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ドリームメーカー

  • posted at:2010-12-18
  • written by:砂月(すなつき)
どりーむめーかー
ライジングプロダクション=東映=TBS
配給:東映
製作年:1999年
公開日:1999年10月23日
監督:菅原浩志
製作総指揮:平哲夫
製作:岡田裕介 児玉守弘 春日たかし
プロデュース:平野隆
プロデューサー:林みのる
脚本:菅原浩志 犬童一心 小林弘利
脚本協力:浪江裕史
企画:遠藤茂行 竹村幸男
撮影:林淳一郎
音楽:佐橋俊彦
音楽プロデューサー:土屋純一
照明:山川英明
録音:辻井一郎
美術:小澤秀高
編集:板垣恵一
助監督:野崎邦夫 小久保利己
スクリプター:松橋章子
製作担当:今村勝範
出演:辺土名一茶 上原多香子 袴田吉彦 梅宮辰夫 富司純子
アメリカンビスタ カラー 112分

バンド活動に明け暮れ、搭載したスピーカーから流れる大音量の音楽を聴きながら改造バイクをすっ飛ばすという毎日を送る杉浦マサトは高校生活最後の一年を悔いなく過ごそうと思っていた。だが4人組のハードロックバンドは何度ライブハウスのオーディションを受けても認められることがなく、その原因が自分のドラムにあるのではないかと考えていたマサトはひどく落ち込んでいた。そんな彼を家族は心配しながらも見て見ぬふりをしていた。ある日、いつものようにバイクを走らせていると大型バイクの集団に取り囲まれた。彼らはレッド・ヒートという伝説の暴走族で、コワモテの連中が近づいてきたことでマサトは震え上がった。ところが男たちは見た目と違ってとてもフレンドリーで、雑誌の特集ではレッド・ヒートの一員として載っていた。それを見たバンドメンバーでクラスメイトの小森敏和と森真一は憧れた。というよりも紅一点の小柳麗香に興味を持ったのだった。ある夜、マサトが仲間とともに走っていると取り締まりのパトカーに進行方向を阻まれた。レッド・ヒートのメンバーは観念しておとなしく停車したが、怖気づいたマサトはUターンして逃げ出したのだった。その結果、リーダの逆鱗に触れ破門されてしまった。彼が楽曲を編集したカセットテープを気に入っていた麗香は落ち込むマサトに近づき、もらってもいいよねと手を出した。言われるがままに手渡したが、内心とてもうれしかった。

杉浦家はマサトの他に、自動車修理工場を営み自分の気に入った仕上がりになるまでとことんこだわり続ける職人気質の父親の勝美、一家の金庫番で食事の栄養や教育には小うるさい母親の芳江、兄を見下している中学生で妹のあいの四人暮らし。ある日、マサトがバイクをいじっているとキャブレターを交換しなければならないことがわかった。そこで芳江に小遣いをせびったのだが、大学受験や将来の話を持ち出され何も言えなくなった。彼は夜中にこっそりと家を抜け出して駐輪場のバイクから盗み出すことにしたのだが、パトロール中の巡査に見つかり御用となった。警察から連絡を受けた勝美はそんなはずがないと信じて部屋に行ったが息子の姿はなく、居間に戻ると芳江が着替えをして出掛ける準備をしていた。芳江は子育ての責任を感じており、話を聞いた勝美は言葉を失った。翌早朝、マサトを引き取り警察署を出た芳江は、自分と勝美の分と言ってゲンコツを2発食らわせた。

雨の夜、マジックランタンという小さなレンタルレコード店に立ち寄ったマサトは、そこで自分が聴きたかったたくさんの貴重なレコードと出会った。彼はここで働きたいと思ったが、店長の重田はそんな余裕はないと言って断った。だがマサトが恐ろしい程の熱意を見せたことで折れ、渋々採用することにした。この店のレコードの一部は重田の姪・美希の亡き父親のコレクションで、彼女は傷がつくと反対する重田の意見を押し切って提供することにしたのだ。聞いてもらうために生まれてきたレコードたちが埃を被るのを可哀想だと感じていたのだった。居場所を見つけたマサトは、音楽の知識を生かして接客を始めた。店のために、そして美希のために。

