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ノンちゃん雲に乗る

  • posted at:2007-09-05
  • written by:砂月(すなつき)
のんちゃんくもにのる
芸研
配給:新東宝
製作年:1955年
公開日:1955年6月7日
監督:倉田文人
製作:熊谷久虎 中田博二
原作:石井桃子
脚本:村山節子 倉田文人
撮影:小原譲治
音楽:飯田信夫
美術:山手健
録音:安部恒雄
照明:伴野功
編集:笠間秀敏
監督補佐:大岡紀
製作主任:木村寛
監督助手:永倉君平
撮影助手:岸寛身
美術助手:阿部三郎
録音助手:石川英夫
照明助手:松田慶治郎
衣裳:鈴木うら
小道具:奈良要
記録:横関文代
スチール:藤井善男
進行:永島芳男
製作助手:川上吉保
現像:東洋現像所
後援:雪印乳業株式会社
出演:原節子 鰐淵晴子 藤田進 徳川無声 大泉滉
スタンダード モノクロ 84分

悲しい出来事があった小学二年生のノンちゃんは、泣きながら家を飛び出した。その彼女を心配した愛犬のエスは、後から負い掛けてきたのだった。小鳥のさえずりに耳を傾け空を見上げたノンちゃんは泣くのを止め涙を拭いた。そして木に登り枝にまたがると音楽に乗せて気持ちよく鳥のように両手で羽ばたいていた。ところが彼女はバランスを崩して滑り落ち、その下の池に落ちてしまった。

ノンちゃんは空を飛んでいた。やがて何処からかノンちゃんを呼ぶ声がし、大きな熊手が雲の下から延びてきたかと思うと彼女を引っ掛けて引き上げたのだった。雲の上には白ひげのおじいさんがいた。おじいさんは雲で出来た椅子に彼女を腰掛けさせて話を聞いていたが、そこに同級生でいたずら坊主の長吉が現れた。長吉はノンちゃんのことを友達だとおじいさんに紹介したが、ノンちゃんは友達じゃないと言い張った。国語の授業中によそ見をしていた長吉は先生から注意され、ノンちゃんが笑ったからだと嘘をついたのだ。ノンちゃんは違うと弁解したが、長吉は嘘じゃないと言い張った。いざこざはお遊戯の授業でも起こった。ノンちゃんは元々東京の生まれだったが、病気になったので田舎に移って来たのだ。二年生になったら東京へ連れて行って貰うことになっていたが、体が丈夫でないうちは行ってはいけないとおとうさんに言われたのだ。隣同士になった長吉は、その話を持ち出して嘘つきだと言った。帰り道、ノンちゃんを待ち伏せていた長吉は「ノンちゃん、ノがつく、ノン左衛門」と歌ってからかった。ノンちゃんの話を楽しげに聞いていたおじいさんは、ワシも子供の頃を思い出したよと言った。そして深いため息をつくと、遠い遠い昔の夢じゃなと呟いた。

おじいさんは、「何でもいいからノンちゃんの身の上話が聞きたい。そうすればもう泣かずに済むように出来るかも知れない」と言った。それを聞いたノンちゃんは、大好きな家族のことを話すことにした。

屋台的映画館
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のど自慢

  • posted at:2006-04-17
  • written by:砂月(すなつき)
のどじまん
シネカノン=東宝=日活=ポニーキャニオン
配給:東宝=シネカノン
製作年:1999年
公開日:1999年1月15日
監督:井筒和幸
エグゼクティブプロデューサー:李鳳宇
プロデューサー:石原仁美
コ・プロデューサー:根岸洋之
ラインプロデューサー:佐々木裕二
脚本:安倍照男 井筒和幸
音楽:藤野浩一
音楽プロデューサー:石川光
・・・:「上を向いて歩こう」のど自慢シンガーズ
撮影監督:浜田毅
録音:井上宗一
照明:渡邊孝一
美術:中澤克巳
編集:冨田功
助監督:日垣一博
出演:室井滋 大友康平 尾藤イサオ 伊藤歩 松田美由紀
アメリカンビスタ カラー 112分

群馬県桐生市にNHKのど自慢がやってくる。1月10日の予選会が近づくにつれ、街全体がソワソワしていた。工事現場やタクシーの車中など至る所で練習する歌声が響いていた。

不器用な中年男・荒木圭介は家族を養わなくてはならない身。経営していたラーメン屋が火災に遭い、人生の再起を賭けて焼き鳥ピーコちゃんの販売研修を受けていた。土曜日の試験に合格すれば、店長として独立することができる。ところが、圭介は同じ日に行われる予選会に出場することになっていた。

スナックを経営する母親と姉の三人で暮らしている高橋里香の夢は歌手になることだ。そのステップがのど自慢に出場することだった。ある日、家に帰ると母親と姉が大ゲンカしていた。姉が不倫の末に妊娠してしまったというのだ。受験も控えているというのに彼女はまた苛立ちの種を抱え込んでしまった。

