忍者ブログ

ラヂオの時間

  • posted at:2010-11-26
  • written by:砂月(すなつき)
らじおのじかん
フジテレビジョン=東宝
配給:東宝
製作年:1997年
公開日:1997年11月8日
監督:三谷幸喜
製作:村上光一 高井英幸
エグゼクティブプロデューサー:松下千秋 増田久雄
プロデューサー:石原隆 佐倉寛二郎
アソシエイト・プロデューサー:空閑由美子 重岡由美子
原作:三谷幸喜と東京サンシャインボーイズ
脚本:三谷幸喜
企画:久板順一朗 島谷能成
撮影監督:高間賢治
キャメラオペレーター:戸澤潤一
音楽:服部隆之
美術:小川富美夫
照明:上保正道
録音:瀬川徹夫
編集:阿部浩英
スクリプター:杉山昌子
助監督:川原圭敬
製作担当:山口謙二
製作協力:プルミエ・インターナショナル
出演:唐沢寿明 鈴木京香 西村雅彦 戸田恵子 井上順
アメリカンビスタ カラー 104分

ラジオ弁天のスタジオでは、生放送のラジオドラマ「運命の女」のリハーサルが行われていた。初めて書いたシナリオが採用された主婦の鈴木みやこは、緊張しながらリハーサルの様子を見守っていた。「運命の女」は、熱海を舞台にしたパチンコ店で働く平凡な主婦と漁師の恋物語だった。プロデューサーの牛島龍彦は、ラジオドラマには無限の可能性があると考えていた。映像文化にはないラジオの良さを人々に再認識してもらうために、ラジオドラマの生放送という冒険に打って出たのだ。

主演女優・千本のっこのマネージャー・古川から牛島へ一本の電話が入った。のっこが演じる役の名前が気に入らないと言うのだ。以前、彼女は不倫騒動で世間を騒がせたが、その相手の妻の名前が律子だったのだ。牛島はみやこと相談し、気持ちよく演じることが出来るのなら彼女が希望する名前に変更してもいいという約束を取り付けた。のっこは旬は過ぎているがれっきとしたスターだったため、関係者は皆断ることが出来なかったのだ。結局、役名はメアリー・ジェーンとなった。一方、その話を聞いた相手役の浜村錠も黙っていなかった。寅造といういかにも日本人っぽい名前ではなく、外国人の名前にして欲しいと言い出したのだ。牛島は渋々了承し、舞台を熱海からニューヨークに変更することにした。固有名詞を変えるだけだから心配ない、その見通しの甘さが悲劇を呼んだ。

手直しは自分でやりたいとみやこは言ったが、辻褄が合わなくなった台本を短時間で修正することは不可能だった。ディレクターの工藤学は牛島に元に戻した方がいいと再三忠告したが、まずは編成部長の堀ノ内修司に相談してから決めると言って聞かなかった。堀ノ内はのっこと直接会い、パチンコ屋がニューヨークにはないという話から切り出したが、それならば華やかな職業にしたいと言い出し、裁判シーンがやりたいというわがままからメアリー・ジェーンは女弁護士となった。牛島は構成作家のバッキーに頼み込み、みやこに無許可で台本を修正することにした。その結果、メアリー・ジェーンはニューヨークで働くバリバリのキャリアウーマンという設定になっていた。漁師の名前が寅造からマイケル・ピーターとなり設定自体が変更されていることを知った浜村は、こんな馬鹿な話はないと吐き捨て帰ろうとした。牛島は5分だけ待って欲しいと頭を下げて推し止めたのだった。のっこに何を言っても無駄なことがわかっていた牛島にとって、この5分間はただの時間稼ぎでしかなかった。

浜村は戻ってきた牛島にさっきはすまなかったと詫びた。キャリアウーマンと村の漁師では釣り合いが取れないと考えていた浜村は、仕事を続ける条件としてマイケル・ピーターの職業はパイロットにしたいと提案したのだ。牛島は勘弁して欲しいと言ったが、女弁護士と言えばパイロットだと持論を曲げようとはしなかった。結局、牛島は折れ、その条件を飲むことにした。