屋台的映画館
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トラック野郎 御意見無用

  • posted at:2010-12-10
  • written by:砂月(すなつき)
とらっくやろうごいけんむよう
東映
配給:東映
製作年:1975年
公開日:1975年8月30日 併映「帰って来た女必殺拳」
監督:鈴木則文
脚本:鈴木則文 沢井信一郎
企画:高村賢治
撮影:仲沢半次郎
録音:内田陽造
照明:山口利雄
美術:桑名忠之
編集:田中修
助監督:馬場昭格
記録:勝原繁子
擬斗:日尾孝司
スチール:藤井善男
進行主任:堀賢二
装置:井保国夫
装飾:米沢一弘
美粧:吉住久良蔵
美容:花沢久子
衣裳:内山三七子
演技事務:山田光男
現像:東映化学
音楽:木下忠司
主題歌:「一番星ブルース」菅原文太 愛川欽也
挿入歌:「トラック・ドライビングブギ」ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
企画協力:株式会社カントリー
協力:トラックアクセサリー専門店塚本屋中村商店 ニットータイヤ
出演:菅原文太 夏純子 中島ゆたか 湯原昌幸 愛川欽也
シネマスコープ カラー 98分

日本全国を愛車の11トントラック・一番星号で駆け回る長距離運転手の星桃次郎は、熱血漢で情にもろいが惚れっぽいのが玉に瑕。家を持たない彼はトラックで寝泊りし、特殊浴場を第二の故郷としている。緊急車輌と称して進路を強引に確保したり、積荷をちょろまかすのはお手の物。そんな彼の相棒は、4トントラックの運転手でやもめのジョナサンこと松下金造。四男、三女、妻一人の大家族の大黒柱で、温厚な性格は桃次郎から信頼を得ている。かつて警官だった彼は、花巻の鬼台貫としてトラック野郎たちに恐れられた。台貫とは過積載取締りで使用される大型の秤で、代官と台貫をもじってそう呼ばれていたのだ。だがパトカーでの飲酒運転が発覚したことで懲戒免職となり、トラック運転手に転職したのだ。彼らの行くところに騒動あり。

函館へ向かう途中にトイレ休憩で盛岡の手打ちうどん・くるまやに立ち寄った桃次郎は、そこで働くウェイトレスの倉加野洋子に一目惚れした。あんなきれいな娘が不釣合いな場所で働いているのには何か特別な事情があるに違いないと思った金造は、彼女の心のうちを聞きだそうとした。だが紳士ぶった桃次郎がよせと遮り、人には触れられたくない昔があるんだとかっこつけた。話の流れで二人が北海道へ行くことを知った洋子は、ハマナスがきれいでしょうねと呟いた。桃次郎はその言葉が忘れられず、荷を降ろしてからも函館中を回ってハマナスの花を探しが見つからなかった。青函フェリーで青森に戻ってきたものの桃次郎の心はここにあらず。金造が桃次郎を元気づけるためにストリップ劇場・青森ロマンス座に入ろうと誘っていたそのとき、ヤクザ者から追われる男が入り口から飛び出してきた。車に傷をつけられたことに怒り心頭の桃次郎は、襲ってくる奴らを片っ端から殴り倒した。その様子に金造は、ハマナスボケが治ってよかったと心から喜んだ。

桃次郎に助けられた男は万田千吉といい、踊り子に手を出したことでヤクザ者にたたき出されたのだ。行くところのない千吉は助手にして欲しいと頭を下げてきたが、金造は粋なトラック野郎は助手を持たないんだと相手にしなかった。だが社長と呼ばれ、トラックを褒められていい気持ちになった桃次郎は快諾した。それに腹を立てた金造は絶交した。再びくるまやに立ち寄った桃次郎は、駐車場から店内の様子を探ると千吉にあのきれいな子に花束を渡してこいと命じた。千吉が花屋で手に入れた花束は赤いカーネーションだったが、桃次郎にはハマナスが赤い花だという情報しか持ち合わせていなかったため、これで代用したのだ。大成功だと店から飛び出してきた千吉に、桃次郎は気を良くして店内に入ったが、花束を持っていたのは洋子ではなくモナリザお京こと竜崎京子だった。何かと桃次郎の世話を焼く京子は、大好きなカーネーションを貰ったことで喜びが爆発。足取りも軽く仕事に向かった。複雑な心境でいる桃次郎に声を掛けてきたのは、勝負がしたくて九州から出て来たという関門のドラゴンだった。

