忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

昭和枯れすすき

  • posted at:2010-03-14
  • written by:砂月(すなつき)
しょうわかれすすき
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1975年
公開日:1975年6月7日 併映「球形の荒野」
監督:野村芳太郎
製作:杉崎重美
原作:結城昌治
脚本:新藤兼人
音楽:菅野光亮
演奏:菅野光亮とノイエ・ハーモニー・オーケストラ
主題歌:「昭和枯れすすき」さくらと一郎
挿入歌:「昭和おぼろ月」さくらと一郎
撮影:川又昂
美術:森田郷平
録音:山本忠彦
調音:松本隆司
照明:小林松太郎
編集:太田和夫
装置:石渡敬之助
装飾:磯崎昇
衣裳:松竹衣裳
現像:東洋現像所
進行:柴田忠
出演:高橋英樹 秋吉久美子 鈴木瑞穂 伊佐山ひろ子 池波志乃
アメリカンビスタ カラー 87分

都会の片隅のアパートで暮らす原田兄妹は、十二年前に青森から上京した。彼らの母は、父が出稼ぎで留守をしている間に化粧品のセールスマンと失踪し、父も金だけは送って来たが青森に戻ってくることはなかった。ある日、父は工事現場で下敷きになって死んだ。二人は食べるものがない苦しい生活を送ることになったが、周りの者はそれでも手を貸そうとはしなかった。そこで原田たちは故郷を捨てて東京で孤児同然に生きる道を選んだのだ。

西新宿署の刑事となった原田は、洋裁学校に通う妹の典子と毎朝一緒に家を出ることが日課になっていた。原田は典子を学校に送り届けてから署に向かうのだが、彼女は兄が遠ざかるまで見送った。そして姿がわからなくなると今来た道を戻って行った。典子は原田には内緒で学校を辞め、原宿にあるスナック・ジローで働いていたのだ。そんなことを一切知らない原田は横領事件の容疑者を先輩刑事の井島とともに追っていた。ある夜、典子は帰って来なかった。心配になった原田は翌日、新宿駅周辺のパトロールを行ったついでに妹を捜すことにした。そしてついに典子の姿を発見したのだが、家では見たこともない服を着て遊び人風の男と寄り添って歩いていたのだ。スクランブル交差点の向こう側にいた二人を追い掛けたが、人混みに紛れて見失ってしまった。原田は近くにあった公衆電話で洋裁学校に問い合わせ、そこで初めて典子が退学したことを知ったのだった。仕事を終えて自宅に帰ると、典子は何事もなかったように夕食を作っていた。原田は安堵するとともに懸念を抱いていた。典子と一緒にいた吉浦は暴力団員で風俗嬢・トシ子のヒモだったからだ。原田が説教すると、典子はもうつき合わないと約束した。

結婚を許してくれなければ家を出て行くという愛娘を父親が刺殺するという事件が発生した。捜査に立会い様々な愛情の形があることを知った原田は、大事な典子を常に監視下に置くことにした。尾行を行ったところ、彼女の行く先が歌舞伎町のあずさホテルであることがわかり愕然とした。止める職員を振り払って部屋に入り込むと、そこには白いスーツで身を固めた中川という男が立っていた。かつて典子は中川とつき合っていたが、刑事の妹なんてゴメンだと言って捨てられたのだ。原田はそれ以降、二人の関係は終わったと思っていたが、中川から貰ったペンダントを大切にしていることでそうではないことを知り思い悩んだ。それからしばらく経った頃、古アパートで殺人事件が起きた。殺されたのは吉浦で、トシ子が仕事から帰るとネッカチーフで首を絞められて死んでいたのだ。吉浦が以前からある女と別れたがっていたことから、トシ子はその女が恨んで殺したに違いないと言った。吉浦の側らには女性用のペンダントが落ちており、それを見た原田の顔色が変わった。典子が持っていたものと同じ形だったからだ。

屋台的映画館
PR

仮面学園

  • posted at:2010-03-07
  • written by:砂月(すなつき)
かめんがくえん
「仮面学園」製作委員会(角川書店=ホリプロ=東映=アスミック・エース エンタテインメント)
配給:東映
製作年:2000年
公開日:2000年8月5日 併映「死者の学園祭」
監督:小松隆志
エクゼクティブプロデューサー:原正人
プロデューサー:柘植靖司 石矢博
原作:宗田理
脚本:橋本裕志
撮影:高瀬比呂志
音楽プロデューサー:浅沼一郎 安井輝
音楽:真魚
主題歌:「ランブル フィッシュ」Do As Infinity
照明:赤津淳一
録音:武進
美術:内田哲也
編集:足立浩
スクリプター:赤澤環
音響効果:柴崎憲治
キャスティング:杉野剛
助監督:原正弘
製作担当:朝比奈真一
製作プロダクション:アスミック・エース エンタテインメント
出演:藤原竜也 黒須麻耶 渡辺いっけい 石垣佑磨 栗原千明
アメリカンビスタ カラー 90分

