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女王蜂と大学の竜

  • posted at:2009-12-02
  • written by:砂月(すなつき)
じょおうばちとだいがくのりゅう
新東宝
配給:新東宝
製作年:1960年
公開日:1960年9月1日
監督:石井輝男
製作:大蔵貢
原案:牧源太郎
脚本:内田弘三 石井輝男
企画:佐川滉
撮影:岡田公直
音楽:渡辺宙明
美術:朝生治男
録音:鈴木勇
照明:矢口明
編集:鹿島秀男
助監督:武部弘道
製作主任:藤岡治郎
出演:三原葉子 吉田輝雄 嵐寛寿郎 天知茂 近衛敏明
シネマスコープ カラー 81分

終戦直後の混乱期、風潮に乗じた在日ヤクザたちは戦勝国の名のもとに露天商地区で横暴の限りを尽くしていた。彼らは関東桜組の縄張りを自分たちのものにしようと企んでいたのだ。ヤクザたちは桜組の事務所を襲撃したが部屋の奥から出てきた女性の迫力に息を飲んだ。彼女の名は桜珠美、組長・桜千之助の娘だった。三国人連盟の李は珠美に桜マーケットの一部を明け渡すように言ったが、ここは三代続く桜一家の土地であり、その日暮らしをする人たちの命の場所だから要求は飲めないと突っぱねた。すると李は、日本が戦争で負けたことを持ち出し、土地を明け渡すことは当然だと主張した。そこで珠美は、関東桜組のシマはまだ占領されてはいないと啖呵を切った。一触即発となったそのとき、両者の間に割って入ったのは特攻隊の生き残り、広岡竜二だった。竜二は大暴れして李たちを追い返した。

警察での事情聴取から戻ってきた千之助は、戦争で天涯孤独となった竜二を気の毒に思い、世話をしたいと言った。その言葉を聞いた竜二は即断し喧嘩の時には存分に働くと宣言したが、千之助は世間に役に立つような人間になって欲しいと大学への進学を勧めた。ところが竜二はその申し出を断わった。組に入って今すぐにでも組長の役に立ちたいと考えていたのだ。ヤクザの道に踏み入れさせたくない千之助とその親心がわからない竜二は激しく対立した。その様子を見ていた血桜の達は、若い者はあのくらい威勢が良くないといけないと久雄、末吉、清一の三人を集めた。彼は連盟に殴り込みをかける計画を立てていたのだ。それは千之助の意に反することだったが、達は組長の腹の中を察して命を張る覚悟が無くては売り出せないと言って三人を説得した。その夜、東洋公司連盟の建物の前に現れた久雄たちは、長ドスを抜いて斬り込んだ。ところがその行動は相手に見抜かれていた。部屋の床に転がった三つの死体を見下ろしていたのは土橋組の社長・土橋剛造と達だった。 剛造の目的は桜組が仕切るシマを全て手に入れることだった。その手始めとして達に一家を持たせる話を持ちかけて協力させ、桜組の若衆を利用した。そして出入りの情報を連盟に流して礼金を受け取り、その始末を土橋組が引き受けたのだ。剛造は死体を桜組に送りつけることで連盟の仕業に見せかけ、双方を衝突させる計画を立てていた。

屋台的映画館
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悲しき天使

  • posted at:2009-11-22
  • written by:砂月(すなつき)
かなしきてんし
ツインズジャパン
配給:ファーストウッド・エンタテインメント
製作年:2006年
公開日:2006年10月28日 先行公開(大分)2006年10月21日
監督:大森一樹
製作:神野智
プロデューサー:原公男
アソシエイトプロデューサー:浅沼孝
ラインプロデューサー:山下秀治
脚本:大森一樹
企画:吉田晴彦
撮影:林淳一郎
音楽:山路敦
・・・:「Those were the days」Ryu
美術:丸尾知行
照明:磯野雅宏
装飾:藤田徹
録音:井家眞紀夫
整音:山本逸美
編集:菊池純一
スクリプター:江口由紀子
助監督:吉村達矢
製作担当:井上順
出演:高岡早紀 山本未來 河合美智子 筒井道隆 岸部一徳
アメリカンビスタ カラー 113分

多摩川河川敷で男性の射殺体が発見された。松下泰造・59歳。三重県から息子・和夫を訪ねて上京した。警視庁の沖島啓介刑事と河野薫刑事は事情を聞くために和夫が住んでいるアパートを訪れた。彼は薄暗い部屋の中で震えていた。