屋台的映画館

ラヂオの時間

  • posted at:2010-11-26
  • written by:砂月(すなつき)
らじおのじかん
フジテレビジョン=東宝
配給:東宝
製作年:1997年
公開日:1997年11月8日
監督:三谷幸喜
製作:村上光一 高井英幸
エグゼクティブプロデューサー:松下千秋 増田久雄
プロデューサー:石原隆 佐倉寛二郎
アソシエイト・プロデューサー:空閑由美子 重岡由美子
原作:三谷幸喜と東京サンシャインボーイズ
脚本:三谷幸喜
企画:久板順一朗 島谷能成
撮影監督:高間賢治
キャメラオペレーター:戸澤潤一
音楽:服部隆之
美術:小川富美夫
照明:上保正道
録音:瀬川徹夫
編集:阿部浩英
スクリプター:杉山昌子
助監督:川原圭敬
製作担当:山口謙二
製作協力:プルミエ・インターナショナル
出演:唐沢寿明 鈴木京香 西村雅彦 戸田恵子 井上順
アメリカンビスタ カラー 104分

ラジオ弁天のスタジオでは、生放送のラジオドラマ「運命の女」のリハーサルが行われていた。初めて書いたシナリオが採用された主婦の鈴木みやこは、緊張しながらリハーサルの様子を見守っていた。「運命の女」は、熱海を舞台にしたパチンコ店で働く平凡な主婦と漁師の恋物語だった。プロデューサーの牛島龍彦は、ラジオドラマには無限の可能性があると考えていた。映像文化にはないラジオの良さを人々に再認識してもらうために、ラジオドラマの生放送という冒険に打って出たのだ。

主演女優・千本のっこのマネージャー・古川から牛島へ一本の電話が入った。のっこが演じる役の名前が気に入らないと言うのだ。以前、彼女は不倫騒動で世間を騒がせたが、その相手の妻の名前が律子だったのだ。牛島はみやこと相談し、気持ちよく演じることが出来るのなら彼女が希望する名前に変更してもいいという約束を取り付けた。のっこは旬は過ぎているがれっきとしたスターだったため、関係者は皆断ることが出来なかったのだ。結局、役名はメアリー・ジェーンとなった。一方、その話を聞いた相手役の浜村錠も黙っていなかった。寅造といういかにも日本人っぽい名前ではなく、外国人の名前にして欲しいと言い出したのだ。牛島は渋々了承し、舞台を熱海からニューヨークに変更することにした。固有名詞を変えるだけだから心配ない、その見通しの甘さが悲劇を呼んだ。

手直しは自分でやりたいとみやこは言ったが、辻褄が合わなくなった台本を短時間で修正することは不可能だった。ディレクターの工藤学は牛島に元に戻した方がいいと再三忠告したが、まずは編成部長の堀ノ内修司に相談してから決めると言って聞かなかった。堀ノ内はのっこと直接会い、パチンコ屋がニューヨークにはないという話から切り出したが、それならば華やかな職業にしたいと言い出し、裁判シーンがやりたいというわがままからメアリー・ジェーンは女弁護士となった。牛島は構成作家のバッキーに頼み込み、みやこに無許可で台本を修正することにした。その結果、メアリー・ジェーンはニューヨークで働くバリバリのキャリアウーマンという設定になっていた。漁師の名前が寅造からマイケル・ピーターとなり設定自体が変更されていることを知った浜村は、こんな馬鹿な話はないと吐き捨て帰ろうとした。牛島は5分だけ待って欲しいと頭を下げて推し止めたのだった。のっこに何を言っても無駄なことがわかっていた牛島にとって、この5分間はただの時間稼ぎでしかなかった。