私立光陽館高校に通う川村有季のもとに一通の電子メールが届いた。それはパーティーへの招待状だった。送り主は中学時代に同級生だった殿村秀治で、内気な性格だった彼とは一度も話をしたことがなかった。そんな彼からの招待を簡単に断わっていいものかと思い悩んでいた有季は、翌日クラスメイトの芦原貢に相談した。すると貢も同じメールを受け取っていたことがわかった。殿村は中学のときの同級生全てにメールを送信したが友達と呼べる人は誰もいなかったため、受け取った人は皆困惑していた。その日、いじめが原因で登校拒否をしていた段田徹が突然学校に現れた。不気味な仮面をつけた彼は初めて鬼頭誠に言い返したのだった。三日後、段田の影響を受けた北村憲治たちが仮面をつけて行動を起こし、鬼頭に歯向かった。事を荒立てたくない2年A組担任・野坂弘美は、段田と中学の同級生だった有季と貢に説得して欲しいと願い出たのだった。二人は段田と話す機会を持ち、仮面はいじめられる側の武装で、生まれ変わった自分を手に入れるためのアイテムであることがわかった。その情報の発信源は殿村であることを知り興味を引かれた有季は今夜のパーティーに出席することにした。

パーティー会場へやってきた有季と貢が驚いたのは、おとなしかった殿村が別人のように弾けていたからだった。殿村はこの会場に集まった人たちに仮面を付けさせた。そうすることで参加者は別の人格となり、大胆になれるからだった。貢が付けようかと迷っていると、有季の大きな声が響いた。「何考えてんのよ、スケベ!」。怒った有季は部屋を出て行った。有季は出口を探しているうちに一人の少年と出会った。少年は有季をある場所へ導いて行った。そこは仮面工房という名の小さな建物だった。壁に仮面が飾られた階段を降りて行くと、美しい顔の青年が座っていた。青年は仮面の製作者である堂島暁だった。有季は堂島が差し出した仮面を受け取ってしまった。

パーティーを境に、仮面を付けて登校する生徒が格段に増えた。その頃、世界的なファッションデザイナーのケン・ダイモンがブームに便乗して奇抜な新作を発表し、仮面モデルHIROKOとTOSHIを売り出した。都立田原西高校では仮面を教師から無理矢理剥がされたことを苦にした自殺者まで現れたことで、精神科医の城之内雄一郎は仮面がファッションの領域を超えて社会現象にまで高まっていると説いた。有季は、殿村が教師から仮面を取られたという理由だけで自殺したという話に疑問を感じていた。そこで週刊ホッパーの編集者でおじの矢場守に取材を依頼した。

屋台的映画館

満員電車

  • posted at:2010-02-28
  • written by:砂月(すなつき)
まんいんでんしゃ
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1957年
公開日:1957年3月27日
監督:市川崑
製作:永田秀雅
企画:土井逸雄
脚本:和田夏十 市川崑
音楽:宅孝二
撮影:村井博
録音:渡辺利一
照明:米山勇
美術:下河原友雄
装置:大塚武雄
装飾:雲居譲
小道具:神田一郎
背景:清水豊
園芸:高花重孝
工作:田村誠
電飾:横手三四郎
技髪:牧野正雄
結髪:岩掘郁代
衣裳:高岡佐知子
音響効果:花岡勝次郎
移動効果:大久保松雄
スチール:宮崎忠男
俳優事務:奥村裕彰
記録土屋テル子
照明助手:大原正男
美術助手:千田隆
進行係:大橋俊雄
特殊技術:的場徹
撮影助手:浅井宏彦
録音助手:奥村幸雄
助監督:増村保造
編集:中静達治
製作主任:熊田朝男
出演:川口浩 川崎敬三 船越英二 小野道子 笠智衆
スタンダード モノクロ 99分

