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ウルトラマン物語

  • posted at:2015-10-11
  • written by:砂月(すなつき)
うるとらまんすとーりー
円谷プロダクション
配給:松竹
製作年:1984年
公開日:1984年7月14日 併映「ウルトラマンキッズ M7.8星のゆかいな仲間」
監督:高野宏一
企画:円谷皐
製作:円谷皐
プロデューサー:円谷皐 宇川清隆
脚本:平野靖士
構成:藤島浩一郎 金田益実
編集:浦岡敬一
音楽:円谷音楽出版
プロデューサー:玉川静
作曲:宮内國郎 冬木透 菊池俊輔
撮影:山本武 大根田俊光 佐野哲郎
照明:牛場賢二 熊谷茂 磯貝幸男 町田修一 小野晃
美術:山口修 寒竹亘男 秋本豊治 寺井雄二 佐々木修
造形美術:水野伸一
造型:開米栄三 藤崎幸雄 若狭新一
操演:小笠原亀 根岸泉 岡村隆男
視覚効果:兵頭文造
整音:斉藤恒夫
音響デザイン:須藤輝義
ライブ編集担当:小林熙昌
ネガ編集:五月女考男
編集助手:佐藤康雄
製作進行:服部一貴
演技事務:安藤仁一朗
スチール:渡辺亨
助監督:品田仁
記録:増田実子
製作担当:坂本至徳
主題歌:「ウルトラマン物語 星の伝説」水木一郎 こおろぎ’73
・・・:「愛の戦士タロウ」水木一郎
プロデューサー:木村英俊
ディレクター:小暮一雄 前山寛邦
掲載:小学館
現像:東京現像所
プロデューサー補:浜田知彦
監督補:神澤信一
提供:松竹富士 円谷プロダクション
声の出演:石丸博也 野沢雅子 石田太郎 池田昌子 金内吉男
スタンダード カラー 93分

地球から遠く離れたM78星雲には光の国と呼ばれるウルトラの星がある。ウルトラ戦士を夢見るウルトラ兄弟の末っ子のタロウは日夜訓練に励んでいた。長男のゾフィーが海王星で暴君怪獣タイラントと戦っていた頃、中近東のバラージ王国に現れた磁力怪獣アントラーの前に次男のウルトラマンが立ち塞がった。一方、地球征服を狙うボーグ星人が三男のウルトラセブンに挑戦していた。そんな兄たちの活躍に刺激を受けたタロウは空中攻撃の練習を試みるが失敗して転倒した。何処からか笑い声が聞こえてきたため恥ずかしくなり辺りを見回すと、そこにいたのは小型怪獣のドックンだった。腹を立てたタロウはいつまでも笑い転げるドックンを怪獣退治の練習台にしようとし本気で怒らせてしまった。逃げるタロウに追うドックン。すると何事が起きたのかとウルトラの母が駆けつけ吼えるドックンをなだめたのだった。母はドックンも私たちと同じ平和を望む宇宙の一員なのだから仲良くしなさいと諭した。そこにやってきたウルトラの父は、ウルトラ戦士になるためにはまだまだ世の中のことを学ばなければならないと言った。そして怪獣の中には良心を持つ者もいることをわからせるためにウルトラセブンとともに戦ったカプセル怪獣ミクラスの映像を見せた。お前はこれから多くのことを知らなければならないと父は彼を大宇宙へ連れて行き、我々ウルトラ戦士の真の目的はこの大宇宙の平和を維持することだと言った。平和を乱す者は宇宙の歪みが産んだ邪悪な存在であり、ウルトラ戦士はその歪みを正す存在だった。ウルトラ戦士になるには知恵と勇気の他に愛を知り肉体を鍛えなければならないと言うと、タロウはどんなことがあってもがんばるよと宣言した。

青年になったタロウは訓練中に攻撃してくる円盤を次々と破壊した。これだけやれるのに何故父さんは自分を一人前と認めてくれないのだろう。ふとそんなことを考えていると背後から光線を浴びた。その様子を見ていた父は、油断が結果として死を招くことになるのだと指摘した。そしていつまでも実戦を許してもらえないことに不満を漏らすタロウに邪念を捨てて無心で訓練に取り組むように命じ、それが出来なければお前は永遠にウルトラ戦士として認められないだろうと言った。