隣町で椎茸の栽培をしている耕太郎は、息子夫婦から登校拒否の孫・康太郎を預かっていた。息子の耕次から電話が掛かり、何事かと思えばサンパウロへの転勤が決まったというのだ。孫との別れは寂しいが、彼を元気付けるためにのど自慢に出場することにした。

芸能プロダクション社長兼マネージャーの須貝は、専属演歌歌手・赤城麗子とともに彼女の出身地である桐生市を訪れた。ここなら手売りでもCDは売れるだろうと高を括っていたが、見事に当てが外れてしまった。翌日、麗子は父親が営む床屋に顔を出した。すると常連客の小林と娘の佳織がケンカしていた。のど自慢の予選に通ったら番組を利用して家具屋の息子に告白するというのだ。結婚に反対している小林は娘から予選会出場の葉書を取り上げたのだった。その夜、再び床屋にやってきた小林はうろたえていた。脅しだろうと思っていた佳織が本当に家を出て行ったのだ。ろくなことがねえなあと小林が葉書を丸めて捨てると、歌手としての自身を失いかけていた麗子はそれをこっそり拾った。

屋台的映画館

逃がれの街

  • posted at:2005-08-09
  • written by:砂月(すなつき)
のがれのまち
田中プロモーション=日本テレビ放送網
配給:東宝
製作年:1983年
公開日:1983年10月15日 併映「夜明けのランナー」
監督:工藤栄一
製作:田中壽一 中沢敏明 坂本敏夫
原作:北方謙三
脚本:古田求 工藤栄一
撮影:岸本正広
音楽:柳ジョージ&ザ・バンドオブナイト
美術:高橋章
録音:辻井一郎
照明:高島利雄
編集:田中修
助監督:成田裕介
製作主任:川崎隆
出演:水谷豊 甲斐智枝美 島田紳助 本田博太郎 阪本浩之
アメリカンビスタ カラー 119分

共栄デンキの水井幸二は家電製品のトラック配送を担当していた。相棒を務める年下の米倉からはアニキと慕われていたが、何かと付きまとってくることを疎ましく思っていた。恋人の遠藤牧子と会うことになっていた日は給料日だったこともあり、仲間から飲みに誘われたものの断った。すると米倉も同じように断ってついてくるのだ。彼は前借りをした金を全て競馬につぎ込んだことでオケラになり、おごってもらう魂胆だった。それを知った幸二はお札を渡して追い払った。深夜、幸二が寝ついた頃に、一緒に上京してきた昔の仲間の沼田から電話が掛かってきた。仕方なく一晩泊めることにしたが、彼の首に生々しい傷があったり電話の内容に不審な点があったりと気になって深く眠ることが出来なかった。夜が明け幸二が目覚めると、沼田が勝手に飲んだ酒で酔っ払い訳がわからないことを怒鳴り始めたため部屋から叩き出した。

幸二がいつものように仕事を終えて会社に戻ると二人の刑事が訪ねてきた。2時間前に幸二のアパートの前で逮捕された沼田について聞かれ、警視庁で事情聴取を受けることになったのだ。沼田は自身が勤めていたパブの店長を殺害し売上金を強奪したのだが、幸二が事件に拘っているのではないかという容疑が掛けられたのだ。身に覚えのない彼は潔白を証明するために刑事の質問に対し丁寧に答えた。沼田が部屋にやってきたのは午前2時頃。住人の証言がある午前5時頃の揉め事は分け前についてではないかという質問にはよくあるケンカだと答えた。前日の9時から11時までは新宿のパチンコ屋で遠藤牧子と時間を潰し、その後ホテルへ向かった。アパートに戻ったのは12時前。その後、電話で起こされたのだった。警察は家宅捜索を行い、室内から血のついた沼田の服と現金30万円が見つかった。取り調べを行う矢部刑事はその現金の出処を疑ったが、それは幸二が貯めたヨット購入の資金だった。やがて逮捕状を持ってきた黒木刑事から沼田が幸二を共犯者であると認めたことを知らされると、幸二は牧子がアリバイを証明してくれると主張したが、貰った電話番号の先にはそのような人物はいなかった。頭に血が上った彼は取り乱し、拘留された。

幸二の疑いは晴れたが、彼が逮捕されたという世間の冷ややかな目は変わらなかった。会社からは冷遇され、八田主任からは罵られ叩きのめされた。そんな中、年が離れた中山だけは親身になって相談に乗った。会社を辞めるという幸二を中山は説得するが、無理だとわかると好きにしろと笑った。その夜、駅の改札口で幸二と待ち合わせをしていたのは家出をしてきた牧子だった。牧子は偽名であり年齢も偽って売春を行っていたが、今回の件が家族や学校に知られることを恐れて嘘をついたのだ。事情がわかると幸二の怒りは次第に治まり、二人は体を重ねた。

屋台的映画館

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