屋台的映画館
PR

怪談バラバラ幽霊

  • posted at:2010-11-15
  • written by:砂月(すなつき)
かいだんばらばらゆうれい
大蔵映画
配給:大蔵映画
製作年:1968年
公開日:1968年5月28日
監督:小川欽也
脚本:津川京一
撮影:岩橋秀光
音楽:長瀬貞夫
美術:宮坂勝己
照明:石田清三郎
録音:星一郎
助監督:佐藤治
編集:金子半三郎
記録:今井敏夫
結髪:小池律子
製作主任:永野保徳
出演:秋川玲子 林美樹 清水世津 椙山拳一郎 二階堂浩
シネマスコープ パートカラー 71分

小泉正子は最愛の父・大作が自動車事故で死去したことを知り日本へ戻ってきた。もう二度とこの地を踏むことはないと思っていたが。自宅に着くと呼び鈴を何度押しても誰も出て来なかったため勝手に上がって居間でくつろいでいた。するとしばらくして着衣が乱れた友子が現れた。その様子と灰皿の中にある吸い殻から正子は彼女に疑いの眼差しを向けた。外交官だった大作はバーの女給だった友子と一度だけ関係を持ったが、その後は友子の方から一方的に押し掛けた。彼女のことを愛していない大作はそのことを迷惑がり再婚を渋ると、友子は自殺して新聞沙汰にするとわめき散らして脅迫したのだった。その結果、二人は再婚することになったが、正子は反対し結婚式の夜に家を飛び出すとアメリカへ旅立ったのだ。この再婚を裏で操っていたのは塚越五郎で、結婚する前からの関係は今でも続いていた。こんなつらい思いをするなら帰ってこなければよかったと後悔している正子の前に現れたのは、腹違いの姉・澄江と恋人の伸二郎だった。伸二郎は正子のかつての恋人だったが、彼女が父への憎しみで理性を失い結婚式の夜に突然旅立ったことでおいてきぼりを食ったのだ。再び目の前に現れた正子に、伸二郎はもう一度僕にチャンスを与えてくれますかと尋ねた。あなたを信じ愛することを。彼が自分を必要としていることを知った正子はもう一度やり直すことに決めた。

友子は伊崎弁護士から遺言書のに基づく財産分配の話を聞いた。株券や不動産のなど1億円近い遺産のほとんどが正子名義になっているというのだ。そこで彼女は色仕掛けで伊崎に迫り遺言書を手に入れると塚越はそれを燃やした。遺産が自分名義になっていることを正子が知らなければ、あとは伊崎がうまくやってくれる手筈になっていた。そしてもしものときのために塚越は密会の証拠を写真に残していた。伸二郎と一夜をともにした正子が自宅に戻ると、友子が塚越と逢瀬を重ねていた。父や母との大切な思い出を汚されたくない正子は家を出ることに決めたが、それに慌てた友子は思い止まらせようと説得した。一方、伸二郎が結婚を決意した正子といるところを偶然見かけた澄江は、彼があの遺産を独り占めしようと考えているのではないかと疑った。伸二郎も澄江が伊崎と度々会っていることを知っていた。友子が伊崎を抱き込んだら除け者にされてしまうからだと澄江が言うと伸二郎はそれを信じた。

正子は4人の前で、父の墓参りをしてから日本を発つので財産はみなさんで処分してくださいと言った。だが伊崎からの電話で正規の遺言書が東南銀行の金庫に保管されていることを知り友子たちは愕然とした。遺産の分配には正子の承諾が必要であることから、翌日自身で銀行へ出向いて書類の内容を確認し、父の墓前に4人を集めると回答を行った。それは今住んでいる家と別荘は澄江と友子に任せ、その他の財産は不幸な子供たちに寄付するというものだった。落胆する4人は再び集まると正子の殺害計画を立てた。

屋台的映画館

西遊記(2007年)