浜村は戻ってきた牛島にさっきはすまなかったと詫びた。キャリアウーマンと村の漁師では釣り合いが取れないと考えていた浜村は、仕事を続ける条件としてマイケル・ピーターの職業はパイロットにしたいと提案したのだ。牛島は勘弁して欲しいと言ったが、女弁護士と言えばパイロットだと持論を曲げようとはしなかった。結局、牛島は折れ、その条件を飲むことにした。

屋台的映画館

怪談バラバラ幽霊

  • posted at:2010-11-15
  • written by:砂月(すなつき)
かいだんばらばらゆうれい
大蔵映画
配給:大蔵映画
製作年:1968年
公開日:1968年5月28日
監督:小川欽也
脚本:津川京一
撮影:岩橋秀光
音楽:長瀬貞夫
美術:宮坂勝己
照明:石田清三郎
録音:星一郎
助監督:佐藤治
編集:金子半三郎
記録:今井敏夫
結髪:小池律子
製作主任:永野保徳
出演:秋川玲子 林美樹 清水世津 椙山拳一郎 二階堂浩
シネマスコープ パートカラー 71分

小泉正子は最愛の父・大作が自動車事故で死去したことを知り日本へ戻ってきた。もう二度とこの地を踏むことはないと思っていたが。自宅に着くと呼び鈴を何度押しても誰も出て来なかったため勝手に上がって居間でくつろいでいた。するとしばらくして着衣が乱れた友子が現れた。その様子と灰皿の中にある吸い殻から正子は彼女に疑いの眼差しを向けた。外交官だった大作はバーの女給だった友子と一度だけ関係を持ったが、その後は友子の方から一方的に押し掛けた。彼女のことを愛していない大作はそのことを迷惑がり再婚を渋ると、友子は自殺して新聞沙汰にするとわめき散らして脅迫したのだった。その結果、二人は再婚することになったが、正子は反対し結婚式の夜に家を飛び出すとアメリカへ旅立ったのだ。この再婚を裏で操っていたのは塚越五郎で、結婚する前からの関係は今でも続いていた。こんなつらい思いをするなら帰ってこなければよかったと後悔している正子の前に現れたのは、腹違いの姉・澄江と恋人の伸二郎だった。伸二郎は正子のかつての恋人だったが、彼女が父への憎しみで理性を失い結婚式の夜に突然旅立ったことでおいてきぼりを食ったのだ。再び目の前に現れた正子に、伸二郎はもう一度僕にチャンスを与えてくれますかと尋ねた。あなたを信じ愛することを。彼が自分を必要としていることを知った正子はもう一度やり直すことに決めた。

友子は伊崎弁護士から遺言書のに基づく財産分配の話を聞いた。株券や不動産のなど1億円近い遺産のほとんどが正子名義になっているというのだ。そこで彼女は色仕掛けで伊崎に迫り遺言書を手に入れると塚越はそれを燃やした。遺産が自分名義になっていることを正子が知らなければ、あとは伊崎がうまくやってくれる手筈になっていた。そしてもしものときのために塚越は密会の証拠を写真に残していた。伸二郎と一夜をともにした正子が自宅に戻ると、友子が塚越と逢瀬を重ねていた。父や母との大切な思い出を汚されたくない正子は家を出ることに決めたが、それに慌てた友子は思い止まらせようと説得した。一方、伸二郎が結婚を決意した正子といるところを偶然見かけた澄江は、彼があの遺産を独り占めしようと考えているのではないかと疑った。伸二郎も澄江が伊崎と度々会っていることを知っていた。友子が伊崎を抱き込んだら除け者にされてしまうからだと澄江が言うと伸二郎はそれを信じた。

正子は4人の前で、父の墓参りをしてから日本を発つので財産はみなさんで処分してくださいと言った。だが伊崎からの電話で正規の遺言書が東南銀行の金庫に保管されていることを知り友子たちは愕然とした。遺産の分配には正子の承諾が必要であることから、翌日自身で銀行へ出向いて書類の内容を確認し、父の墓前に4人を集めると回答を行った。それは今住んでいる家と別荘は澄江と友子に任せ、その他の財産は不幸な子供たちに寄付するというものだった。落胆する4人は再び集まると正子の殺害計画を立てた。

