劇場版 製作委員会(DLE=テレビ朝日=電通)
配給:DLE
製作年:2007年
公開日:2007年3月17日 併映「古墳ギャルのコフィー 桶狭間の戦い」
監督:FROGMAN
製作:椎木隆太 亀山慶二 島本雄二
エグゼクティブプロデューサー:戸田和宏 梅澤道彦 町田修一
プロデューサー:谷東 西口なおみ 亀田卓
企画:蛙男商会 DLE
脚本:FROGMAN
キャラクターデザイン:FROGMAN
鷹の爪団音楽隊 主任:原田扶美子
鷹の爪団音楽隊 隊長:池頼広
鷹の爪団音楽隊:manzo Slum ディオン・ボーイズ
鷹の爪団録音研究所 所長:はたしょうじ
鷹の爪団録音研究所 副所長:浦畑将
録音:遠藤智博
鷹の爪団3D班:ヨモギダ
鷹の爪団FLASH部隊 隊長:原田拓朗
鷹の爪団FLASH部隊 戦闘主任:友川絵美子
ビジュアルエフェクト:saihate
DTSデジタルマスタリング:近田まり子 相川敦
FLASH:FROGMAN
編集:FROGMAN
現像:東京現像所
特別協力:TOHOシネマズ
声の出演:亜沙 FROGMAN
アメリカンビスタ カラー 90分

世界征服を企む東京都麹町の「ベンチャー秘密結社 鷹の爪」。総統はかつて竜の爪団を率い、ドラゴンヘッドなどの秘密兵器を用いて地球を征服しようとしていたが、宿敵・デラックスファイターによってことごとく阻止された。そしてついに秘密基地が発見され組織は潰滅した。だが総統は死んではいなかった。破壊された秘密基地に戻ってきた総統は戦闘主任の吉田、契約社員の戦闘員フィリップ、熊のような外見を持つマッドサイエンティストのレオナルド博士とともに新たな組織・鷹の爪団を結成した。 ある日、鷹の爪団を騙る何者かが総統の知らないところで活動を開始した。その組織は各国の政府に、武装解除をしなければ世界中に神経ガスをばら撒くという内容の脅迫状を送りつけたのだった。デラックスファイターは総統たちの逮捕に協力したことで気分良くワインを飲んでいたが、突然彼をミサイルが襲った。必殺技・デラックスボンバーで撃ち落したデラックスファイターの前に現れたのは、欧州某国の将軍・フェンダーミラーだった。大国主導の矛盾に満ちた国際社会を刷新するためにフェンダーミラーはクーデターを起こし、欧州の半分を既に掌握していたのだ。将軍はデラックスファイターに降伏を迫った。 フィリップはデス声で刑務所の壁を壊し、総統と吉田を助け出した。秘密基地に戻った総統は、破壊の限りを尽くす空中要塞デスボールを見て涙を流した。世界の国境を取り払い、格差をなくすことが世界征服ではないのか。怒りに満ちた世界征服歴23年の総統は、フェンダーミラーに戦いを挑んだ。鷹の爪団は博士が作った小さなプロペラ機に乗り込み決戦に備えた。デスボールに近づいたところで博士がスイッチを押すと、飛行機は巨大な兵器・空中要塞鷹の手へと変形した。だがデスボールからの一撃を喰らい、鷹の手は敢え無く敗れた。悔し涙を流す総統に仲間に入れて欲しいと声を掛けたのは、デラックスファイターの息子・デラックスサンだった。そしてその声に呼応したのは被災した市民たちだった。「私にいい考えがある」。そう言ったのはフェンダーミラーに囚われていたデラックスファイターだった。鷹の手が現れたことでフェンダーミラーたちが混乱したとき、謎の超能力少年・菩薩峠によって助け出されたのだ。デラックスファイターにはもう力が残されていなかったが、博士がデラックスボンバー増幅装置を予め用意していたことで作戦は決行された。鷹の爪団が引き付けたデスボールにデラックスボンバーが炸裂し、デスボールは火の玉となって地上に激突した。斯くしてフェンダーミラーから解放された地球に再び平和が訪れたのだった。

秘密基地の平和は大家の襲来とともに破られた。二ヶ月滞納している家賃の取立てにやってきたのだ。総統はもう少し待って欲しいと懇願したが、大家は容赦しなかった。明日に朝までに最低ひと月分を用意しなくてはならなくなり金策に奔走したが、銀行では既に融資額がいっぱいで借金を断わられてしまった。結局、総統が選んだ道は「夜逃げ」だった。彼は博士がトラックを改造した、効率よく静かで迅速に行動できる夜逃げマシーンを準備していたが、それを察知した大家はボンネットに張り付いて待っていたのだ。総統は博士に命じてトラックをスタートさせたが大家はしがみついて離れなかった。そこで総統は、振り落とされても大家は死ぬはずがないという理由で出力を最大にするように言った。するとトラックは空に舞い上がり宇宙に飛び出してしまった。慌てた総統は早く地球に戻れと博士に命じたが、トラックには大気圏に突入できる機能が備わっていなかったのだ。死が頭の中を過ぎったとき、宇宙での夜明けを目撃した総統は以前にも同じ光景を見たことを思い出した。

