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さすらい

  • posted at:2005-08-24
  • written by:砂月(すなつき)
さすらい
日活
配給:日活
製作年:1962年
公開日:1962年2月3日 併映「君恋し」
監督:野口博志
原作:西田一夫
脚本:小川英
企画:浅田健三
撮影:松橋梅夫
音楽:山本直純
主題歌:「さすらい」小林旭
挿入歌:「サーカスの唄」小林旭
美術:大鶴泰弘
照明:森年男
録音:福島信雅
編集:辻井正則
助監督:神代辰巳
色彩計測:佐藤重明
特殊技術:金田啓治
現像:東洋現像所
製作主任:山下昭
技斗:高瀬将敏
出演:小林旭 松原智恵子 平田大三郎 沢本忠雄 二本柳寛
シネマスコープ カラー 90分

東京港に到着した貨物船から下りたマドロスの佐竹正二。客引きをする男は彼の姿を見つけると、素敵なところへ案内すると言った。男が連れてきたところはパロマというキャバレーだったが、今の正二には女よりも寒がるチーコの方が心配だった。チーコとは彼が可愛がるポケットモンキーで、相棒であり親友でもあった。この店にケチをつける気かと男がチーコを無理矢理引き剥がそうとすると、正二は反射的に殴ったのだった。その様子を見ていたオーナーの笠松豪は、血だらけで行かれては店の名に拘るから手当てして行きなさいと引き留めた。だがそれは口実で、本当の目的は彼を用心棒として雇うことだった。正二の左腕に惚れ込んだ笠松は金を惜しみなく出すという好条件を提示するが、正二は荻の近くへ行く用事があると言って断った。すると笠松は、ちょうど荻まで貸金を取り立てに行く用があるから同行して欲しいと言った。その相手がサーカス団だと聞いた正二はすぐに断り出て行った。

三年前まで正二はエザキサーカスの空中ブランコ乗りとして活躍していたが、コンビを組んでいた塚田信吾が公演中に墜落死し、責任を感じてサーカス団を辞めた。その後、船乗りとなり貨物船でしばらく日本を離れたのだった。久しぶりに帰国した正二が最優先したことが信吾の墓参りだった。墓前には信吾の恋人だった若原美也子の姿があり、墓に来れなかった理由を話した。すると既にエザキサーカスがないことを知った。信吾の死後、悲しみに暮れる美也子も辞めた。その影響で花形スターを一度に失ったエザキサーカスは不入りが続き、資金繰りに行き詰って解散したのだった。江崎団長が郷里へ戻り静かな暮らしを送る一方、しばらくサーカスから離れたていた美也子はスポットライトが忘れられずに元の世界に舞い戻りシバタサーカスの花形スターとして活躍していたのだ。よくここにこられるなと正二が皮肉を言うと、美也子は荻で興業をしているから三日に一度はきていると言い返した。彼女は今でも二人の間を引き裂いた正二のことが憎くてたまらなかった。

正二は荻の温泉旅館に泊まる笠松に呼び出された。一室には幹部のケンや榎本の他に南条運送の南条社長がいた。笠松は彼らにシバタサーカスの集金を任せていたが、一向に捗らないため直々に出向き、正二を加えて一気にカタをつけようとしたのだ。楽屋に入り込んだ笠松は、柴田団長に返済期限が明日となった一千万円の借金の他に、二つある五百万円の期限がひと月後に迫っていることを確認させた。柴田は形式的な期限の契約だったと主張するが、笠松が当初の貸主から借用書を引き受けたことで口約束は無効だと言った。そして裁判沙汰は御免だから総額二千万円を翌年の二月まで延ばし、その代わりに返せない場合は現状のまま経営権をいただくと言った。柴田は苦渋の決断をしたが、正二はそれを黙って見ていた。

屋台的映画館
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波涛を越える渡り鳥

  • posted at:2005-08-19
  • written by:砂月(すなつき)
はとうをこえるわたりどり
日活
配給:日活
製作年:1961年
公開日:1961年1月3日 併映「大出世物語」 1月9日~「俺の血が騒ぐ」
監督:斎藤武市
原作:原健三郎
脚本:山崎巌
企画:児井英生
撮影:高村倉太郎
音楽:小杉太一郎
主題歌:「アキラのブンガワンソロ」小林旭
・・・:「ギターを持った渡り鳥」小林旭
美術:坂口武玄
編集:近藤光雄
録音:米津次男
照明:大西美津男
助監督:神代辰巳
色彩計測:幸田守雄
現像:東洋現像所
製作主任:林本博佳
技斗:高瀬将敏
出演:小林旭 浅丘ルリ子 宍戸錠 白木マリ 小高雄二
シネマスコープ カラー 80分

