忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

満員電車

  • posted at:2010-02-28
  • written by:砂月(すなつき)
まんいんでんしゃ
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1957年
公開日:1957年3月27日
監督:市川崑
製作:永田秀雅
企画:土井逸雄
脚本:和田夏十 市川崑
音楽:宅孝二
撮影:村井博
録音:渡辺利一
照明:米山勇
美術:下河原友雄
装置:大塚武雄
装飾:雲居譲
小道具:神田一郎
背景:清水豊
園芸:高花重孝
工作:田村誠
電飾:横手三四郎
技髪:牧野正雄
結髪:岩掘郁代
衣裳:高岡佐知子
音響効果:花岡勝次郎
移動効果:大久保松雄
スチール:宮崎忠男
俳優事務:奥村裕彰
記録土屋テル子
照明助手:大原正男
美術助手:千田隆
進行係:大橋俊雄
特殊技術:的場徹
撮影助手:浅井宏彦
録音助手:奥村幸雄
助監督:増村保造
編集:中静達治
製作主任:熊田朝男
出演:川口浩 川崎敬三 船越英二 小野道子 笠智衆
スタンダード モノクロ 99分

平和大学の卒業式は、どしゃ降りの校庭だった。本来は講堂でで執り行われる予定だったが、前日の火事で焼失したため急遽会場が変更されたのだ。大学総長は「昨今のごとき雨あり風あり嵐ある社会に巣立って行く諸君にとって、本日ほどふさわしい祝典はまたとないであろう」などとうまいことを長々としゃべっていたが、卒業生の一人である茂呂井民雄は虫歯が疼くのを我慢しながら式典が終わるのを待った。社員講習の日、大日本駱駝麦酒株式会社への就職が決まっている民雄は、午後5時までに講習先である東京本社へ向かわなければならないため、そそくさと荷物をまとめて下宿を後にした。日本には我々が希望を持って座れるような席は何処にも空いてない。その満員電車に乗るためには訳もなく張り切らなくてはだめなように世の中は出来ていると彼は考えていた。いざスーツを着て社会に出てみると、学生時代にはわからなかった世の中の喧騒が見えるようになり、そのおかげで忘れていた虫歯がまた疼き出した。仕方なく歯科に駆け込んだが、待合室は大勢の患者たちで溢れ返っていた。歯の治療を終えた民雄が時間までにやらなければならないこと、それはガールフレンドとの清算だった。百貨店や映画館を回り、嫌いになったわけじゃないが学生時代の生活感情を捨て新しい生活を始めたいと説明すると彼女らは快諾した。民雄がバスを待っていると、一緒に卒業した壱岐留奈がやってきた。岩手県・一関の高校に教師として赴任することになっている彼女も民雄のガールフレンドだった。民雄が新しい生活に出発するわけだから今までの関係を水に流した方がいいと思うと切り出すと、私もそう思うわと留奈は答えた。二人は「さよなら」と言うと軽くキスをして別れた。

4日間に亘る講習が始まり、全国から10人の若者が集まった。だが一般採用されたのは民雄ともうひとりだけで、他の7人はみな縁故関係者だった。退屈な講習が終了し、民雄は尼ヶ崎工場への赴任が決まった。サラリーマンとしての第一日目、満員電車でもみくちゃにされながら通勤した民雄は、午前8時の始業を知らせるサイレンとともに仕事に取り掛かった。机の前には注文伝票がいっぱいに入った篭が置かれていたが、彼はその処理をあっという間に終わらせた。くつろいでいる民雄に気づいた工場長は、何故仕事をしないのかと尋ねた。民雄はもう終わらせたと答えたが、一日の仕事は決まっているのだからそれを規則正しく午後5時までやることが大切だと工場長は説明した。そうでないと会社の合理的運営がスムーズに行かなくなるというのが理由だった。翌日から民雄は工場長の指示通りに仕事をこなすことにした。彼が最初に始めたことは、勤務時間を有効に使うための計算だった。200枚ある伝票を1枚当たり2分4秒で処理すればいいことがわかった。民雄は業務に取り掛かったが、工場の騒音にまたしても虫歯が疼き始めた。

屋台的映画館
PR

生首情痴事件

  • posted at:2010-02-23
  • written by:砂月(すなつき)
なまくびじょうちじけん
大蔵映画
配給:大蔵映画
製作年:1967年
公開日:1967年5月31日
監督:小川欽也
脚本:津川京一
撮影:岩橋秀光
音楽:長瀬貞夫
美術:宮坂克巳
照明:石田清三郎
録音:田中安治
助監督:岩本高徳
編集:金子半三郎
記録:有明竜二
製作主任:永野保徳
出演:火鳥こづえ 泉ユリ 高月絢子 鶴岡八郎 冬木喬三
シネマスコープ パートカラー 68分

