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グレートマジンガー対ゲッターロボ

  • posted at:2008-09-29
  • written by:砂月(すなつき)
ぐれーとまじんがーたいげったーろぼ
ダイナミックプロ=フジテレビ=東映動画
配給:東映
製作年:1975年
公開日:1975年3月21日 併映「アンデルセン物語 にんぎょ姫」「これがUFOだ!空飛ぶ円盤」「仮面ライダーアマゾン」「がんばれ!!ロボコン」「魔女っ子メグちゃん」
演出:明比正行
製作:今田智憲
企画:有賀健 横山賢二
原作:永井豪・石川賢とダイナミックプロ
脚本:藤川桂介
作画監督:小松原一男
美術:福本智雄
音楽:渡辺宙明 菊池俊輔
うた:水木一郎 ささきいさお
原画:森利夫 富永貞義
動画:松村敬子 長崎重信 寺司重幸 渋谷早苗
背景:勝又激 沼井信朗 阿部泰三郎
仕上:高橋達雄 中島正之 前田剛弘
撮影:菅谷信行
編集:本山収
録音:池上信照
記録:的場節代
効果:石田サウンドプロ
選曲:宮下滋
演出助手:遠藤勇二
製作進行:吉岡修
現像:東映化学
声の出演:野田圭一 中谷ゆみ 柴田秀勝 沢田和子 大竹宏
アメリカンビスタ カラー 30分

「日本を我々の地球制覇の拠点とするのだ」。東京上空に現れた円盤は地上に宇宙怪獣ギルギルガンの卵を放った。孵化して出て来た第一形態の幼獣は、好物の鉄を食べ漁りコンビナートや街を次々と破壊して行った。その頃、浅間山麓にある早乙女研究所でも異常なサイクルの電波をキャッチしていた。職員から連絡を受けた早乙女博士はパイロットたちに出動を命じた。カタパルトのゲットマシン3機は轟音を残して発進した。ゲットマシンのパイロットである流竜馬、神隼人、巴武蔵の三人は特殊な訓練を受けており、イーグル号、ジャガー号、ベアー号が合体、変形することでゲッターロボとなるのだ。組み合わせは3パターンあり、空陸戦を得意とするゲッター1、陸での高速移動や地中活動が可能なゲッター2、重量戦や水中活動に適したゲッター3と用途によって使い分けることが出来た。宇宙放射線のゲッター線が金属影響を及ぼすことを突き止めた早乙女が宇宙作業用ロボットに技術を転用したことで、3機のゲットマシンはゲッターロボに変形可能となったのだ。竜馬がライバル視していたのは、剣鉄也だった。鉄也は超合金ニューZで作られた巨大ロボット・グレートマジンガーのパイロットで、ロボットは兜剣造博士が15年掛けて開発したマジンガーZの強化発展型だった。鉄也よりも先に円盤と対峙することになった竜馬は、ゲットマシンで簡単に破壊出来るものと思っていた。ところが相手は予想以上に動きが早く苦戦を強いられたため、ゲッター1に合体して戦うことになった。

モニターを苦々しい思いで見つめていたのは、伊豆半島にある科学要塞研究所の鉄也だった。横浜へ向かって飛行する円盤の姿を研究所でも確認していたが、実態を掴むために剣造が出撃命令を保留したのだ。そこへ横浜からの救援指令があり、鉄也は待ってましたとばかりに飛び出した。海中の発射口から射出したブレーンコンドルは、海中から現れたグレートマジンガーの頭部にドッキングすると、背中に収納された翼・スクランブルダッシュを広げて大空に飛び立って行った。地上で暴れ回る宇宙怪獣を目にした鉄也は、剣造からゲッターロボが退避したしたことを伝え聞くと、いいところを見せようとアトミックパンチを見舞った。ところが舌で絡め取られてバリバリと噛み砕かれてしまった。驚いた鉄也は地上に降り立ちブレストバーンを放ったが、効き目はなかった。続いてサンダーブレークを使ったが、目からの光線の威力に跳ね返され右腕を失ってしまった。さらに溶解液を浴びたことで右足も失った。剣造の命令で引き返したが、グレートマジンガーのダメージは想像を超えていた。逸る気持ちを抑えられない鉄也を剣造が諭していたとき、研究所にやってきたのは早乙女だった。彼はゲッターロボとグレートマジンガーが共同作戦を取らない限り宇宙怪獣は倒せないと言った。その考えは剣造も同じで、有効な作戦計画を提案した。

