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黒の報告書

  • posted at:2009-11-06
  • written by:砂月(すなつき)
くろのほうこくしょ
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1963年
公開日:1963年1月13日 併映「雪之丞変化」
監督:増村保造
企画:塚口一雄 藤井浩明
原作:佐賀潜
構成:増村保造
脚本:石松愛弘
音楽:池野成
撮影:中川芳久
録音:渡辺利一
照明:渡辺長治
美術:間野重雄
編集:中静達治
助監督:崎山周
製作主任:上嶋博明
出演:宇津井健 叶順子 高松英郎 見明凡太朗 小沢栄太郎
シネマスコープ モノクロ 92分

富士山食品社長・柿本高信が自宅の応接間で殺害された。その事件を担当することになった総武地検・城戸明検事は現場に立ち会い、刑事や鑑識から説明を受けた。須藤警部補は、凶器は飾っていた大きな壺で、恐らく油断していたところを後ろから殴られたのだろうと言った。室内が荒らされた形跡がないことから顔見知りの犯行であり、ホープ、ケント、みどりの吸殻が灰皿に残っていることで少なくとも3人がいたことは間違いと見当をつけた。被害者のポケットからケントの箱が発見されたことでホープとみどりが客。みどりには口紅がついており、同じ口紅が被害者の唇からも検出された。別の証拠を探していた津田進作刑事部長は、室内に落ちていた菊の花についていた毛髪を発見した。それは明らかに被害者のものとは違う、若い男の髪だった。死亡推定時刻は4時間前の午後10時頃で、死体の第一発見者は柿本の一人息子で舞台演出家の富美夫だった。午前1時頃に帰宅した彼は倒れた父親を発見したが、芝居を一部を見ているようで10分程ぼんやりとしていた。城戸から死体を触ったのかと聞かれた富美夫は「とんでもない。汚らしい親父の顔なんか見るのも嫌だった」と証言した。彼は女癖が悪く金に汚い父親を軽蔑し、後妻のみゆきについてもバーのマダム上がりの尻軽女だと罵った。好むタバコの銘柄について尋ねられると、富美夫はピースを一日に5箱は吸うと答えた。みゆきの証言で柿本と秘書・片岡綾子との間に肉体関係があったことがわかり、城戸は真相をさらに掘り進めるために柿本の解剖にまで立ち会った。

青銅の壺からは13個の指紋が検出され、鑑識の結果4個と8個が女、残り1個が男のものと判明した。男の指紋は毛髪と同様、被害者のものではなかった。城戸からの報告を受けた鳴海次席検事は、凶器も指紋もある楽な事件を君に回してよかったと言った。総武地検で扱った事件は2件連続で無罪になっていたため、鳴海は今回の事件に賭けていたのだ。判決の結果で東京への栄転があることを知った城戸は闘志を燃やした。同僚・草間検事は、殺しにはろくな弁護士がつかないことが多いから有罪を取ったも同然だとアドバイスし、それを聞いた城戸は安心した。河東警察署に片岡綾子が参考人として呼ばれ、城戸が聴取を行うことになった。綾子は東京の会社を出たのが5時で社長宅に着いたのが7時頃、中野経理部長がやってきた8時頃に帰ったと証言した。何の用事で社長とあったのかという質問に、綾子はスケジュールの打ち合わせだと答えたが、城戸はそれだけなのかとしつこく問い詰めた。そして何時から特別な関係になったんだと尋ねると、綾子は社長とは清潔な関係だと言った。すると城戸はバッグを指し、この中の口紅が何故社長の唇についたんだと指摘すると、綾子は愛人であることを認めた。柿本が死んだことを知り自殺しようと考えたが、仇を取るまでは死ねないと考え直してやめた。綾子は、奥さんがあいつとグルになって社長を殺したんだわと言った。彼女が言ったあいつとは、深町商事の営業部長・人見十郎だった。人見は綾子の前に秘書をしていた人物で、みゆきと関係を持ったことでクビになったのだ。「あの二人を放っといては死ねないわ」。綾子は苦々しく言った。