屋台的映画館
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うるとらまんぞふぃーうるとらのせんしぶいえすだいかいじゅうぐんだん
円谷プロダクション
配給:富士映画
製作年:1984年
公開日:1984年3月17日 併映「ウルトラマンキッズ M7.8星のゆかいな仲間」
監督:高野宏一
企画:円谷皐
制作:円谷皐
プロデューサー:宇川清隆 円谷皐
総編集:浦岡敬一
構成:藤島浩一郎 安井尚志 金田益実 平野靖士
脚本:藤島浩一郎 安井尚志 金田益実 平野靖士
撮影:大岡新一
照明:高野和男
美術:山口修
編集:小林熙昌
ネガ編集:五月女孝男
制作進行:青柳和彦
プロデューサー補:阿部宏司
音楽:宮内國郎 冬木透
音楽出版:日音 円谷音楽出版
プロデューサー:玉川静
主題歌:「ウルトラマン・ゾフィー」近藤光子 コロムビアゆりかご会
・・・:「ウルトラマン物語」水木一郎 コロムビアゆりかご会
掲載:小学館
光学:兵頭文造
タイトル:南波啓子
録音:整音企画 斉藤恒夫
効果:スワラ・プロ 須藤輝義
現像:東京現像所
制作協力:円谷エンタープライズ
声の出演:浦野光 堀内賢雄 小滝進 桜本昌弘 広瀬正志
スタンダード カラー 85分

地球から遥か離れた宇宙の彼方にあるウルトラ兄弟の故郷・M78星雲。そこは太古の昔より光の国と呼ばれ、宇宙警備隊の精鋭戦士団が宇宙全体の、そして地球の平和と安全を見守り続けている。ゾフィーを隊長とする宇宙警備隊は過去幾度となく地球を訪れている。かつての地球は宇宙のひずみが生み出した怪獣たちが暴れ回っていた。

分身の術を得意とする宇宙忍者・バルタン星人は20億人もの仲間を持ちミクロの大きさから巨大化して地球を侵略しようとした。ペダン星人が操る宇宙ロボット・キングジョーは湾岸のコンビナートを襲った。特殊金属のボディーは地球防衛軍の攻撃さえも跳ねのけた。発電所を襲った灼熱怪獣・ザンボラーは背中のトゲを光らせ辺りを火の海にした。鉄を食べるクレージーゴンは渋滞中の高速道路に現れ車をつまみ食いした。彗星怪獣・ドラコ、冷凍怪獣・ギガス、どくろ怪獣・レッドキングが三つ巴の死闘を繰り広げ、古代怪獣ゴモラは長い眠りから目を覚ました。邪悪な怪獣や宇宙人たちは常に宇宙の平和を乱そうとしており、この宇宙の中でひと際美しい地球はそんな彼らの格好の標的となっていた。

その昔、怪獣たちが初めて現れた頃、人類は知恵と勇気で彼らと戦っていた。千年に一度甦るという地底怪獣・パゴスが分子構造破壊光線を吐いて暴れていると、人々はネオ・ニュートロンミサイルで反撃して倒すことに成功した。零下130度の冷気を吐いて南極基地を襲った冷凍怪獣・ペギラには弱点である苔の成分から抽出したペギミンHをミサイルに乗せて撃ち込んだ。若者の体を奪おうとする誘拐怪人・ケムール人が巨大化した時には強力なXチャンネル光波を東京タワーから発射した。約2億年前に地球を支配していた海底原人・ラゴンが出現した際にはコミュニケーションを取ろうと努力した。我が物顔で暴れる怪獣や宇宙人たちに美しい地球が破壊されることを許せなかったから人間たちは戦った。だが怪獣たちは次第に人間の力では倒せない程の強い力を持つようになって行った。そこでゾフィーは宇宙警備隊の隊長としてウルトラマンを地球へ派遣することをしたのだ。