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ルパン三世 カリオストロの城

  • posted at:2008-09-25
  • written by:砂月(すなつき)
るぱんさんせいかりおすとろのしろ
東京ムービー新社
配給:東宝
製作年:1979年
公開日:1979年12月15日
監督:宮崎駿
制作:藤岡豊
プロデューサー:片山哲生
原作:モンキー・パンチ
脚本:宮崎駿 山崎晴哉
音楽:大野雄二
主題歌:「炎のたからもの」ボビー
選曲:鈴木清司
作画監督:大塚康生
美術:小林七郎
撮影:高橋宏固
録音:加藤敏
編集:鶴渕允壽
背景:小林プロダクション テレコム
撮影:高橋プロダクション
仕上:スタジオ古留美 シャフト イージーワールド スタジオ・タージ スタジオ・キリー
助監督:吉田茂承
整音:飯塚秀保
効果:東洋音響
ネガ編集:高橋和子
タイトル:藤井敬康
動画検査:原恵子 島田明子
色彩計測:近藤浩子
仕上検査:山本雅世 砂川千里
録音:東北新社
現像:東京現像所
アシスタント・プロデューサー:岡村和佳菜
現像:東京現像所
制作担当:斎藤壽男
製作進行:吉田力雄 柳内一彦 岩田幹宏
制作協力:テレコム・アニメーションフィルム
声の出演:山田康雄 増山江威子 小林清志 井上真樹夫 納谷悟朗
スタンダード カラー 100分

東の空が白みかけた頃、某国王立カジノに二人組の泥棒が侵入した。彼らは大きな風呂敷を背負い両手にカバンを下げた姿で建物から駆け出てくると、それを停めてあった愛車のフィアット500に無理矢理押し込みスタートさせた。追手を巻いて幹線道路を疾走するフィアット。札束で埋まる車中には運転席にルパン三世、助手席に次元大介、そして後部座席には逃走を手助けした石川五右ヱ門の姿があった。易々と大金を手に入れることが出来たことで盛り上がるルパンと次元。ところが突然ルパンが「捨てっちまおう」とつぶやいたことで次元は心底驚いたのだった。彼によるとこの紙幣はゴート札という精巧な偽札だというのだ。それがカジノにまで蔓延していることを危惧したルパンは、次の仕事を決めた前祝いに窓から紙幣をぶちまけ、次元もヤケクソ気味にそれをばら撒いたのだった。

ルパンと次元が向かった先は、人口3500人の世界一小さな国連加盟国・カリオストロ公国だった。その国はゴート札の出処と噂されており、調査を行った者が帰ってこないことからその筋では偽札界のブラックホールと呼ばれていた。検問を抜けしばらく走っているとタイヤがパンクしたため車を路肩に寄せた。じゃんけんで負けた次元が補修を行っているとその脇を猛スピードで二台の車が走り抜けて行った。前の車を運転していたのが花嫁姿の少女だったことからルパンは運転席に潜り込むとノブを引いて後部のエンジンカバーを跳ね上げスーパーチャージャーに連結させるとアクセルを踏んだ。するとフィアットは暴れるように加速を始め、次元はジャッキを片付ける間もなく飛び乗ったのだった。彼は男たちが乗るハンバー・スーパー・スナイプの後輪に銃弾を見舞ったが弾かれた。更に男たちが手榴弾を使ってきたことで後方が不利だと感じたルパンはバケモノのような馬力を利用して崖をよじ登ると前方に回り込み、次元の撃った特殊弾でついに撃退したのだった。花嫁を解放したまではよかったが、彼女はハンドルを握りしめたまま気絶していた。ルパンは次元にハンドルを預けると停まらないシトロエン2CVに飛び乗ったが、慌ててブレーキを掛けたものの前方のロードローラーを避けることは出来なかった。衝突した弾みでシトロエンは崖下に落ちて行ったが、ルパンは鉤のついた細ヒモを投げて木の根に絡め少女を抱えたままぶら下がったのだった。ひとつため息をついたルパンは彼女の顔を見ようとした。すると少女は意識を取り戻したが事態を理解出来ず暴れ出したのだった。ルパンは何とか少女を落ち着かせる成功するとベルトのバックルについているハンドルを操作して降りて行ったが、木の根は二人の体重を長時間支えることは出来なかった。彼女をかばうように尻餅をつくルパン。すると頭に木の根が直撃し彼は気絶した。心配した少女ははめていた手袋を湖で濡らすとそっとルパンの顔を拭いた。そのとき追手の内火艇が見えたため、ごめんなさいと言って顔に手袋を乗せたまま姿を消した。心配した次元から少女が連れ去られたことをルパンだったが、彼女が残した手袋の中に入っていた指輪の紋章を見てあることを思い出したのだった。