昭和三十五年十一月、横浜。滝伸次は港でギャング団に襲われている男を助け出した。その男=松本丈二は、友人から頼まれた地図を香港へ届けるように言われ、自宅から持ち出した帰りに襲われたのだ。彼の友人=東都大学の研究員・南篠は、カンボジアにあるアンコールワット遺跡の発掘に携わっていた。ギャング団について見に覚えが無いことから、丈二は彼らが地図を何か別の書類と勘違いしたのだろうと考えていた。しかし伸次には気に掛かることがあった。主犯格の男の首に掛かっていたペンダントだった。争ったときに思わず引きちぎったそのサンゴのペンダントは伸次と兄しか持っていないはずだった。

昭和十九年十一月、ビルマ・タイ国境付近では、仕事で来ていた滝一家が敗色濃厚の日本軍とともに退却していた。上空に爆音が轟き、突然の空襲に驚いた人々は逃げ惑った。伸次の父と母は機銃掃射に見舞われ、兄は弟を救うために自分の身を犠牲にして谷底に落ちた。一人残された伸次は父親の取引先である資産家のロチャ・ナ・ブリを訪ね、終戦まで大切に育てられたのだ。

翌日、主犯格の男を何度か飛行機の中で見かけたことを思い出した丈二は伸次と空港へ行き過去の乗客名簿を洗い出し、男が香港忠安公司のヴァン・ジェラールであることを突き止めた。ところがジェラールはその日の定期便で香港へ旅立っていた。伸次は、仕事でマニラへ行くことになった丈二のかわりに香港へ書類を届けることになった。

香港の空港では丈二の妹で東洋芸大の学生の則子が南篠の代理として伸次を出迎えた。則子は調査でバンコクへ行った南篠の許嫁だった。伸次は則子の案内で忠安公司を訪ねるが、その場所はすでに別の会社が所有していた。兄のことがわかるかもしれないと思っていた伸次は手掛かりを失い落胆した。その夜、ホテルに泊まった伸次は、向かいの則子の部屋が騒がしいことに気付き、急いで駆け付けた。そこには先回りして忍び込んだジェラールが則子から地図を奪おうとしていた。伸次の一撃でジェラールは怯んだが、地図は掴んだまま離さなかった。彼は銃を構えて伸次を威嚇すると窓から逃げ出した。南篠の身が危ないと感じた伸次は、バンコクへ行くことになっていた則子に同行することにした。ジェラールから地図を取り返すために。そして兄の手掛かりを探すために。

屋台的映画館

渡り鳥いつまた帰る

  • posted at:2005-08-14
  • written by:砂月(すなつき)
わたりどりいつまたかえる
日活
配給:日活
製作年:1960年
公開日:1960年4月23日
監督:斎藤武市
原作:原健三郎
脚本:山崎巌 大川久男
企画:児井英生
撮影:高村倉太郎
音楽:小杉太一郎
主題歌:「おけさ数え唄」小林旭 こまどり姉妹
挿入歌:「浅草姉妹」こまどり姉妹
美術:坂口武玄
編集:近藤光雄
録音:八木多木之助
照明:大西美津男
助監督:神代辰巳
色彩計測:幸田守雄
現像:東洋現像所
製作主任:亀井欽一
協賛:佐渡観光協会 新潟交通株式会社 佐渡汽船株式会社
出演:小林旭 浅丘ルリ子 宍戸錠 南田洋子 中原早苗
シネマスコープ カラー 84分

春になり、渡り鳥のように佐渡島へとやってきた滝伸次。伸次は道中で知り合った高見則子と甥の利夫に得意のギターを聞かせた。一方、連絡船に乗った男女は目的は違えど同じ男を追っていた。踊り子の片倉ユリは伸次を慕い、ハジキの哲は殺された弟の仇敵として命を狙っていた。

夜の繁華街でギターの音を聞いた二人は、慌ててキャバレー・おけさへ飛び込んだ。ところがギターの主は全くの別人だった。ばつが悪い哲はそのまま出て行こうとしたが、黙っていられないのがその場にいたキャバレーに巣食うチンピラだった。店内は大騒動になり、哲はチンピラが振り下ろした花瓶の一撃で伸びてしまった。すると今度はその様子を店の奥で静かに見ていた伸次が現れ、ユリが止めるのも聞かずに参戦した。「それくらいで勘弁してやったらどうです」。そう言って階段を下りてきたのは支配人の榊原だった。彼は伸次に酒を奢りその場を収めた。

