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魔界転生(1981年)

  • posted at:2010-03-28
  • written by:砂月(すなつき)
まかいてんしょう
東映=角川春樹事務所
配給:東映
製作年:1981年
公開日:1981年6月6日
監督:深作欣二
製作:角川春樹
プロデューサー:佐藤雅夫 本田達男 稲葉清治
原作:山田風太郎
脚本:野上龍雄 石川孝人 深作欣二
企画:角川春樹事務所
撮影:長谷川清
音楽:山本邦山 菅野光亮
美術:井川徳道 佐野義和
照明:増田悦章
録音:中山茂二
編集:市田勇
擬斗:菅原俊夫
衣装アドバイス:辻村ジュサブロー
出演: 千葉真一 沢田研二 佳那晃子 緒形拳 室田日出男
アメリカンビスタ カラー 122分

徳川幕府のキリスト教徒弾圧に端を発した島原の乱は、九十四日間の死闘の後、戦いの幕を閉じた。十二万の幕府軍将兵は一揆勢三万七千人をことごとく惨殺、しかもその戦禍を誇大に伝えるために一つの首を二つに断ち割って四万五千個の首を得たと称し勝利の酒に酔った。将兵たちは宴を張り勝利を祝っていたが、突然の落雷に遭った。そのとき、彷徨える魂がこの世に転生した。天草四郎時貞は、苦しみながら死んでいった者たちの恨みを晴らすために神を捨て、慈愛の心をかなぐり捨てた。そして魔界の神を呼び寄せると体内へ受け入れ、復讐の旅に出立した。

肥後之国へ来た四郎は、キリシタンとして数奇な運命を辿った細川ガラシャを甦らせ、阿蘇では未練を残して最後のときを迎えていた宮本武蔵に柳生但馬守宗矩、そして柳生十兵衞三厳と戦う力を与えた。次に奈良へ渡ると、煩悩に打ち勝てずに自害した十文字鎌槍の創始者・宝蔵院胤舜に命を与えた。伊賀之国は甲賀の襲撃に遭い、隠れ里の住民は皆殺しにされた。そのことを知らずにやってきた十兵衞は惨憺たる光景に唖然とした。馬で走り去る一行に出くわし身の危険を感じて木の上に逃げた十兵衞は、その中に隠れ里の霧丸がいることに気付いた。霧丸は以前、柳生家に奉公していた。

四郎は将軍家綱の東照宮参詣に乗じ、ガラシャを巫女として潜り込ませた。松平伊豆守信綱の懐刀であり、伊賀の里襲撃の中心人物である甲賀玄十郎には霧丸をぶつけた。そして島原の乱で陣頭指揮を執った信綱には自らが刃を抜いた。家綱はお玉の方の愛欲に溺れ、次第に狂気じみていった。

十兵衞からの知らせが耳に入ったとき、柳生宗矩は妖刀・村正の手入れをしていた。宗矩は東照宮の変や大奥の乱れはお玉の方から端を発していると考えていた。そこで彼は息子の左門友矩を呼び、乱心を装ってお玉の方を斬るという大胆な計略を話した。

屋台的映画館
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  • posted at:2010-03-21
  • written by:砂月(すなつき)
あな
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1957年
公開日:1957年10月15日
監督:市川崑
製作:永田秀雅
脚本:久里子亭
企画:藤井浩明
撮影:小林節雄
音楽:芥川也寸志
Song:「DREAM」石原慎太郎
美術:下河原友雄
録音:渡辺利一
照明:米山勇
装置:高橋辰蔵
装飾:隠田茂治
小道具:神田一郎
背景:清水豊
園芸:高花重孝
移動効果:大久保松雄
工作:田村誠
電飾:奥田秀雄
音響効果:小倉信義
俳優事務:大堀善造
技髪:工藤貞夫
結髪:篠崎卯女賀
衣裳:原貞一
スチール:椎名勇
記録:大橋仁子
撮影助手:浅井宏彦
録音助手:峰尾猛
照明助手:千品正治
美術助手:井上章
進行係:大橋俊雄
編集:中静達治
助監督:井上芳夫
製作主任:熊田朝男
出演:京マチ子 菅原謙二 船越英二 川上康子 山村聡
スタンダード モノクロ 103分

文芸公論の美人記者・北長子は、鳥飼秋太巡査から聞き出した情報を基にして汚職警官の実態を記事にした。記事ではG警察のS警部となっていたものの、思い当たる節のある猿丸警部はカンカンだった。編集長室に乗り込んだ猿丸は名誉毀損で訴えてやると大声でまくし立て、大屋はその責任を十分に感じているとから記事を書いた者は昨日クビにしたと言った。