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破線のマリス

  • posted at:2008-09-14
  • written by:砂月(すなつき)
はせんのまりす
「破線のマリス」製作委員会(環境アート研究所=フォワード・グループ)
配給:アスミック・エース エンタテインメント
製作年:2000年
公開日:2000年3月11日
監督:井坂聡
製作:岩下孝広
企画:稲垣しず枝
エグゼクティブプロデューサー:大平義之
プロデューサー:八木欣也 井口喜一
原作:野沢尚
脚本:野沢尚
音楽:多和田吏
撮影:佐野哲郎
照明:渡部嘉
録音:今井善孝
美術:斎藤岩男
編集:菊池純一
スクリプター:中田秀子
助監督:瀧本智行
製作担当:木次谷良助
出演:黒木瞳 陣内孝則 山下徹大 筧利夫 白井晃
アメリカンビスタ カラー 108分

首都テレビの看板報道番組「ナイン・トゥ・テン」。遠藤瑤子は名物コーナーである「事件検証」のビデオ編集を担当していた。彼女は検証ビデオを作る際、放送倫理の境目で視聴者の興味を引くように大胆に編集した。それがこの番組の高視聴率を生み出す理由であり反響が大きかったが、非難する声も少なくなかった。

ある日、瑤子の自宅に郵政省放送行政局の春名と名乗る男から電話が掛かった。春名は信頼できる瑤子にしか見せたくないビデオテープがあると言った。いつも「事件検証」を欠かさず観ているため、彼女なら何とかしてくれると思い込んでいたのだ。瑤子は不信感を抱いたが、興味本位で会ってみることにした。2週間前、市民オンブズマンの吉村顧問弁護士がマンションから転落し死亡した。警察は自殺と他殺の両面から捜査していたが、春名はこの事件には裏があることを話し始めた。日本一のマンモス大学・永和学園は、全国に散らばる学園の基礎教養課程を衛星とパソコンを使って行うという計画を立て、地方のあるテレビ局を買収した。ところがその動きがマスメディア集中排除の原則に抵触するとして郵政省の警戒心を煽ったのだ。そこで永和学園は郵政省に対し、認可を得るために金銭攻撃を開始した。この動きを察した吉村は、永和学園と郵政省との贈収賄疑惑の調査を始めたのだった。春名は上司の命令で吉村を監視することになった。調査方法に違法なものが含まれていた場合、証拠映像があれば有利になるからだ。監視を始めた春名は吉村を尾行する人物を目撃した。それは春名の同僚だった。つまり吉村弁護士は、自分が追求すべき人間に尾行されていたのだ。

瑤子が受け取ったビデオテープには、飲食店の物陰から吉村を監視する男、転落事故現場から立ち去る後姿の男、吉村弁護士の葬儀に参列する男、そして警察の事情聴取を受けた郵政省官僚3人が建物を後にする様子が収められていた。同僚と別れた男は立ち止まり、正面に向き直ると「笑み」を浮べた。それは無実を証明し、勝ち誇ったような表情にも見えた。瑤子は感じたままに編集し、番組で流した。