翌日、伸次は乱暴な運転をするトラックに出くわした。通りかかった建物の前にそのトラックが停めてあったため、伸次は責任者に苦情を言いに中に入った。ところが事務所では採掘場の従業員たちが超過手当をよこせと責任者の奥山庄造に詰め寄りそれどころではなかった。伸次がその従業員たちの態度に憤りを感じヤキを入れようとしたそのとき、仲裁に入ったのは榊原だった。彼は高見鉱山の相談役も務めていたのだ。奥の部屋から出てきた女主人・高見静江は金で穏便に済ませようとしたが、伸次は受け取ろうとしなかった。そして、また同じようなことがあればあんたでも容赦しないと言い残して事務所のドアを開けた。そこで伸次は則子と再会した。事務所に戻った静江の妹・則子は、彼女に会わせたい人がいると言った。それは先ほどまでそこにいた伸次だった。事情を知った則子は伸次を信頼し高見鉱山が置かれている状況を話し始めた。高見鉱山は静江の夫が経営していたが、半年前に崖から転落し帰らぬ人となった。その後を引き継いで静江が社長に就任したが、実質は榊原が会社を仕切っていた。そして自分の息がかかったならず者を雇い、問題を起こさせて会社を潰そうと考えていたのだ。則子は伸次の力を借りようとしたが、静江は内輪のことは内輪で解決すると言って断わった。

廃坑を採掘し始めた榊原のもとに現れた伸次は自分を雇って欲しいと言った。銃の腕前を見たいと外に出た榊原を待っていたのは哲だった。哲もまた伸次と同じように榊原の用心棒になりたいと言った。

屋台的映画館

逃がれの街

  • posted at:2005-08-09
  • written by:砂月(すなつき)
のがれのまち
田中プロモーション=日本テレビ放送網
配給:東宝
製作年:1983年
公開日:1983年10月15日 併映「夜明けのランナー」
監督:工藤栄一
製作:田中壽一 中沢敏明 坂本敏夫
原作:北方謙三
脚本:古田求 工藤栄一
撮影:岸本正広
音楽:柳ジョージ&ザ・バンドオブナイト
美術:高橋章
録音:辻井一郎
照明:高島利雄
編集:田中修
助監督:成田裕介
製作主任:川崎隆
出演:水谷豊 甲斐智枝美 島田紳助 本田博太郎 阪本浩之
アメリカンビスタ カラー 119分

共栄デンキの水井幸二は家電製品のトラック配送を担当していた。相棒を務める年下の米倉からはアニキと慕われていたが、何かと付きまとってくることを疎ましく思っていた。恋人の遠藤牧子と会うことになっていた日は給料日だったこともあり、仲間から飲みに誘われたものの断った。すると米倉も同じように断ってついてくるのだ。彼は前借りをした金を全て競馬につぎ込んだことでオケラになり、おごってもらう魂胆だった。それを知った幸二はお札を渡して追い払った。深夜、幸二が寝ついた頃に、一緒に上京してきた昔の仲間の沼田から電話が掛かってきた。仕方なく一晩泊めることにしたが、彼の首に生々しい傷があったり電話の内容に不審な点があったりと気になって深く眠ることが出来なかった。夜が明け幸二が目覚めると、沼田が勝手に飲んだ酒で酔っ払い訳がわからないことを怒鳴り始めたため部屋から叩き出した。

幸二がいつものように仕事を終えて会社に戻ると二人の刑事が訪ねてきた。2時間前に幸二のアパートの前で逮捕された沼田について聞かれ、警視庁で事情聴取を受けることになったのだ。沼田は自身が勤めていたパブの店長を殺害し売上金を強奪したのだが、幸二が事件に拘っているのではないかという容疑が掛けられたのだ。身に覚えのない彼は潔白を証明するために刑事の質問に対し丁寧に答えた。沼田が部屋にやってきたのは午前2時頃。住人の証言がある午前5時頃の揉め事は分け前についてではないかという質問にはよくあるケンカだと答えた。前日の9時から11時までは新宿のパチンコ屋で遠藤牧子と時間を潰し、その後ホテルへ向かった。アパートに戻ったのは12時前。その後、電話で起こされたのだった。警察は家宅捜索を行い、室内から血のついた沼田の服と現金30万円が見つかった。取り調べを行う矢部刑事はその現金の出処を疑ったが、それは幸二が貯めたヨット購入の資金だった。やがて逮捕状を持ってきた黒木刑事から沼田が幸二を共犯者であると認めたことを知らされると、幸二は牧子がアリバイを証明してくれると主張したが、貰った電話番号の先にはそのような人物はいなかった。頭に血が上った彼は取り乱し、拘留された。