和夫の母親が泰造を連れてきたことで平和な家庭が崩壊した。辛い目に遭った和夫は高校を卒業するとすぐに家を飛び出し、アルバイト仲間とともに秋葉原でインターネットゲームのサイトを作った。事業は成功しマスコミに取り上げられたが、その新聞記事を見た泰造が金をねだりに来たのだ。口論して熱くなった二人はもみ合いになり、和夫は泰造を思わず突き飛ばした。クローゼットに頭を打ち付けた泰造はそのまま動かなくなり、動揺した和夫は、姉・那美に電話を掛けて助けを求めた。那美は和夫より先に上京していた。二人は会うことはなかったが、電話で連絡は取り合っていた。相談を持ちかけられた那美は泰造を多摩川に捨てる計画を立てた。「気にすることない。私たちを苦しめた当然の報いだから」。河川敷に来たとき、和夫に背負われた泰造が息を吹き返した。一時的に気を失っていただけだったのだ。泰造は和夫の首を後から締め付けると地面に押さえ込んだ。それを見た那美は、車内から拳銃を取り出し銃口を泰造に向けた。そして憎しみを込めて三度引き金を引いた。「人の人生、無茶苦茶にしやがって・・・」。

沖島と薫は、上司や同僚に無断で大分県・別府へ向かった。温泉地・鉄輪には那美の昔の恋人・関川慎二が社長を務める旅館・筑新があった。四日市にある高校のサッカー部のエースだった関川は、そのころから那美と付き合っていた。大学に進学した関川は、プロになったら結婚しようと約束していたが、その二人の仲を引き裂いたのが泰造だった。旅館・みなとやの三階からは、筑新の様子がよくわかった。銃をお守りにする那美に共感を覚えた薫は、彼女がそこへやってくることを信じていた。電話連絡をし、上司から与えられた期限は6日間。二人は張り込みを開始した。

屋台的映画館

鉄人28号

  • posted at:2009-11-17
  • written by:砂月(すなつき)
てつじんにじゅうはちごう
T-28 PROJECT(電通=キングレコード=メディアウェイブ=衛星劇場=テレビ朝日=ジェネオンエンタテインメント=GENEON ENTERTAINMENT USA=クロスメディア)
配給:松竹
製作年:2005年
公開日:2005年3月19日
監督:冨樫森
製作:森隆一 石川富安 早河洋 荒井善清 小林洋輔
企画:遠谷信幸 大月俊倫
エグゼクティブプロデューサー:多木良國 兵頭秀樹 木村純一
プロデューサー:佐倉寛二郎
共同プロデューサー:田中渉 田中大三 比留川伸 五郎丸洋介 片山英爾 柴田一成
ラインプロデューサー:松本孝司
原作:横山光輝
脚本:斉藤ひろし 山田耕大
撮影:山本英夫
視覚効果:松本肇
音楽:千住明
挿入曲:「鉄人28号」六本木男声合唱団
美術:小川富美夫
照明:小野晃
録音:野中英敏
編集:上野聡一
スクリプター:生田透子
助監督:谷口正行
製作担当:藪下隆
出演:池松壮亮 蒼井優 薬師丸ひろ子 香川照之 川原亜矢子
アメリカンビスタ カラー 114分

東京のど真ん中で、奇妙な事件が起きていた。多数の住民が、巨大な金属の塊が飛行するのを目撃したというのだ。その腕のような形をした塊は、空き家の屋根を突き破って飛んで行った。午後3時、地上派テレビ放送システムが何者かによってジャックされ、「ALL BECOME ZERO!(ゼロになれ!)」というメッセージが約2分間に亘って流れた。その頃、警視庁のホームページもハッキングされ、「ゼロ」からのメッセージが書き込まれた。その直後、上空から金属の物体が次々と飛来しそれらは合体すると人型を形成した。巨大ロボットはデモンストレーションとして東京タワーを軽々と捻じ曲げてしまった。

「ゼロ」の送り込んだブラックオックスに対抗するため、警視庁は特殊捜査課内にテロ対策課を新設し、コンピューターとロボット工学を専門とするマサチューセッツ工科大学の科学者が派遣されてきた。その人物は可憐な少女・立花真美だった。ロボットを一目見た真実は、それを作ったのは人工知能研究の世界的権威の宅見零児だと断言した。理由は「彼しか作れないから」だった。宅見はコンピューター会社KOKを立ち上げ、一人で王国を築きあげた。だが新型コンピュータのシステムが頻繁に誤作動を繰り返すようになったため社会の信用は失墜した。今まで彼を持ち上げていたマスコミも掌を返すような報道に終始し、売上は激減、株価は暴落した。卓見は三年前に突然会社を全て売却すると世間から姿を消したのだ。

