けんじゅうぶらいちょうぬきうちのりゅう
日活
配給:日活
製作年:1960年
公開日:1960年2月14日 併映「刑事物語 殺人者を挙げろ」
監督:野口博志
企画:浅田健三
原作:城戸禮
脚本:山崎厳
撮影:永塚一栄
音楽:山本直純
主題歌:「黒い霧の街」赤木圭一郎
・・・:「一対一のブルース」西田佐智子
録音:福島信雅
照明:高橋勇
美術:大鶴泰弘
編集:辻井正則
助監督:宮野高
現像:東洋現像所
色彩計測:上田利男
特殊撮影:天羽四郎
製作主任:野村耕祐
技斗:高瀬将敏
出演:赤木圭一郎 浅丘ルリ子 宍戸錠 香月美奈子 沢本忠雄
シネマスコープ カラー 86分
男たちに命を狙われる剣崎竜二は麻薬で意識が朦朧としていた。だが「抜き射ちの竜」の異名を持つ彼の体は夜のプラットホームで待ち伏せる男たちに反応し、次々と右肩を討ち抜いたのだった。勝負を終えると竜二は地面に崩れ落ち、もがいた。ひと月後、竜二は退院できるまでに回復したが、それは院長・志津吾郎の献身的な治療によるものだった。志津に朝刊を渡され、宮地組の組長が行方不明になっていることを知った竜二は、誰が奴を始末したんだと叫んだ。すると志津は、宮地に拳銃を先に抜かせた君の気風に惚れた男だと静かに答えた。悪行を尽くした大ボスである宮地の殺害を依頼したのは志津だったが、治療費を含めた莫大な費用を肩代わりしたのは、竜二を男を刑務所へ入れることは惜しいと考えた男だった。
宮地組が解散し一匹狼となった両刃の源は志津を脅し、竜二を出せと凄んだ。さもなくばこの病院が裏で行っていることをばらすというのだ。いつでも表に出てやるぜと奥の部屋から飛び出してきた竜二を止めたのは、楊三元の遣いでやってきた用心棒のコルトの銀だった。銀は銀座で待つ楊のもとへ竜二を連れて行こうとしたが、それならばちょっと寄って欲しいところがあるんだと言った。ボクシングジムに立ち寄った竜二は弟分の三島圭吉に会おうとしたが、タイトルマッチで八百長が発覚し行方を晦ましていたのだ。竜二はショックを隠せないまま目的地へ向かった。
銀座の洋装店・ルガーでは楊の他に堀田組組長・堀田重三郎の姿もあった。楊は麻薬密輸組織のリーダーで堀田に麻薬を売りさばかせていたが、粗いやり方に危険を感じていた。そこで販売手数料を引き下げるなど手を切る方法を画策していた。堀田と因縁にある竜二を呼んだのもそのひとつだった。楊は竜二を用心棒として雇い入れようとしたが、自首をして足を洗うつもりでいた竜二は断わった。彼は「抜き射ちの竜」という名前を捨てるために、麻薬に手を染めたのだ。楊が拳銃を撃つと、竜二の体は無意識に反応していた。口車に乗せられて二度と銃を握らないという誓いを破った竜二は、殺しだけはやらないという条件で了承した。相手の利き腕の肩を撃ち抜き、拳銃を握らせないようにするのが竜二のやり方だった。
竜二は楊の指示に従って416号室を訪ねた。そこはファッションデザイナーでルガーの名義人でもある真木房江の部屋だった。房江は部屋に招き入れて誘惑したが、人の気配を感じた竜二がベッドルームのカーテンを捲ると三島が寝ていた。思わぬ再会に竜二の怒りは爆発した。何故八百長をやったのかと問い詰めたが、三島は真実を口にしようとはしなかった。やがて三島は苦しみ始め麻薬漬けになっていることを知ると竜二は愕然とした。
屋台的映画館
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