23年前の8月3日、暑い夏の日。コピー機メーカーのアメリカ支社で働いていた総統は、アメリカ宇宙センター(NASA)にコピー機を搬入したが、受付で言葉が通じず難儀していた。そこへやってきた職員に暗い部屋へ案内されたのだが、そこは発射間近のスペースシャトルの船内だった。NASAは紫外線偏光装置の到着を待っていたが、装置の形状がコピー機そっくりだったことで担当者と総統を間違えてしまったのだ。まもなくスペースシャトルは総統を乗せたまま発射された。大変な事態に陥ったことがわかると総統はうろたえた。人影が見え、暗がりに隠れた総統はそこでアメリカ軍が極秘裏に進めていた軍事衛星計画の全貌を目の当たりにした。時は冷戦の真っ只中。美しい地球の上に恐ろしい物を浮かべるなんて以ての外だ、そう考えた総統は世界征服をして人々が平和に暮らせる世の中を作りたいと考えるようになった。自宅に帰った総統は早速、妻にその話をしたが、ついていけないと離婚を切り出されたのだった。

トラックの中で唯一の食料であるパンを総統と吉田が取り合っていたとき、彼らの前に現れたのは宇宙実験ステーション・ピースボールだった。ピースボールはナチュラルトランス財団が所有する施設で、宇宙空間でなければ発明不可能な装置、薬品などを開発するために世界中の優秀な研究者に無償で提供されていた。ピースボールに救助された鷹の爪団は案内係・岡村和夫の好意に甘え、スイートルームに泊まった。その夜、家族の夢を見た総統は案内係の和夫のことが頭から離れなくなった。23年前に4歳だった息子が同じ名前のあの青年なのでは・・・。だがその思いは菩薩峠がいないことで掻き消された。総統は吉田とともに施設内を捜していたが、関係者以外立入禁止と書かれたドアが少し開いていたため中に入ってみることにした。そこは生物の培養施設で、奥には多数のフェンダーミラーのクローン人間が培養されていた。

屋台的映画館

古墳ギャルのコフィー 桶狭間の戦い

  • posted at:2012-08-20
  • written by:砂月(すなつき)
こふんぎゃるのこふぃーおけはざまのたたかい
「THE FROGMAN SHOW 劇場版」製作委員会(DLE=テレビ朝日=電通)
配給:DLE
製作年:2007年
公開日:2007年3月17日 併映「秘密結社鷹の爪 総統は二度死ぬ」
監督:FROGMAN
製作:椎木隆太 亀山慶二 島本雄二
エグゼクティブプロデューサー:戸田和宏 梅澤道彦 町田修一
プロデューサー:谷東 西口なおみ 亀田卓
企画:蛙男商会 DLE
脚本:FROGMAN
キャラクターデザイン:FROGMAN
音楽:manzo
録音:FROGMAN
FLASH:FROGMAN
編集:FROGMAN
現像:東京現像所
声の出演:ホンマキョウコ FROGMAN
アメリカンビスタ カラー 19分

古墳ギャル(通称コギャル)のコフィーは都立古墳高校に通う前方後円墳女子高生。2年2組には彼女の幼なじみである四隅突出型墳丘墓のダニエルや、古墳世界の王族で王位継承者のニントクなど個性的なクラスメイトたちがいるが、最もユニークなのが担任教師の桶狭間先生だった。桶狭間先生は戦国時代の落ち武者のような外見をしているが、以前はそうではなかった。

コフィーたちが入学したての頃、桶狭間先生は生徒を引き連れて校内見学をした。校舎の裏へ来たとき、古い小屋がコフィーの目に止まった。桶狭間先生は、その小屋は古墳高校が建つ前から同じ場所にあり、中に入ったものは二度と帰って来ることはないという噂が立っていたことから、以来開かずの部屋として鍵が掛けられていると説明した。その話を聞いて興味を持ったコフィーは嫌がるダニエルを引き連れて中に入ってみることにした。 ダニエルから市の文化財指定を受けている銅剣を奪ったコフィーは、それを使って鍵を壊し中に入った。真っ暗の室内には大きな木箱があり、その中には兜と鎧が入っていた。「貴様ら、そこで何をやっている!」入り口に立っていたのは桶狭間先生だった。謝るコフィーとダニエルに桶狭間先生は早く教室に戻るように促したが、突然扉が閉まった。室内は真っ暗で、いくら押しても扉は開かなかったが、しばらくするといとも簡単に開いた。三人が小屋を出ると、目の前にはまるで戦国時代のような光景が広がっていた。呆然とするコフィーたちの前に現れたのは、駿河の大名・今川義元と対峙する尾張の織田軍だった。桶狭間先生は武将から今年が永禄三年だと聞き、とんでもないことに巻き込まれたことを理解した。そこは桶狭間の合戦場だった。