屋台的映画館
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仮面ライダー THE FIRST

  • posted at:2009-10-29
  • written by:砂月(すなつき)
かめんらいだーざふぁーすと
「仮面ライダー THE FIRST」製作委員会(東映ビデオ=東映=東映チャンネル=東映エージェンシー)
配給:東映
製作年:2005年
公開日:2005年11月5日
監督:長石多可男
製作:石井徹 中曽根千治 古玉國彦 福中脩
エグゼクティブプロデューサー:鈴木武幸
プロデューサー:加藤和夫 矢田晃一 白倉伸一郎 武部直美
企画:日達長夫 吉田順 金子建 松田英史
原作:石ノ森章太郎
脚本:井上敏樹
撮影:田中一成
音楽:安川午朗
・・・:「レッツゴー!!ライダーキック」藤浩一
・・・:「Bright! our Future」DA PUMP
美術:斉藤岩男
キャラクターリファインデザイン:出渕裕
編集:須永弘志
出演:黄川田将也 高野八誠 小嶺麗奈 小林涼子 宮内洋
アメリカンビスタ カラー 90分

取材のために足しげく通う週刊ABBA社の記者・緑川あすかは、城南大学で行われている水の結晶の研究に興味を持ち、その研究を行う大学院生の本郷猛にも惹かれた。だがあすかは同僚の矢野克彦とゴールイン間近で、それを知っていた猛は彼女が幸せになることを願っていた。ある夜、バイクで帰宅していた彼はトンネル内でショッカーと名乗る集団に襲われた。ショッカーは社会の裏側に暗躍する組織で、類まれな頭脳とずば抜けた身体能力を持った彼に食指を伸ばしたのだった。

深夜のウェルコンピューター社に警報が鳴り響いた。警備員が該当現場に駆け付けると、そこにはショッカーの改造人間・ホッパーが立っていた。ホッパーは警備員を次々となぎ倒すとメインフレームのある部屋に軽々と侵入し破壊した。爆風とともに外へ脱出したホッパーの正体は、洗脳とともに肉体の改造手術を施された猛だった。任務の成功に喜ぶショッカーが彼に与えた次の任務は、組織の活動に妨げとなる人間の排除だった。既に計画は動いており、猛は他の仲間のサポート役を命じられた。

ABBA社の編集長は過去に雑誌で組んだ特集の記事が気になっていた。それはあすかが書いた「オフィス街に『怪人現る』!」というもので、ウェルコンピューター社での目撃談をもとにした記事だった。彼はあすかを呼び出すと、この事件に拘る話をした。あすかが取材し怪人を見たと証言した5人のうち4人が行方不明になっていた。彼女自身はそれを単なる都市伝説の類かと思っていたが、編集長の話で不安になり克彦に相談した。その結果、最後の手掛かりとなる証言者を2人で追跡することにしたのだ。ところが男が乗ったタクシーは叫び声とともに急停車し、あすかたちが駆け寄ったときにはもう姿がなかった。再び公園の中で叫び声が上がり、その方向へ向かうと横たわった証言者は既に息がなかった。そのとき頭上から改造人間・スパイダーが現れ、あすかに飛び掛かると彼女は頭を打って気絶した。一方、克彦は一刻も早くその場から離れようとして駆け出したが、彼の前にホッパーが立ち塞がった。彼の首を掴んで持ち上げたホッパーだったが、空から舞い落ちる雪に触れた瞬間、洗脳が解けたのだった。ホッパーが手を下さないことで痺れを切らしたスパイダーが克彦に止めを刺そうとしたそのとき、猛はそれを阻止した。スパイダーはホッパーを倒そうとしたものの圧倒的なパワーの違いを見せつけられ「裏切り者にはショッカーの裁きを」と言い残して姿を消した。人の姿に戻った猛は克彦を介抱しよう近づいたが、その様子を回復したあすかに見られたため慌てて逃げ出したのだった。

屋台的映画館

卒業旅行 ニホンから来ました

  • posted at:2009-10-23
  • written by:砂月(すなつき)
そつぎょうりょこうにほんからきました
東宝=バンダイビジュアル
配給:東宝
製作年:1993年
公開日:1993年9月4日
監督:金子修介
製作:山科誠 高井英幸
プロデューサー:島谷能成 渡辺達夫 小林壽夫 山田耕大
原作:一色伸幸
脚本:一色伸幸
音楽:大谷幸
音楽プロデューサー:岩瀬政雄
・・・:「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」西城秀樹
撮影:栃原広昭
美術:山口修
照明:高柳清一
録音:林大輔
編集:冨田功
助監督:富樫森
企画制作:メリエス
出演:織田裕二 鹿賀丈史 鶴田真由 小坂一也 水野久美
アメリカンビスタ カラー 98分