ジャーナリストとして最高の記事を書いたのに会社を辞めさせられた長子は、悲観して自宅で遺書を書いていた。彼女はいつも落ち込むと遺書を書くのだ。そこへやってきた友達の赤羽スガは、誰でも読みたくなるような記事を書けば、次の仕事はすぐに見つかると彼女を慰めた。そこでスガは、警察力の行き渡った小さな島国でありながら年間に30人余りの行方不明者が発生している日本の現状に目を付け、失踪事件のルポルタージュを書きそれを売り込むことを勧めた。そして事件のモデルは長子自身がやればいいと言った。

早速、二人は企画を週刊ニッポン社に持ち込んだが、社長兼編集長兼キャメラマン兼社員の甘粕左平は乗り気ではなかった。そこでスガはとっておきの企画を提案した。週刊ニッポンと長子が賭けをやるというのだ。長子が1ヶ月間失踪し、彼女が発見されれば発見者に賞金を。捕まらなければ賞金は彼女のものになり、同時にルポルタージュを雑誌に掲載するというものだった。感銘を受けた(儲かると踏んだ)甘粕は即答し、最新号に企画を載せることにした。

OKは出たものの、必要経費は自前で用意しなくてはならなかった。長子はスガの紹介で第億銀行の渋谷支店長・白州桂吉と会った。白州は長子が話す奇妙な企画を神妙な面持ちで聞いていたが、スガとの古くからの知り合いということもあり、彼女を信用して融資することになった。白州が担保がない長子に融資をしたのは徒ならぬ理由があった。白州は、部下の千木恋介、六井外次と共謀して、顧客の預金を横領する計画を立てていた。そして長子をその犯人に仕立てようと企んでいたのだ。そんなこととは知らない彼女は日本中を逃げ回った。

屋台的映画館

昭和枯れすすき

  • posted at:2010-03-14
  • written by:砂月(すなつき)
しょうわかれすすき
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1975年
公開日:1975年6月7日 併映「球形の荒野」
監督:野村芳太郎
製作:杉崎重美
原作:結城昌治
脚本:新藤兼人
音楽:菅野光亮
演奏:菅野光亮とノイエ・ハーモニー・オーケストラ
主題歌:「昭和枯れすすき」さくらと一郎
挿入歌:「昭和おぼろ月」さくらと一郎
撮影:川又昂
美術:森田郷平
録音:山本忠彦
調音:松本隆司
照明:小林松太郎
編集:太田和夫
装置:石渡敬之助
装飾:磯崎昇
衣裳:松竹衣裳
現像:東洋現像所
進行:柴田忠
出演:高橋英樹 秋吉久美子 鈴木瑞穂 伊佐山ひろ子 池波志乃
アメリカンビスタ カラー 87分

都会の片隅のアパートで暮らす原田兄妹は、十二年前に青森から上京した。彼らの母は、父が出稼ぎで留守をしている間に化粧品のセールスマンと失踪し、父も金だけは送って来たが青森に戻ってくることはなかった。ある日、父は工事現場で下敷きになって死んだ。二人は食べるものがない苦しい生活を送ることになったが、周りの者はそれでも手を貸そうとはしなかった。そこで原田たちは故郷を捨てて東京で孤児同然に生きる道を選んだのだ。

西新宿署の刑事となった原田は、洋裁学校に通う妹の典子と毎朝一緒に家を出ることが日課になっていた。原田は典子を学校に送り届けてから署に向かうのだが、彼女は兄が遠ざかるまで見送った。そして姿がわからなくなると今来た道を戻って行った。典子は原田には内緒で学校を辞め、原宿にあるスナック・ジローで働いていたのだ。そんなことを一切知らない原田は横領事件の容疑者を先輩刑事の井島とともに追っていた。ある夜、典子は帰って来なかった。心配になった原田は翌日、新宿駅周辺のパトロールを行ったついでに妹を捜すことにした。そしてついに典子の姿を発見したのだが、家では見たこともない服を着て遊び人風の男と寄り添って歩いていたのだ。スクランブル交差点の向こう側にいた二人を追い掛けたが、人混みに紛れて見失ってしまった。原田は近くにあった公衆電話で洋裁学校に問い合わせ、そこで初めて典子が退学したことを知ったのだった。仕事を終えて自宅に帰ると、典子は何事もなかったように夕食を作っていた。原田は安堵するとともに懸念を抱いていた。典子と一緒にいた吉浦は暴力団員で風俗嬢・トシ子のヒモだったからだ。原田が説教すると、典子はもうつき合わないと約束した。