3年前に林田教授の財産と名誉が目的で娘の玲子と結婚した藤山五郎は、そのおかげで大学の研究室勤務から東洋機業の設計課長に栄転することが出来た。結婚を機会にそれまで付き合っていた同じ研究員の有島順子との関係を清算したことで、傷心した彼女が研究室を辞めて故郷へ帰ったものだと周りの者は思っていたが、五郎にとってそれは好都合だった。何故ならこの財産乗っ取り計画は彼と順子の間で極秘に進められている計画であり、完了まであと一歩のところまで来ているからだ。

部屋で土地の登記書や株券などを調べていた五郎は、突然部屋に入ってきた玲子に驚き慌てふためいた。とっさに浦和に手頃な工場が売りに出ているので独立を考えていると言い訳をしたが、玲子の視線は冷たかった。その態度に苛立ちを覚えた五郎は雑言を浴びせたが、彼の怒りの原因はそれだけではなかった。林田が亡くなるときに、家や土地などの財産を全て玲子名義に書き換えたことがわかったからだ。そのことを彼女は知らなかったが、独立のための投資に妻が協力するのは当然の義務だと言われ心を決めた。玲子は、全ての書類の名義を変更することは構わないと前置きし、その代わりとして順子との関係を断つことを条件にしたのだった。二人が研究員時代から交際があり、今でも月々の仕送りをしていることを見抜かれていたのだ。開き直った五郎は、お前とは元々好きで結婚したわけではなく親父さんの財産やポストが欲しかっただけだと本音を語った。その頃、順子は不動産屋で新居の物件の契約をしようとしていたが、五郎からの電話でそれが出来なくなったことを知った。主人に詫びを言って去ろうとしたところ、ある提案をされた。五郎をレストランに呼び出した順子はいつまでも進展しない状況を愚痴り、屋敷を4千万円で買う者がいても名前だけの夫じゃどうしようもないわねと皮肉った。それを聞いた五郎は思索を練った。

車中で何処かに通う玲子の姿を見かけた五郎は、彼女が帰宅するときつく問い詰めた。すると玲子は突然離婚を口にしたのだった。五郎は男の存在を疑ったが、玲子は子供を守るためだと言った。彼女は3ヶ月の子供を身篭っており、父親の認知を受けてから離婚しようと以前から考えていたのだが、今の生活を続けていれば精神に異常をきたして子供の命を奪われ兼ねないと考えたからだ。翌日、五郎が順子にその話をすると、離婚裁判に持ち込まれた場合にこのままではあなたに勝ち目はないと言われた。その夜、彼が自宅に往診させた医師は順子の知り合いだった。

屋台的映画館

Undo アンドゥー

  • posted at:2010-02-16
  • written by:砂月(すなつき)
あんどぅー
フジテレビ=ポニーキャニオン
配給:ヘラルド・エース
製作年:1994年
公開日:1994年10月7日
監督:岩井俊二
製作:堀口壽一 田中迪
プロデューサー:牛窪正弘 馬場勲 尾越浩文
コ・プロデューサー:加藤裕子 南條昭夫 堀部徹 亀井宏幸 長澤雅彦 
脚本:岩井俊二
撮影:篠田昇
美術:細石照美
ポストプロダクションスーパーバイザー:掛須秀一
音楽:REMEDIOS
録音:土屋和幸
照明:隅田浩行
編集:岩井俊二
助監督:行定勲
出演:山口智子 豊川悦司 田口トモロヲ
スタンダード カラー 47分

犬が飼いたいと妻・萌実が言い出した。だが夫婦が暮らすマンションには動物を飼ってはならないという規則があったため、夫・由起夫は一計を案じた。彼がペットショップで買ってきたもの、それは二匹の亀だった。電動ドリルで甲羅に穴を開け、そこにリードを繋げば散歩だって可能だ。当初、萌実は不満げだったが、次第に受け入れた。歯列矯正の治療が終わったことで自由な時間が出来た萌実だったが、それとは逆に由紀夫の方は仕事に追われるようになった。時間を持て余した萌実は退屈しのぎに編み物を始めた頃、由紀夫は亀が二匹とも毛糸で縛られていることに気付いた。ノソノソ歩かれると困るということだったので亀を水槽に戻した。それから数日後、調べ物のために本棚に向かった由紀夫は奇妙な光景を目撃した。一冊の本が糸で縛られているのだ。糸を切ろうとしてペン立てから取り出したハサミも縛られていた。苦労をしてハサミを自由にしたとき、編み物をしていた妻から呼び掛けられた。何気なく振り向いた由紀夫は、萌実の様子に愕然とした。彼女の両手には毛糸が複雑に絡まっていたのだ。由紀夫は萌実を連れてカウンセラーを訪ね、診察をしてもらった。その結果、強迫性緊縛症候群と診断された。病名を聞いて戸惑う由紀夫に、カウンセラーは「一種の愛の病ですよ」と言った。その日を境に萌実の症状は悪化し、物を縛る行動はエスカレートして行った。呼びかけにも耳を貸さず、一心不乱に物を縛るようになった萌実を心配した由紀夫は、再びカウンセラーを訪ねた。