  • posted at:2010-11-01
  • written by:砂月(すなつき)
さいゆうき
フジテレビジョン=東宝=J-dream=FNS27社
配給:東宝
製作年:2007年
公開日:2007年7月14日
監督:澤田鎌作
製作:亀山千広
企画:大多亮
エグゼクティブプロデューサー:清水賢治 鳥谷能成 飯島三智
プロデュース:鈴木吉弘
プロデューサー:小川泰 和田倉和利
脚本:坂元裕二
音楽:武部聡志
主題歌:「Around The World+Go!空」MONKEY MAJIK
イメージソング:「旅人」高杉さと美
特撮監督:尾上克郎
撮影:松島孝助
照明:吉角荘介
美術:清水剛
録音:滝澤修
VFXプロデューサー:大屋哲男
製作プロダクション:シネバザール
出演:香取慎吾 内村光良 伊藤淳史 深津絵里 多部未華子
アメリカンビスタ カラー 120分

空にまだ龍が飛んでいた頃、三蔵法師という一人の僧侶がこの世に平和をもたらすというありがたい御経を持ち帰るため、西へ旅立った。供を務めるのは孫悟空、沙悟浄、猪八戒の三匹の妖怪たちだった。彼らは遥か彼方にある天竺大雷音寺を目指した。

炎天下の中、果てしなく続く砂漠を旅していた一行だったが、歩き疲れた悟空はもう一歩も動けないと不平を言った。悟浄は黙って歩けと命じたが、その言葉にカチンときた悟空は、悟浄と、まったく関係のない八戒にケンカを売った。すると三蔵は戒めの話を始めた。ところが誰も聞く耳を持たなかった。悟浄たちは悟空を追い掛けていたため、三蔵も後について行くしかなかった。そんな騒動のおかげで彼らは巨大な墓を見つけることが出来た。お供え物があるかも知れないと墓に近づく悟空に、三蔵は仏様の天罰が下ると戒めた。すると遥か彼方から騎馬隊がやってきたのだ。天罰だと震える三蔵たちだったが実はそうではなかった。隊長らしき少女が先祖の墓参りに来ただけだったのだ。悟空はその少女に水と食料をくれと言ったが、騎馬隊は何も言わずに去ってしまった。落胆する一行だったが、丘の向こうに町を見つけたことで元気を取り戻した。

虎誠という小さな国は三蔵一行を求めていた。そのおかげで偽物が多発したため、赤いマントに身を包んだ拳士が現れ真偽を確かめるのだ。拳士の正体は玲美、騎馬隊の少女だった。彼女は「お腹がすいてるんでしょ。うちへおいでよ」と言った。玲美は王国の姫だった。
王宮で一行を待っていたのは二匹の亀、それは呪いをかけられた国王と王妃の姿だった。「災い国を覆いし時、その者三つの鈴を携えて東方より訪れん。剣よりも強き祈りを以って雲を切り裂き、陽の光を導かん」。その伝説の人物こそ三蔵法師だとこの国の者たちは皆信じていたのだ。だが、経に妖術を破る力などあるはずがなかった。三蔵たちを偽物だといって追い返そうとする文徳を止めた玲美は、彼らに妖怪退治を依頼した。

虎誠は緑豊かな森と水源に囲まれた裕福な国だったが、突如現れた金角大王と銀角大王によって一変した。彼らの足音とともに草木は枯れ、彼らの息吹きとともに水は尽き、豊かな地は一日で砂漠と化したのだった。そして国王たちを亀に変えると虎誠の全てを奪って行ったのだ。金角と銀角は二人の兄弟で、混世魔王さえも恐れるほどの絶対妖怪だった。虎の民という勇敢な人々も尻込みする程の相手を前に悟空たちは逃げ出そうとしたが、三蔵が妖怪退治に協力すると言ったため、嫌々ながらも金角たちが住む臥竜山へ向かうことになった。

屋台的映画館

Go!