東京タワーの騒動で怪我をした母・陽子を見舞った金田正太郎は、自宅で綾部達蔵という老人からの電話を取った。彼は父・正一郎が遺した物のことで会いたいと言った。不審に思いながらも秘書の案内で孤島にやってきた正太郎は、そこで初めて綾部と顔を合わせた。綾部は正太郎の祖父・正吾郎の助手であり、父・正一郎の後見人でもあった。彼の人生は金田家とともにあったが、二度とこの島には戻らないつもりでいた。だが、ブラックオックスの登場により事態は急変したのだ。綾部は正一郎の研究施設に正太郎を招き入れると格納庫の扉を開けた。そこには巨大な鉄人が壁際にそそり立っていた。その姿を見た正太郎は、驚きとともに懐かしさを感じていた。

鉄人は当初、正吾郎が軍事用ロボットとして開発したが、正一郎が平和利用のために何度も作り直し、28番目のロボットを完成させたのだ。綾部が正太郎に鍵を渡すと、彼は金庫の在処をすぐに探し当てた。小さい頃にここで遊んだ記憶が甦ってきたのだ。正太郎が取り出した包み紙の中には鉄人のリモートコントローラーが入っていた。コントローラを掲げる正太郎の姿を見た綾部は、君は見た物を瞬時に記憶する「直感像素質者」だからその能力を鉄人のために使うべきだと言った。不安でいっぱいの正太郎は、ドキドキしながらコントローラーの電源を入れた。

屋台的映画館

CAT’S EYE

  • posted at:2009-11-11
  • written by:砂月(すなつき)
きゃっつあい
フジテレビジョン
配給:東宝
製作年:1997年
公開日:1997年8月30日 併映「シャ乱Qの演歌の花道」
監督:林海象
エクゼクティブプロデューサー:松下千秋 佐藤信彦
プロデューサー:宅間秋史 臼井裕詞 古賀俊輔 和田倉和利
原作:北条司
脚本:林海象 土屋斗紀雄
企画:北林由孝 久板順一朗 周防郁雄
撮影監督:長田勇市
音楽:めいなCo.
主題歌:「CAT’S EYE -2000-」杏里
美術監督:木村威夫
衣装デザイン:伊藤佐智子
録音:浦田和治
特殊メイク:原口智生
照明:豊見山明長
スクリプター:内田絢子
編集:冨田伸子
助監督:大原盛雄
俳優担当:鈴木康敬
製作担当:森賢正
企画協力:バーニングプロダクション
製作協力:パラダイスピクチャーズ
出演:内田有紀 稲森いずみ 藤原紀香 佐野史郎 寺尾聰
アメリカンビスタ カラー 92分

近代美術の巨匠展が開催されている横浜美術館にキャッツ・アイと名乗る三人組の女怪盗団からの犯行予告状が届いた。「今夜0時 6枚目のクロダコレクションをGET!!」と書かれた金属のプレートは、警察の厳重な警戒態勢を嘲笑うかのように黒田画伯の作品を飾る額の上に刺さっていた。午前0時、キャッツ・アイは予告どおりに現れた。神奈川県警察港町署捜査一課主任・内海俊夫刑事はキャッツ・アイの巧妙なトリックを見破ったが、華麗な連係プレイに翻弄され、またしても取り逃がしてしまった。翌日、柴田刑事課長に怒鳴られた俊夫は、気分転換をしに馴染みの喫茶店「CAT’S EYE」で時間を潰した。この喫茶店は、来生泪、瞳、愛の三姉妹が経営していた。瞳は注文のメロンソーダを女性客に手渡そうとしたが、客は手を滑らせて落としてしまった。ところが瞳は反射的に手を出し、こぼさずにそれを受け止めた。女性客は「すごい反射神経ね。まるで猫みたい」と言った。

港町署へやってきた警視庁国際警察の浅谷光子は、キャッツ・アイの正体を教える条件として捜査を中止するように俊夫に求めた。光子が追う国際的な犯罪組織・紅龍団を逮捕するにはキャッツ・アイを利用する以外に手はないと考えていたのだ。ところが俊夫は、答えは自分で探すと言ってその提案を拒んだ。三人は喫茶店の下に設けられた地下室で打ち合わせをした。黒田画伯の自画像が資産家の梅原邸にあることがわかったのだ。コレクションルームはそれ自体が金庫になっていたため、容易に盗み出すことは考えられなかった。その夜、予告状を受け取った梅原は、警察の警備など信じられないと言って絵を抱えたまま金庫の中に閉じこもってしまった。午前0時、泪が警備を撹乱させ、瞳と愛がコレクションルームの中に入ったとき、梅原は何者かによって殺害されていた。瞳は罠だと悟り、愛に計画を中止するように言ったが、愛は自画像を持ち出そうとした。そのとき紅龍団の殺し屋・黒旗が現れ、二人は命を狙われた。愛たちが万策尽きたとき、銃で二人を救ったのは光子だった。