結婚を許してくれなければ家を出て行くという愛娘を父親が刺殺するという事件が発生した。捜査に立会い様々な愛情の形があることを知った原田は、大事な典子を常に監視下に置くことにした。尾行を行ったところ、彼女の行く先が歌舞伎町のあずさホテルであることがわかり愕然とした。止める職員を振り払って部屋に入り込むと、そこには白いスーツで身を固めた中川という男が立っていた。かつて典子は中川とつき合っていたが、刑事の妹なんてゴメンだと言って捨てられたのだ。原田はそれ以降、二人の関係は終わったと思っていたが、中川から貰ったペンダントを大切にしていることでそうではないことを知り思い悩んだ。それからしばらく経った頃、古アパートで殺人事件が起きた。殺されたのは吉浦で、トシ子が仕事から帰るとネッカチーフで首を絞められて死んでいたのだ。吉浦が以前からある女と別れたがっていたことから、トシ子はその女が恨んで殺したに違いないと言った。吉浦の側らには女性用のペンダントが落ちており、それを見た原田の顔色が変わった。典子が持っていたものと同じ形だったからだ。

屋台的映画館

仮面学園

  • posted at:2010-03-07
  • written by:砂月(すなつき)
かめんがくえん
「仮面学園」製作委員会(角川書店=ホリプロ=東映=アスミック・エース エンタテインメント)
配給:東映
製作年:2000年
公開日:2000年8月5日 併映「死者の学園祭」
監督:小松隆志
エクゼクティブプロデューサー:原正人
プロデューサー:柘植靖司 石矢博
原作:宗田理
脚本:橋本裕志
撮影:高瀬比呂志
音楽プロデューサー:浅沼一郎 安井輝
音楽:真魚
主題歌:「ランブル フィッシュ」Do As Infinity
照明:赤津淳一
録音:武進
美術:内田哲也
編集:足立浩
スクリプター:赤澤環
音響効果:柴崎憲治
キャスティング:杉野剛
助監督:原正弘
製作担当:朝比奈真一
製作プロダクション:アスミック・エース エンタテインメント
出演:藤原竜也 黒須麻耶 渡辺いっけい 石垣佑磨 栗原千明
アメリカンビスタ カラー 90分

私立光陽館高校に通う川村有季のもとに一通の電子メールが届いた。それはパーティーへの招待状だった。送り主は中学時代に同級生だった殿村秀治で、内気な性格だった彼とは一度も話をしたことがなかった。そんな彼からの招待を簡単に断わっていいものかと思い悩んでいた有季は、翌日クラスメイトの芦原貢に相談した。すると貢も同じメールを受け取っていたことがわかった。殿村は中学のときの同級生全てにメールを送信したが友達と呼べる人は誰もいなかったため、受け取った人は皆困惑していた。その日、いじめが原因で登校拒否をしていた段田徹が突然学校に現れた。不気味な仮面をつけた彼は初めて鬼頭誠に言い返したのだった。三日後、段田の影響を受けた北村憲治たちが仮面をつけて行動を起こし、鬼頭に歯向かった。事を荒立てたくない2年A組担任・野坂弘美は、段田と中学の同級生だった有季と貢に説得して欲しいと願い出たのだった。二人は段田と話す機会を持ち、仮面はいじめられる側の武装で、生まれ変わった自分を手に入れるためのアイテムであることがわかった。その情報の発信源は殿村であることを知り興味を引かれた有季は今夜のパーティーに出席することにした。

パーティー会場へやってきた有季と貢が驚いたのは、おとなしかった殿村が別人のように弾けていたからだった。殿村はこの会場に集まった人たちに仮面を付けさせた。そうすることで参加者は別の人格となり、大胆になれるからだった。貢が付けようかと迷っていると、有季の大きな声が響いた。「何考えてんのよ、スケベ!」。怒った有季は部屋を出て行った。有季は出口を探しているうちに一人の少年と出会った。少年は有季をある場所へ導いて行った。そこは仮面工房という名の小さな建物だった。壁に仮面が飾られた階段を降りて行くと、美しい顔の青年が座っていた。青年は仮面の製作者である堂島暁だった。有季は堂島が差し出した仮面を受け取ってしまった。