  • posted at:2010-10-23
  • written by:砂月(すなつき)
ごー
日活=NHKエンタープライズ21=ソニーPCL
配給:日活
製作年:1999年
公開日:2001年10月6日
監督:矢崎充彦
製作総指揮:中村雅哉
製作:酒井治盛 高野昌幸 猿川直人
プロデューサー:横手実 飯野恵子
協力プロデューサー:平井健一郎
ラインプロデューサー:田口聖
原案:矢崎充彦 まつざわなおと
脚本:矢崎充彦
撮影:栗山修司
企画:高橋康夫 尾又富雄 明石知幸
音楽プロデューサー:佐渡岳利
音楽:中尾淳
主題歌:「Sleeping Butterfly」山崎まさよし
照明:鳥越正夫
美術:山田好男
録音:横野一氏工
編集:普嶋信一
スクリプター:荘原はる
キャスティング:中澤サカキ
助監督:池上純哉
製作担当:白石治
出演:高田宏太郎 椋木美羽 美保純 伊集院光 松重豊
アメリカンビスタ カラー 108分

高校2年生の西野康助は、授業が終わるといつものようにアルバイト先である新宿のピザ・チェーン店「ピザーラ」へ向かい、いつものように細村店長と衝突した。遅刻が27回、無断欠勤が3回、客のピザを落としたのが2回あったことを理由に時給を下げるというのだ。要求を呑むか、それとも辞めるかの二択を迫られた康助は辞めることをしたのだが、ピザが焼き上がったため最後のピザの配達に出掛けた。街はクリスマスのイルミネーションで華やいでいたが、怒りが収まらない彼の心は一向に晴れなかった。そんなこともあって彼はバイクを飛ばして確認をせずに交差点の角を曲がろうとしたため、通行人に気付くのが遅れてた。康助は舗道に倒れ込む若い女性に対して思わず「ボーッとしてんなよ!」と毒づいたが、女性は自分の体よりも転倒したときに落としたバッグを心配した。彼女はプロのカメラマンで、バッグには商売道具のレンズが入っていたのだ。レンズは壊れていた。女性は康助に謝るように言ったが、俺は金がないからとバイクから降りようともしなかった。

康助は雑誌編集者の母・尚美との二人暮らしで父親とは昨年離婚した。母に事故のことを言い出せずお金の相談も出来なかったことから、彼は頼みの綱である細村に給料の前借りを申し出た。だが当然のことながら断られ、辞めるんじゃなかったのかと問い詰められた。さらに私用の電話をするなと言われ、その相手があの女性からだったとわかると自宅までバイクを飛ばした。絶対弁償するからと言うために。数日後、康助はレンズ代には遠く及ばなかったが、身の回りの私物を売り払って作ったお金を持って女性=飯塚令子の部屋を訪れ、そこで初めて「ゴメン」と謝った。その言葉を聞いた令子がお金のことかレンズのことかと問うと、康助は両方と答えた。それを聞いた令子は気持ちに区切りをつけるために散歩へ誘い、身近な話をすることにした。そして彼のことがわかるとお金を受け取ろうとせず、その代わりに康助が作ったピザを届けて欲しいと言った。そして思わず口から出た「すみません」という彼の言葉に、令子は謝るのって簡単でしょと言った。

今まで一度もピザを焼いたことがない康助は、スタッフの特訓を受けることになった。そして翌日ようやく一枚の特製ピザが完成したのだが、令子を訪ねていくら呼び鈴を鳴らしても彼女は出てこなかった。その様子に気付いた隣人は、彼女が田舎へ帰ったことを伝えた。康助が落胆して帰宅すると尚美は急ぎの雑誌の仕事に掛かり切りだった。彼は持ち帰ったピザを食べるように言ったが、後でと言って取り合わなかった。「好きな人が作ったものならうまいだろ!」。母には再婚するかもしれない雑誌カメラマンの真木という相談相手がいるが、自分にはいない。孤独感を感じた彼はひとり思い悩み、やることがあるからと言って再び出掛けた。そして閉店後の誰もいない厨房で令子のことを思い徹夜で納得が行くまでピザを焼き続けたのだった。明け方、バイト仲間の明を呼び出すと、令子がいる長崎へピザを届けると告げた。