カウンセラーは、萌実には自分が縛られているような強迫観念があり、二人の生活の中に何かその要因があるからそれが症状となって現れるんですと言った。心当たりを聞かれしばらく考えた由紀夫は、縛りつけているというより、むしろほどけているんだと思いますと答えた。カウンセラーは何度も頷きながら、そういうことですよと言った。帰りのタクシーの中で由紀夫は、今度の週末に何処か出掛けようと萌実に話しかけた。仕事が一段落したら南の島へでも行こうかなどとひとり言を呟く彼に、「由紀夫ちゃん、病気なの?」と萌実は言った。由紀夫はその言葉に衝撃を受けた。むしろ自分の方が病気なのかもしれない、と。物を縛るだけで満足出来なくなった萌実は、「待ってる」や「愛」など目に見えないものまで縛るようになっていた。由紀夫から症状を聞いたカウンセラーは、縛られることで幾分かの安心感が得られるでしょうから、とりあえず今夜辺り本人を縛ってみてくださいとアドバイスした。

屋台的映画館

海のトリトン

  • posted at:2010-02-05
  • written by:砂月(すなつき)
うみのとりとん
オフィス・アカデミー
配給:東映
製作年:1979年
公開日:1979年7月14日
演出:富野喜幸
プロデューサー:西崎義展 黒川慶二郎
原作:手塚治虫
作画監督:羽根章悦
美術監督:伊藤主計 牧野光成
音響監督:浦上靖夫
音楽担当:松原武俊
音楽:鈴木宏昌
主題歌:「GO!GO!トリトン」ヒデ・夕木
効果:森賢二
編集:森本寛夫
製作助手:片山秀男
文芸進行:鶴見和一
製作担当:鈴木紀男 黒川慶二郎
総指揮:西崎義展
監修:舛田利雄
構成:松岡清治 富野喜幸
演出:棚橋一徳
演出助手:秦義人
音響:本田保則
編集:千蔵豊
製作担当:広岡修
声の出演:塩谷翼 広川あけみ 北浜晴子 八奈見乗児 野田圭一
スタンダード カラー 139分

昔、地中海の西にある大西洋にはアトランティスが存在していた。だが一夜にして海中に沈み、数千年の間、大陸は深海に眠り続けていた。その眠りを覚まさせたのは、7つの海に7人の司令官を置き、世界中の海を黒い死の海に変えようと目論む残忍非道な海の独裁者・ポセイドンとその一族だった。未だに反逆を繰り返し海に光を投げ掛けようとする宿敵・トリトン族の子が残されていることを知ったポセイドンは、部下たちに抹殺を命じた。 その頃、大西洋から遠く離れた日本の漁村に緑色の髪の元気な少年がいた。彼の名はトリトン。13年前、漁師の一平じいさんが猪の首岬の洞窟で赤ん坊を見つけた。赤ん坊の側に置かれていた書付でこの子の名がトリトンであることを知った一平は、運命を感じ育てることにした。友人は誰ともしれない子を育てるのは止めた方がいいと忠告したが、海からの授かりものなら尚更、大事にしなければならんと一平は決意した。それ以来、仲間たちからの冷たい視線に耐えながらトリトンの面倒を見た。

トリトンは海に潜る能力が大人よりも優れていた。その日、彼はいつもよりも深く潜ろうとしたのだが、何処からかそれを止めようとする優しい声が聞こえてきた。その声の主は白いイルカのルカーだった。ルカーはトリトンを猪の首岬の洞窟へ連れて行き、彼がトリトン族の忘れ形見であることを話した。13年前にトリトン族がポセイドン族に襲われたとき、両親から預かって洞窟に連れて来たのだ。一平の子だと信じて疑わないトリトンに、髪の色が人と違うこと、そして書付と一緒に置いて行った短剣と衣装が証拠だとルカーは言った。ひどく驚いたトリトンは家に帰って探し、高いところに置かれた行李の中から短剣を見つけた。運命に翻弄されるトリトンは一平が呼び止めるのも聞かずに家を飛び出した。猪の首岬の途中で泣き崩れるトリトンは怪物の咆哮に驚いた。浜に現れたのはポセイドンの手下である巨大なサラマンドラだった。ルカーはトリトンに早く剣と衣装を取るように言った。家に戻ったトリトンは、一平が衣装一式を整えてくれていたことに心を打たれた。ルカーから促されて衣装を身にまとったトリトンは颯爽と家を飛び出した。そしてイルカの背に飛び乗るとサラマンドラを連れ出すために沖へ出た。トリトンはサラマンドラを海深く引き込むことに成功したが、彼の体は水圧に悲鳴をあげた。