平和大学の卒業式は、どしゃ降りの校庭だった。本来は講堂でで執り行われる予定だったが、前日の火事で焼失したため急遽会場が変更されたのだ。大学総長は「昨今のごとき雨あり風あり嵐ある社会に巣立って行く諸君にとって、本日ほどふさわしい祝典はまたとないであろう」などとうまいことを長々としゃべっていたが、卒業生の一人である茂呂井民雄は虫歯が疼くのを我慢しながら式典が終わるのを待った。社員講習の日、大日本駱駝麦酒株式会社への就職が決まっている民雄は、午後5時までに講習先である東京本社へ向かわなければならないため、そそくさと荷物をまとめて下宿を後にした。日本には我々が希望を持って座れるような席は何処にも空いてない。その満員電車に乗るためには訳もなく張り切らなくてはだめなように世の中は出来ていると彼は考えていた。いざスーツを着て社会に出てみると、学生時代にはわからなかった世の中の喧騒が見えるようになり、そのおかげで忘れていた虫歯がまた疼き出した。仕方なく歯科に駆け込んだが、待合室は大勢の患者たちで溢れ返っていた。歯の治療を終えた民雄が時間までにやらなければならないこと、それはガールフレンドとの清算だった。百貨店や映画館を回り、嫌いになったわけじゃないが学生時代の生活感情を捨て新しい生活を始めたいと説明すると彼女らは快諾した。民雄がバスを待っていると、一緒に卒業した壱岐留奈がやってきた。岩手県・一関の高校に教師として赴任することになっている彼女も民雄のガールフレンドだった。民雄が新しい生活に出発するわけだから今までの関係を水に流した方がいいと思うと切り出すと、私もそう思うわと留奈は答えた。二人は「さよなら」と言うと軽くキスをして別れた。

4日間に亘る講習が始まり、全国から10人の若者が集まった。だが一般採用されたのは民雄ともうひとりだけで、他の7人はみな縁故関係者だった。退屈な講習が終了し、民雄は尼ヶ崎工場への赴任が決まった。サラリーマンとしての第一日目、満員電車でもみくちゃにされながら通勤した民雄は、午前8時の始業を知らせるサイレンとともに仕事に取り掛かった。机の前には注文伝票がいっぱいに入った篭が置かれていたが、彼はその処理をあっという間に終わらせた。くつろいでいる民雄に気づいた工場長は、何故仕事をしないのかと尋ねた。民雄はもう終わらせたと答えたが、一日の仕事は決まっているのだからそれを規則正しく午後5時までやることが大切だと工場長は説明した。そうでないと会社の合理的運営がスムーズに行かなくなるというのが理由だった。翌日から民雄は工場長の指示通りに仕事をこなすことにした。彼が最初に始めたことは、勤務時間を有効に使うための計算だった。200枚ある伝票を1枚当たり2分4秒で処理すればいいことがわかった。民雄は業務に取り掛かったが、工場の騒音にまたしても虫歯が疼き始めた。

屋台的映画館

生首情痴事件

  • posted at:2010-02-23
  • written by:砂月(すなつき)
なまくびじょうちじけん
大蔵映画
配給:大蔵映画
製作年:1967年
公開日:1967年5月31日
監督:小川欽也
脚本:津川京一
撮影:岩橋秀光
音楽:長瀬貞夫
美術:宮坂克巳
照明:石田清三郎
録音:田中安治
助監督:岩本高徳
編集:金子半三郎
記録:有明竜二
製作主任:永野保徳
出演:火鳥こづえ 泉ユリ 高月絢子 鶴岡八郎 冬木喬三
シネマスコープ パートカラー 68分

3年前に林田教授の財産と名誉が目的で娘の玲子と結婚した藤山五郎は、そのおかげで大学の研究室勤務から東洋機業の設計課長に栄転することが出来た。結婚を機会にそれまで付き合っていた同じ研究員の有島順子との関係を清算したことで、傷心した彼女が研究室を辞めて故郷へ帰ったものだと周りの者は思っていたが、五郎にとってそれは好都合だった。何故ならこの財産乗っ取り計画は彼と順子の間で極秘に進められている計画であり、完了まであと一歩のところまで来ているからだ。

部屋で土地の登記書や株券などを調べていた五郎は、突然部屋に入ってきた玲子に驚き慌てふためいた。とっさに浦和に手頃な工場が売りに出ているので独立を考えていると言い訳をしたが、玲子の視線は冷たかった。その態度に苛立ちを覚えた五郎は雑言を浴びせたが、彼の怒りの原因はそれだけではなかった。林田が亡くなるときに、家や土地などの財産を全て玲子名義に書き換えたことがわかったからだ。そのことを彼女は知らなかったが、独立のための投資に妻が協力するのは当然の義務だと言われ心を決めた。玲子は、全ての書類の名義を変更することは構わないと前置きし、その代わりとして順子との関係を断つことを条件にしたのだった。二人が研究員時代から交際があり、今でも月々の仕送りをしていることを見抜かれていたのだ。開き直った五郎は、お前とは元々好きで結婚したわけではなく親父さんの財産やポストが欲しかっただけだと本音を語った。その頃、順子は不動産屋で新居の物件の契約をしようとしていたが、五郎からの電話でそれが出来なくなったことを知った。主人に詫びを言って去ろうとしたところ、ある提案をされた。五郎をレストランに呼び出した順子はいつまでも進展しない状況を愚痴り、屋敷を4千万円で買う者がいても名前だけの夫じゃどうしようもないわねと皮肉った。それを聞いた五郎は思索を練った。