屋台的映画館

戦国自衛隊1549

  • posted at:2010-10-11
  • written by:砂月(すなつき)
せんごくじえいたいいちごうよんきゅう
「戦国自衛隊1549」製作委員会(角川映画=日本映画ファンド=日本テレビ放送網)
配給:東宝
製作年:2005年
公開日:2005年6月11日
監督:手塚昌明
製作:黒井和男
製作補:佐藤直樹 秋葉千晴
プロデューサー:鍋島壽夫 土川勉 貝原正行
原案:半村良
原作:福井晴敏
脚本:竹内清人 松浦靖
撮影:藤石修
音楽:shezoo
主題歌:「涙の数だけ」Full Of Harmony
美術:清水剛
照明:渡辺三雄
整音:中村淳
録音:湯脇房雄
編集:普嶋信一
特撮監督:尾上克郎
VFX:道木伸隆 大屋哲男
音響効果:柴崎憲治
殺陣:深作覚
馬術指導:田中光法
助監督:兼重淳
キャスティング:杉野剛
製作担当:芳川透
出演:江口洋介 鈴木京香 鹿賀丈史 北村一輝 綾瀬はるか
アメリカンビスタ カラー 119分

2003年10月13日、東富士駐屯地で行われた陸上自衛隊による実験で事故が発生した。太陽の活動は十一年周期で活発化し、その際にフレアと呼ばれる爆発が起こる。爆発によって発生したプラズマは、地球上の電子機器に障害を与える可能性が高い。それが有事に起これば自衛隊は無力になってしまうのだ。そこで人工磁場を使ってプラズマの方向性を変え、障害を排除するシステムの開発に着手した。実験は秘密裏に行われ、的場毅一佐率いる第三特別実験中隊が参加した。その日はプラズマが地球に到達するという好条件だったが、その大きさは磁場シールドの耐久測値を上回っていた。しかし指揮官は作戦を強行した。すると実験場は嵐に包まれ、静まったときには第三特別実験中隊を囲んだ一帯が消滅していた。代わりにそこに出現したのは、叢だった。

事故から2年後のある日、居酒屋の雇われ店長・鹿島勇祐の前に二人の自衛官が現れた。一人は森彰彦3等陸佐、そしてもう一人は、あの実験の指揮官、神崎怜2等陸尉だった。二人は勇祐にこれまで起こった経緯を話し始めた。調査をした結果、実験場に出現した叢は約500年前のものであることが判明した。その3日後、叢は消え再び元の地面が現れた。それと同時に騎馬武者も運ばれてきたのだ。このことから一時的に過去と現代の空間が転移し、再生したのではないかと考えられた。そこで防衛庁はこの転移を利用して的場一佐たちを救うべく二度目のタイムスリップを行う計画を進めていたのだ。オペレーション・ロメオという名の救出作戦は、観測衛星で再びフレアが観測されたことで現実味を帯びてきていた。勇祐は的場が創設した特殊部隊・Fユニットの一員であり、彼が作製した攻略不能といわれる演習シナリオ・D-3を制圧した唯一の人間だった。勇祐なら的場の行動パターンが読めるかもしれないということで指名されたのだ。

彼らを救出する目的はもう一つあった。日本各地では「ホール」と名付けられた虚数空間が発生し、成長をし続けていた。この「ホール」の存在は、過去へ飛ばされた第三特別実験中隊がその時代で何らかの過剰な干渉をしたのではないかと考えられていた。本来なら彼らが過去へ飛ばされた時点で消滅したかもしれない現在が存在するということは、小さな傷であれば歴史には修復する能力があり、もしそれが本当であれば早めに手を打つ必要があった。過去での彼らの行動が現代社会を消滅させかねないからだ。話を聞き終えた勇祐は二人にこう言い放った。「消えちまえばいいんだ、こんな世界」。政治的な事情でFユニットが解散に追い込まれてから、彼は生きる熱意を失っていた。

翌日、勇祐の店に一人の男が現れた。奇妙な言葉を使うその男は、「美濃の国、斎藤山城守道三が家臣、飯沼七兵衛」と名乗った。2年前の事故のときに戦国時代から飛ばされてきたあの侍だったのだ。平和で自由な世の中が消えてしまうかもしれないという火急時に身勝手な態度をとる勇祐を腹立たしく感じていた。彼は最後にこう言い残して歩き去った。「そのような腰抜けならば、おぬしこそこの世から消えてしまえば良いのだ」。勇祐は、退官するときの的場からかけられた「己の信念をに従い、未来に対する責任を持って生きろ」という言葉を思い出した。その責任を全うするため、彼はロメオ隊への入隊を志願した。

屋台的映画館

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

フリーエリア

 

P R