屋台的映画館

さよならジュピター

  • posted at:2010-01-24
  • written by:砂月(すなつき)
さよならじゅぴたー
東宝映画=イオ
配給:東宝
製作年:1983年
公開日:1984年3月17日
総監督:小松左京
監督:橋本幸治
製作:田中友幸 小松左京
製作協力:田中文雄 藤原四郎
原作:小松左京
脚本:小松左京
撮影:原一民
音楽:羽田健太郎
主題歌:「ボイジャー」松任谷由美
・・・:「青い船で」松任谷由美
劇中歌:「さよならジュピター」杉田二郎
・・・:「地球の四季」杉田二郎
美術:竹中和雄
録音:吉田庄太郎
照明:小島真二
編集:小川信夫
衣装デザイナー:志村雅久
助監督:三好邦夫
製作担当:森知貴秀
模型デザイン:宮武一貴
製作協力:東宝映像
特殊技術・特技監督:川北紘一
特殊技術・撮影:江口憲一
特殊技術・照明:三上鴻平
特殊技術・美術:寒竹恒雄
特殊技術・合成:宮西武史
特殊技術・操演:松本光司
特殊技術・特殊効果:渡辺忠昭
特殊技術・助監督:浅田英一
特殊技術・製作担当:池田雅行
出演:三浦友和 ディアンヌ・ダンジェリー 小野みゆき 平田昭彦 森繁久彌
アメリカンビスタ カラー 129分

22世紀前半、地球人口は180億、太陽系宇宙空間の人口は5億に達していた。宇宙空間に住む人々は、困難な環境のもとに新しい資源とエネルギーを開発し、太陽系を超える時代の準備を進めていた。2125年。火星では水資源確保のために氷を融解する作業が進行していた。作戦は成功しダムには大量の水が流れ込んだ。ところが水が引いた地表からは、南米・ペルーにあるナスカの地上絵と同パターンの巨大な図が無数発見されたのだ。この世紀の大発見は火星第一衛星・フォボスにいるモシから宇宙言語学者=ミリセント・ウィレム博士に伝えられた。

地球を出発した長距離貨客宇宙船・トーキョー3は75日間をかけて木星軌道上のミネルヴァ基地に到着したが、その途中のフォボスでミリセントを乗せた。彼女はJS計画調査主任の本田英二に会い計画の一時中止を申し入れた。火星の地表に出現した地上絵は人類発生以前にやってきた宇宙人が残したメッセージであることがわかり、ナスカの地上絵の一部や月の裏側の大図形を合わせて解読した結果、木星の大赤斑の周囲に謎を解く重要な鍵があることがわかったのだ。宇宙人が木星周辺へやってきたのが10万年前、火星へ移ったのが5万年前と推測出来た。だからといって人類悲願の壮大な計画をそう簡単に止めることは出来なかった。

JS計画とは木星太陽化計画のことで、地球連邦大統領府直属の太陽開発機構(SSDO)が推進しているプロジェクトのひとつである。この計画が提唱されたのは2100年で達成目標年度は2140年となっている。太陽系空間には5億人の人々が住んでいるが、彼らは地球上の人口の増加を解消する手段として故郷を離れて行った人々だ。外惑星地域にはエネルギー問題で決定的なハンディキャップがあり、木星で得られる太陽エネルギーは地球上の27分の1にしかならないことから木星以遠では専ら核融合に頼っている。割高になるコストを考えた場合、太陽系最大の惑星である木星を第二の太陽にしてはどうかというアイデアが生まれたのだ。そしてミネルヴァ基地はその拠点となっていた。

英二は地球連邦議会調査団にJS計画の説明を行ったが、トーキョー3には議員だけでなく自然保護団体・ジュピター教団も乗り合わせていた。彼らは木星を守れとシュプレヒコールをあげ、施設の破壊活動を行った。その中には英二の幼なじみであるマリア・ベースハートの姿もあった。

屋台的映画館

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

フリーエリア

 

P R