屋台的映画館

西遊記(2007年)

  • posted at:2010-11-01
  • written by:砂月(すなつき)
さいゆうき
フジテレビジョン=東宝=J-dream=FNS27社
配給:東宝
製作年:2007年
公開日:2007年7月14日
監督:澤田鎌作
製作:亀山千広
企画:大多亮
エグゼクティブプロデューサー:清水賢治 鳥谷能成 飯島三智
プロデュース:鈴木吉弘
プロデューサー:小川泰 和田倉和利
脚本:坂元裕二
音楽:武部聡志
主題歌:「Around The World+Go!空」MONKEY MAJIK
イメージソング:「旅人」高杉さと美
特撮監督:尾上克郎
撮影:松島孝助
照明:吉角荘介
美術:清水剛
録音:滝澤修
VFXプロデューサー:大屋哲男
製作プロダクション:シネバザール
出演:香取慎吾 内村光良 伊藤淳史 深津絵里 多部未華子
アメリカンビスタ カラー 120分

空にまだ龍が飛んでいた頃、三蔵法師という一人の僧侶がこの世に平和をもたらすというありがたい御経を持ち帰るため、西へ旅立った。供を務めるのは孫悟空、沙悟浄、猪八戒の三匹の妖怪たちだった。彼らは遥か彼方にある天竺大雷音寺を目指した。

炎天下の中、果てしなく続く砂漠を旅していた一行だったが、歩き疲れた悟空はもう一歩も動けないと不平を言った。悟浄は黙って歩けと命じたが、その言葉にカチンときた悟空は、悟浄と、まったく関係のない八戒にケンカを売った。すると三蔵は戒めの話を始めた。ところが誰も聞く耳を持たなかった。悟浄たちは悟空を追い掛けていたため、三蔵も後について行くしかなかった。そんな騒動のおかげで彼らは巨大な墓を見つけることが出来た。お供え物があるかも知れないと墓に近づく悟空に、三蔵は仏様の天罰が下ると戒めた。すると遥か彼方から騎馬隊がやってきたのだ。天罰だと震える三蔵たちだったが実はそうではなかった。隊長らしき少女が先祖の墓参りに来ただけだったのだ。悟空はその少女に水と食料をくれと言ったが、騎馬隊は何も言わずに去ってしまった。落胆する一行だったが、丘の向こうに町を見つけたことで元気を取り戻した。

虎誠という小さな国は三蔵一行を求めていた。そのおかげで偽物が多発したため、赤いマントに身を包んだ拳士が現れ真偽を確かめるのだ。拳士の正体は玲美、騎馬隊の少女だった。彼女は「お腹がすいてるんでしょ。うちへおいでよ」と言った。玲美は王国の姫だった。
王宮で一行を待っていたのは二匹の亀、それは呪いをかけられた国王と王妃の姿だった。「災い国を覆いし時、その者三つの鈴を携えて東方より訪れん。剣よりも強き祈りを以って雲を切り裂き、陽の光を導かん」。その伝説の人物こそ三蔵法師だとこの国の者たちは皆信じていたのだ。だが、経に妖術を破る力などあるはずがなかった。三蔵たちを偽物だといって追い返そうとする文徳を止めた玲美は、彼らに妖怪退治を依頼した。

虎誠は緑豊かな森と水源に囲まれた裕福な国だったが、突如現れた金角大王と銀角大王によって一変した。彼らの足音とともに草木は枯れ、彼らの息吹きとともに水は尽き、豊かな地は一日で砂漠と化したのだった。そして国王たちを亀に変えると虎誠の全てを奪って行ったのだ。金角と銀角は二人の兄弟で、混世魔王さえも恐れるほどの絶対妖怪だった。虎の民という勇敢な人々も尻込みする程の相手を前に悟空たちは逃げ出そうとしたが、三蔵が妖怪退治に協力すると言ったため、嫌々ながらも金角たちが住む臥竜山へ向かうことになった。

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