屋台的映画館

卒業プルーフ

  • posted at:2012-08-08
  • written by:砂月(すなつき)
そつぎょうぷるーふ
フラミンゴ・ビュー・カンパニー
配給:東映クラシックフィルム
製作年:1987年
公開日:1987年11月28日
監督:牛山真一
共同監督:小中和哉
企画:丹羽多聞
プロデューサー:鶴見辰吾
脚本:秋場由美 山本英史 牛山真一 鶴見辰吾 小中和哉
音楽監督:松本孝浩
・・・:「ENDLESS」比企理恵
・・・:「IN THE WIND」水口馨
・・・:「DEAR MY SEASON」児島未知留
撮影:近森真史
美術:近藤成之
照明:池田潤一
編集:冨宅理一
録音:辻健太郎
整音:杉崎喬
演出部チーフ:山本英史
スタイリスト:佃明子
メイキャップ:庄司真由美
助監督:山本英史
製作協力:丸金建設株式会社
出演:児島未知留 比企理恵 宮田恭男 植松倫樹 水口肇
スタンダード カラー 105分

聖ヨーク大学に通う里見千秋は、翌日に迫った卒業記念ダンスパーティ(プロム)に誘ってくれた片思いの彼からの電話を待っていたが、いくら待っても掛かって来る様子がなかった。千秋には男友達(楠木有人、神野高史、佐藤竜介)がいた。彼らとはスキー旅行へ行くなどとても親しくしていたが、恋愛対象ではなかった。はやる心を静めながら待つ彼女のもとへ一本の電話が掛かった。 電話の相手は喫茶店にいる高史だった。高史が千秋に片思いをしていることを知っていた竜介は、卒業すれば四人がバラバラになってしまうことから強引に告白させようとしたのだ。その様子を静かに見ていたのは、同じく片思いの有人だった。

プロムの当日、大学の掲示板には卒業試験で不正行為を働いたと見られる8人の名前が記された紙が貼られていた。だが学校に呼び出しを受け出席したのは、片桐雄大、志方善幸、本城勝利、熊本葉子、山岸美保、深澤直治の6人だけだった。本来ならカンニングが発覚した時点で退学処分となるのだが、彼らが卒業予定者という事情もあるため学生部長との面談で弁明を聞いたうえで処分が決まる。面談の結果はその後に開かれる卒業判定会に掛けられることになっていた。大学職員からの説明で、結果がわかるのが夕方だと知った勝利には気掛かりなことがあった。面談とプロムの日が重なっていたからだ。だが職員は単なる偶然だと片付けた。面識のない6人は、面談までの時間を静かな教室で過ごすことになった。

千秋が朝食をとっていると、母親が玄関に置かれた大きなバラの花束を持ってきた。メッセージカードが挟まっていたことから憧れの人からの誘いだと信じていた千秋は、有人の名前が書かれたカードを読んでがっかりした。 その頃、有人はラグビー部の部室にいた。彼が所属するラグビー部は首都大学対抗選手権で準優勝する程の実力を持っていた。既に引退していたが、久しぶりに仲間たちと汗を流したのだった。部室にやってきた竜介は知っていた。有人が千秋に告白するために気合を入れようとしていたことを。竜介は有人の名前を勝手に使って千秋に花束を贈ったのだった。戸惑う有人に竜介は言った。「礼はいいから、金くれ」。

屋台的映画館

フレフレ少女

  • posted at:2012-07-28
  • written by:砂月(すなつき)
ふれふれしょうじょ
「フレフレ少女」製作委員会(テレビ朝日=松竹=バップ=電通=レプロエンタテインメント=衛星劇場=集英社=日販=メ~テレ=九州朝日放送=北海道テレビ=静岡朝日テレビ=リトルモア)
配給:松竹
製作年:2008年
公開日:2008年10月11日
監督:渡辺謙作
企画:亀山慶二
エグゼクティブプロデューサー:梅澤道彦
プロデューサー:桑田潔 八木征志
プロダクションプロデューサー:孫家邦 菊地美世志 笹井和也
ラインプロデューサー:土井智生
脚本:橋本裕志
音楽:上田禎
主題歌:「夏のかけら」Aqua Timez
撮影:藤澤順一
照明:上田なりゆき
美術:花谷秀文
録音:柿澤潔
編集:日下部元孝
助監督:大津是
製作担当:松井嚆矢
演技事務:山仲浩充
製作プロダクション:リトルモア リトルメイカーズ
出演:新垣結衣 永山絢斗 柄本時生 斎藤嘉樹 染谷将太
アメリカンビスタ カラー 114分