屋台的映画館

ウルトラマン 怪獣大決戦

  • posted at:2015-07-21
  • written by:砂月(すなつき)
うるとらまんかいじゅうだいけっせん
円谷プロダクション
配給:富士映画
製作年:1979年
公開日:1979年7月21日 併映「ウルトラマンレオ かなしみのさすらい怪獣」
監督:宍倉徳子
製作:円谷皐
総編集:浦岡敬一
音楽:宮内國郎 冬木透
構成:若槻文三
プロデューサー補:福井顕
製作協力:円谷エンタープライズ 円谷音楽出版 玉川静
シリーズ監督:飯島敏宏 円谷一
監修:円谷英二
プロデューサー:三輪俊道 樋口祐三 市川利明 末安昌美
脚本:金城哲夫 上原正三 千束北男 山田正弘 若槻文三
撮影:福沢康道 内海正治 
照明:山口偉治 高島利雄 牛場賢二
美術:岩崎致躬 山口修 小川富美夫
効果:西本定正 伊藤克己
編集:近藤久 柳川義博 兼子玲子
助監督:吉高勝之 鈴木俊継 中島俊彦
製作担当:熊谷健 上村宏 守田康司 坂本至徳
特撮スタッフ・撮影:佐川和夫 鈴木清
特撮スタッフ・照明:原勲 小林哲也
美術:成田亨 深田達郎
助監督:大木淳 山本正孝
視覚効果:中野稔
タイトル:兵頭文造
操演:沼里貞重 上松盛明
録音所:キヌタ・ラボラトリー アオイスタジオ
録音:堀内戦治
現像所:東京現像
主題歌:「ウルトラ・愛の鐘」水木一郎 コロムビアゆりかご会
・・・:「ウルトラマン物語」水木一郎 コロムビアゆりかご会
特殊技術:高野宏一 的場徹
出演:小林昭二 黒部進 毒蝮三太夫 二瓶正也 桜井浩子
スタンダード カラー 100分

300万光年の彼方にあるM78星雲。そこには全宇宙の平和を守る勇士たちの星、ウルトラの星が燦然と光輝いていた。長老・ウルトラマンキングの宇宙の正義を象徴するサインを受け、ウルトラの勇士たちはかつてウルトラの国が恐るべき宇宙怪獣軍団との戦いに勝ったことを記念して建てられたウルトラタワーの前に集まった。ウルトラの父、ウルトラの母、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンエース、獅子座L77星からやってきたウルトラマンレオとアストラの兄弟、ゾフィー、U40星出身のウルトラマンジョーニアス、そしてウルトラマンの12人は宇宙の正義を守るために、宇宙の平和を破る敵を倒すために今日も戦い続けるのだ。美しい緑の惑星・地球に今、危機が迫っている。地球の平和を守るために命を懸けて戦う勇士に選ばれたのはウルトラマンだった。ウルトラマンは科学特捜隊のハヤタ隊員の体を借りて地球の危機に立ち向かった。

火山噴火のために無人島となっていた多々良島。2年半ぶりに定点観測所を再開することになり、4人の先発隊が島に向かうことになった。それから1週間が過ぎても先発隊からは何の連絡もなかった。更に3日が経っても音沙汰がないことから、気象庁は島に何らかの事故が起こったと見て科学特捜隊に測候所員の救出を要請した。科学特捜隊はジェットビートルで多々良島へ向かうが、そこで繰り広げられていたのはどくろ怪獣レッドキングと有翼怪獣チャンドラーによる死闘だった。ムラマツキャップは怪獣退治よりも人命救助を優先せよと隊員たちに命じジェットビートルは測候所の傍に着陸した。測候所は無残に破壊されており室内には人気がなかった。ハヤタ隊員たちがそのことを報告すると、ムラマツは島に点在するジャングルや天然の洞穴に逃げ込んでいるかも知れないと言った。アラシ、イデ、フジの3隊員が西のジャングル地帯を、ムラマツとハヤタが東側の溶岩地帯を捜索することになった。アラシたちは生活用具が散乱している場所を見つけその先で河田所員の物と思われる血のついた制服を拾った。イデはムラマツに無線で報告しようとするが妨害電波に阻まれた。フジはきれいな花を見つけて駆け寄るが、彼女の背後に巨大な吸血植物が迫った。