屋台的映画館

アドレナリンドライブ

  • posted at:2008-09-09
  • written by:砂月(すなつき)
あどれなりんどらいぶ
アドレナリンドライブ製作委員会(近代映画協会=ギャガ・コミュニケーションズ=日本出版販売=ゼアリズインタープライズ)
配給:ゼアリズインタープライズ=日本出版販売
製作年:1999年
公開日:1999年6月12日
監督:矢口史靖
製作:新藤次郎 坂井洋一 石田耕二 日下部圭子
企画:折坂哲郎 三宅澄二
プロデューサー:溝上潔 板谷健一 小林智浩
脚本:矢口史靖
音楽:山本精一&羅針盤
主題歌:「アドレナリンドライブ」羅針盤
エンディングテーマ曲:「真夏の出来事'99」平山みき
撮影:浜田毅
照明:渡邊孝一
録音:横溝正俊
美術:山田好男
編集:矢口史靖
助監督:足立公良
ラインプロデューサー:亀田裕子
出演:石田ひかり 安藤政信 松重豊 角替和枝 マギー
アメリカンビスタ カラー 111分

レンタカー会社で働く鈴木悟は内気な性格の持ち主。そんなこともあって中々思ったことを口に出すことが出来なかった。彼は優柔不断で無責任な山本店長が嫌いなこともあって会社を辞めたいと常々思っていた。一方、山本もはっきりしない悟のことが気に入らなかったため、運転中にちょっかいを出して怒らそうとしたのだった。やがていたずらはエスカレートし、悟は信号待ちしていた前の車に追突してしまった。ジャガーから降りてきたのはコワモテのヤクザ・黒岩。会社に迷惑が掛かることを恐れた山本はウソの電話番号を教えたが、それが火に油を注ぐことになった。黒岩が免許証を出せと迫ると悟は素直に渡した。すると山本は、渡したのはお前なのだからお前が行くしかないだろうと責任を全て押し付けて車で逃げてしまった。組の事務所に連れて行かれた悟は足を踏み入れたことのない世界を目の当たりにして呆然と立っていた。そこへやってきた組員の一人は、彼を新入りと勘違いしてお茶を入れろと命令したのだった。自分は関係ないのにと思いながらも給湯室で湯を沸かそうとしていると、そこで何してるんだと声を掛けてきた黒岩に荒川組長のところへ連れて行かれた。

真面目で引っ込み思案な看護師の佐藤静子は、同僚が読んでいた雑誌の占いコーナーに「今週は新しい自分に出会えるチャンスなので思い切って外の世界に飛び出してみましょう」と書いてあることを知った。早速コンビニに出掛けると、突然の轟音が空気を震わせた。驚き店を飛び出すとビルの一室から煙が立ち上っていた。そこは組の事務所であり、悟の後に給湯室へ入った若い組員がガス漏れに気付かずにコンロに点火したのだ。ソファーに挟まれて難を逃れた悟は呻く黒岩のポケットから素早く免許証を抜き取った。そこへやってきた静子は救急隊員の指示に従って悟を救急車に乗せた。救急車には二人の他にストレッチャーに乗せられた患者が運ばれたが、それは重傷を負った黒岩だった。警察で調書を取られることがわかり悟が動揺していると、黒岩が蹴ったことで後部のドアが開き、閉めようとした静子がバランスを崩した。そして助けようと手を掴んだ悟も引っ張られて二人は車外に落ちた。一方、黒岩が暴れたことで救急車は道路を外れ川に突っ込んだ。患者を見捨てることが出来ない静子は救急車に戻って黒岩の治療を行ったが、彼と一緒に持ち込まれたジュラルミンケースに札束が詰まっていることがわかるとそれを持ち出した。悟が後部のドアを思い切り閉めると救急車は水中に沈んで行った。

警察の聴取で黒岩が助かる見込みがないことを知った二人は、血のついたを紙幣をコインランドリーで洗い悟のアパートで山分けした。ついに表に出ない二億円が自分たちのものになったのだ。二人は二度と会わない約束をしたのだが、まさかの事態が起こった。死んだと思われた黒岩が静子の病院に運ばれてきたのだ。六人の子分を呼び出した黒岩は悟から金を取り返せと命じた。