冴えない男・三木靖男は、留年しながらも三流大学史学部をなんとか卒業した。就職の内定が決まった彼は、卒業旅行の行き先に憧れのチトワン王国を選んだ。チトワンは古代遺跡の宝庫だったため、考古学マニアの彼にとって夢のような国だ。チトワン王国は、タイとラオスに挟まれた小さな国で、細長い形をしていることから「アジアのバナナ」と呼ばれた。貧しいこの国は観光による収入に頼っていたが、唯一の観光資源であるホロンヌール遺跡を訪れるものは皆無に等しかった。チトワンの首都・チトワの街に足を踏み入れた靖男は、真っ先に遺跡に向かいカメラのシャッターを切り続けた。ところがどうも様子がおかしい。歌をこよなく愛するチトワンの人々は、何故か「昴」や「北酒場」を歌っていた。人通りの多い街には日本語が氾濫し、店には日本人のアイドル歌手のカセットテープが所狭しと並べられていた。この国のレスラーが日本に渡り、関取になったのがきっかけで「ニホンブーム」が到来したのだ。

靖男が困っているところへ怪しげな日本人が現れた。その男は桃山百夫と名乗るブローカーだった。ブローカーというと聞こえがいいが、日本に来る出稼ぎ女性を斡旋していたのだ。桃山は、靖男に儲け話を切り出した。「外タレにならないか?」。靖男はきっぱりと断ったが、桃山に催眠術を掛けられてしまったのだ。数日後、正気に戻った靖男は自分の姿を見て愕然とした。スパンコールとフリルが付いたド派手な衣装にケバいメイク、そしていつのまにか彼の名前が「一発太郎」となっていたのだ。話が違うと泣き叫ぶ靖男だったが、桃山にマリファナとウォッカで強制的にハイにさせられ、無理矢理テレビの生放送のステージ立たされた。「ペッパー警部」の演奏が始まると、子供のときに夢見たスターになりたいという願望が甦り、ノリノリで歌い切ってしまった。その後、彼は激しい羞恥心に襲われ泣きじゃくったが、予想以上の反響が彼を待ち構えていたのだ。テレビ局は一局しかないため、たちまち「一発太郎」の名前と顔は全国に知れ渡った。こうして新たなアイドル・スターは誕生した。

屋台的映画館

野球狂の詩 北の狼・南の虎

  • posted at:2009-10-12
  • written by:砂月(すなつき)
やきゅうきょうのうたきたのおおかみみなみのとら
日本アニメーション
配給:東映
製作年:1979年
公開日:1979年9月15日 併映「未来少年コナン」
監督:岡部英二
製作:本橋浩一
プロデューサー:渡辺忠美
原作:水島新司
構成:岡部英二
企画:佐藤昭司
撮影監督:三沢勝治
音楽:京建輔
・・・:「北の狼 南の虎」水木一郎
・・・:「かあさんの灯」水木一郎
美術監督:半藤克美
編集:岡安肇
声の出演:曽我部和行 大宮悌二 雨森雅司 武藤礼子 納谷悟朗
スタンダード カラー 90分

北海道白大雪市市民球場では、春のセンバツ大会の出場権を懸けた一戦が行われていた。「北の狼」と呼ばれていた白大雪高校一年のエース・火浦健は、9回裏のマウンドに上がった。雪が舞い、グラウンドがぬかるむという最悪のコンディションにもかかわらず、彼の球速は衰えることを知らなかった。健は旭川学院の最後のバッターを力でねじ伏せ、甲子園への切符を手にした。一方、校長室では問題が起こっていた。健の父親・火浦政は人斬りの政と呼ばれ、その道では知らぬものはいなかった。北道建設に勤務しているが、その建設会社の実態は暴力団事務所だった。PTAの面々は、そのことが高野連に知れると甲子園への道が閉ざされてしまうのではないかと気が気ではなかったのだ。校長は、部室にいた健と話し合うことにした。

健は政の実の子供ではなかった。16年前、難産で妻と子供を一度に失った政は悲しみに暮れ、生活は荒れた。そして度々起こるヤクザ同士の喧嘩に首を突っ込んだ。そんな無鉄砲さに北道組の先代社長は感銘を受け、彼のために懇親会を開いた。雪が降るその晩、政は帰り道で一人の赤ん坊を拾った。しかし家に連れ帰ったものの、政には子供を育てる自信がなかった。そんなときに助けてくれたのが、隣に住むおたねだった。おたねは、きっと亡くなったお峰が引き合わせてくれたんだと言い、覚悟を決めた政は、健と名付けたその子を責任持って育てることにした。

