つりきちさんぺい
「釣りキチ三平」製作委員会(東映=白組=テレビ東京=バップ=木下工務店=東映ビデオ=ジェイアール東日本企画=Yahoo! Japan=河北新報社=東日本放送=秋田魁新報)
配給:東映
製作年:2009年
公開日:2009年3月20日
監督:滝田洋二郎
プロデューサー:近藤正岳 小池賢太郎 渡井敏久
共同プロデューサー:鈴木一巳 岡本東郎
キャスティングプロデューサー:福岡康裕
プロダクション担当:木次谷良助
原作:矢口高雄
脚本:古沢良太
音楽:海田庄吾
主題歌:「Heart」the generous
撮影:葛西誉仁
美術:小川富美夫
照明:髙屋齋
編集:川島章正
録音:尾崎聡
整音:小野寺修
音響効果:小島彩
装飾:小池直実
特殊造形:上松成明
スクリプター:赤澤環
アソシエイトプロデューサー:山田周
助監督:早川喜貴
製作担当:田島啓次
ラインプロデューサー:山下秀治
フィッシングスーパーバイザー:鈴木康友
和竿製作・所作指導:中台泰夫
VFX:白組
出演:須賀健太 塚本高史 香椎由宇 土屋太鳳 小宮孝泰
アメリカンビスタ カラー 118分
東北地方の役瀬川では夏恒例の鮎釣り大会が行われていた。常連の参加者である松山、竹田、梅沢が上位三位を独占するものと思われたが、地元から参加した和竿職人の三平一平が松山の29匹を遥かに上回る50匹を釣り上げて準優勝、そして彼の孫である三平が51匹を釣り上げて優勝した。この結果に納得行かなかったのが松山たちで、ずるをしたと言いがかりをつけたのだ。その言葉にカチンときた三平は「オラがずるっこしてるか証明してやるから勝負しろ」と言った。一平が立会人となり、鮎釣りの勝負が再び行われることになった。制限時間は1時間で多く釣った方が勝ちというルールだったが、おとり鮎が一匹しか使えないという厳しい条件がついていた。鮎の友釣りには「朝瀬、昼トロ、夕上り」という鮎の習性をうまく言い表した言葉があり、水温の高い昼頃は流れのほとんどないような場所にいることが多い。松山はポイントに移動すると早速釣り始めた。その頃、三平はというと木に登って風を感じていた。そして太陽が真上に昇ると今度は川に入って騒ぎ始めたのだ。それから今度は石の上で昼寝を始めたため、松山は一平に「もうタオルを投げてやれよ」と言った。5匹目を釣ったところでおとりの鮎が弱り、彼の釣りは終了した。残り時間が20分程になった頃、三平はようやく動き始めた。
三平は9匹を釣り上げ、軍配は三平に上がった。運が良かったなと捨て台詞を吐く松山に、三平はたまたまではなかったことを解説した。制限時間は1時間だったが、時間いっぱい泳ぐことが出来る鮎はいない。そこで残りの20分間でたくさん釣れる手を使ったのだ。彼はまず高い場所へ登り、鮎がコケを食んだことで光る石とその周りに散らばっている縄張りを持たない遊び鮎を確認した。次に水の中で暴れることで鮎たちが水温の低い上流の岩陰に潜り込むという習性を利用した。そして昼寝で鮎たちの興奮が覚めるのを待ってから釣り始めたのだった。なんて子供だ・・・。松山たちは只々感心するしかなかった。
せっかくの夏休みなのに毎日釣りに明け暮れる三平とそれにつき合う幼なじみの高山ゆり。そんな三平に目をつけたのはアメリカのトーナメントで何度も優勝しているバスフィッシングのプロ・鮎川魚紳だった。釣りへの情熱を失いかけていた彼は、鮎釣り大会で純粋に釣りを楽しむ三平に姿に興味を引かれたのだ。三平と仲良くなった魚紳は一平の好意で一晩泊まることにした。ところが釣り談義を重ねるうちにいつのまにか家族のように住み着いていた。そんなある日、東京に暮らす姉・愛子が村にやってきた。彼女の目的は三平を東京へ連れて行き、都会の教育を受けさせることだった。三平の父・平は一平を越える程の釣り好きで、竿作りの合間を見ては日本中を飛び回っていた。7年前の夏、海釣りで沖へ出た平は嵐に遭い、消息は途切れた。そしてそのショックで妻も半年程で亡くなった。それ以来、愛子は変わった。釣りが両親を殺したと思い込んでいた彼女は中学三年の夏、一平と大喧嘩して家出し母方の叔父のもとで暮らすようになったのだ。就職が決まった愛子は一人暮らしを始めた。そこで三平を引き取ることにしたのだが、当の本人は頑として首を縦に振ろうとはしなかった。その夜、一平は魚紳にあるお願いをした。翌早朝、一平は三平と愛子を起こすと急いで支度をさせた。夜泣谷の怪物と呼ばれる1メートル50センチを越えるイワナを釣りに行くと言うのだ。そんなのいる訳ないじゃないという愛子に、一平はもし釣り上げることが出来たら三平の好きにさせてやって欲しいと言った。そして釣れなかった場合は、三平のことについて今後、一切口出しをしないと約束した。
屋台的映画館
PR