屋台的映画館

ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団

  • posted at:2015-03-26
  • written by:砂月(すなつき)
うるとらろくきょうだいたいかいじゅうぐんだん
シャイヨー・フィルム=円谷プロ
配給:富士映画
製作年:1974年
公開日:1979年3月17日
監督:東條昭平
企画:円谷皐
制作:円谷皐
プロデューサー:ソンポート・シングデァンチャイ 伊藤久夫
脚本:若槻文三
音楽:冬木透
撮影:町田敏行
照明:佐山五郎
美術:大沢哲三
録音:中里勝範
編集:柳川義博 小林熙昌
効果:小川勝男
記録:堀ヨシ子
助監督:中島俊彦
選曲:水谷忠信
プロデューサー補:福井顕
制作主任:川口秀雄
主題歌:「ぼくらのウルトラマン」佐々木いさお
現像:東京現像所
録音:プロセンスタジオ
特撮スタッフ・撮影:佐藤貞夫
特撮スタッフ・照明:鎌田靖男
特撮スタッフ・美術:島崎堯司
特撮スタッフ・視覚効果:中野稔
特撮スタッフ・操演:平鍋功
特撮スタッフ・助監督:関武己
特撮スタッフ・制作主任:大橋和男
特殊技術:佐川和夫
出演:KO KAEODUENDEE ANAN PRICHA YOODCHAI MAEKSUWAN PAWANA CHANACHIT SRIPOUK
アメリカンビスタ カラー 80分

太陽系宇宙の中心で制止していた太陽はある日突然活動を活発化させ、燃え盛る炎の車となって地球に接近し始めた。灼熱の太陽は地を焦がし水を奪い動物たちの命までをも奪い始めた。水飢饉に苦しむタイ王国の村では子供たちの雨乞いの踊りが始まった。伝説の白猿・ハヌマーンの面を被って踊る少年・コチャンは遺跡に駆け上がると「雨雲よ、雨を降らせておくれ!」と天に向かって叫んだ。同じ頃、ドーナ第7ロケット基地ではヴィルット博士が人工雨の実験の準備を進めていた。それは今までの様にヨウ化銀やドライアイスを散布するのではなくロケットを上空で爆破させて雨を降らせる方法だった。最初の実験の成功が確認出来れば順次打ち上げる計画になっていた。助手のマリサーは仏様の力を忘れてはいけないと忠告するが、科学絶対主義のヴィルットは科学こそ現代のハヌマーンだと反論した。ハヌマーンとは太古の昔からタイの平和を守ってきた伝説の英雄だった。

村の子供たちと一緒に踊るコチャンだったが、見知らぬ男たちが遺跡に近づいているのを不審に思い後をつけた。彼らは仏像泥棒だった。コチャンは近道をして逃げる車にしがみついたが、銃弾を受けて命を落とした。その様子を仏像の目を通して見ていたM78星雲に住むウルトラの母とウルトラ6兄弟は、ブッダを敬い勇気ある行動を取ったコチャンの亡骸を運ぶとハヌマーンの魂を与え、英雄ハヌマーンとして地球に送り戻したのだった。コチャンの親友のアナンは空飛ぶハヌマーンを彼だと確信し後を追ったが熱射病で倒れた。

仏像泥棒が車を走らせていると道路の真ん中にコチャンが立っていた。恐ろしくなった男たちは彼に向けて銃を撃つがコチャンはビクともしなかった。やがてハヌマーンとなり巨大化すると慌てて逃げ出す男たちを成敗し盗んだ仏像の首を元に戻した。そして倒れたアナンの傍に駆け寄ると涼しい日陰に連れて行った。ハヌマーンは太陽を活発化させた太陽神スーリヤと会い、地球の現状を説明すると納得した彼は地球から太陽を遠ざけた。地上に戻ったハヌマーンはサッパーヤ山の頂に咲くサンユラニトリチャワーの花を摘み花汁をアナンにかけた。コチャンはハヌマーンとして生きることを決意し元気を取り戻したアナンに別れを告げた。

屋台的映画館

うた魂

  • posted at:2012-04-05
  • written by:砂月(すなつき)
うたたま
「うた魂」製作委員会(日活=文化放送=朝日新聞社)
配給:日活
製作年:2008年
公開日:2008年4月5日
監督:田中誠
製作:佐藤直樹
製作代表:小餅憲一 後藤尚雄
エクゼクティブプロデューサー:馬場清
プロデューサー:有重陽一 野間清恵 川上竜生
アソシエイトプロデューサー:山本章
脚本:栗原裕光 田中誠
撮影監督:鈴木一博
音楽:林祐介
音楽プロデューサー:和田亨
主題歌:「青い鳥」ゴスペラーズ
美術:新田隆之
録音:岩倉雅之
編集:大永昌弘
装飾:松田光畝
キャスティング:おおずさわこ
スクリプター:田口良子
助監督:野本史生
製作担当:大沢忠生
製作プロダクション:日活撮影所
出演:夏帆 ゴリ 徳永えり 亜希子 薬師丸ひろ子
アメリカンビスタ カラー 120分