パーティーを境に、仮面を付けて登校する生徒が格段に増えた。その頃、世界的なファッションデザイナーのケン・ダイモンがブームに便乗して奇抜な新作を発表し、仮面モデルHIROKOとTOSHIを売り出した。都立田原西高校では仮面を教師から無理矢理剥がされたことを苦にした自殺者まで現れたことで、精神科医の城之内雄一郎は仮面がファッションの領域を超えて社会現象にまで高まっていると説いた。有季は、殿村が教師から仮面を取られたという理由だけで自殺したという話に疑問を感じていた。そこで週刊ホッパーの編集者でおじの矢場守に取材を依頼した。

屋台的映画館

満員電車

  • posted at:2010-02-28
  • written by:砂月(すなつき)
まんいんでんしゃ
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1957年
公開日:1957年3月27日
監督:市川崑
製作:永田秀雅
企画:土井逸雄
脚本:和田夏十 市川崑
音楽:宅孝二
撮影:村井博
録音:渡辺利一
照明:米山勇
美術:下河原友雄
装置:大塚武雄
装飾:雲居譲
小道具:神田一郎
背景:清水豊
園芸:高花重孝
工作:田村誠
電飾:横手三四郎
技髪:牧野正雄
結髪:岩掘郁代
衣裳:高岡佐知子
音響効果:花岡勝次郎
移動効果:大久保松雄
スチール:宮崎忠男
俳優事務:奥村裕彰
記録土屋テル子
照明助手:大原正男
美術助手:千田隆
進行係:大橋俊雄
特殊技術:的場徹
撮影助手:浅井宏彦
録音助手:奥村幸雄
助監督:増村保造
編集:中静達治
製作主任:熊田朝男
出演:川口浩 川崎敬三 船越英二 小野道子 笠智衆
スタンダード モノクロ 99分

平和大学の卒業式は、どしゃ降りの校庭だった。本来は講堂でで執り行われる予定だったが、前日の火事で焼失したため急遽会場が変更されたのだ。大学総長は「昨今のごとき雨あり風あり嵐ある社会に巣立って行く諸君にとって、本日ほどふさわしい祝典はまたとないであろう」などとうまいことを長々としゃべっていたが、卒業生の一人である茂呂井民雄は虫歯が疼くのを我慢しながら式典が終わるのを待った。社員講習の日、大日本駱駝麦酒株式会社への就職が決まっている民雄は、午後5時までに講習先である東京本社へ向かわなければならないため、そそくさと荷物をまとめて下宿を後にした。日本には我々が希望を持って座れるような席は何処にも空いてない。その満員電車に乗るためには訳もなく張り切らなくてはだめなように世の中は出来ていると彼は考えていた。いざスーツを着て社会に出てみると、学生時代にはわからなかった世の中の喧騒が見えるようになり、そのおかげで忘れていた虫歯がまた疼き出した。仕方なく歯科に駆け込んだが、待合室は大勢の患者たちで溢れ返っていた。歯の治療を終えた民雄が時間までにやらなければならないこと、それはガールフレンドとの清算だった。百貨店や映画館を回り、嫌いになったわけじゃないが学生時代の生活感情を捨て新しい生活を始めたいと説明すると彼女らは快諾した。民雄がバスを待っていると、一緒に卒業した壱岐留奈がやってきた。岩手県・一関の高校に教師として赴任することになっている彼女も民雄のガールフレンドだった。民雄が新しい生活に出発するわけだから今までの関係を水に流した方がいいと思うと切り出すと、私もそう思うわと留奈は答えた。二人は「さよなら」と言うと軽くキスをして別れた。

4日間に亘る講習が始まり、全国から10人の若者が集まった。だが一般採用されたのは民雄ともうひとりだけで、他の7人はみな縁故関係者だった。退屈な講習が終了し、民雄は尼ヶ崎工場への赴任が決まった。サラリーマンとしての第一日目、満員電車でもみくちゃにされながら通勤した民雄は、午前8時の始業を知らせるサイレンとともに仕事に取り掛かった。机の前には注文伝票がいっぱいに入った篭が置かれていたが、彼はその処理をあっという間に終わらせた。くつろいでいる民雄に気づいた工場長は、何故仕事をしないのかと尋ねた。民雄はもう終わらせたと答えたが、一日の仕事は決まっているのだからそれを規則正しく午後5時までやることが大切だと工場長は説明した。そうでないと会社の合理的運営がスムーズに行かなくなるというのが理由だった。翌日から民雄は工場長の指示通りに仕事をこなすことにした。彼が最初に始めたことは、勤務時間を有効に使うための計算だった。200枚ある伝票を1枚当たり2分4秒で処理すればいいことがわかった。民雄は業務に取り掛かったが、工場の騒音にまたしても虫歯が疼き始めた。

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