屋台的映画館

黒の報告書

  • posted at:2009-11-06
  • written by:砂月(すなつき)
くろのほうこくしょ
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1963年
公開日:1963年1月13日 併映「雪之丞変化」
監督:増村保造
企画:塚口一雄 藤井浩明
原作:佐賀潜
構成:増村保造
脚本:石松愛弘
音楽:池野成
撮影:中川芳久
録音:渡辺利一
照明:渡辺長治
美術:間野重雄
編集:中静達治
助監督:崎山周
製作主任:上嶋博明
出演:宇津井健 叶順子 高松英郎 見明凡太朗 小沢栄太郎
シネマスコープ モノクロ 92分

富士山食品社長・柿本高信が自宅の応接間で殺害された。その事件を担当することになった総武地検・城戸明検事は現場に立ち会い、刑事や鑑識から説明を受けた。須藤警部補は、凶器は飾っていた大きな壺で、恐らく油断していたところを後ろから殴られたのだろうと言った。室内が荒らされた形跡がないことから顔見知りの犯行であり、ホープ、ケント、みどりの吸殻が灰皿に残っていることで少なくとも3人がいたことは間違いと見当をつけた。被害者のポケットからケントの箱が発見されたことでホープとみどりが客。みどりには口紅がついており、同じ口紅が被害者の唇からも検出された。別の証拠を探していた津田進作刑事部長は、室内に落ちていた菊の花についていた毛髪を発見した。それは明らかに被害者のものとは違う、若い男の髪だった。死亡推定時刻は4時間前の午後10時頃で、死体の第一発見者は柿本の一人息子で舞台演出家の富美夫だった。午前1時頃に帰宅した彼は倒れた父親を発見したが、芝居を一部を見ているようで10分程ぼんやりとしていた。城戸から死体を触ったのかと聞かれた富美夫は「とんでもない。汚らしい親父の顔なんか見るのも嫌だった」と証言した。彼は女癖が悪く金に汚い父親を軽蔑し、後妻のみゆきについてもバーのマダム上がりの尻軽女だと罵った。好むタバコの銘柄について尋ねられると、富美夫はピースを一日に5箱は吸うと答えた。みゆきの証言で柿本と秘書・片岡綾子との間に肉体関係があったことがわかり、城戸は真相をさらに掘り進めるために柿本の解剖にまで立ち会った。

青銅の壺からは13個の指紋が検出され、鑑識の結果4個と8個が女、残り1個が男のものと判明した。男の指紋は毛髪と同様、被害者のものではなかった。城戸からの報告を受けた鳴海次席検事は、凶器も指紋もある楽な事件を君に回してよかったと言った。総武地検で扱った事件は2件連続で無罪になっていたため、鳴海は今回の事件に賭けていたのだ。判決の結果で東京への栄転があることを知った城戸は闘志を燃やした。同僚・草間検事は、殺しにはろくな弁護士がつかないことが多いから有罪を取ったも同然だとアドバイスし、それを聞いた城戸は安心した。河東警察署に片岡綾子が参考人として呼ばれ、城戸が聴取を行うことになった。綾子は東京の会社を出たのが5時で社長宅に着いたのが7時頃、中野経理部長がやってきた8時頃に帰ったと証言した。何の用事で社長とあったのかという質問に、綾子はスケジュールの打ち合わせだと答えたが、城戸はそれだけなのかとしつこく問い詰めた。そして何時から特別な関係になったんだと尋ねると、綾子は社長とは清潔な関係だと言った。すると城戸はバッグを指し、この中の口紅が何故社長の唇についたんだと指摘すると、綾子は愛人であることを認めた。柿本が死んだことを知り自殺しようと考えたが、仇を取るまでは死ねないと考え直してやめた。綾子は、奥さんがあいつとグルになって社長を殺したんだわと言った。彼女が言ったあいつとは、深町商事の営業部長・人見十郎だった。人見は綾子の前に秘書をしていた人物で、みゆきと関係を持ったことでクビになったのだ。「あの二人を放っといては死ねないわ」。綾子は苦々しく言った。

屋台的映画館

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