北海道・函館の七浜高校に通う2年B組の荻野かすみは、合唱部に所属しソプラノパートリーダーを務めている。彼女は自分が歌う姿と声に心底惚れ込んでいたが、それと同じくらい好きだったのがイケメン生徒会長の牧村純一だった。純一から放課後に校舎の屋上で会えないかと言われたかすみは、それが彼からの告白だと信じて疑わなかった。受験勉強のために三年生が引退した合唱部では、アルトパートリーダーの松本楓が部長に、ピアノ伴奏担当の野村ミズキが副部長に就任することになった。新体制での練習が始まったが、思った以上に時間が延びてしまい、純一のことを心配したかすみは早めに切り上げて屋上へ向かった。ところが純一の話は告白ではなかった。数日後に行われる合唱コンクールの北海道予選壮行会で歌うかすみの写真が撮りたいというのだ。落胆するかすみだったが、遠まわしな告白かもしれないと解釈した彼女は一瞬にして立ち直った。かすみの頭の中では、歌っているあたし=美しいもの=美への賛美=あたしへの愛情表現となっていた。

一学期の終了日で壮行会当日、かすみは感情豊かに歌い上げ、純一はその表情を激写した。純一に呼び出されたかすみは、写真を受け取り思わずつぶやいた。うそ、あたし歌ってるときこんな顔してるの?。純一からは産卵中のシャケみたいな顔でユーモラスじゃんと笑われ、さらに生徒会新聞・七浜タイムスに写真が載ったことで歌唱中の顔を知らないのは自分だけだということがわかりショックを受けた。激怒したかすみはD組に乗り込み、純一に張り手を食らわせた。コンクールの予選は一ヵ月後に迫っていたが、鏡に映る自分の表情が気になり練習に集中出来なくなっていた。彼女は練習を途中で抜け出して帰宅しようとしていたが、純一に思いを寄せる青柳レナからも追い討ちを掛けられ自信を失った。夏休みに入ったがかすみは練習に参加しようとはしなかった。一週間経ったある日、登校した彼女は合唱部の顧問で産休代員の瀬沼裕子に退部を申し出た。相談を受けた裕子は、自分の人生なのだから辞めたいなら辞めるのもありかなとあっさり承諾した。その条件として明日行われる七浜七夕祭りの合唱祭に出場し、部員たちに自分の口で説明するように言った。

ラストステージは必要だという裕子の言葉を受けたかすみは、気持ちの整理がつかないまま合唱祭に出場することになった。しかし本番になっても彼女の表情は冴えず、下を向いてばかりだった。かすみを心配した楓とミズキは、カッコ悪いからもう人前で歌いたくないという彼女の言葉を聞いてショックを受けた。放っておいて欲しいと逃げるかすみとそれを追いかける楓たちは、突如ヤンキーたちに取り囲まれた。彼らは湯の川学院高校の合唱部だった。部長の権藤洋は七浜高校のパフォーマンスに賛辞を贈ったが、正直負ける気がしねえんだよ、オーディエンスのハートをわしづかみに出来るのは俺たちの方なんだよと吼えた。そして去り際にかすみを指差した権藤は、あんな歌い方は歌への冒涜だと言った。ステージに立った湯の川学院は尾崎豊の「15の夜」を熱くソウルフルに歌い上げ、かすみはその迫力に心を揺り動かされていた。彼らは気持ちが入らなければ歌やオーディエンスに失礼だという理由で心から共感できる歌しか歌わなかった。合唱を終えた権藤は、かすみを海岸に連れて行くと歌に一番大切なものは何かと尋ねた。彼女は正しい音程や発声方法だと答えたが、権藤はそんなテクニカルなことではなく、「フルチン」の心になって声を出せと言った。

屋台的映画館

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