車中で何処かに通う玲子の姿を見かけた五郎は、彼女が帰宅するときつく問い詰めた。すると玲子は突然離婚を口にしたのだった。五郎は男の存在を疑ったが、玲子は子供を守るためだと言った。彼女は3ヶ月の子供を身篭っており、父親の認知を受けてから離婚しようと以前から考えていたのだが、今の生活を続けていれば精神に異常をきたして子供の命を奪われ兼ねないと考えたからだ。翌日、五郎が順子にその話をすると、離婚裁判に持ち込まれた場合にこのままではあなたに勝ち目はないと言われた。その夜、彼が自宅に往診させた医師は順子の知り合いだった。

屋台的映画館

Undo アンドゥー

  • posted at:2010-02-16
  • written by:砂月(すなつき)
あんどぅー
フジテレビ=ポニーキャニオン
配給:ヘラルド・エース
製作年:1994年
公開日:1994年10月7日
監督:岩井俊二
製作:堀口壽一 田中迪
プロデューサー:牛窪正弘 馬場勲 尾越浩文
コ・プロデューサー:加藤裕子 南條昭夫 堀部徹 亀井宏幸 長澤雅彦 
脚本:岩井俊二
撮影:篠田昇
美術:細石照美
ポストプロダクションスーパーバイザー:掛須秀一
音楽:REMEDIOS
録音:土屋和幸
照明:隅田浩行
編集:岩井俊二
助監督:行定勲
出演:山口智子 豊川悦司 田口トモロヲ
スタンダード カラー 47分

犬が飼いたいと妻・萌実が言い出した。だが夫婦が暮らすマンションには動物を飼ってはならないという規則があったため、夫・由起夫は一計を案じた。彼がペットショップで買ってきたもの、それは二匹の亀だった。電動ドリルで甲羅に穴を開け、そこにリードを繋げば散歩だって可能だ。当初、萌実は不満げだったが、次第に受け入れた。歯列矯正の治療が終わったことで自由な時間が出来た萌実だったが、それとは逆に由紀夫の方は仕事に追われるようになった。時間を持て余した萌実は退屈しのぎに編み物を始めた頃、由紀夫は亀が二匹とも毛糸で縛られていることに気付いた。ノソノソ歩かれると困るということだったので亀を水槽に戻した。それから数日後、調べ物のために本棚に向かった由紀夫は奇妙な光景を目撃した。一冊の本が糸で縛られているのだ。糸を切ろうとしてペン立てから取り出したハサミも縛られていた。苦労をしてハサミを自由にしたとき、編み物をしていた妻から呼び掛けられた。何気なく振り向いた由紀夫は、萌実の様子に愕然とした。彼女の両手には毛糸が複雑に絡まっていたのだ。由紀夫は萌実を連れてカウンセラーを訪ね、診察をしてもらった。その結果、強迫性緊縛症候群と診断された。病名を聞いて戸惑う由紀夫に、カウンセラーは「一種の愛の病ですよ」と言った。その日を境に萌実の症状は悪化し、物を縛る行動はエスカレートして行った。呼びかけにも耳を貸さず、一心不乱に物を縛るようになった萌実を心配した由紀夫は、再びカウンセラーを訪ねた。

カウンセラーは、萌実には自分が縛られているような強迫観念があり、二人の生活の中に何かその要因があるからそれが症状となって現れるんですと言った。心当たりを聞かれしばらく考えた由紀夫は、縛りつけているというより、むしろほどけているんだと思いますと答えた。カウンセラーは何度も頷きながら、そういうことですよと言った。帰りのタクシーの中で由紀夫は、今度の週末に何処か出掛けようと萌実に話しかけた。仕事が一段落したら南の島へでも行こうかなどとひとり言を呟く彼に、「由紀夫ちゃん、病気なの?」と萌実は言った。由紀夫はその言葉に衝撃を受けた。むしろ自分の方が病気なのかもしれない、と。物を縛るだけで満足出来なくなった萌実は、「待ってる」や「愛」など目に見えないものまで縛るようになっていた。由紀夫から症状を聞いたカウンセラーは、縛られることで幾分かの安心感が得られるでしょうから、とりあえず今夜辺り本人を縛ってみてくださいとアドバイスした。

屋台的映画館

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

フリーエリア

 

P R