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無宿者

  • posted at:2008-09-05
  • written by:砂月(すなつき)
むしゅくもの
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1964年
公開日:1964年8月8日 併映「悪名太鼓」
監督:三隅研次
企画:財前定生
脚本:星川清司
音楽:池野成
撮影:牧浦地志
録音:大谷巌
照明:古谷賢次
美術:内藤昭
編集:菅沼完二
装置:山本佐一郎
擬斗:宮内昌平
音響効果:倉嶋暢
助監督:西沢鋭治
製作主任:今村喬
現像:東洋現像所
出演:市川雷蔵 滝瑛子 坪内ミキ子 藤巻潤 安部徹
シネマスコープ カラー 88分

父の形見である赤鞘のドスを脇に差した一本松は黒木弥一郎のせいで貧乏くじを引いた。かつて武士だった弥一郎は食わんがために賭場を荒らし、一本松はそれに巻き込まれたのだ。二人は禿山の頂上に追い詰められ、弥一郎は怖さに震えた。それを見た一本松は、こうなりゃ暴れる以外に道はねえなと覚悟を決めた。だが漁師の娘・はるのおかげで命拾いをした一本松たちは、借りた馬を返すために矢切村の伍平を捜して北陸路を旅した。やがて村境にたどり着いた二人は何もない海を見つめ続ける少年に気付いた。一本松が話し掛けると、少年は三州屋にさらわれた父親が帰ってくるのを待っているんだと言った。その少年の案内で伍平に馬を届けた一本松は、なおもついて来ようとする弥一郎に「大方、疫病神の生まれ変わりだろう。叩き斬るぞ」と脅して追い払った。一本松は寂れた宿場にやってきたが、一文無しではどうしようもなかった。その様子を見て近付いてきたお勢以は、人足問屋の三州屋波蔵に世話になるように言った。彼女は波蔵の妹だった。客人として迎えられた一本松の最初の仕事は人足狩りだった。三州屋は佐渡金山の人足を世話していたが、重労働ということもあり中々人が集まらなかった。そこで借金をしているものから連れて行こうとしたが、波蔵の動きを察知した住民たちが村から逃げ出そうとしたのだ。その中にいたはるの父・儀十の話で、波蔵が二年前から急に羽振りが良くなり金山にまで関わるようになったことを知った一本松は、はるへの恩義を優先して三州屋に盾突くことにした。波蔵はお勢以を船問屋・島屋十兵衛の妾として差し出したことで権力を手に入れたのだった。

宿場役人に追われる弥一郎と鉢合わせした一本松は「疫病神め、今度は何をやらかしたんだ?」と吐き捨てた。五年前に笹子峠で御用金護送役六人のうち五人が惨殺された。黒木半兵衛の死体が見つからなかったことから、半兵衛に御用金四千両略奪の嫌疑を掛けた、そしてその半兵衛の行方を知っているとみて、子息の弥一郎を捕らえようとしたのだった。父の無実を訴える弥一郎の姿を見た一本松の顔が怒りで歪んだ。一本松は弥一郎を取り囲む役人たちの中に飛び込むと混乱に乗じて彼を連れ出したのだった。一本松の父赤鞘の源七は渡世仲間の間でも売れての名だった。御用金が略奪された日と同じ日に行方がわからなくなり、半年後に笹子峠で骨が見つかった。男を磨くための旅に出て二年ぶりに故郷の信州熊平に戻った一本松はそのとき初めて父の死を知った。それからは形見の赤鞘のドスを身につけ旅から旅の長い日々を送ったのだった。弥一郎を連れ出した一本松は源七の仇を取るために半兵衛の居場所を聞き出そうとしたが、何処にいるかわからないの一点張りだった。もしそれが本当ならば父を捜し出して汚名を濯ぎたいと弥一郎が言ったため、一本松はひとまず剣を納めることにしたが、疑いが晴れたわけではなかった。三州屋波蔵が威勢づくようになったのは、二年程前に島屋十兵衛が来てからだった。それが半兵衛の仮の姿であれば説明がつくと一本松は考えていた。そこで彼は弥一郎と島屋へ行き、十兵衛の顔を確認することにした。

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