ヤクザの世界から足を洗うように言われた政は健と大喧嘩した。しかし息子の夢を叶えるために苦渋の決断をした。北道建設を訪れた政は、三代目社長に杯と封印したドスを返すことにしたのだ。 学校から帰った健は、自宅の前に一台の車が停まっていることに気づき、急いで部屋に駆け込んだ。布団に横たわる政の顔には布が掛けられていた。傍らにいた組の者は、簡単に辞められては他の者への示しがたたないという理由でリンチにあったが、政は一度も抵抗しなかったと証言し、封印したままのドスを見せた。健は父親の面子を潰さないために野球部を辞めてきたのだ。頭に血が上った健はドスを引っ掴むと事務所に乗り込み、社長を斬りつけた。掛け付けた警官に取り押さえられた健の甲子園への道はここで断たれた。

あの事件から2年が経ったある夏の日、青函連絡船で北海道を後にする健の姿があった。船内では甲子園中継が放送されていたが、健の目は決勝戦で逆転サヨナラ本塁打を放ち、優勝を決めたスラッガーに釘付けになっていた。スラッガー=阿蘇高校三年・大島大介。人は彼を「南の虎」と呼んだ。

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TAKESHI’S

  • posted at:2009-10-01
  • written by:砂月(すなつき)
たけしず
バンダイビジュアル=TOKYO FM=電通=テレビ朝日=オフィス北野
配給:松竹=オフィス北野
製作年:2005年
公開日:2005年11月5日
監督:北野武
プロデューサー:森昌行 吉田多喜男
ラインプロデューサー:小宮慎二
脚本:北野武
撮影:柳島克己
照明:高屋齋
美術:磯田典宏
録音:堀内戦治
整音:堀内戦治
編集:北野武 太田義則
衣裳デザイン:山本耀司
出演:ビートたけし 北野武 京野ことみ 岸本加世子 大杉漣
アメリカンビスタ カラー 107分

ビートたけしはタレント業の他に映画監督や俳優、作家などあらゆる方面で才能を見せ多忙な日々を送っている。ビッグになれば望んだものは何でも手に入り、愛人を四六時中はべらすことだって出来る。だが当然のことながら、ファンの追っ掛けや新人を売り込んでくる芸能事務所のマネージャーなどがうるさく付きまとい、彼を敵視する大物タレントからは大っぴらに中傷された。その日はドラマの撮影の最終日で、用意された楽屋に入ると同期のタレントがある男を紹介した。男はたけしそっくりで、北野武という名の売れない役者だった。武はたけしからサインをしてもらうと恥ずかしそうに帰って行った。アパートに戻ると建物の前で追っ掛けの女の子が待っていた。武は女の子から差し入れを申し訳なさそうに受け取ると、小声でありがとうと言った。その夜、彼はたけしがドラマの撮影を行う夢を見た。

役者を目指す彼は日夜コンビニで働き、オーディションがあると聞くと片っ端から受けた。顔が似ていることから髪型をたけしにまねたが、生まれつきの不器用さが災いし最後まで演技を続けることが出来なかった。彼の部屋には尊敬するたけしが主演した映画「灼熱」のポスターが貼ってあった。

武はオーディションを受けたが、「こっちが聞く前にいうんじゃねえ。」というセリフを言う前に、イメージがガンコなラーメン屋のおやじと違うという理由で失格となった。落ち込む彼は廊下の椅子に静かに腰掛けた。

コンビニでは不審な女性が客としてやってきて手当たり次第に商品をカゴに詰め込むとそのまま出て行こうとした。武が声を掛けると女性はお金を払うのだったいらないと言い出し、そばにあった十円のお菓子を一万円札で払おうとしたのだ。武が細かいのはないのかと聞くと女性は怒ったようにないわよといったため、しぶしぶ受け取った。おつりを返すと、女性は再び十円のお菓子を手に取って千円札で払おうとした。さっきのおつりがあったでしょと武がいうと、女性はまた怒ったように小銭を貯めてるのよと言った。仕事を終えた武が雀荘へ行くと、空きがなかったためしばらく椅子に座って待つことにしたが、そのうちに眠り込んでしまった。

廊下の椅子で待つうちに眠り込んでしまった武は、審査員に声を掛けられて目覚めた。「君、合格だよ」。

武が顔を上げると、雀荘のおやじが「一人空いたよ」と言った。だがその日はツキがなく一人負けした。帰り道にラーメン屋に立ち寄ると、出て来た客が「ここの醤油ラーメンはうまいで!」と言った。カウンターの席に座った武はその言葉を信じて醤油ラーメンを頼んだ。するとガンコなイメージのおやじに「こっちが聞く前に言うんじゃねえ」と怒鳴られた。

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