のんちゃんくもにのる
芸研
配給:新東宝
製作年:1955年
公開日:1955年6月7日
監督:倉田文人
製作:熊谷久虎 中田博二
原作:石井桃子
脚本:村山節子 倉田文人
撮影:小原譲治
音楽:飯田信夫
美術:山手健
録音:安部恒雄
照明:伴野功
編集:笠間秀敏
監督補佐:大岡紀
製作主任:木村寛
監督助手:永倉君平
撮影助手:岸寛身
美術助手:阿部三郎
録音助手:石川英夫
照明助手:松田慶治郎
衣裳:鈴木うら
小道具:奈良要
記録:横関文代
スチール:藤井善男
進行:永島芳男
製作助手:川上吉保
現像:東洋現像所
後援:雪印乳業株式会社
出演:原節子 鰐淵晴子 藤田進 徳川無声 大泉滉
スタンダード モノクロ 84分
悲しい出来事があった小学二年生のノンちゃんは、泣きながら家を飛び出した。その彼女を心配した愛犬のエスは、後から負い掛けてきたのだった。小鳥のさえずりに耳を傾け空を見上げたノンちゃんは泣くのを止め涙を拭いた。そして木に登り枝にまたがると音楽に乗せて気持ちよく鳥のように両手で羽ばたいていた。ところが彼女はバランスを崩して滑り落ち、その下の池に落ちてしまった。
ノンちゃんは空を飛んでいた。やがて何処からかノンちゃんを呼ぶ声がし、大きな熊手が雲の下から延びてきたかと思うと彼女を引っ掛けて引き上げたのだった。雲の上には白ひげのおじいさんがいた。おじいさんは雲で出来た椅子に彼女を腰掛けさせて話を聞いていたが、そこに同級生でいたずら坊主の長吉が現れた。長吉はノンちゃんのことを友達だとおじいさんに紹介したが、ノンちゃんは友達じゃないと言い張った。国語の授業中によそ見をしていた長吉は先生から注意され、ノンちゃんが笑ったからだと嘘をついたのだ。ノンちゃんは違うと弁解したが、長吉は嘘じゃないと言い張った。いざこざはお遊戯の授業でも起こった。ノンちゃんは元々東京の生まれだったが、病気になったので田舎に移って来たのだ。二年生になったら東京へ連れて行って貰うことになっていたが、体が丈夫でないうちは行ってはいけないとおとうさんに言われたのだ。隣同士になった長吉は、その話を持ち出して嘘つきだと言った。帰り道、ノンちゃんを待ち伏せていた長吉は「ノンちゃん、ノがつく、ノン左衛門」と歌ってからかった。ノンちゃんの話を楽しげに聞いていたおじいさんは、ワシも子供の頃を思い出したよと言った。そして深いため息をつくと、遠い遠い昔の夢じゃなと呟いた。
おじいさんは、「何でもいいからノンちゃんの身の上話が聞きたい。そうすればもう泣かずに済むように出来るかも知れない」と言った。それを聞いたノンちゃんは、大好きな家族のことを話すことにした。
屋台的映画館
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