幸二の疑いは晴れたが、彼が逮捕されたという世間の冷ややかな目は変わらなかった。会社からは冷遇され、八田主任からは罵られ叩きのめされた。そんな中、年が離れた中山だけは親身になって相談に乗った。会社を辞めるという幸二を中山は説得するが、無理だとわかると好きにしろと笑った。その夜、駅の改札口で幸二と待ち合わせをしていたのは家出をしてきた牧子だった。牧子は偽名であり年齢も偽って売春を行っていたが、今回の件が家族や学校に知られることを恐れて嘘をついたのだ。事情がわかると幸二の怒りは次第に治まり、二人は体を重ねた。

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タオの月

  • posted at:2005-08-04
  • written by:砂月(すなつき)
たおのつき
バンダイビジュアル
配給:松竹=松竹富士
製作年:1997年
公開日:1997年11月29日
監督:雨宮慶太
製作:渡辺繁
プロデューサー:久保聡 田口聖
脚本:田中徹 松本肇 雨宮慶太
撮影:木所寛
音楽:Buddy-ZOO 太田浩一 木下伸司
美術:井口昭彦
照明:保坂芳美
装置:島崎忠一 遠藤慶明
装飾:浜村幸一
操演:根岸泉
アクションコーディネーター:阿部光男
殺陣:東郷秀信
キャラクターデザイン:雨宮慶太 
コスチュームデザイン:寺田克也
録音:杉山篤
編集:普嶋信一
製作協力:クラウド
出演:永島敏行 阿部寛 吉野紗香 森山祐子 榎木孝明
アメリカンビスタ カラー 96分

戦国の世、浅見忠興の屋敷に集まってきたかつての剣の達人・疾風と軍師・酔狂は奇妙な刀の話を聞いた。その刀は忠興の家臣が野伏りから奪い取ったものだが、見たことのない金属で作られ手応えを感じずに岩を一刀両断にできるほどの切れ味を持っていた。更に刃こぼれした部分は自ら再生するという不思議な力を持っていた。もしこの金属を手に入れば後の合戦が有利になることは間違いなかった。そこで忠興は二人に一刻も早く刀の出自を探るよう命じた。夜更けに出立した二人は、近頃たちの悪い野伏りが領内の里を襲っているという噂がある宝剣山に向かった。

疾風と酔狂が満月の下で野宿している頃、宝剣山の麓で暮らす少女・れんげは家の中に差し込む強烈な光で目を覚ました。驚いた彼女が家を飛び出してその方向へ走って行くと、空からは奇妙な姿をした二人の者が降り立ち、既に地上にいた者と何かを巡って争い始めた。れんげはしばらく物陰から様子を窺っていたが、傷ついてその場に残された一人が心配になり近づいた。するとその者はれんげの腕を掴んで彼女の中に意識を送り込んだのだった。クズトはここより遠いところからマカラガを追って地球にやってきた。マカラガとは決して使ってはならないもので、今その封印が解かれようとしていた。「もし仲間の一人が生きていたなら、これを渡してくれ。もしマカラガの封印が解かれたそのときは、おまえが・・・」。そう言ってクズトはタオと呼ばれる鈴をれんげに託すと息を引き取った。クズトの体は光とともに消え、れんげの右手の甲には紋章が刻まれていた。

夜が明けるとれんげは昨夜のことを思い出しながらタオを鳴らした。すると傷ついた二人の者がその音を感じた。一方、領内を荒らし回る野伏りたちが持つ剣がそれに共鳴し始め、男の一人はその反動で落馬した。その際、野伏りたちは小屋を見つけ、そこに住むれんげを頭領への土産として拉致しようした。少女が抵抗する声を聞きつけた疾風と酔狂は一味が持つ刀が目当ての物か確かめるために加勢することにした。逸る疾風を制した酔狂は野伏りの前に進み出ると娘を離して欲しいと申し出た。だが相手が聞き耳を持たないことから強硬手段に出た。背負う大きな筆で術を操り倒木を飛ばすと、野伏りの一人がそれを真っ二つに叩き斬ったのだ。その様子を見て確信した疾風は助太刀し、男たちを次々と斬り捨ててついに刀を手に入れた。だが代わりに野伏りの本拠を知る手がかりを失った。

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