桜が散ったその日、櫻木高校二年生の百山桃子は図書室から借りた百冊目のさくら文庫を読んでいた。現実よりも小説の中の恋に夢中だった桃子はその日も本を読みながら下校していたが、空想の世界に浸る彼女の耳に危ないと叫ぶ声が届くはずもなかった。グランドから飛び出た野球のボールは桃子の額に直撃した。それは彼女の人生を変える大事件だった。

桃子は保健室のベッドで目覚めた。意識を失った彼女を優しく介抱したのは野球部の投手・大島秀樹だった。秀樹は暴投が当たってしまったことを何度も頭を下げて詫びたが、桃子はその誠実な態度に一目惚れした。小説の中の登場人物と現実のイメージが重なり合ったことで彼女の胸は高鳴っていた。秀樹は一年生ながらプロのスカウトが狙うほどの逸材で、当然のことながら学校にはライバルがたくさんいた。そこで桃子は想いを込めて書いたラブレターを彼の靴箱に入れようとしたが、それを見ていたのは親友の美紀と由貴だった。二人の出会いは偶然のデッドボール、恋文で恋が始まりお守りが二人の距離を縮めて卒業式には制服の第二ボタンを貰って…という桃子の淡い思いは、そんなベタなことあるわけないじゃんという由貴の言葉で打ち砕かれた。美紀は私ならマネージャーになると言ったが、桃子にはどうしていいかわからなかった。そのとき、天からの声が彼女を激励した。校舎の屋上から聞こえてきたのは「我々はどんな困難にも諦めず立ち向かわねばならない」という応援団の訓示だった。天の声に従うことにした桃子は、眼鏡をコンタクトレンズに変え、ラブレターを秀樹の靴箱に突っ込み、勇気を出して野球部へマネージャーの申し込みに行ったが、枠がいっぱいだという理由で断わられてしまった。

落ち込む桃子の耳に「もう諦めるしかないんです」と叫ぶ声が飛び込んで来た。それは天の声=応援団団長・山本龍太郎と顧問を務める大門教諭との会話だった。龍太郎は一週間、団員の勧誘を行ったが入部するものはなく、このままでは廃部になってしまうというのだ。応援団に入れば秀樹を独占的に応援できる、そう考えた桃子は早速入部届けを持って部室を訪れた。入部は許可されたが問題はそれで済まなかった。高校野球の大会で応援をするには団長、副団長、参謀、旗手長、鼓手長の5人が最低でも必要だった。そこで桃子は本の知識を利用して、龍太郎とともに勧誘活動を始めた。桃子は「強くて凛々しくてストイックでいつもみんなを応援してくれるそんな頼もしい男を女子が放っておくはずがない」とウエイトリフティング部で、「どんな素晴らしい名曲よりも心に響く叫びがある。人生を揺るがす言葉がある」と吹奏楽部で、「あなたの励ましが友に勇気を与え、友の頑張りがあなたに元気を返してくれる」と合唱部で説き、女の子にもてたい大坪泰平、金髪でパンク好きの遠藤譲二、音痴な田村晃の三人を入部させることに成功した。翌日の練習試合に向け団長を決めることになったが、「二番手向きの家系」という理由で龍太郎が副団長に退き、桃子が団長に任命された。

櫻木高と対戦する不知火学園高校は10年連続で甲子園に出場する強豪校だったが、応援団も全国レベルの実力を持っていた。一方、練習も出来ていない数合わせだけの応援団にまともな応援が出来るはずがなかった。秀樹は3失点の好投を見せたものの、攻撃陣は味方の酷い応援にリズムを崩され無得点に終わった。相手の団長からは試合後のエール交換を断わられ、秀樹からは来ないで欲しいと言われた。頭にきた譲二はお前たちが弱いから負けたんだと言い返したが、それをきっかけにして秀樹は不知火に転校した。この騒動で再び解散の危機に立たされた応援団の部室にやって来たのは、応援団OBでかつて第23代団長を務めた柳原源蔵だった。源蔵は自己紹介を早々に終わらせると応援団恒例ゴールデンウィーク合宿の日程表を配り始めた。海、山、そして恋、しかも費用はOB持ちという甘い言葉と、我々OBとともに応援団を立て直そうじゃないかという源蔵の熱意に負けて桃子たちは合宿に参加することにした。だが合宿所の櫻照寺で待っていたのはコワモテの中年男4人と鬼の形相の源蔵だった。

屋台的映画館

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